<最終回>「和田家の男たち」第8話レビュー:ハッピーエンドに思わせてくれた、それぞれの決着

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相葉雅紀、3年ぶりの連ドラ主演!「和田家の男たち」が2021年10月7日より放送スタート。

コロナ禍で失業した主人公が、ひょんなことから疎遠になっていた父・祖父と男3人で暮らすことになる。この家を覗けば“令和の日本”が見えてくる!?

息子・相葉雅紀 《ネットニュース記者》父・佐々木蔵之介 《TV局報道マン》祖父・段田安則 《新聞記者》大石静が描く、マスコミ三世代男だらけの異色ホームドラマ!

本記事では、最終回である第8話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

「和田家の男たち」第8話<最終回>レビュー

最終回を迎えて、改めてすごいドラマを観ていたんだなと思った。

政治・仕事・恋愛・結婚・家族……ドラマの中に自然と溶け込んでいて、観ている間にするっと入り込んでくる。あくまでもホームドラマの雰囲気を壊さずに、それでいてわざとらしくなく訴えてくるものがあったと思う。

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第8話は最終回というだけあって、1話の中に緊迫感も幸福感もぎゅっと詰め込まれていた。(第7話よりも緩急の差がすごかった)

和田秀平(佐々木蔵之介)は密かに清宮恭介(高橋光臣)がりえ(小池栄子)を殺した事実を告発する準備を進めていた。だが、事前に事態を知ったフロンティアニュースの部下たちによって、秀平の目論見は阻止された。

正直、観ていて本当に辛かった。秀平は極力番組に迷惑がかからないように、それでも和田家の人間として、報道人として行動しようとした。部下たちは秀平を守ろうとした。どちらも間違っていないのだと思う。第7話を観た時は「(フィクションだから)清宮に正義の鉄槌がくだされるのかも」と考えていたが、秀平の告発を止めたことがこのドラマらしいようにも思える。

秀平は結局、清宮の違法献金疑惑に関する秘書の証言だけ残したテープを部下に託し、テレビ局を去った。部下が言った通り、秀平が違法献金疑惑だけ扱っていたらテレビ局を退職する必要なんてなかったのだ。たとえ自らのキャリアが絶たれたとしても、最後まで抗いたかったのだろう。あまりにもリアルで、あまりにも残酷だ。(フィクションだけど)

告発に失敗した帰り道、優(相葉雅紀)は父親を直接迎えた。“こんな時は放っておくのが大人の優しさ”とは言っても、秀平はきっと救われただろう。大人な気遣いではなくても、“和田優”の性格と親子の絆を感じられて、筆者もちょっと泣いた。

“和田家の関ヶ原”に敗れたとはいえ、いつまでも立ち止まってはいられない。

優は志麻さと美(石川恋)とデートして関係を深める。詳細まで描かれていないが、微妙にすれ違っていた2人が仲睦まじく歩いているだけでもう嬉しい。そしてチラリとうつった「S」の刺繍……志麻が優の刺繍を受け入れたということは……深く突っ込むことは野暮だろう。ごちそうさま!

祖父の寛​​(段田安則)は結婚した亜蓮(草刈民代)の「ウェディングドレスを着たい」という願いを叶えるために、自宅でプチパーティを開いた。ウェディングドレス姿の亜蓮はそれはもう美しく、寛が抱きつきたくなるのもわかる気がする。

プチパーティで撮った和田家の男たちとパートナーの集合写真、これから波はあってもそれぞれに幸せな未来があることを教えてくれている気がする。もうハッピーエンドだ。

秀平の告発失敗とそれぞれの恋を見届けて緩急の差で満腹になっていたが、まだ終わらない。結局、清宮は違法献金疑惑が世に出たことで大臣は辞めたが、議員辞職はしなかった。この辺りの描き方も、なぜかとてもリアルに思える。たとえ事実を握っていても、現実はそんなに単純ではなかったのだ。“正義”が下されるスカッと感を味わえなくとも、むしろリアルに思えて心地よかった。

いつものように食卓を囲んでいたとき、別居婚を選んだ秀平に対して、寛が「あんた(優)と私(寛)と一緒にいたいんだよ」と言ったとき、「一緒にいたいんです」と返していたシーンが強く残っている。和田家の家族としての絆が固いという象徴であり、徐々に育まれてきた関係性を語っている瞬間だった。

物語は一気に進んで1年後——

優は「パズとぴ」で連載を始めた小説を書籍化してブレイク。立派な小説家になっていた。タイトルは「熱狂する男たち」。優の「本当に思ったことはフィクションでしか書けない」という考えには和田家での激動の日々が生きているのだろう。どことなく、このドラマの存在自体を指しているようにも思えた。優の在り方が反映されている文章なら、もっと大ヒットするに違いない。どうか現実でも書籍化を……!

寛と秀平はあんなに嫌がっていたのに、結局2人でWebメディアを立ち上げており、しかも登録者120万人である。さすがは報道界の前線にいた親子といったところ。寛と秀平にWebメディアを立ち上げることを提案した優、何気ないけどナイス采配……!

優の小説が70万部を突破、前髪を上げてビジュアル大勝利だった優、優をサポートしながら横で微笑む志麻、軽快にパソコンを操る寛、イキイキと働く秀平……などラストの短時間で詰め込みすぎて情報量に溺れそうになったが、和田家の男たちの仲の良さと明るい空気感だけはきちんと伝わった。

きっと、これからも日本のどこかで和田家の男たちは楽しく食卓を囲むのだろう。どうかそうあってほしい。

こちらも注目!「優クンの台所」の魅力

ドラマレビューの際はストーリーを語ることに注力していたが、「和田家の男たち」に登場する料理はどれも魅力的なのだ。
食事系ドラマではなくとも、飯テロ効果はばっちりである。

ドラマを支えた料理を作っていたのはもちろん和田優(相葉雅紀)。彼のそつのない動きは見ていて違和感がなく、今回の役柄にもぴったりだった。長年「相葉マナブ」で鍛えた力がしっかりと出ていて、ファンであれば毎回目で追うのに必死だったと思う。彼は寿司も握れるスーパーアイドルなのだ。(以前書いた気がするが、塩ひとつまみを塩ひとつかみだと勘違いした過去が懐かしい)

優が父親に差し入れたお弁当の「イカ団子」や最終決戦前に作った「ハムカツ」など、印象的な料理は多いが、特に「ミルクすき焼きマキアート」は忘れられない。

料理の切り口からストーリーを振り返ってみると、優のその時の心情や優しさが詰まっていて別の面白さが見えてくる。


「和田家の男たち」第8話<最終回>ストーリー

 
ついに母・りえ(小池栄子)の死の真相にたどり着いた和田優(相葉雅紀)と秀平(佐々木蔵之介)。26年前、りえを殺したのは現国土開発大臣の清宮恭介(高橋光臣)だったのだ! 秘書の証言をもとに真実を報道しようと動き出す秀平だったが、寛(段田安則)は、その結果秀平が窮地に立たされる可能性もあることを危惧。「秀平は矢面に立たされ、『フロンティアニュース』も終わるかもしれない」と忠告するが、秀平の決意は固く、とうとうその思いを尊重することに…。

リスクヘッジのため、『週刊アスタ』の編集長・岸文子にも清宮の件を共有し、秘書の証言VTRの編集も自ら手掛ける秀平。そしていよいよ『フロンティアニュース』で清宮の罪を明らかにする日がやってくる…!

一方、優と志麻さと美(石川恋)の関係にも新たな動きが。そして亜蓮(草刈民代)と結婚した寛も、亜蓮が「どうしても叶えたい」という願いを叶えてあげることに。秀平と文子の恋にも進展があり、和田家の男たちの恋もさらに加速していき…?


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(文:谷口仁菜)

–{「和田家の男たち」作品情報}–

【作品情報】

この家を覗けば
“令和の日本”が見えてくる!?
息子×相葉雅紀 《ネットニュース記者》
父×佐々木蔵之介 《TV局報道マン》
祖父×段田安則 《新聞記者》

大石静が描く、マスコミ三世代
男だらけの異色ホームドラマ

 2021年10月期のテレビ朝日金曜ナイトドラマでは、相葉雅紀主演の『和田家の男たち』を放送。
 息子は《ネットニュースの記者》、父は《テレビ局報道マン》、祖父は《新聞記者》――3世代がそれぞれ異なったメディアに携わっている“マスコミ一家”の「和田家」を舞台に、男だらけの家族が織り成す、【異色のホームドラマ】をお届けします!


相葉雅紀、3年ぶりの連ドラ主演!コロナ禍で失業し、ネットニュース記者に転身!?



 2018年10月期の金曜ナイトドラマ『僕とシッポと神楽坂』以来、3年ぶりに連続ドラマ主演を務める相葉。今作では、14年勤めた会社がコロナ禍で突然倒産し、デリバリーサービスの配達員に勤しむ37歳の男・和田優を演じます。
 ひょんなことから、20数年ぶりに祖父・寛と再会を果たし、さらに疎遠になっていた父・秀平に「一緒に住まないか」と提案されたことで、なぜか3人はひとつ屋根の下で一緒に生活することに。デリバリー配達員を続けながら、和田家の家事全般を担っていたある日、大学の後輩のツテでネットニュース編集部の記者として記事を書き始めることとなり…?

 同枠ではこれまでに、カメラアシスタントやバーテンダー、そして獣医師、とさまざまな役柄に挑んできた相葉。それぞれの作品において、相葉ならではのカラーでキャラクターに息を吹き込んできました。果たして今作『和田家の男たち』では、ネットニュースのライターという職業を通じて、《和田優》という青年をどう体現していくのか? その躍動の瞬間に今から期待が高まっています!


相葉の父に佐々木蔵之介、祖父に段田安則 三世代のマスコミ一家を描く!


 さらに、相葉演じる和田優の父と祖父を、佐々木蔵之介、段田安則が演じることも決定!
 優の父・秀平を演じるのは、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍を続け、7月期の木曜ミステリー『IP~サイバー捜査班』での“スペシャリスト”ぶりも好評の佐々木蔵之介。テレビ局の報道番組『フロンティアニュース』の総合プロデューサーを務める秀平は、実は亡くなった優の母・りえの“再婚相手”。26年前にりえが亡くなって以来、血の繋がらない優を男手一つで育ててきました。しかしテレビ局の報道マンとして昼夜問わず忙しい日々を送っていたため、家の中の大抵のことは優がこなし、結果的に息子は家事一切が万能な青年へと成長。その後、大学卒業と同時に独立した優とは、別々に生活し、コロナ禍においてなんとなく音信不通になっていましたが、ひょんなことから再会し、一緒に暮らすことに…。
 そして秀平の父で優の祖父・寛を演じるのが段田安則。『ドクターX~外科医・大門未知子~』や『半沢直樹』など、数々の作品で、圧倒的な個性と存在感を放ってきた段田が、今作では元新聞社の社長で現在は論説委員としてコラムを寄稿している、という“新聞界”のレジェンドともいうべきマスコミ人を演じます。
 図らずも始まる独身男だらけの三世代3人暮らし――相葉に加え、実力派俳優である佐々木と段田がどんな家族の姿を見せてくれるのか、注目が集まります!


脚本家・大石静氏が描く異色のホームドラマ…男だらけの“令和の家族の物語”


 今作の脚本を担当するのは、『長男の嫁』、『ふたりっ子』など、数々のホームドラマを手掛けてきた、大石静氏。今春、大きな話題を呼んだ『あのときキスしておけば』からは一転、男ばかりの“令和の家族の姿”を描き出します。
 新聞記者としての確固たる理念を持ち続ける寛、テレビの報道マンとして最前線で指揮を執る秀平、そして現代社会における情報ツールとしてもっとも身近であるネットニュースの記者になった優――
 ひとくくりに「マスコミ」といえども、三者三様に、異なる職業倫理、価値観、矜持を持つ「和田家」の面々。そんな彼らが日々の食卓を主な舞台に、事件の大小を問わず、今何が問題なのか?それを伝えるマスコミとは何か?それぞれのメディアの立場から、意見を闘わせ、時代と対峙していきます。
 さらに今作は、大石氏ならではの、テンポの良い会話劇も大きな見どころの一つ。3人の男たちが突然一緒に暮らすことになったきっかけ、そして優の亡き母・りえの死の真相にも、ある秘密が隠されているようで…?
 この秋、金曜の夜に新たに誕生する“マスコミ三世代、男だらけの異色ホームドラマ”。この困難な時代に再会し、多くの視聴者の方々同様、明日が見えない不安や疑問の毎日の中、奇しくも同じ「マスコミ」という職業につきながら、家族としての歩みを進めていくことになった3人の男たち。この「和田家」の面々に、是非ご期待ください!

脚 本
大石静
ほか

音 楽
ワンミュージック

ゼネラルプロデューサー
中川慎子(テレビ朝日)

プロデューサー
残間理央(テレビ朝日)
本郷達也(MMJ)
布施等(MMJ)

監 督
深川栄洋
ほか

制 作
テレビ朝日
MMJ