2021年、cinemas PLUS編集長が選ぶ<ドラマ満足度ランキング ベスト10>

国内ドラマ

cinemas PLUS編集長の柳下です。

2021年もあとわずか!今年も数多くの映画やドラマを楽しむことができまして、例年通り「個人的なお祭りとして」ドラマ満足度ランキングを僭越ながら発表させて頂きます!

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もちろん、この他にも素晴らしい作品はたくさんございました。今回のランキングは「満足度ランキング」としている通りで作品の批評的なランキングではございません。私自身の感覚的な好みや境遇や歩みから琴線に触れた作品のランキングです。

「自分と同じ!」「えー!それが上位なの!?」なんて一喜一憂しながらお気軽にお楽しみください。

第10位:ウチの娘は、彼氏が出来ない‼

ストーリー概要

“恋愛小説家”・水無瀬碧(菅野美穂)の心配事は、二次元オタクの娘・空(浜辺美波)に浮いた話がまるでないこと。ある日、渾身の初ミステリーの連載打ち切りを言い渡された碧は、起死回生の一手に久々の恋愛小説を発注される。しかし華やかな表の顔とは裏腹に、母ひとり子ひとり、シングルマザーとして空を育ててきた碧は恋愛から遠ざかってきた自分に自信をなくしていた…。そんな中、母娘を揺るがす“運命的出会い”が訪れる。

本作の良かったところ

この作品はタイトルの「彼氏ができない娘」=浜辺美波さんということで、「いや、浜辺美波ならできるだろ!」とドラマ発表時から突っ込まれた作品でした。

しかし、蓋を空けたら「家族の繋がり」の話で、その延長に少し恋模様も描かれる素敵ドラマとなっていました。

「家族の繋がり」は血縁的な家族に留まらず、血縁的ではない家族や日々の生活に欠かせない仲間たちも含めた「家族の繋がり」。コロナ禍で物理的に距離感が生まれてしまった時代だからこそ、より心に響く温かな物語として鑑賞することができました。

>>>【関連記事】「ウチの娘は、彼氏が出来ない‼」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

第9位:ドラゴン桜

ストーリー概要

低偏差値で落ちこぼれの生徒たちを たった半年で東大に合格させた伝説の弁護士・桜木建二が 桜前線と共に4月の日曜劇場にいよいよ戻ってくる!! 16年の時を経て、令和の時代に桜木は新世代の生徒を再び導けるのか!?

本作の良かったところ

前回の「ドラゴン桜」はおぼろげな記憶レベルであったのが正直なところで、もう35歳という年齢(放送時は34歳)なので受験ドラマにハマれるか不安がありました。でも「半沢直樹」も放送された日曜劇場枠ということでまずは見てみることに。

そしたら、「半沢直樹」でした(笑)それもそのはず、演出が「半沢直樹」と同じ福澤克雄さんだから。

痛快な大人同士の争いも含みながら、それとコントラストになる生徒たちの受験への熱き戦い。これがたまりませんでした。クライマックスの桜木から生徒たちへのエールには思わず涙。いつだって人間は青春に戻れると感じた素敵ドラマでした。

>>>【関連記事】「ドラゴン桜」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

第8位:恋です!ヤンキー君と白杖ガール

ストーリー概要

光と色がぼんやりわかる程度の弱視の盲学校生ユキコと、 喧嘩っ早いけど純粋な不良少年の森生(もりお)。 ある日出会ってしまった運命の二人! 笑って泣けて時々ハッとする、新世代ラブコメディーの幕開けです!

本作の良かったところ

杉咲花さんが自分の娘か妹かって意味合いで可愛くて仕方ないので、それも目的で鑑賞することに。そしたらまさかの杉野遥亮さんがめっちゃ可愛いという(笑)

あーでもないこーでもないと語れるラブコメでありながら、視覚障害者への理解を健常者へ訴求する力も持ったとても意義あるドラマに仕上がっていました。

そしてラブコメというのは何かしらの幸せというか、ハッピーエンドを望むもの。その満足感もしっかりと得ることができて「良かったー!!」という語彙力0の感想を思わず吐露してしまうほど。逆にそれくらい良かったドラマでした。

>>>【関連記事】「恋です!ヤンキー君と白杖ガール」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

第7位:ドクターX 外科医・大門未知子

ストーリー概要

100年に1度のパンデミックによって世界中で医療崩壊が起こる中、新局面を迎えた日本最高峰の大学病院「東帝大学病院」――。「東帝大」は今や感染治療と内科を最優先し、不要不急の外科手術は延期する方針を採用。かつて花形だった外科は別棟の分院へ追いやられ、メスを使わない「ケミカルサージェリー」を推進する内科が台頭の兆しを見せていた。そんな感染危機と新たな権力が渦巻く「東帝大」に舞い戻った未知子は、まるで戦場のように疲弊しきった医療現場でも怯むことなく、確実に目の前の命を救うべくまい進するのですが…。はたして未知子はこの2年、どこで何をしていたのか!?そして、彼女の前に立ちはだかる“新たな敵”とは一体…。

本作の良かったところ

これは「水戸黄門」的なアレです。「私失敗しないので」「致しません」「御意」という決り文句が出てくる度にニヤニヤし、いつものテーマ曲にテンションが上がる。

マンネリ化と批判する方もいるようですが、この「いつもの楽しみ」の延長に、今回は「コロナ禍の医療」や主人公大門未知子の恋も描いていて新鮮味も感じることができました。

完全に敵キャラと思っていた蜂須賀内科部長がめっちゃイイ奴だったのもプラスポイント。早くシーズン8を見たいです。

>>>【関連記事】「ドクターX 外科医・大門未知子」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

第6位:TOKYO MER 走る救命救急室

ストーリー概要

コロナ禍という未曾有の恐怖の中、 危険を顧みず命を救うために闘う医療従事者たちの“勇気”に 人々は心を打たれ、胸を熱くした 重大事故、災害、事件の現場に駆けつけ 命を救うために危険な現場に勇猛果敢に飛び込んでいく 救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く物語! 

本作の良かったところ

民放ドラマの代表的な枠である「TBS日曜劇場」での医療ドラマということで期待値大で鑑賞し始めましたが、それを凌ぐ熱いドラマが展開されていました。

良くも悪くも主人公の喜多見が超優しいリーダーで、怒鳴ったりする孤高の天才医師という一種の医療ドラマのテンプレートではないキャラクターも高感度が高くお見事。

「死者は0です!」で思わずガッツポーズする視聴者が続出したのは間違いなく、ファンタジー側面もあるっちゃありますが、ドラマとしての熱さや感動がピカイチの作品でした。

>>>【関連記事】「TOKYO MER」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

–{第5位は、職業柄ツボに刺さったあのドラマ!}–

第5位:着飾る恋には理由があって

ストーリー概要

綺麗に着飾ることで、自分の居場所を得ていたヒロインが 価値観の違う人々と1つ屋根の下で さまざまな恋を繰り広げる“うちキュン♡”ラブストーリー 

本作の良かったところ

これはもうラブコメとして見てませんでした。主人公の真柴がWeb広報職で、常にPCやスマホに縛られている職業。…これ自分じゃん…となってその仕事模様に思わず涙してしまうものがありました。

つまるところ冒頭で書いた通りで、もう個人的なツボにぶっ刺さったってやつです。年がら年中仕事の事を考えつつも、人生は様々なことを楽しんでこそ価値があります。

仕事の隙間から幸せを探求していく姿に気付きも貰い。「恋も仕事も」って歳ではないですが「仕事を大切にしながら人生を充実させる」事の大切さに気付かされました。

>>>【関連記事】「着飾る恋には理由があって」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

第4位:ハコヅメ〜たたかう!交番女子!〜

ストーリー概要

新人警官・川合(永野芽郁)は、通称「ハコヅメ」こと交番勤務に配属されるも、心身共にキツい警察の仕事に限界を感じ、交番所長の伊賀崎(ムロツヨシ)に辞職願を出すタイミングを狙っていた。そんな矢先、川合は、“パワハラ”を理由に交番に異動させられたという元エース刑事・藤(戸田恵梨香)とペアを組むよう言い渡される。早速2人はパトロールに向かうが、藤はある”気づき”から、不審な男を鮮やかに捕まえて…!?

本作の良かったところ

これはもう今年最大のサプライズ傑作です。いや、つまらなそうとは思っていませんでしたが、警察ドラマでありつつも交番が舞台ということで「スケールの大きい刑事モノ」というイメージが無く、ドラマの想像がつきませんでした。

そしたらゆるいテイスト×全編を支配する謎を追う展開がおもしろいったらありゃしない!戸田恵梨香さん×永野芽郁さんのバディもおもしろく、登場人物たちみんないい人!

そして、ドラマ見てないとわからないアレですが、最終回で「それは私の大切なゴリラだから!」で視聴者の涙腺が決壊するという!本当に素敵なドラマでした!続編希望!

>>>【関連記事】「ハコヅメ」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

第3位:天国と地獄〜サイコな2人〜

ストーリー概要

望月彩子(綾瀬はるか)は、努力家で正義感が強く、上昇志向も強いが慌てん坊な刑事。思い込んだら一直線で失敗も多いため、周囲の刑事たちからは煙たがられている。

そんなある日、殺人事件が発生。彩子は「絶対に手柄を立ててやる! 」と息を巻いて現場へ急ぐ。向かった先には、遺体の口内にパチンコ玉が詰められた、猟奇的殺人現場が広がっていた。

捜査の過程で創薬ベンチャー企業のコ・アース社社長の日高陽斗が重要参考人とし浮上。しかし、その時はまだ、表向きは若くしてベンチャーを立ち上げた敏腕経営者・日高が、裏の顔は類まれな頭脳と知識を駆使したサイコパスな殺人鬼であることは知る由もなかった──。

本作の良かったところ

これほどまでにのめり込んで考察したのは初めてでした。今年の日曜劇場ではこれが断トツで面白かったです。

そもそも考察ドラマとして見始めておらず、綾瀬はるかさんと高橋一生さんの入れ替わり演技からのめり込みました。そしたら、「あれ?もしかして犯人別にいる…?」となって考察沼に。

しかも良い意味で予想を外したので、全容が見えた時の衝撃が凄まじかったです。そして、先日改めて見返したのですが、繰り返し見ても楽しめる凄い作品だなと思いました。

>>>【関連記事】「天国と地獄」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

第2位:最愛

ストーリー概要

本作は、殺人事件の重要参考人となった実業家・真田梨央(さなだ・りお)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事、そして、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。2006年、梨央が青春時代を過ごしていたのどかな田舎町で失踪事件が起きた。15年後、時代を牽引する実業家となった梨央の前に事件の関係者が現れたことにより、当時の記憶とともに封印したはずの事件が再び動き出す。過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていく…その事件の真相に迫る姿を完全オリジナルで描く。

本作の良かったところ

歴史的傑作ドラマとはまさにこのドラマを指す言葉。考察にのめり込みつつも、様々な人物たちの「最愛」が描かれ毎話胸が締め付けられるほど。

明るいシーンの多い過去とのコントラストも美しく、時折挟まれる現代パートの恋模様には「お願いだから、このまま幸せになって」とドラマに願いを託すほど。

主人公の梨央を取り巻く状況が徐々に明らかになり、最後に示された「最愛」には思わず涙。「余韻」を最も感じたドラマであり、後世に語り継ぐ名作と言っても過言ではありません。

>>>【関連記事】「最愛」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

–{第1位はレベル違いの大傑作!}–

第1位:大豆田とわ子と三人の元夫

ストーリー概要

大豆田とわ子はこれまでに人生で三度結婚し、三度離婚している。「あの人、バツ3なんだって」「きっと人間的に問題があるんでしょうね」
そりゃ確かに、人間的に問題がないとは言わない。だけど問題のない人間なんているのだろうか。

離婚はひとりで出来るものではなく、二人でするものなのだ。協力者があってのバツ3なのだ。そして今もまだ、大豆田とわ子は三人の元夫たちに振り回されている。何かとトラブルを持ち込んでくるのだ。

どうやらみんな大豆田とわ子のことが好きで嫌いなのだ。果たして、四人はそれぞれの幸せを見つけることができるのか?

本作の良かったところ

2021年1位というか、私の中での歴代ベストドラマです。「どういうドラマなの?」と聞かれると説明しにくいのがこのドラマのおもしろいところ。

英語だと「Towako’s Diary」である本ドラマは、まさに主人公大豆田とわ子の日常をただ描いただけ。元夫たちが大豆田とわ子を「普通の人」と説明するのも今思えばしっくりきます。

でも、そのとわ子の日常を彩る言葉の数々がどんどん胸に響いてきます。

「人生に失敗はあったって、失敗した人生なんてないと思います」

「雑談はいらない、お土産もいらない。でも、好きな人との雑談は楽しいし、好きな人にお土産をもらうのも嬉しい。好きな人となら、紙コップで飲むワインも美味しい。」

「どこまで人から預かった荷物を背負い続けるつもりですか?」

「人の孤独を埋めるのは、愛されることじゃないよ、愛することだよ」

「上空からの夜景より、自分ちから見える風景が好き」

グサグサ心に突き刺さり、生きる支えになります。このドラマには本当に自分の人生に入ってきてくれてありがとうと言いたいです。

>>>【関連記事】「大豆田とわ子と三人の元夫」最終回までの全話解説/考察/感想まとめ

以上、独断ですが私の満足度ベスト10でした!

それではっ!

(文:柳下修平)