2021年はドラマが豊作な年だった。そして、「ヒロインと結ばれたほう」ではなく、「ヒロインと結ばれなかったほう」にいい男が多かったと個人的に思う。
年の瀬に各ドラマを振り返りつつ、それぞれの魅力についてランキング形式で語りたい。
あくまで個人的なランキングなので、お読みになった方も自分が好きなのは誰だったか、それぞれ思い出していただけたら幸いだ。
第10位「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」緋山翔太(小関裕太)
ドラマ「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」より (C)日本テレビ
弱視のユキコ(杉咲花)とヤンキーの黒川森生(杉野遥亮)の恋を描いた10月クールドラマ。正直緋山くんは森生に嫌なことを言ったりするし好きになれないところもあるのだが、ユキコのことがきっかけで弱視の人の力になるような活動をしているのは事実だし、作中何度も弱視の人が危ない目に遭うところを助けていてかっこよかったので。そして顔が好きという理由で選んだ。
ちなみに小関裕太は「知ってるワイフ」「来世ではちゃんとします2」「ハコヅメ」「スナック キズツキ」など、さまざまなドラマで活躍した。個人的には「来世ちゃん」の松田くんが一番好きだ。「当て馬マスター」と呼ばれるなど当て馬役が多すぎるので、2022年はnot当て馬枠での出演に期待したい。
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第9位「着飾る恋には理由があって」葉山祥吾(向井理)
青春、ですね✨?#着飾る恋#川口春奈 #向井理#tbs #火曜ドラマ#第8話6月8日よる10時 pic.twitter.com/aq9MI1C2Ck
— 【公式】『着飾る恋には理由があって』TBS火曜ドラマ (@kikazarukoi_tbs) June 6, 2021
ひょんなことから男女でルームシェアすることになるキラキラ女子・真柴(川口春奈)が主人公の4月クールドラマ。向井演じる葉山は真柴が長年ひそかに片思いしている社長なのだが、早々に社長を退任・しばらく行方不明になったのち、真柴がいるシェアハウスに居候する。
真柴は同居人の藤野(横浜流星)と付き合うのか付き合わないのか、という絶妙な距離感になっているのだが、社長も社長で真柴のアカウント名にかこつけた豆柴のストラップを買ってきてくれたりする。結果葉山が自分の気持ちに気づくのがゆっくりすぎて今さら遅いよ! ってなるんだけど、オンのスーツ姿もオフのゆるっとした部屋着姿もどっちもかっこよかった……。足が長すぎる。葉山が真柴を自転車の後ろに乗せて走るシーンもよかった(お客さんの敷地内なので法律的にもOK)。
さらに、藤野もちょっとめんどくさいなかなかはっきりしない男だったので、葉山社長のほうがいいのでは? という瞬間もあった。もっと行動してくれたらな~。
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第8位「SUPER RICH」宮村空(町田啓太)
ドラマ「SUPER RICH」より © Fuji Television Network, Inc.
お金持ちの主人公・衛(江口のりこ)がある日突然貧乏に。会社と仲間たちをどう守る? 危機的な状況から始まった10月クールドラマ。
町田演じる空は、とある出来事から衛に恩を感じ、全身全霊でサポートする中堅系男子。仕事もできるし気も効くし、おまけに顔もめちゃくちゃいいときている。だが、後から新卒として現れた優(赤楚衛二)と恋敵となり、衛は優と付き合い、結婚することに。
それでも変わらず衛のそばにいて、彼女を支え続ける一途な姿にグッときた人も多いのではないだろうか。どんなときでも味方でいてくれる空の存在は、衛にとってはもちろん、どんどん状況が変わる視聴者にとっても心強かった。
ライバルである優のことも、困っているとほっておけずラーメンを食べさせてあげたり200万貸してあげたり、本当に心の綺麗ないい人だ。衛とのエピソードもよかった。ブラック企業でパワハラ上司の下で働いていたとき、身投げしようと思いつめたところを通りかかった衛に声をかけられ、ナポリタンをごちそうし、その場で会社に退職の電話を入れ「うちの会社においで」と言ってくれた衛に泣きながらナポリタンを食べるシーンはこちらもウルっとくる。
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第7位「消えた初恋」あっくんこと相多颯斗(鈴木仁)
ドラマ「消えた初恋」より © tv asahi All rights reserved.
ヒロインがいるドラマではないので、厳密にいうと結ばれなかったポジションではないのだが、話が進むにつれどんどん魅力が出ていくキャラクターだったのが鈴木仁演じるあっくんだ。軽いノリで生きていて、勘違いから主人公・青木(道枝駿佑)の恋を邪魔するようなことをしてしまったこともあるが、嘘がつけない真っ直ぐな男なだけだった。
青木の本当の想いを知ったとき、ごめんなと涙ながらに謝る姿には視聴者も心を打たれた。一方で青木が心配していた、男同士だから引かれるのでは? という心配に対しては何の疑問もなく受け入れた、めちゃくちゃいいやつだ。
橋下さんという女の子に告白されたときも「とりあえず付き合う」ようなことはせず、正直考えたことなかったしそんなに知らないからまずは友だちから、と伝えた。でも最終回には橋下さんが自分にケーキをくれるんだろうなと予想して他の女の子からのケーキを断り、自分からイルミネーションを一緒に見ませんかと誘う、最後までかっこいいあっくんだった。
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第6位「知ってるワイフ」津山千晴(松下洸平)
ドラマ「知ってるワイフ」より (c)フジテレビ
1月クールに放送された「知ってるワイフ」は、主人公・元春(大倉忠義)が妻・澪(広瀬アリス)とうまくいかず、過去を変えてしまうというトンデモ設定の物語。韓国ドラマのリメイクだ。
松下洸平演じる津山は、元春の同僚であり親友。元々は双子の子どもがいる既婚者だったが、元春がためにその後の世界で独身男性となった。というのも、本来の世界で結婚していた恋人を空港まで追いかけようとしていたところ、止めたタクシーを自分が気になる女性(瀧本美織)との待ち合わせ先に向かいたかった元春に横取りされたからである。
新たな世界では独身・同じ職場の一員となった澪を好きになり、正攻法でアプローチする。が、自分は他の女性と既婚なのに澪を他の男に渡したくない元春に邪魔されたり、一度は付き合うものの、結局澪は元春を好きで振られてしまったり……というかなりかわいそうな役だった。にも関わらず澪には「別れても普通に接しよう」と自ら言い、キスしたことを知った際は元春を殴ったものの、その後元春の職場での疑いが晴れるようにお客さんに掛け合うなど、本当にいい奴だった。
元春の自己中っぷりが気になる作品だったため、より津山の良さが際立ったという言い方もできるかもしれない。ちなみに津山の部屋もおしゃれですごくよかった。津山、幸せになってくれ~! と思ったが、演じた松下洸平は10月クール「最愛」でヒロインの相手役に抜擢されていたので、この1年で飛躍した一人だと思う。
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–{第5位へ!あの話題作の男たち!}–
第5位「最愛」加瀬賢一郎(井浦新)
ドラマ「最愛」より © TBS
12月クールで大きな話題となった「最愛」。各事件の犯人は誰か、真相はどういうことなのか、隠された秘密はなにか……最終回の途中まで誰もが真実を追っていた。
井浦新演じる加瀬は、梨央(吉高由里子)やその家族を自分の家族のように大切にし、あらゆる障害から梨央を守り、彼女の長年の夢であった新薬の開発をサポート。梨央の弟・優の疑いも晴らした。弟・優が警察に連行されていった後「助けて」というメールに「了解」と言葉で答えていたのが印象的だ。
だが、最終回に発覚した事実は衝撃的だった。彼は梨央の父・達雄の願いを受けて15年前の時間の死体遺棄に協力したのをきっかけに、一人を殺害、一人の事故現場にも居合わせた。
「二人には一点の曇りもない人生を送ってほしい、それだけです」
二人というのは梨央と優のことだ。本当ははじめの事件に遭遇したとき通報しようとしたのに、父・達雄に止められ懇願されて、自分がすべてかぶっても守ると決めたのだ。いつか真実が明らかにされることはわかっていたという。
そんな、加瀬の人生や幸せはどうなるのだとも思うが、彼が本気で梨央と優の幸せ、二人を守ることこそが彼にとっての人生であり幸せなんだということも痛いほど伝わってきた。恋愛など超越したあまりにも大きな愛に、立ちすくむしかない。
「愛する人のためなら手段は厭わない井浦新」はそこそこ観てきたきがするが、こんなに大きな感動とともに胸にこびりつきそうなのは加瀬だと思う。
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第4位「にぶんのいち夫婦」樋口亮(坂東龍汰)
ドラマ「にぶんのいち夫婦」より © TV TOKYO Corporation All rights reserved. Copyright © BS TV TOKYO Corporation All rights reserved.
セックスレスと夫・和真(竹財輝之助)の不倫疑惑に悩む文(比嘉愛未)。坂東演じる樋口は昼は文と同じコールセンターで、夜はキャッチのバイトをしている大学生。はじめは仕事の合間の雑談で文の話を聞いていたものの、次第に文のことを本気で好きになってしまう。
本来なら年が離れすぎてて相手にされないちょい役、みたいなこともあるポジションだが、めちゃくちゃかっこいいし、文のために行動できるいい男で、観ているほうもドキッとしてしまうシーンが多々あった。
文とお茶しているときに和真(別の女性といた)とばったり会って挑戦的なまなざしを向けるシーン、その後二人になって「僕と浮気しませんか? 文ちゃん」と伝えるシーン、最終的に文が和真を心から愛していると知り身を引くシーン、どれも目つきといい表情といい素晴らしく、今後の活躍が楽しみな俳優さんだ。
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第3位「婚姻届に判を捺しただけですが」牧原唯斗(高杉真宙)
ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」より (C)TBS
高杉真宙はお顔も演技ももともと好きなのだが、こんなにかっこよかっただろうか??? といい意味で驚いたのがこの作品だ。おひとり様を謳歌していた明葉(清野菜名)が、たまたま知り会った百瀬(坂口健太郎)に偽装結婚を持ちかけられるストーリー。
高杉演じる唯斗は、もともとは行き倒れそうになっていた明葉に米をくれた通りすがりの人物で、百瀬の飼い猫・おもちを連れて行った動物病院で看護師として働いていたことで再会。チャラチャラした軽いノリで女友達もいっぱいいるザ・陽キャ。今までどちらかというと陰キャのイメージが強かった高杉だが、意外にも似合っていてめちゃくちゃかっこいい。あとシンプルに顔がめちゃくちゃいい。
軽そうに見えて、明葉を本気で好きになってしまい、自分を変えるために獣医師目指して勉強するところもいい。明葉に愛されていながら恋愛下手すぎる百瀬に苛立ち、「一生不毛な恋してろ、バーカ」とはっきり言うところもスッとした。結局百瀬の背中を押すようなことをしちゃうところもいい。
Paraviで観られる深川麻衣主演の番外編「とにかく婚姻届に判を捺したいだけですが」でも唯斗の活躍がたくさん観られるので、ぜひ観ていただきたい。壁ドン・どアップなど、かっこいい高杉真宙が堪能できるシーンが満載だ。
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第2位「大豆田とわ子と三人の元夫」小鳥遊大史(オダギリジョー)
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」より (c)カンテレ
バツ3のとわ子が3人のクセが強い元夫たちをはじめとした人々と織りなす、笑いどころも泣きどころも満載で個人的今年ベストドラマ。小鳥遊は番組の後半に登場する。まずはとわ子の会社を買収しようとする非情な人物として出てくるのだが、朝通っているラジオ体操で、とわ子同様まわりの人と動きがずれてる人として再会する。あまりの違いっぷりに戸惑いつつも、二人の距離は近づいていく。
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」より (c)カンテレ
とわ子と小鳥遊、初めて二人になったときの会話が本当に素晴らしかった。親友のかごめ(市川実和子)の突然の死について、一人で死なせてしまったという悔やむ気持ち・自分だけ楽しんではいけないんじゃないかという気持ちを初めて打ち明けたとわ子に、小鳥遊が伝えた言葉はとわ子だけでなく観ているこちらも救われた気持ちになった。いちばん泣いたシーンかもしれない。
「あなたが笑ってる彼女を見たことがあるなら、今も彼女は笑っているし5歳のあなたと5歳の彼女は、今も手を繋いでいて今からだっていつだって気持ちを伝えることができる」
「幸せな結末も悲しい結末もやり残したこともない。あるのはその人がどういう人だったかっていうことだけ」
「人生にはふたつのルールがあって、亡くなった人を不幸だと思ってはならない。生きてる人は幸せを目指さなければならない。人はときどきさびしくなるけど人生を楽しめる。楽しんでいいに決まってる」
小鳥遊自身も長年ヤングケアラーとして過ごし、自分の人生を持てなかった。だから拾ってくれた社長に恩義を感じ、手段を選ばず従ってきた。でもとわ子と出会ったことで「自分がどうしたいか」で行動できるようになったのだ。
二人の喫茶店デートも家でのデートも素敵だった。「僕は青い空じゃないですか?」「むしろ夜ですね、ちょっと雨が降ってる」というたとえ話も最高だった。でも最終的に、とわ子は小鳥遊と二人で生きる道を選ばなかった。とわ子の「一人で幸せになりたい」「ほしいものは自分で手に入れたい」という答えは、とわ子が選んだ大切な結論で、そうかぁ……という納得感しかない。
でも、二人でいるところ、素敵だったなぁ、小鳥遊との未来も悪くなかったんじゃないかなぁとちょっと後ろ髪引かれてしまうのも正直なところなのだ。別れのシーンも抱き合ってお互い頬にキスして背を向けて歩いていくという、これまた素敵な大人の別れのシーンだった。
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–{第1位は2020年から「当て馬」俳優で話題の…!}–
第1位「オー!マイ・ボス 恋は別冊で」中沢涼太(間宮祥太朗)
ドラマ「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」より ©TBS
「普通が一番」と思い、特にやる気も野心もなく、片思い相手の幼なじみを追いかけて東京に出てきた奈未(上白石萌音)。なぜかファッション雑誌「MIyYAVI」の編集長・宝来麗子(菜々緒)の元で働くことになり……? というストーリーの1月クールドラマ。
編集部のドS先輩こと中沢は、奈未に対してぶっきらぼうなものの実はかなり親切な先輩だ。奈未を好きになるが、彼女が潤之介(玉森裕太)が好きなことも知っている。そのうえで自分の気持ちを伝え、潤之介に宣戦布告し、結局は身を引いて二人の仲がうまくいくよう動いてしまう、めちゃくちゃいい人だ。
奈未が潤之介にもらったブレスレットを探すのに付き合ってバスを逃し、1部屋しか空いてなかった宿を「俺がお前の彼氏だったら他の男と同じ部屋に泊まられたら嫌だから」と奈未に譲って出ていき、結局一晩中ブレスレットを! 好きな人が他の男にもらったブレスレットを屋外で探してたんですよ、こんな健気なことある……!? しかもやっと見つけたブレスレットを持って宿に向かい、潤之介がいるのに気づいてそっとブレスレットを置いて去るという(涙)
ストーリーを観ていると、潤之介もとても魅力的な人だし、奈未が潤之介に惹かれるのもわかるし、中沢は奈未に異性として魅力的な面を知ってもらう機会が圧倒的に少なかった。だから仕方ないけど、こんなに思いやりがあって人のために行動かっこいい男なのに、なんで奈未は気づかないのか……! もうもどかしさ通り越して悲しくなるレベル。
まあしかし、彼の魅力に気づかぬ女など中沢には釣り合わぬ。いつかもっと素敵な人と幸せになれるように願ってやまない。
ところで、そろそろ間宮祥太朗がヒロインと結ばれてもいい気がするんです。今までもゼロではないだろうけど。というわけで、2022年1月期の「ファイトソング」には期待している。これも三角関係っぽいけど……!
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2022年の出会いにも期待!
素晴らしい作品・役柄・俳優にたくさん出会えた2021年ドラマ。2022年もいろんな「いい男」に出会えるのが今から楽しみだ。そして来年は今年いいなと思った人たちが、当て馬ではなくハッピーエンドを迎えられますように…!
(文:ぐみ)