<菅田将暉×小松菜奈>国宝級夫婦をガチで拝める作品を振り返る

映画コラム

菅田将暉と小松菜奈が結婚を発表した。俳優界史上最も絵になると言っても過言ではないこの”最強カップル”。

以前、ある記事で、菅田将暉と小松菜奈についてこのように触れたことがある。

なにかと話題の菅田将暉、小松菜奈ペアがW主演を務める『溺れるナイフ』(16)。

俳優・重岡大毅の魅力:ただのアイドルじゃない、知られざる憑依力

まさかまた語れる日が来るとは。しかも、お祝い記事として。

話題作で三度も共演、こうなることは必然だった?

「コントが始まる」より ©NTV

菅田将暉は『仮面ライダーW』で主演として2009年にドラマデビュー。以降、若手個性派俳優として人気を博してきたが、『ディストラクション・ベイビーズ』(16)を皮切りに、同年『セトウツミ』、『何者』、『溺れるナイフ』など、主役級の役柄が見事続いた。2021年4月期 日本テレビ 土曜ドラマ『コントが始まる』の高岩春斗役も記憶に新しい。もうすっかり映画・ドラマに欠かせない若手演技派俳優である。

(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会

小松菜奈は『ニコ☆プチ』のモデルとして2008年にモデルデビューした後、2014年公開『渇き。』でセンセーショナルな女優デビューを飾った。小松菜奈演じる加奈子を観たときの衝撃は未だに忘れられず、「間違いなくこれから”来る”女優だ」と確信したことをよく覚えている。その後、菅田将暉同様数々の話題作に出演。現在公開中である『ムーンライト・シャドウ』、『恋する寄生虫』でも主演を務めている。

(C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

菅田将暉と小松菜奈の初共演作品となったのは、2016年公開『ディストラクション・ベイビーズ』。

菅田将暉はこのときに小松菜奈に一目惚れし、それはもうゾッコンだったという話しは有名だ。にも関わらず、小松菜奈は当時「菅田さんのことが嫌いでした」という衝撃告白をしていたそう。

本当に彼のことが嫌いだったという意味合いではなく、菅田将暉演じる裕也という過激な役柄が作用しているだけではあるが、「あんな菅田将暉を見たらそりゃ嫌いになるわ」と本作品を観て激しく小松菜奈に同情した。

(C)ジョージ朝倉/講談社 (C)2016「溺れるナイフ」製作委員会

撮影順はもしかすると前後している可能性もあるが、この直後に『溺れるナイフ』で”校内の誰もが憧れる美男美女カップル”として二度目の共演。そして、2020年公開『糸』で”初恋同士であり、運命の糸で結ばれていた二人”として三度目の共演。

(C)2020映画「糸」製作委員会

ここまで”恋絡みの濃い絡み”が続くとは、菅田将暉と小松菜奈が家族になることは偶然ではなく必然だったとしか言えない。

–{『溺れるナイフ』:いつまでも眺めていられる最上級ヴィジュアルカップル}–

『溺れるナイフ』:いつまでも眺めていられる最上級ヴィジュアルカップル

(C)ジョージ朝倉/講談社 (C)2016「溺れるナイフ」製作委員会

別冊フレンドでの大人気連載が実写化され、読者を中心に絶大な反響を集めた『溺れるナイフ』(16)。

東京でモデルとして活躍していた美少女・夏芽(小松菜奈)と、夏芽の引越し先である浮雲町の元大地主「長谷川家」の跡取り息子であるコウちゃん(菅田将暉)による、10代の危険な青春が詰まったラブロマンス。

とにかく、とにかく、このときの二人のヴィジュアルが最強すぎる。いや、いつなんどきも最強なんですけど、この二人は。

リカちゃん人形がそのまま人間になったかのような出で立ちとどこか影のあるミステリアスさが印象的な小松菜奈と、田舎風景には似合わない白髪と自由奔放すぎるあまのじゃくさで周囲の人々を翻弄する菅田将暉。

『溺れるナイフ』での菅田将暉と小松菜奈の美男美女度合いは、まさに国宝級

そんな二人のあんなキスシーンは今見ても衝撃的で、「あー、このとき菅田将暉はどんな気持ちでキスしてたんだろう」と余計なことを考えてしまうのは私だけじゃないと思いたい。

夏芽とコウちゃんの海中でのラブシーンや、真っ白なドレスにカラフルなバラを添えて道路をバイクで颯爽と駆け抜けるラストシーンは、美しすぎて現実味がないほど。

少女漫画原作作品を違和感なく実写化できたのは、紛れもなく”すだななコンビ”あってこそだろう。

–{『糸』:現実世界での”糸”をも紡ぎ出した運命的作品}–

『糸』:現実世界での”糸”をも紡ぎ出した運命的作品

(C)2020映画「糸」製作委員会

どの時代にも受け継がれる中島みゆきの名曲「糸」を原案とし、平成時代のとある二人の18年間を描いた『糸』(20)。

13歳のときに出会った高橋漣(菅田将暉)と園田葵(小松菜奈)は、両思いにも関わらず葵の複雑な家庭事情のせいで幼いながらに引き裂かれてしまう。
21歳、同級生の結婚式で二人は再会するも、仕事面でも恋愛面でもそれぞれの道に向かって歩き出していた二人が入り交じることは残念なことになかった。

30歳、人生においてあらゆる挫折を経験した二人は、絡まりに絡まった糸が巡り合って再び再開。大きな哀傷や苦労を重ねた漣と葵が最終的に一緒に幸せになることは、運命としか言いようがない。

ストーリーもさることながら、菅田将暉と小松菜奈の”俳優としての実力”を再認識できた記憶に残る超大作。複雑に絡み合った糸が、一つずつ丁寧に、遠回りしながらも終着地点にたどり着くその奇跡に誰もが涙しただろう。

菅田将暉と小松菜奈は、本作品の撮影中に恋人関係になったと囁かれている。

『溺れるナイフ』の公開から4年という空白を経て、ついに菅田将暉の片思いが成就したんだと思うと、とてつもなく感慨深い。

『糸』は、菅田将暉と小松菜奈をつなぐ””でもあったに違いない。

「戦友であり、心の支えであり、これからは家族になります。」:この一文に全推しが泣いた

会ったこともない、二人の結婚がこんなにもおめでたいのは、なぜだろう。

友達でもない、二人の結婚がこんなにもおめでたいのは、なぜだろう。

これまでの共演作を観てきたからこそ生まれるこの不思議な感情もまた、映画やドラマなどのコンテンツを楽しむ一つの醍醐味なのかもしれない。

菅田将暉さん、小松菜奈さん、改めて、ご結婚おめでとうございます。

(文:桐本絵梨花)