浜辺美波が主演するドラマ「ドクターホワイト」が2022年1月17日放映スタートした。
樹林伸の小説を原作とする本作は、浜辺演じる豊富な医療知識を持つ正体不明の女性・雪村白夜が、現役医師の誤診を正していく医療ミステリー。共演は柄本佑、瀧本美織、岡崎紗絵、片桐仁、高橋努、高橋光臣、勝地涼、宮田俊哉(Kis-My-Ft2)ら。
本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「ドクターホワイト」第1話レビュー
ジョギング中の猪岡将貴の前にフラリと現れたのは、白衣を着た女性。しかし、彼女は裸足で……という、印象的なシーンから始まった第1話。
目の前で裸足+白衣の女性が倒れたら、警察か病院に電話しそうなものだが、将貴はジャーナリストで、幼馴染の高森麻里亜は高森総合病院の内科医。そのまま高森総合病院に運び込まれることになる。
女性は全ての記憶を失い、社会性も感情もない。白夜と名乗るが苗字は分からない。何も分からない、知らない。ただ天才的な診断能力だけは持っており、医師たちに向かって「それ、誤診です」と突き付ける。
行く場所がない白夜は将貴の家で世話になることに。一緒に暮らしている将貴の妹・晴汝の明るくポジティブな性格のおかげもあって、白夜は戸惑いながらも楽しげな様子を見せる。が、外出先で晴汝が倒れてしまう。彼女は頭に脳動脈瘤を抱えていたのだ。
搬送先の高森総合病院では、主治医の仙道を始め、緊急の手術を提言。しかしそこでストップをかけたのが白夜だった。
記憶喪失なのに、診断能力だけはある。当然、周りも最初は好奇心はかきたてられるが、実際の現場に飛び込んでこられたら、医師にとっては厄介な存在でしかない。
そもそも自分の診断を誤診などと言われたら、信用に関わる。
更に感情もないので、相手の顔色を気にせず言いたいことをズバリと言ってしまう。真っ白で、ピュアな人間は怖いモノなしだ。晴汝の病状を分析したときも、白夜は将貴を怒らせる。
両親を交通事故で亡くして2人で暮らしてきた猪岡兄妹。兄である将貴は妹を守ると決めて生きてきたのに、バッサリと「助からない」と言われたらそりゃあ怒るだろう。
でも、感情的になり切れないのが将貴という人間なのかもしれない。現状で助からないのも、自分が何もできないのもわかっている。が、普通なら、現実を見ないフリして白夜に怒りをぶつけるだろう。それを将貴は寸でのところでグッと堪える。それだけで、冷静さと、器の大きさを持っている人間なんだということがわかる。
途中、将貴がパニック状態になった晴汝を抱きしめるシーンがある。鎮静剤でも抑えきれなかったのに、その抱擁で晴汝がスーッと落ち着いていく。それを見た白夜が言った「(晴汝にとって)あなたは即効性のある鎮静剤です」という。この一言に、将貴のキャラクターが凝縮されているのがわかる(は~~~それにしても包容力のある役を演じる柄本佑さん最高!!)
将貴を筆頭に、それぞれのキャラクター性がとても分かりやすく表現されているのが良い。将貴の同級生で捜査二課の刑事・奥村の優秀だけれどいい人で不器用そうなところとか、精神科医の西島や、研修医・佐久間の立ち位置とか……。余計なストレスがなく、1話から話に入り込めた。
……が、謎もいくつか明示されている。
白夜の正体はもちろんのこと、失踪中の真里亜の兄・高森勇気の目的は?
院長の座を狙う外科部長・真壁の行動も気になるところ。
第2話では、白夜を見た高森総合病院の院長・高森巌によって、診断に特化した協議チームCDTの立ち上げられる。さまざまな誤診が斬っていく中で、白夜の謎はどのように明かされるのだろうか。
(文:ふくだりょうこ)
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–{「ドクターホワイト」第1話ストーリー}–
「ドクターホワイト」第1話ストーリー
医療ジャーナリストの狩岡将貴(柄本佑)は、ある朝、日課のランニング中に、公園で倒れている女性(浜辺美波)を見つける。透き通るような肌と整った顔立ちを持つその女性は、素肌にたった一枚、白衣だけを身に着けていた。
幼なじみの内科医・高森麻里亜(瀧本美織)に助けを求め病院へ運び込むと、目を覚ました女性は自らを「白夜」と名乗り、検査結果を見ずに将貴の不調の理由を言い当てたり、急患に対する外科の診断を「誤診です」と指摘する。その口ぶりはまるで医療関係者のようだったが、驚異的な医学知識とは裏腹に、白夜はそれ以外の記憶をすべて失っていた。そんな謎めいた白夜の存在は、麻里亜の父で院長の高森巌(石坂浩二)の失脚をもくろむ外科部長・真壁仁(小手伸也)の目にもとまる。
将貴は、友人で刑事の奥村淳平(宮田俊哉)に白夜の素性を調べてくれるよう頼み、行く当てのない白夜をひとまず自宅へと連れて帰る。事故で両親を亡くし、将貴と2人暮らしをしている妹の晴汝(岡崎紗絵)は、記憶を失い、一般常識すら持ち合わせていない白夜を歓迎し、何かと世話を焼く。
翌日、買い物に出かけた先で、白夜は見るものすべてに興味を示すが、突然、体調が急変する人を目の当たりにする。搬送された高森総合病院で、白夜は医師たち相手に驚きの行動に出る!
–{「ドクターホワイト」作品情報}–
「ドクターホワイト」作品情報
「それ、誤診です!!」
社会性が皆無にも関わらず、天才的な診断能力を持ち、現役医師の誤診を正す——
自らの名を「白夜」と告げ、素肌にたった一枚、白衣をまとって現れたナゾの女性。
彼女はいったい何者なのか———
“総合診断協議チーム”(通称CDT)———
患者の症状から正しい病名を協議の上で判別する、いわば“診断専門チーム”。
内科医、皮膚科医、脳神経外科医、精神科医など、
各科を横断し、知識を集結させたCDT。
精鋭を集めるはずが…その実態は、個性的でクセ強めな“はみ出し者”たち!?
白夜は、そんな風変わりな医師たちと共に、
難しい症状でも病名を確定させて患者の命を救っていく。
謎だらけの女性と“クセ者医師たち”が織りなす、クスっと笑える
会話劇&痛快でスカッとする一話完結の医療ドラマ!
純真無垢、感情のない白夜は、徐々に社会性や喜怒哀楽を覚えていく…。
次第に明らかになる、彼女の秘められた過去とは———?
放送日時
2022年1月17日スタート
毎週月曜22:00~ ※初回15分拡大
出演
浜辺美波/柄本佑/瀧本美織/岡崎紗絵/片桐仁/高橋努/高橋文哉/勝地涼/宮田俊哉(Kis-My-Ft2)/毎熊克哉/小手伸也/石坂浩二
原作
樹林 伸
『ドクター・ホワイト千里眼のカルテ』(角川文庫)
『ドクター・ホワイト神の診断』(角川文庫)
脚本
小峯裕之
音楽
福廣秀一朗
主題歌
Ado「心という名の不可解」
作詞作編曲 まふまふ(ユニバーサル ミュージック)
プロデューサー
河西秀幸
小林 宙
演出
城宝秀則
河野圭太
北坊信一
制作
カンテレ
共同テレビ