後世に語り継ぎたい2021年のボーイズグループのライブ&パフォーマンス10選

デフォルト

物心ついた頃から、数多くの男性アイドル、ボーイズグループを推してきた私にとって、2021年はとてつもなく楽しい1年だった。

デビューしたグループもあれば、活動に幕を降ろしたグループもあり、新たな決意を見せたメンバーがいれば、別の道を選んだメンバーもいる。

世間かアイドル・男性グループと一括りにされてしまいがちだけど、そこにはグループの数だけストーリーがあった。

かれこれ2021年だけで30本近くの現場(ライブやイベント)に参戦、もしくはオンライン配信をリアタイした筆者。

今回は、その中でも特に心に残っている10のライブ&パフォーマンスを紹介しよう。

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1:手探りを感じさせなかったSixTONES「OneST」

思えば1年前、2020年の12月は、世間のエンタテインメントへの風当たりが今以上に厳しかったように思える。毎年恒例となっていた東京ドームでの「ジャニーズ カウントダウンコンサート」が中止となるくらい、主催者側も開催方法について手探りだった。

そんな中、行なわれたSixTONES初のアルバム「1ST」を提げての全国ツアー「OneST」。

1月4日から4日間行なわれる予定だった横浜アリーナ公演は配信ライブに切り替わり、その後のツアーも大半が延期に。振替公演を決行し、本来の予定から3ヶ月後に無事完走できた。

相変わらず序盤から6人中6人がサングラスをかけて登場する、他のアイドルにはなかなかない演出は健在。ユニット曲は従来よりも距離を取ったセットで行なわれるなど、コロナ禍における多少の演出変更は強いられていたが、それもそれで彼らの見せ方の1つとしていた。

また、観客がいようといまいと構わない。声を出せない状況だろうと、しっかりと会場のボルテージを上げようと煽ってみせる、SixTONESは最高にかっこよかった。

ゴリゴリにかっこいい曲で会場全体を盛り上げ、今っぽいチルなメロディでぐっと引き寄せるセットリストの構成も抜群。

いついかなるときも圧倒的であり、手が届かない存在だからこそ、距離なんて感じさせない。そんな彼らにこれからもついていきたいと感じた。

2:永遠なんてないと実感した岡本圭人のラストライブ

海外留学を理由に2018年9月から活動休止していたHey!Say!JUMPの岡本圭人が、グループから脱退するのを発表したのは4月5日のこと。そこから約1週間後、4月11日に行なわれた配信ライブ「Fab! -Live speaks.-」の最終日に、ファンクラブ会員のみが見れる粋な計らいのもと岡本圭人は登場した。

3年ぶりに見る岡本は、良い意味で当時と変わらない柔らかな印象だった。その一方、堂々たる姿で歌い、当時よりもスキルアップしたダンスはファンを驚かせ、Twitterでトレンド入りを果たした。

最後の最後に披露した「H.our Time」は号泣もの。実はこの曲、10周年の記念にメンバー全員で作った詞に、岡本が曲をつけたもの。歌詞は10年間歩んできた彼らの思いが詰まった内容であるため、このシチュエーションで聞く「ずっとずっとこの仲間で」というパートが、本音を言うとすごく苦しかった。

アイドルに対してファンができることは、応援できるうちに応援することだけ。そんなことを考えながら終演後、パソコンの前でぼーっとしたのを覚えている。

その一方で、「これが最後です!最後に9人でのパフォーマンスを見せます」と決断してくれたことに対しては感謝したい。これまで「あれが最後の姿だったのか…」ということを、後から知る経験を何度もしてきた人なら、この気持ちをわかってくれることだろう。

3:輝かしいだけじゃない!なにわ男子の泥臭さを感じたデビュー発表

今、最も勢いがある男性アイドルと問われ、なにわ男子と答える人も多いことだろう。

キラキラとした王道アイドルのように見える彼らだが、結成したのは2018年9月のこと。

気づけばジャニーズJr.内のグループとして約3年間活動しており、全国アリーナツアー「なにわ男子 First Arena Tour 2021 #なにわ男子しか勝たん」も、その活動の一環に過ぎなかった。

そんなツアー中、7月28日、なにわの日に行なわれた横浜アリーナ昼公演で彼らはCDデビューを知らされた。スクリーンに映し出された「CDデビュー決定!」の文字に、涙を浮かべる7人。

その涙は、輝かしいイメージの裏に隠された彼らの努力と苦しさを感じさせた。

事務所を入所してから10年を超えるメンバー、関西ジャニーズJr.内のメンバーの流動が激しく、グループがないまま活動した期間が長かったこと。

グループとはいえども、永遠ではないジャニーズJr.であり続けることは決して楽ではない。デビューすることで、より一緒にいられることが強固になった喜びを、彼らが口々に語ったのが印象的だった。

ぜひ、彼らが結成してからデビューするまでのことについては、アマゾンプライムビデオで配信中の『なにわ男子 デビューまで1100日のキセキ natural』を見てほしい。

–{4:結成歴7年!M!LKがメジャーデビュー発表したZeppツアー}–

4:結成歴7年!M!LKがメジャーデビュー発表したZeppツアー

デビューにより結びつきを強めたのは、なにわ男子だけではない。

スターダストプロモーション所属の5人組ボーカルダンスユニットM!LKもそうだ。

M!LKは、2014年に結成されたEBiDANのグループの1つ。メンバーの卒業や新メンバー加入などを経た後、2020年1月に今の5人組体制になった。

しかし、現体制になってからも順風満帆とは言えなかった。新型コロナウィルスの影響でライブ活動が思うようにできなくなってしまい、もどかしい期間が続いたのだが、そんな中でも、前向きに配信ライブやYouTube配信などでファンを楽しませていた印象だ。

そんな彼らがメジャーデビューを発表したのは、Zeppツアー『M!LK BEST L!VE TOUR ~Thank you for your smile~』のファイナルのアンコールでのこと。リーダーの吉田仁人が「ここでみなさんに見ていただきたい映像があります」との合図で流した映像で報告し、その後の挨拶では佐野勇人らメンバーが号泣しながら、決意を話した。

メジャーデビュー曲「Ribbon」は、そんな彼らの7年間の感謝とこれからへの決意が詰まった1曲。同事務所のDISH//が2021年、結成10周年にして、初の紅白出場を決めたこともあるので、今後のM!LKの活動にもさらに期待したい。

5:強さを増した7MEN侍「サマステ★ライブ THE FUTURE」

現場漬けだった筆者にとって、2年ぶりとなったリアルライブは、六本木EXシアターで行なわれた7MEN侍の「サマステ★ライブ THE FUTURE」だった。

まず、率直に久しぶりに見える彼らは、めちゃくちゃ強くなっていた。

前回、彼らを生で見たのは、SixTONES、SnowManのデビューが発表された東京ドームでの「ジャニーズJr.祭り 8.8」でのこと。タッキー&翼の「SAMURAI」を楽器をぶん回しながらパフォーマンスする彼らを見て「なんだ、この子たち!」と沼落ちした日だった。

2年ぶりの彼らは楽器のスキルをガンガンにアップさせ、オリジナル曲でぶちかまし、先輩曲を自分たちなりの解釈で見せていた(特にSixTONESのうやむやと、King & Princeのシンデレラボーイがめちゃくちゃによかった)。

ファンも他のジャニーズのライブではなかなか見ないようなノリをしている人が多く、なんとなくバンドのライブを見に来た気分になった。

そんなライブの最後に、メンバーの中村嶺亜が言った言葉が、今でも私の胸に残っている。

「向いてるよって言われたことよりも、やりたいことをやりたい。似合う服よりも着たい服で勝負したいみたいな。そんな6人だから、遠回りになっちゃうかもしれない…」

この言葉こそが、彼らが強さを増した理由だろう。

「上等だよ。ついていってやるんだ」

彼らによって心を動かされた、私もそう決意したのだった。

6:プデュ2の練習生としてのラストパフォーマンス「レミフラ」

さて、私が2021年最高に熱を上げていたINIの話をさせてほしい。

INIとは、日本最大級のオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」(以下、プデュ2)から誕生した11人組グローバルボーイズグループのこと。彼らの歴史を語る上で、欠かすことのできない曲がある。それが「Let Me Fly ~その未来へ~」、通称レミフラだ。

初めて公開されたレミフラは、オンタクト能力評価で選抜された60名によるものだったのだが、この時の立ち位置は、彼らが本格的なレッスンを受ける前のスキルで分けられたクラスに基づいたもの。

そのセンターは、現在INIでセンターを務める木村柾哉が任されている。一方、同グループで活躍している佐野雄大が、1番評価が低いFクラスの評価を受けたのもこの時だった。

前置きが長くなったが、そこから数ヶ月後、デビューメンバーが決まる最終回で披露されたスペシャルステージ「Let Me Fly ~その未来へ~」が最高だった。

この後、デビューメンバーに選ばれるか、否かの未来を前にしている中で笑顔で踊る姿。

最初の頃よりも確実にパワーアップしている個人のスキル。ずっと2位をマークしていた田島将吾が最終回直前に1位を獲得したことでセンターを務めていること。

どこを切り取っても最高すぎて、放送日は頭が痛くなるまで泣いたものだ。

–{6:プデュ2の練習生としてのラストパフォーマンス「レミフラ」}–

7:エモの連続「INI 1ST FAN MEETING」

そんなINIのファーストファンミーティングは、エモの連続だった。

まず、2日間に渡って行なわれたファンミーティングで、セトリの構成を真逆にしてきた彼ら。さらには最終回デビュー評価で2組に分けて披露した「ONE」と「RUNWAY」をINIバージョンとして披露。

「どうしよう最高すぎる…」「この曲を経て、みんなデビューしてくれたんだね」「あ、そこのパートを歌っていたのは仲良しだった◯◯くん。きっと喜んでいるかな」「改めて聞くと、歌詞最高だね」心の中から溢れ出てくる言葉が止まらないどころか、記者席で静かに涙を流して初日のパフォーマンスをしっかり見ることができなかったのを覚えている。

また、メンバーからの熱い挨拶も忘れられない。INIになる以前有名アーティストのバックダンサーとして経験を積んでいた西洸人が泣きながら挨拶する姿を見て好き度がました人もいることだろう。

今現在、本編を見ることはできないが、この日の映像はDVDとして発売予定とのこと。(早く発売されないかな〜)

8:世界を揺るがすBE:FIRST初の有観客ライブ「SUPERSONIC 2021」

2021年、日本中を熱狂させたオーディション番組を語るのなら、SKY-HI主催のボーイズグループオーディション「THE FIRST」も忘れちゃいけない。

「THE FIRST」はオーディションの様子を日本テレビ系「スッキリ」で、定期的に放送。SKY-HI自らが自腹で1億円以上を投じたボーイズグループ発掘オーディションということもあり、その注目度は非常に高く、幅広い層から注目を集めていた。

そんな「THE FIRST」から生まれたのが、7人組ボーイズグループがBE:FIRSTだ。

すでにワンマンライブを開催し、音楽フェスへの出演も見受けられる彼ら。その初ステージは、2021年9月18日にZOZO MARINE STADIUMにて行われた音楽フェス「SUPERSONIC 2021」だった。

この日、ステージで披露されたのは、オーディションの最終審査での課題曲であり、彼らのプレデビュー曲でもある「Shining One」。

この日までに何度も繰り返し聴いた楽曲だったが、オーディション中のパフォーマンスやミュージックビデオ以上に、それぞれが魅せるべきところでアピールし、ステージを楽しむ姿が印象的だったように思える。

また、その堂々たる姿勢は、初めて人前に立つとは思えないもの。彼らがステージに登場するまでの時間、ファンが抱いていた緊張感をさわやかに払拭してくれた。

8月13日に結成メンバーが発表されて以降、YouTubeでのパフォーマンス動画の中には1000万回再生を超えるものも多い彼ら。来年以降、さらに世界を揺るがす存在になっていくことに期待を寄せたい。

9:新体制w-inds.がオンラインショーで見せてくれた20周年の軌跡

2021年デビューから20周年を迎えたw-inds.によるOnline Show『20XX”THE MUSEUM”』は、ぜひ多くの人に見てほしいショーの1つだ。

2020年に2人体制になったw-inds.にとって初のライブでもあった、同配信ショー。2人体制になってからの楽曲「Beautiful Now」で、新しい時代への希望を見せてくれた彼らだが、2人でオンラインショーをすることには、少しだけ不安があったのも事実だ。

それは2人だと心許ないからではなく、20年間、ただ単純に3人でw-inds.であることを当たり前だと思っていたからだ。

しかし、ショーを見終えたころ、その不安はどこかへと消えてしまった。20年間の歴史を最新曲からデビュー曲まで振り返るセットリスト。時折出てくるCDジャケットのビジュアル。彼らが歩んできた20年間を、美術館(MUSEUM)を、ゆっくりと見て回っているかのような感覚で吸収できる内容だった。

そして、そこにはたしかにw-inds.がいた。さみしさなんてない。これからもw-inds.を応援し続けられることへの感謝でいっぱいだ。

そして、20年間いつ見てもかっこいいを更新し続けてきた彼らのこれからが、今までと同じくらい楽しくキラキラしたもののように感じた。

–{10:見る人の心に思い出を刻んだ「LIVE TOUR V6 groove」}–

10:見る人の心に思い出を刻んだ「LIVE TOUR V6 groove」

最後に紹介するのは、11月1日(月)に幕張メッセで行われた「LIVE TOUR V6 groove」の最終公演。見逃し配信なしで配信されたこのライブを最後に、V6は26年間の歴史に幕を閉じた。

思えば、思い出の中にはいつだってV6がいた。

幼少期から習っていたダンスで目標としていたのはV6だったし、小学生の頃の話題の中心は「学校へ行こう!」だった。

ライブに行くことはなくとも、ジャニーズJr.がカバーする曲を聴き続けてきたから、彼らの曲はいつだって最新曲であり、懐かしい曲として風化させてはいなかった。

私がそう感じたように、きっと見た人それぞれがV6との思い出を思い返しながら見たことだろう。

正直、私は、未だに解散したことを実感していない。年末の音楽番組を見ていたら、しれっとでてくるのではないだろうかと思っている。

そして、25年も前の曲を含めて、いつの時代も安定的に歌って踊れるV6は、最高にかっこいい。そして、一部のファンだけでなく、見たい人全員がアクセスできる配信技術が発達した世の中で本当によかった。

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2021年の勢いのまま、2022年へ

「例年通り」なんて言葉が通用しなかった2021年。

良いことばかりではなかったが、変化の中で男性アイドル・ボーイズグループ市場全体が、世間から注目を集めたのは事実である。ここには載せ切らなかったがTikTokなどのSNSを中心に大バズりを見せた男性アイドルも複数いた。

市場全体が勢いづいた2021年。この勢いを持ったまま2022年、新たな話題が豊富に生まれることを期待したい。

(文:於ありさ)

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