江口のりこが主演、赤楚衛二が共演する「SUPER RICH」が2021年10月14日より放送スタート。
お金はあっても愛に飢えた孤独な女社長と、愛はあってもお金がない貧乏専門学生。真逆の2人が出会い、会社に襲いかかる困難を次々と乗り越えて前へ進んでいく姿に元気づけられること間違いなし!
毎分、毎秒でめまぐるしく変化していく登場人物たちの心情と、原作のない完全オリジナルドラマだからこその予測不能かつスリリングなストーリー展開をお見逃しなく!
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
裕福な家庭に生まれた氷河衛(江口のりこ)は幼い頃に両親を亡くした。しかし、潤沢な遺産もあったため、大学時代に知り合った一ノ瀬亮(戸次重幸)と電子書籍販売をメインとするベンチャー企業『スリースターブックス』を立ち上げて成功し、女性起業家に贈られる“プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”の大賞を受賞するまでになっていた。
そんなある日、衛は亮からアプリ会社へ出資する提案を持ちかけられる。早速会議にかけるが、亮のやり方に懐疑的な今吉零子(中村ゆり)、宮村空(町田啓太)たち社員の反応は鈍い。
その日は『スリースターブックス』のインターン採用試験日。田中リリカ(志田未来)、豪徳尊(板垣瑞生)たち学生が、それぞれの思いで試験場に集まっている。その頃、春野優(赤楚衛二)も試験を受けるために向かっていたが…。
仕事を終えた衛は、大手IT企業『MEDIA』取締役の島谷聡美(松嶋菜々子)と食事。かつて新卒で『MEDIA』に入社した衛にとって、聡美は仕事を教え、育ててくれた憧れの先輩だ。今も衛を気にかける聡美は『スリースターブックス』の現状を尋ねる。なんとかやっていると答える衛に、聡美は経営者の決断は情に流されてはいけないと釘を刺し…。
第1話レビュー
裕福な家庭に生まれ、生涯お金に困ったことがない、ベンチャー企業の社長・氷河衛(江口のりこ)と、無邪気な”子犬系”貧乏学生・春野優(赤楚衛二)。
幼い頃に両親を飛行機事故で亡くし、愛に飢えながらも、電子書籍を取り扱う会社「スリースターブックス」をさらに成長させようと、野心をメラメラ燃やす社長(江口のりこ)が主人公……って、これだけで期待度がうなぎのぼりである。フジテレビ、ナイスキャスティングをありがとう。
江口のりこといえば、”女性版・孤独のグルメ”と私的に推していたドラマ「ソロ活女子のススメ」(2021)で、粛々とおひとりさまライフを満喫する主人公を演じていたのも記憶に新しい。彼女は映画・ドラマ・舞台と垣根を越えて活躍する名バイプレイヤーといった印象だが、今作でフジテレビ連続ドラマ初主演となる。
それに加え、火曜ドラマ「彼女はキレイだった」でキーマンとしての存在感をアピールした赤楚衛二が出演。個人的には、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』で演じていた天邪鬼の役が衝撃だった。役柄によって声色までも使い分ける、期待性抜群の若手役者である。こちらも波に乗ったキャスティングであり、観ない理由がない。
氷河が唯一心を許した大学時代の友人・一ノ瀬亮(戸次重幸)とともに起業した会社に、インターンとして応募してきた春野。この「SUPER RICH」というドラマは、氷河と春野の出会いによって、会社の命運や氷河自身の人生が変わっていく物語である。そう、まさに、春が来たら氷が溶けていくように……。
これまでお金に困ったことがない氷河とは対照的に、春野は生まれながらにして貧乏だった。「スリースターブックス」のインターン採用試験のため、スーツや鞄を買うための5万円を母親から借金。毎月の支払いにもあくせくする実家のことを思い、翌月のバイト代が入ったら即座に返してみせる律儀な息子である。
試験会場へ向かうバスを待っている間、ちょうど春野の目の前に立っていた妊婦さんが産気づいてしまい、病院へ付き添っていたら試験へ遅刻してしまった。たまたま遭遇した氷河に事情を話し、なんとか試験を受けさせてもらえるよう頼む春野。
「なんでタクシーに乗らなかったのか?」と問う氷河に対し「お金が足りなかった、(お金で人生を左右されるなんて)この世はずっと自分にとってフェアじゃない」と主張する春野。しかし、氷河は請け合わない。
「時間は平等にあったんじゃないの?」
「自分の時間をもっと使って、お金を稼げばよかったんじゃないの?」
この氷河の言葉に、筆者はウッと唸らされてしまった。彼女の言うことももっともである。むしろ、お金がないからこそ暇が生まれる構図だって、この世にはあるだろうから。
しかし、そんな氷河に災難が降りかかる。
一ノ瀬が投資していた会社に、反社会的勢力との繋がりがあると判明。続けて、一ノ瀬が会社の全財産を奪って逃げてしまった可能性が浮上した。
完全に行方をくらませた一ノ瀬。数々の取引先から手を切られ、融資してくれる銀行も見つからない。最も恩義のある取引先「MEDIA」の社長・島谷(松嶋菜々子)からも「一ノ瀬を首にしない限り、取引は中止する」と言われてしまう始末。
突如訪れた絶望的な展開に、やぶれかぶれになる氷河。優秀な女性CEOに贈られる「プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー」賞の授賞式において、すっぴんの部屋着姿で登場し、「投資でも融資でもなんでもいいんで、お金、貸してください!」と土下座するシーンは圧巻だった。お金の有無は、人をこうも変えてしまうのだ……。
こんな状態になっても、逃げてしまった亮を切らずに、自身でなんとかしようとするのだから、氷河はすごい。そんな社長を支えようとする社員の姿も、見ていて胸に迫るものがあった。お金がなくなったとしても氷河の周りから逃げていかない、貴重で大切な仲間たちだ。
その後、一ノ瀬の手がかりが掴めそうな反社会的勢力と思しき「石高興業」の入ったビルで、氷河と春野が遭遇。たまたま一ノ瀬の噂を耳にした春野は、力になりたい一心でひとり突撃したのだという。
自分以外にも一ノ瀬のために動いてくれた人間がいると知り、「なんなんや君は」と満更でもない氷河。その後、ふたり合わせて全財産500円という状況で、屋台のラーメンを食べに行くことに。
「36歳にもなってお金のことで悩むなんて、恥ずかしい」と心情を吐露する氷河に対し、「それは違う」と意見する春野のシーンが良かった。
「氷河さんは、お金持ちの家に生まれたから、36年もお金のことで悩まずに済んだんです」
「お金は可能性なんです」
生まれながらにして裕福に育ってきた氷河と、生まれながらにして貧乏な春野。このドラマは、ある意味「お金」に縛られ、振り回されてきたふたりが、「どうやってお金を稼ぐのか」そして「それを何に使うのか」を模索していく物語なのだ。
手元にお金がありすぎたことで、人のあたたかさを知る機会がなかった氷河。
手元にお金がなかったおかげで(?)、人の愛に触れながら生きてきた春野。
”春”のあたたかさによって、”氷”はどのように溶けるのかーー次回以降の展開も楽しみである。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
氷河衛(江口のりこ)は、アパートを引き払い無一文で実家に帰ることも出来ないと言う春野優(赤楚衛二)を自分のマンションに連れて行く。すると、マンションの前で宮村空(町田啓太)と今吉零子(中村ゆり)が待っていた。
『スリースターブックス』に戻った衛は、当座必要なお金の工面について幹部たちと話し合う。空たちは一ノ瀬亮(戸次重幸)を探して金を返してもらうか、警察に被害届を出した方が良いと迫るが…。
その頃、優も『スリースターブックス』について来ていた。宿泊先のあてがないと言う優は、空に編集部へと連れていかれる。空は碇健二(古田新太)に頼んで、仮眠スペースで優を預かってもらうことに。
翌日、衛が出社すると島谷聡美(松嶋菜々子)が来ていた。聡美は『MEDIA』社との業務提携を衛に持ちかける。『スリースターブックス』存続に必要な金を出すと言う聡美だが、衛に対してある条件を提示し…。
第2話のレビュー
これから、大変恐ろしい話をしなければならない。私たちが「町田啓太に騙されている」可能性が出てきてしまったからだ。
本記事は「SUPER RICH」2話のレビュー記事だが、その感想を連ねる前に、時間を1話に戻させてもらいたい。
1話の冒頭。江口のりこ演じるセレブ社長・氷河衛はメンタルクリニックで診察を受けている。戸次重幸演じる一ノ瀬の裏切り(?)に遭い、全財産を失った後の展開だ。最終的には、顧客の情報を売っている悪徳メンタルクリニックであることがわかり、氷河はその場を後にしたのだが……。
おかしくないだろうか?
「氷河がメンタルクリニックで診察を受けるシーン」は、よくよく考えたらこの物語に必須ではない。もちろん1〜2話の時点で早まったことは言えないが、単に氷河の過去を回想したり、一ノ瀬の存在の大きさを視聴者に示したりするだけなら、メンタルクリニックを登場させる必要はないのである。
メンタルクリニックを予約したのは誰か?
氷河の下で働く仲間のひとり、宮村空(町田啓太)である。
「(メンタルクリニックは)都心の一頭地にあるのに、当日予約が取れたなんておかしい」と氷河は言っている。確かにおかしい。もともと宮村が悪徳メンタルクリニックと繋がっていたと仮定したら、どうだろう。会社を窮地に陥れるため、社長である氷河や、スリースターブックスの情報を流していたと考えてもおかしくはない。
また、急にいなくなってしまった一ノ瀬と宮村が繋がっている可能性もある。会社を離れざるを得ない一ノ瀬としては、宮村というスパイがいてくれた方が、社内の情報も得られて動きやすくなるだろう。
そう考えると、「今の自分がまっとうに働けているのは社長のおかげ」と、やたらに”忠犬感”を出しているのも怪しい。主人公に一番近い人間、もしくは主人公を最も慕っている人間が黒幕なのは定番である。
これで結果的に彼が黒幕だとしたら……!?
考えるだけで恐ろしい。
「チェーホフの銃」をご存知だろうか。「物語の冒頭に銃が出てきたら、後半でその銃は撃たれなければならない」。ロシアの劇作家であるアントン・チェーホフにちなんだ、有名な作劇術である。つまり、物語に必要なものは、冒頭に登場するのだ。
筆者は、ドラマ「真犯人フラグ」の考察・感想も担当しているため、どうやら変な勘繰り癖がついてしまっている様子……。
さて、話を2話に戻そう。
生まれながらに裕福で、お金に困ったことがないセレブ社長・氷河衛。そして、貧乏苦学生でありながら、目的に対しては熱く懸命な子犬系男子・春野優(赤楚衛二)。「お金」を軸に展開される本作の2話は、なぜか大怪我をして入院している一ノ瀬と、彼に殴りかかる氷河のシーンから始まる。
氷河のマンション前までやってきた一ノ瀬を、たまたま春野が発見。逃げた一ノ瀬を追いかけるも、ギリギリのところで逃がしてしまう。それ以降、最も一ノ瀬が現れる可能性の高い石高興業前で張り込む作戦に出た春野(1話の時点で、一ノ瀬が目撃されている場所である)。
奇跡的に一ノ瀬を発見できたが、彼は殺される直前までボコボコに殴られた状態だった。病院へ搬送された事実が氷河に知らされる。再会することになった一ノ瀬と氷河は「金返せ!!!」「金はない!!!」と応酬することになってしまう……。
かつては共同経営者として共に手を取り合った仲なのに。なんと一ノ瀬は、おそらく闇金と思われる相手から、収拾がつかないほどに金を借りてしまっていた。首がまわらなくなっているにもかかわらず、氷河に言い出せなかったらしいのだ。
2話終盤、病院の窓から飛び降り、そのまま逃走してしまった一ノ瀬。筆者は本記事の冒頭で「黒幕は宮村空では?」と書いたが、自信が持てなくなってきた。
それはそうと、なんとか1億円をかき集めないと倒産してしまう窮地に立たされたスリースターブックス。衛の元上司であり「MEDIA」社の社長でもある島谷(松嶋菜々子)が助け舟を出してくれた。純利益1500万を条件に、業務提携をしてもいい、と。
1億円をかき集めるよりは現実的だ、と宮村たちは胸を撫で下ろすが、純利益1500万だって簡単ではない数字だ。東海林(矢本悠馬)は「使ってないフロアの電気は消して、フリードリンクも廃止して、それでようやくいくらになると思いますか?」と氷河に現実を突きつける。良いところ数万円だ、と。
裕福すぎたせいでお金には無頓着だった氷河に対し、実質的な視点を与えてくれる役目が、東海林なのだろう。
余談だが、筆者は島谷社長のことも、黒幕ではないかと疑っている。業務提携という名の「乗っ取り」を提案してきたことからも、何かを企んでいるとしか思えない……。
一ノ瀬を見つけて金を返してもらえれば、MEDIA社の乗っ取りを避けられるかもしれないと、一縷の望みをかけるスリースターブックスの社員たち。しかし、蓋を開けたら一ノ瀬は金を使い込んでしまっていて、再び行方しれずになってしまった。
今回はとくに、氷河の社長っぷりが光っている。
普通なら、真っ先に人件費から削って金を捻出させようとする場面だ。それなのに、彼女はそれをしない。宮村をはじめ、設立当初から会社を支えてくれた仲間たちに丁寧に感謝を述べる。インターン生たちにも、約束の給与20万をしっかり払ってみせた。
いきなり転がり込んできた春野に対してだって、決して邪険にはせず、自宅で風呂に入れさせたり食事を提供したりしている。彼女は生まれながらに裕福で、家族の愛は知らずに育ったかもしれないけれど、仲間たちの支えのおかげで優しさあふれる自立した女性になったのだ。
スリースターブックス存続のため、もう1億円をかき集めてくることはどうしても無理だ。逃げた一ノ瀬から金を返してもらうことも望み薄。にっちもさっちもいかなくなった氷河たちは、オフィスを解散し、別宅で再スタートを切ることを選択する。
「ようこそ、我が家へ!」
お金のありがたみを知らなかったセレブ社長が、図らずも無一文になり、仲間とともにゼロからやり直していくストーリー。
今後、一ノ瀬は帰ってくるのだろうか。はたまた、筆者が想像(妄想?)したような黒幕は存在するのだろうか。「腹を空かせたやつを見ていられないだけだ」と言って春野にラーメンをご馳走した宮村が、悪いやつだとは思いたくない……! どうか、この予想が外れていることを祈る。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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河衛(江口のりこ)はオフィスビルを引き払い、従業員を整理して、古い一軒家を借りて新生『スリースターブックス』を始めることにした。衛について来たのは、宮村空(町田啓太)や今吉零子(中村ゆり)たち役員と、なぜか田中リリカ(志田未来)たちインターンの3人。また、会社の核となる電子書籍編集部の碇健二(古田新太)、鬼頭流星(嘉島陸)も加わる。
だが、空たち全員が不思議なのは、春野優(赤楚衛二)の存在。ただで雑用もすると言うので好都合だと、衛は優を重宝しているようだが、会社に一緒に住むと聞いた空は気が気でない。
新生『スタースリーブックス』の初仕事として、衛は“ビッグバン作戦”を提案。有望な新人作家を自社で発掘するため、漫画コンクールを開催するという。鮫島彩(菅野莉央)や豪徳尊(板垣瑞生)は疑問に思うが、碇は乗り気。
また、衛は並行して最近作品を描いていない漫画家や、まだ電子書籍化していない作家にも仕事のオファーをすると言い、誰もが知っているが近年は作品を発表していない、北別府K(松田美由紀)に目星をつけていた。
早速、衛が北別府に会いに出かけると、優がついてくる。一方、衛が留守の会社には、1人の紳士が訪ねて来る。投資家だと名乗るその紳士は、今吉たちにある提案を持ちかけて…。
第3話のレビュー
この第3話を観て、赤楚衛二演じる春野優にキュンとしない人がいるのだろうか……?
いや、いない!!!!!
初っ端からラストシーンの話をして申し訳ないが、氷河衛(江口のりこ)に対し「僕は衛さんの下で働きたいんです」「僕は衛さんがいいんです」と真摯に伝える優、かわカッコ良すぎる。この後ふたり一緒に雨漏りの水をかぶってずぶ濡れになるところまで、セットで良いシーンだ。
そう、晴れて優は「新生スリースターブックス」にて働けることになった。それは、会社の倒産を防ぐため、優がとある作戦を成功させたから。その作戦とは、「ビッグバン作戦」である。
オフィスを移転し、文字通りゼロからスタートすることになったスリースターブックス。再建のために衛が考え出した作戦は「新人作家を発掘すること」と「眠った虎を起こすこと」。つまり、コンクールを主催して新しい才能を見つけ出すのと同時進行で、長いあいだ作品を書いていない大御所作家に執筆を依頼するのだ。
衛が見当をつけたのは、漫画家・北別府K先生(松田美由紀)。さっそく彼女の自宅まで向かうが、「新作は大事にしたいの。一見さんに渡すわけにはいかない」と断られてしまう……。
ちなみにこのとき、北別府先生の過去作において、主人公のおまじないのセリフとして優里の曲「ドライフラワー」の歌詞が引用されていた。以下がそれにあたる。
「声も 顔も 不器用なとこも」
「全部 全部 嫌いじゃないの」
「月明かりに 魔物が揺れる」
「きっと私もどうかしている 暗闇に色彩が浮かぶ」
本作の主題歌に優里の新曲「ベテルギウス」が起用されている関係で、セリフと歌詞のコラボレーションが実現したのだろう。ファンにとってニクい演出である。
衛が持参した企画書を見るなり顔色が変わった北別府先生。実は、彼女はスリースターブックスで電子書籍部門の編集長を務める碇健二(古田新太)と元夫婦関係にあった。過去にいざこざがあったふたりの間には、未だ解決できていないしこりが残されていたのだ。
当時、浮気してしまっていたことを告白した碇。「恥の多い人生を送ってきました」と反省する(これは太宰治「人間失格」からきている)。自分のせいで北別府先生が新作を描いてくれないことを悟った碇は、彼女の自宅まで直接謝罪と説得に向かう。この時のセリフ「俺のことは嫌いでも、会社のことは嫌いにならないでください!」は、元AKB48・前田敦子の卒業時の名言だ。
今回はオマージュ祭である。
「資金を援助する代わりに、娘の作品を掲載してくれ」としつこく要望する投資家が現れ、お金のためにクオリティの低い作品を採用するか、それとも、お金のためなら背に腹はかえられぬと苦渋の決断をするか……究極の二択を迫られるスリースターブックス。
結果、北別府先生は新生スリースターブックス・編集部とともに、二人三脚で新作の制作に取り掛かることになった。それもすべて優のファインプレーのおかげである。
なんとかギリギリのところで難を逃れたように思えたが、トラブルは尽きないものだ。なんと、諸悪の根源である一ノ瀬(戸次重幸)が「逮捕された」との知らせが入って、今話は終わる。
息もつかせぬ展開の合間に、小型犬・春野優や、忠犬・宮村空(町田啓太)へのときめきも入れてくるのだから、油断できないドラマだ。この作品はわかりやすいラブストーリーではないけれど、最終的に衛が誰かと恋に落ちるのだとしたら、誰なのだろう?
忠犬か、小型犬か?
次回まで待てそうにない。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
氷河衛(江口のりこ)は春野優(赤楚衛二)を『スリースターブックス』の社員として採用することに。そんな中、一ノ瀬亮(戸次重幸)が逮捕されたと連絡が入る。
衛、宮村空(町田啓太)、今吉零子(中村ゆり)ら役員が集まり、亮を相手に民事裁判を起こそうと協議するが、優は蚊帳の外。優は仕方なく、田中リリカ(志田未来)たちインターンとラーメン屋に集う。優は自分たちも何か出来ないかと提案するが、リリカに見守ることしか出来ないと言われてしまう。
衛は亮の面会に行くが、亮に民事裁判のことを伝えられずにいた。そんな衛に東海林達也(矢本悠馬)は、新しいオフィスになったのに何も変わらない、亮に甘えてばかりの衛に期待した自分がバカみたいだと告げる。
その後の役員会議で、衛が新たな会社の目標として月5千万円の売り上げを掲げると、空は新しい企画への参画を提案する。それは、飲料メーカーのペットボトルのラベルに漫画を掲載するというもの。興味を示した衛は、早速、空とコンペの説明会に参加するが、会場で空は急に顔色を変え、席を外してしまい…。
第4話のレビュー
第4話で描かれたのは、「就活生の悲哀」「パワハラのトラウマ」そして「人たらしすぎる春野優(赤楚衛二)」。
月5000万の売り上げ目標をぶち立てた新生・スリースターブックスは、宮村空(町田啓太)持ち込みの企画に乗り出すことになった。ペットボトルのラベルに漫画を印刷する企画。流通量も多いし、SNSでバズればスリースターブックスの認知度も広まる。一石何鳥もの企画である。
大きな仕事が動き出す一方で、春野優を含むインターン生たちは、くすぶっていた。
所詮、彼らは後数日で任期が終わる学生インターンでしかない。「何かできないかな?」と悩む優に対し、インターン生の一人である田中リリカ(志田未来)は「社員じゃないし、そこまでサービスできない」と一歩引いた姿勢をみせる。
同じくインターン生である豪徳尊(板垣瑞生)は、そんなリリカを称して「内定決まってないし、焦ってるのかも。自分もだけど」とこぼす。力になりたい気持ちはあれど、自身の進路を考えると、ひとつの会社だけに構っているわけにはいかないのだろう。「就活生の悲哀」が垣間見えるシーンだ。
ペットボトルのラベルに漫画を載せる企画コンペは、順調に滑り出していた。先方の担当である「日出広告」からも悪くない感触を受け取っていたが、とある一件によって暗礁に乗り上げてしまう。
なんと、空が過去に働いていたのは、この日出広告だったのだ。当時の上司だった宍戸(川瀬陽太)に過酷なパワハラを受けていたことがわかった。
お前なんて、生きている価値もない」と罵られ、全裸土下座で謝罪を要求されるのは日常茶飯事だったという。このパワハラ関連のシーンを見ているのがつらくなり、途中で離脱してしまった方も多いのではないだろうか。筆者も、古傷をえぐられた……。
空にとって幸運だったのは、橋にもたれかかっていたところを、衛に救ってもらえたこと。空が衛にナポリタンを奢ってもらうシーンは、これまでの回にも何度か登場していた。涙を流しながらナポリタンを食べる空。ドラマ「カルテット」(2017/TBS)で真紀(松たか子)が言っていた「泣きながらご飯を食べる人は、生きていけます」のセリフを思い出す。
自分がスリースターブックスにいる限り、企画コンペが通ることはないかもしれない。仮にそれが通ったとしても、禍根の残る相手と仕事をしなければならない。
「パワハラのトラウマ」に苦しめられる空。しかし、やはり衛はかっこよかった。
「もう、終わりにするんやろ!」
かつてパワハラに苦しめられた空を、窮地から救った衛。今回も、負けそうになる空を奮い立たせた。我に返った空は、真正面から宍戸と対峙した。「もう、終わりにするんで」と強いまなざしで口にした空は、最高にかっこよかった。
ここでひとつ、謝りたいことがある。
筆者は過去の「SUPER RICH」感想記事において、「宮村空がこのドラマの黒幕ではないか」と書いた。これを撤回するタイミングを窺っていたが、今がその時かもしれない……。ここまで衛に忠誠を誓い、「ずっと好きでした」と熱い告白までした彼が、衛を裏切るわけがない!
そんな空の渾身の告白も、衛には「生まれたてのヒヨコが初めて親を見たときの感覚」と捉えられてしまい、誤魔化されて終わってしまうのだが……。
告白といえば、もうひとり、衛に「好きだ」と伝えた人物がいる。春野優だ。
リリカに「可愛いよ」と言ったり、衛にも「可愛いって思ってます」と言ったり。やたらと可愛い可愛いを連発し、「人たらしな春野優」を見せつけた今回。「優はいつ、衛にちゃんと告白するの!?」とヤキモキしていた視聴者の方も多かったことだろう。ついにそれが実現した。
「僕、衛さんのこと、好きなんだと思います」
このラストシーン、最高に可愛い赤楚衛二が見られるので、未視聴の方は今すぐ”見逃し配信”に移ってほしい。すでにノックアウトされている皆さまも、何度でも拝ませてもらいましょう。
それにしても、衛はモテモテだ。春野優をしのぐ人たらしなのかもしれない。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
氷河衛(江口のりこ)は春野優(赤楚衛二)に告白された。優は宮村空(町田啓太)に衛を取られたくないと言うが、衛は彼の告白をはぐらかそうとする。2人が押し問答のようになっていると、インターフォンが鳴り、島谷聡美(松嶋菜々子)がやってくる。衛は聡美を食卓に招き、旧『スリースターブックス』社員の再就職先を世話してくれたことへの礼を述べた。そんな衛に聡美は、次に何を考えているのかと尋ねる。
次の日、衛は社員たちに会社の新たな目標を掲げる。すると資料を読んでいた優が、目標のひとつである人材育成の手段として挙げられていた留学に自分が行きたいと発言。まだ軌道に乗っているとは言えない会社で海外留学出来る人間は優しかいないと、1年間の留学に赴くことになり…。
第5話のレビュー
「海外で勉強した人材が欲しい」という衛(江口のりこ)の考えにより、1年間の海外留学に向かうことになった優(赤楚衛二)。留学中の1年間は一瞬で過ぎ去っていった。服装もカバンも様変わりし、英語や中国語などさまざまな語学を身につけて帰ってきた彼。急な展開に少々驚く。
優が留学中、新しいバイト・城戸密(結木滉星)が入社していたり、会社でハムスターを買い始めたりと、変化があったスリースターブックス。海外市場で動ける力を養うと同時に、電子書籍の販路を広げるための戦略も着々と進められていた。それが、携帯市場での繋がりをつくること。
留学中に大手携帯会社「三日月モバイル」の社長子息・森ノ宮大吾(矢野聖人)と交流していた優は、さっそくチャンスを活かそうとするが……。事実上、三日月モバイルを牛耳っているのは専務の大河一郎(田山涼成)であることが判明。
すでに提携する電子書籍会社は決まってしまっていた。スリースターブックスは、その候補となる前に弾かれる運命にあったのだ。
しかし、ただで転ぶスリースターブックスではない。
衛の父と大河一郎は、かつて友人同士だったことが判明。大河主催のパーティに潜り込み、なんとか懐に入れないかと画策する衛。背に腹は代えられないというか、使えるものは全部使ってやるというか、自棄っぱちな行動が実に気持ちいい。
そんな矢先、体調不良により倒れた母から「200万貸してください」と土下座されてしまう優。口座に20万ほどしか貯蓄がない彼は、会社のお金を借りられないか宮村(町田啓太)に頼み込む。「さすがにそんな大金は貸せない」と渋った宮村は、自身の貯蓄から200万を貸すことに。ラーメンを奢ってくれるわ、ポケットマネーで200万を貸してくれるわ、さすがに太っ腹すぎる。
優は、自分を変えるために留学の道を選んだ。それなのに、少しスキルが上がったくらいで、根本的には何も変わっていないことを嘆く。会社のために力を尽くすこともできず、大切な人は他の男に奪われるかもしれない。おまけに200万の借金まで……。なかなかに落ち込む状況だ。
しかし、衛はちゃんと優のことを見ている。
「変わろうとする気持ちが大事だと思う」「偉いよ、頑張ってるよ」とストレートな言葉で優を鼓舞する衛。不恰好にダンスを踊るラストシーンも、とてもよかった。
衛のために1年間の海外留学に行ってまで尽くそうとする優。衛のためなら何をするのも厭わない宮村。最終的に、衛の心を掴むのはどちらなのか? はたまた、衛の気持ちは違うところを向いているのか?
次回、そんな衛の過去に焦点があてられる。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
氷河衛(江口のりこ)は宮村空(町田啓太)に抱きしめられた。ちょうどそこに、酔い潰れた碇健二(古田新太)を連れた春野優(赤楚衛二)が帰ってくる。問いただそうとする優と空は言い争いになり、衛は2人を仲裁する。優は衛に、実家のために空から金を借りた事を伝え、借金返済のため、夜間のアルバイトを始める。
そんな中、『スリースターブックス』は『三日月モバイル』への提携企画を再提出することになる。優は東海林達也(矢本悠馬)、田中リリカ(志田未来)たちと新たな企画書を森ノ宮大吾(矢野聖人)に見せるため会社に乗り込む。だが、『三日月モバイル』は専務の大河一郎(田山涼成)に牛耳られ、彼の息のかかった社員ばかり。優たちと同行した城戸密(結木滉星)は、彼らに社員たちがいる前で余計なことを話さないようにと釘を刺し…。
第6話のレビュー
優(赤楚衛二)か、空(町田啓太)か。一体、衛はどっちのことが好きなの? 空と抱き合ってたってことは、そっちの方に惹かれてるの? とヤキモキしながら終わった前回。なんと、ついに衛が優と結ばれた……!?
6話で一体、何が起こったのか。予想外の展開続きで頭も心も追いついていないが、整理していこう。
「三日月モバイル」との電子書籍出版提携を結ぶべく、あの手この手を繰り出し続けるスリースターブックス。優が留学中に交流のあった森ノ宮大吾(矢野聖人)に何度かアプローチするも、大河一郎専務(田山涼成)の息がかかった企業はなかなか動かせそうにない。
優の「熱意で揺さぶる作戦」も失敗に終わってしまう。「本当にやりたいことはなんですか?」といった問いにも「そんなのないよ」「君を突き動かすものは何なんだろうね?」と冷静な大吾。どうすれば、この高すぎる壁を超えられるのだろうか……?
そんな矢先、高齢者施設に入所していた衛の祖母が危篤となり、息を引き取った。
父方の祖母は、衛が幼い頃から彼女の母親につらくあたっていた。認知症気味で施設に入所した後も、衛のことを「疫病神」扱い。優の計らいにより、亡くなる前に一目会うことは叶ったが、それでも祖母が心を入れ替えていることはなかった。
祖母の葬儀に参列したのは衛一人。親族含め、祖母のことを慕っていた人は皆無だったということだ。
「悲しくないけど、かわいそうです」
たとえ裕福な生まれで捨てるほどのお金を持っていても、愛情に恵まれなければ死ぬ時は一人かもしれない。どれだけお金に困らない生活だったとしても、あまりにも侘しい最後だ。
誰よりも優しく、衛のことを想っている優は、衛の祖母の葬儀にも参列。きっと、これが衛の心に響いた一撃になったのだろう。
身内の不幸があっても、仕事は止まらない。
三日月モバイルとの提携は諦めるしかないのか……。誰もが心折れかけていた時、またしても糸を手繰り寄せたのは優だった。
空から借りた200万返済のため、出前配達のアルバイトを始めた優。たまたま違法カジノの現場へ配達に向かった縁から、大河専務が違法カジノに関わっていることを暴く。「僕が賭けに勝ったら、衛さんに謝ってください。たくさん失礼なことを言いましたよね」と迫る優、カッコ良すぎた……。
衛が「好きです」と陥落するのも納得である。ここまで威力のある打撃を連発されたら、まともに立ってはいられない。
筆者としては、もう少し空にも頑張ってほしいところだった。思っていたよりも潔く身を引いてしまうんだな……と寂しく思っているのは、筆者だけだろうか?
晴れて両思い同士となった優と衛。「好きだけど、それは付き合うこととイコールなの?」と若干飲み込めていない様子の衛だが、それはそれで衛らしい気もする。
今吉(中村ゆり)の思いは伝えられないまま終わってしまうのか?
妊娠しているらしい鮫島(菅野莉央)の動向は、今後の物語にどう関わってくるのか?
次回明らかになるらしい、一ノ瀬(戸次重幸)とは別の裏切り者の正体とは?
まだまだ気になる点が盛り沢山である。次回を楽しみに待ちたい。
あ、挿入歌の「ミズキリ」、良かったですね。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
氷河衛(江口のりこ)は春野優(赤楚衛二)からプロポーズされた。だが、優は自分が宮村空(町田啓太)に借金を返済するまで待って欲しいと頼む。仲良さげな衛と優の会話を偶然聞いてしまった今吉零子(中村ゆり)は衝撃を受ける。
一方、『スリースターブックス』は森ノ宮大吾(矢野聖人)が新たに設立した『フォレストモバイル』とのコラボ企画が正式に決定し、銀行からの融資も受けられるほど順調となっていた。さらに、田中リリカ(志田未来)や東海林達也(矢本悠馬)たちは旧『スリースターブックス』のオフィスビルに入っている『フォレストモバイル』に移転計画があることを知り、自分たちが元のオフィスに戻れるかもしれないと希望を持つ。そんな中、リリカは鮫島彩(菅野莉央)の様子がおかしいことに気付き…。
第7話のレビュー
衛(江口のりこ)と優(赤楚衛二)の想いが結ばれた。優が宮村(町田啓太)へ借金している200万を完済したら、結婚しようという話にまでなった。実際に4ヶ月で200万を返す偉業を成し遂げた優、家族にも衛との結婚を告げ、準備は万端。
このままハッピームードで7話が終わるのか!? と思いきや……後半から展開が逆転した。
スリースターブックス再建のため、「フォレストモバイル」との提携とコラボ企画が実現。人気漫画家・野田(山口勝平)の作品を主軸に、碇(古田新太)が先導することになった。
この企画が軌道に乗れば、スリースターブックスの売り上げも増え、元のオフィスに戻ることができる。誰もがそう期待した矢先、野田の作品と酷似した漫画が不法にアップロードされ、ネット上に出回っていることが判明。原稿データを持っている社内の人間の仕業としか思えない所業である。
もう一人の裏切り者は誰なのか……!? 予告でも気になっていた場面だ。花嫁衣装を着た衛が「あなたが裏切るん?」と悲痛そうに言っていたシーン。果たして、その裏切り者とは……。
アルバイト入社の城戸(結木滉星)だった。
別の漫画家に10万を渡し、よく似た漫画を描かせたのだという。すべては、過去にMEDIA社との業務提携を断ったスリースターブックスへの復讐だった。城戸は元MEDIA社の人間であり、件の業務提携が上手くいけば子会社のトップになる予定だったという。まさに逆恨みとしか思えない反抗だ。
たかが10万。されど10万。城戸は、恨みを晴らすために10万で漫画家を雇った。去っていく城戸に対し優が「一番価値のないものにお金を使った、君のことをかわいそうに思うよ」と言っていた。筆者自身も、そう思う。城戸の目的である「憂さ晴らし」が果たされたのかも、定かではない。
てっきり、もう一人の裏切り者は今吉(中村ゆり)か宮村だと思っていた。何度も何度も疑ってごめん……と手を合わせかけたその時、今吉が衝撃の一言を。
「辞めます」
会社設立時から支えてくれた今吉をはじめ、古くからのメンバーがどんどんスリースターブックスを離れていくことに……? まさに急転直下、ジェットコースターのように物語が展開する「SUPER RICH」。次回まで、待てない。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
『スリースターブックス』は、以前のオフィスビルに戻る寸前まで業績を回復。そんな中、氷河衛(江口のりこ)と春野優(赤楚衛二)が結婚の予定であることを仲間たちが知る。突然のことに衝撃を受ける仲間たち。とりわけ、宮村空(町田啓太)と今吉零子(中村ゆり)の胸中は複雑だ。
今吉は出社時間を早めて会社に行き、衛に『スリースターブックス』を辞めると告げる。衛は今吉を引き留めようとするが、今吉の決意は固い。
また、田中リリカ(志田未来)だけが気づいていた鮫島彩(菅野莉央)の妊娠も、衛が知ることになる。さまざまな問題が浮き彫りになり、『スリースターブックス』の仲間たちに崩壊の危機が訪れようとしていた。
そんな中、『スリースターブックス』に恨みを持つ人間が次々に現れ、会社は窮地に立たされる。そして、優にも危機が…。大波乱の第2章が完結!
第8話のレビュー
今吉(中村ゆり)と、鮫島(菅野莉央)の退職。
衛(江口のりこ)にとって、ともにスリースターブックスを盛り上げてきた仲間からの、突然の退職宣言がなされた。今吉と鮫島は会社にとってなくてはならない存在。オフィスを移転し再帰しようとしているこのタイミングで抜けられると、経営が立ち行かなくなる恐れもある。
今吉は、思い人である衛と優(赤楚衛二)が共にいるのを見届けるのがつらいために、退職して衛と離れることを決意。そして、鮫島は妊娠5ヶ月であることが判明。つわりがこんなにつらいとは思わなかった、妊婦の状態で働き続けることはできない——そう言って、涙ながらに「辞めさせてください」と口にした。
鮫島の言うように、決してスリースターブックスは、妊婦や母親が働くことを想定した会社ではない。必要な制度がない事実は、共に働いてきた鮫島には筒抜けだ。つわりのせいで心が弱くなっている彼女には、余計に「退職」の選択肢しか見えないのだろう。
元のオフィスへと戻る目処がようやく立ってきたにも関わらず、立て続けに災難に見舞われるスリースターブックス。彼らが立たされた窮地は、現代社会の問題を炙り出す。「女性の活躍」を目指すと言っておきながら、いつまでも整わない制度。性別によって役割が分担され、女性にばかり負担がかかるケースが多い現実。同性愛者に対する偏見や差別……。
「女性の在り方」に迫った、どこまでも現実的なドラマだ。
同性愛者である事実がSNS上で面白おかしく拡散されたことにより「会社に対して申し訳ない」とすぐさま身を引こうとする今吉。しかし「そんなことでなくなる仕事だったら、こっちから願い下げ!」「今吉という一人の人間の、心の話をしてる」と言ってのけた衛。凄まじくかっこいい……。これは、男女問わず惚れてしまうだろう。
結婚や出産にまつわる、女性のキャリアを想定した制度作りに対しても、本格的に乗り出すことを衛は約束した。「遅いかもしれないけど、手伝ってくれないか」と申し出た衛に、笑顔で応える鮫島。どうやら、会社にとっての心臓である二人の退職は避けられたようである。
お気づきだろうが、このドラマの展開はまさにジェットコースター。ひとつの問題が片付いたかと思いきや、また新たな問題が浮上する。衛と優の間でちょっとした価値観の齟齬があり、喧嘩になってしまったのだ。
「私には私の世界がある。優くんと全部共有せなあかんのかな」
「好きな人だからって、全部を話すことはない」
衛としては、自分の世界は自分だけのものとして、好きな人とは「共有したいことだけ」共有したいと思っている。しかし、優は真逆だ。好きだからこそ相手のことはすべて知りたい。そう思うのは悪いことじゃないはずだーーどちらも間違っていないからこそ、なかなか答えが出せない問題である。
「ちょっと頭を冷やしてくる」と言って出て行く衛。向かった先はバーで、なんとカウンターには空(町田啓太)の姿が……! 優しく包み込み、慰めてくれる空に対し「ありがとう」と返す衛。ここで空、一発大逆転ホームランか!? と全視聴者は色めき立ったことだろう。
そんな矢先、なんと優がコンビニ強盗に襲われ重体、瀕死の危機に!
結果的に一命を取り留め、この事件を機に衛と優の仲も深まった様子。これでようやく、本当の本当に一件落着かと思いきや……急勾配なストーリー展開に必死で食らいつく私たちに突きつけられたのは、「1年4ヶ月」という時の経過だった。
年単位で急に話が飛びすぎです、このドラマ……。
なんだか優くんは感じが変わってしまっているし、MEDIAからヘッドハンティングされているらしい空の動向も気になるところ。そろそろ終結が近いはずだが、まったく終わりが見えてこないと感じるのは、筆者だけだろうか。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第9話ストーリー&レビュー}–
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
氷河衛(江口のりこ)の献身的な補助で、強盗に刺されて傷ついた春野優(赤楚衛二)は回復。そして2人は桜(美保純)と良次(上島竜兵)を証人に、晴れて婚姻届を提出した。また、今吉零子(中村ゆり)、鮫島彩(菅野莉央)を引き留めた『スリースターブックス』は以前入っていたオフィスビルへと移転し、1年後には株式上場を考慮するまでに成長する。
そんなある日の役員会議で、衛は自身の勤務形態をリモートに変えたいと言う。出産育児を経験している鮫島から、リモートワークの課題を指摘された衛は、経験のために自分で運用してみたいというのだ。田中リリカ(志田未来)は衛のリモートワークを懸念し、宮村空(町田啓太)に相談を持ちかける。会社のナンバー1の衛がリモートを続けるなら、明確なナンバー2を据えるべきだと言う。
その夜、優に真子(茅島みずき)から急な連絡が入る。それは、優の実家に関わる重大な出来事で…。
第9話のレビュー
もういい加減、このドラマの超特急ジェットコースターっぷりには慣れないといけないだろう。第9話、衛(江口のりこ)と優(赤楚衛二)は晴れて籍を入れ、スリースターブックスも元のオフィスに戻り、上場を目指して舵を切り始めていた。
売上も上昇、将来有望な作家も少しずつ集まって、航海は順調に思えたが……。そんな矢先、衛が脳梗塞で倒れてしまう。
「今後の勤務体制を見直すためにも、リモート勤務を試しておきたい」と上手く言い訳し、自宅勤務に切り替える衛。その影響で、CFOである今吉(中村ゆり)に負担が。やはり投資家は直接、社長と話したがるものだ。「誰よりも対面での打ち合わせを重んじていたのに」と東海林(矢本悠馬)を始めとする社員たちも首を傾げる。
「CEOの代わりになれるCOOが必要」とするリリカ(志田未来)の進言により、優がその大役を担うことに。しかし、雲行きは決して穏やかではない……。
社長である衛が直接動かない限り、遅々として進まない案件も出始めた。そんな中、優の父親に1000万の借金があることが発覚。妹の学費が支払えないために、退学まで検討しているという。
衛の体調不良と、優の実家のゴタゴタ……。ふたつの問題ごとがタイミング悪く重なり合ってしまった。
この辺りで、どんどん優の様子がおかしくなっていく。筆者は気が気ではない。衛との結婚から1年4ヶ月、たったこれだけの期間でなぜここまで? と不思議に思ってしまうほど、優はやさぐれてしまうのだ。遅い反抗期の到来か。「もう工場なんて辞めたら?」と父に対して爆弾発言までかました。
確かに、お金がないせいで実家では問題が多発、仕事も上手くいかず、病気の嫁の世話を(かつての)恋のライバル・空(町田啓太)がしていたとなったら、やけ酒をしても仕方がないか……。
「頭を冷やしてくる」と外出した優の元へ、過去にインターンとして共に働いた豪徳がやってくる。優に対して誘いをかけるが、その内容は、いかに。
やぶれかぶれになった問題児を救えるのは、衛しかいない。
「言いたいことが1500個ある。腹割って話そか」と啖呵を切る衛が、実にかっこいい。言いたいことを言えなくなった、あるいは我慢するようになった瞬間から、夫婦は離れていく。そうだとしたら、互いに手綱を引き戻すことができるのは、このタイミングしかない。
優くん、きっとあなたは、父や母に嫌気が差したのではない。彼らに「かつて貧乏だった自分」を重ねているだけなんだ、きっと。それは自己嫌悪。名前どおり「優しい自分」を思い出せば、まだ戻って来られる場所にいるはずだよ。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第10話ストーリー&レビュー}–
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
氷河衛(江口のりこ)と春野優(赤楚衛二)の家に、桜(美保純)と良次(上島竜兵)が謝りに来た。しかし、優はもう工場をやめた方が良いと言い放ち、2人に金を渡して出て行ってしまう。
しばらくして優が家に帰ると、衛は話があると切り出す。2人は自分たち夫婦の今後について話し合い、ある結論に至る。
次の日、衛は『スリースターブックス』の仲間に体調のことを打ち明ける。すでにそのことを知っていた宮村空(町田啓太)以外、今吉零子(中村ゆり)や東海林達也(矢本悠馬)、鮫島彩(菅野莉央)たちは驚くものの話を受け入れる。衛は休養を取ることになり、優はCOOを続けることに。
その後、優は空に謝り、衛は今吉たちと食事へ行くなど、仲間たちの絆は一段と強まっているかのように思えた。しかし、碇健二(古田新太)は今後の自分の身の振り方を模索。一身に仕事を担っていた空も…。
第10話のレビュー
かねてから怪しい動きを見せていた宮村空(町田啓太)。聡美(松嶋菜々子)が社長を務めるMEDIA社からヘッドハンティングを受けているらしい空は、いざという時のためにオファーに関する書類を持ち歩いていた。衛(江口のりこ)に忠誠を誓い、スリースターブックスと歩みを共にするつもりなら、そんなことをする必要はない。
恐れていたことが起こった。なんと聡美は、衛にCEOの座から外れることを要求。代わりに空をCEOにすると言い出したのだ。まさに青天の霹靂。いくら資本提携するといっても、予想外すぎる人事である。
振り返ってみると、何が起こっても空は常に落ち着いており、冷静な物腰を貫いていた。春野優(赤楚衛二)にどんな暴言を吐かれても、大人な対応で受け止めていたのだ。あまりにも”落ち着きすぎている”。
いざとなったらスリースターブックスCEOの座に収まる腹づもりだったからこそ、焦らずにいられたのだろうか?
かつて、空は前職の上司から酷いパワハラを受けていた。被害者と共に裁判を起こしており、その件も一段落ついたタイミングだという。彼はだいぶ早い段階から、CEOになる想定で動いていたと考えても、不自然ではない。
不穏な動きを見せているのは空だけではない。かつて一緒に働いた仲間、豪徳(板垣瑞生)に誘われてデイトレードを始める優。
前回、”遅れてきた反抗期”のようになっていた優だが、衛には誠心誠意謝り、空にはラーメン+餃子を奢ることで許されたようだ。両親の工場は畳むこととなり、周りに頼ることなく再建をはかろうとしている。もしや、まとまった資金を確保するためにデイトレードを始めたのだろうか。悪い予感しかしない……。
「お金」と「人との繋がり」。衛と優は、ある意味「お金」をきっかけに出会って繋がった。この世のすべては金で回っていると思っていた衛は、優と出会ったことで人の暖かさを知っていく。優にとっても、お金は使い方次第で良くも悪くもなると実感しているのではないだろうか。そんな二人の関係性が、また「お金」をきっかけに離れてしまうのだろうか?
次回、最終回。果たして残り一話ですべての収拾がつくのか。最後まで、この物語のジェットコースターっぷりに付き合うことになりそうだ。
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{第11話ストーリー&レビュー}–
第11話ストーリー&レビュー
第11話のストーリー
氷河衛(江口のりこ)は、島谷聡美(松嶋菜々子)から『MEDIA』社が『スリースターブックス』にTOB(敵対的買収)を仕掛けるという連絡を受ける。しかも、TOB後は宮村空(町田啓太)を『スリースターブックス』のCEOに据えると言うのだ。衛は優(赤楚衛二)とともに空に会って真偽を問う。すると空は、自分も「やりたいことをやってみたくなった」と告げる。
衛と優は、今吉零子(中村ゆり)、東海林達也(矢本悠馬)、鮫島彩(菅野莉央)たち役員を集めて事情を話す。聡美が2年前から用意周到に空のヘッドハンティングを開始したこと、『MEDIA』が欲しいのは『スリースターブックス』が持つ作品と作家のライセンスだけで、空以外の社員は不要になってしまうこと、さらに、潤沢な資金でTOBを仕掛ける『MEDIA』に対抗することは困難を極めることも…。それでも、衛は社員たちを守るために『MEDIA』の買収に対抗して、友好的に買収・合併してくれる相手を探すことになり…。
一ノ瀬亮(戸次重幸)から始まり仲間に裏切られ続けた衛だが、優たちと上場にまで押し上げた『スリースターブックス』に最後の引導を渡すのは空と聡美になってしまうのか?波乱の物語が完結!
第11話のレビュー
やはり、宮村空(町田啓太)は裏切り者ではなかった……! 最終回直前まで疑ってしまっていた。誠心誠意、謝罪したい。彼は敢えてMEDIA社に近づき、聡美(松嶋菜々子)のTOBを阻止しようと機を狙っていたのだ。「敵を欺くときは味方から」というやつである。
「僕たちの会社を絶対に守りましょう」……力強い言葉が、きっと衛(江口のりこ)だけじゃなく全社員に、そして全視聴者にも届いたに違いない。決してMEDIA社の好きにはさせない。そんな強い意志を持って、スリースターブックスを救ってくれるホワイトナイトを見つける旅が始まった。
ホワイトナイトとは、MEDIA社よりも高値で会社を買ってくれ、しかもスリースターブックス側の味方になってくれる投資家のことを指す。かつて衛たちを裏切った一ノ瀬(戸次重幸)が投資家として返り咲き「助けてやろうか?」と近づいてきた。しかし……彼はまるっきり税金のことを度外視していたようである。最後の最後まで、良いところのない戸次重幸だった。
語学力をメキメキと上達させた優(赤楚衛二)が各国に飛び、ホワイトナイトを探すも、進捗は芳しくない。あわや……ギリギリのところで衛が下した決断は?
なんと、MEDIA社の言う通り、スリースターブックスのCEOを退任! 代わりに宮村がCEOの座に収まった。このままスリースターブックスはMEDIA社に乗っ取られてしまうのか……と戦々恐々とするも、実は裏をかかれたのは聡美のほう。
衛は、スリースターブックスとは別の新会社を設立し、作家たちの契約書を書き換えて難を逃れたのだ。MEDIA社が狙うライセンスの旨みを下げるため「次回作は好きな場所で描いてOK」といった内容の契約書に……。
最後はなんとも華麗な方法で、苦境を乗り越える様を見せてくれた。社員同士で力を合わせて……と書いたら格好良すぎるけれど、それもすべて、社員たちの衛に向けた「愛」があったからこそである。
このドラマは、11話分のストーリーでもって、私たちに教えてくれた。
お金の大切さ。愛の重要さ。人は一人では生きていけない事実。そして、お金に執着するがあまり訪れる破滅の愚かさ。
衛が最後に言っていた言葉が最適解であるような気がする。本当の「スーパーリッチ」とは何なのか。お金のことは気にせずに、好きな人と好きな仕事をして、美味しいご飯を食べて、あったかい布団で眠る。そんな幸せを軽んじることがないように。
後悔のない生き様であれ! そう、背中を押してくれるドラマだった。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「SUPER RICH」の各話を1つにまとめたものです。
–{「SUPER RICH」作品情報}–
「SUPER RICH」作品情報
10月期のフジテレビ木曜劇場では、ベンチャー企業の破天荒な女性社長を主人公に描くドラマ『SUPER RICH』を放送することが決定しました。幸せのカタチ=“スーパーリッチ”を追い求めるキャリアウーマンの、ジェットコースターのような波瀾(はらん)万丈な半生を描く完全オリジナルドラマです。
主演を務めるのは話題作に立て続けに出演し、今最も熱視線を浴びる大ブレーク女優・江口のりこさん。キャリア20年以上の実力派の江口さんが、今作でついにゴールデン・プライム帯ドラマ初主演を果たします。また、江口さんはフジテレビ連続ドラマ初主演で、木曜劇場にも初出演にして初主演。仕事にプライベートにと、苦悩を抱えながらも日々をひたむきに生きるアラフォー女性のリアルな心情を描き出します。
さらに、共演にはいま飛ぶ鳥を落とす勢いの若手俳優・赤楚衛二さんが決定。ベンチャー企業のインターン試験を受ける、主人公とは生まれも育ちも正反対の貧乏な専門学生を演じます。日々困難に直面する主人公を懸命に支え、時に翻弄(ほんろう)する年下の無邪気な“子犬系男子”が、会社の未来や彼女の人生をも大きく変えていきます。
クセの強い役どころを巧みに演じ分け、見る人に強烈なインパクトを与えてきた実力派かつ個性派の江口さんが本作で挑むのは、プライベートを顧みず、仕事一筋で生きてきたベンチャー企業『スリースターブックス』の社長・氷河衛(ひょうが・まもる)。女優の道を歩み続け、今や“働くかっこいい女性”の代名詞の江口さんが、自身のキャリアと重ねて等身大で挑みます。また、江口さんのセリフは全編を通して関西弁で話される予定。兵庫県出身の江口さんが発する、毒舌混じりの小気味よい“ネーティブ関西弁”にも注目です。
一方、『スリースターブックス』のインターン試験を受ける貧乏学生・春野優(はるの・ゆう)を演じるのは今をときめく若手俳優の赤楚さん。その屈託のない笑顔と見る人を虜(とりこ)にするまっすぐな演技で老若男女、国内外を問わず絶大な人気を集める赤楚さんが、素直でかわいい“子犬系男子”を熱演します。物語が進むにつれ、優が成長し、“脱子犬化“する姿も必見です。赤楚さんが木曜劇場に出演するのは今作が初めてで、フジテレビ制作の連続ドラマにレギュラー出演するのも初めて。江口さんとは初共演です。
本作の主人公・氷河衛は、電子書籍を手がけるベンチャー企業『スリースターブックス』の代表取締役CEO。裕福な家に生まれ、これまでの人生においてお金に困ったことは一度もありません。「お金があれば何事も解決できる」と考え、より多くの利益を出すため、せわしなく働く日々を送っています。その年を代表する女性起業家に贈られる”プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”を受賞するなど社会的に評価されている衛ですが、幼少期に両親を亡くしたさみしさや悲しみから心を閉ざし、お金はあるけれど愛に飢えた人生を過ごしてきました。
友人もなく孤独な衛が唯一心を許した相手が、大学時代に出会った一ノ瀬亮(いちのせ・りょう)で、彼と二人三脚で立ち上げ成長させてきた『スリースターブックス』は、衛にとってまさに人生そのもの。しかし、会社をより大きくするため奔走する衛の前に、会社の経営を揺るがすような危機が次々と訪れることとなるのです。
周囲に弱みを見せることなく、孤高の女社長として社会で闘い続けてきた衛が衝撃的な出会いを果たすのが、『スリースターブックス』のインターンに応募してきた一回り年下の専門学生・春野優。両親と妹の4人家族で愛情にあふれた家庭で育ったのですが、長年、実家の経営状況は厳しく、手に職をつけるために東京の専門学校へ入学。アルバイト代をやりくりしてなんとか生活している状態。
そんな時『スリースターブックス』が学歴不問のインターンを募集することを知り、人生を変えるために意を決して応募します。確固たる意志と行動力を持ち合わせていて、時に大胆な行動をとって衛を驚かせることも。 どうして衛にこんなにもついて行くのか?その理由は物語が進むにつれて明らかになっていきます…。優のかわいらしい笑顔や人なつっこさが、仕事に忙殺され「氷」のように凍(い)てついた衛の心に、「春」のような暖かさを与えていくことになるのです。
お金はあっても愛に飢えた孤独な女社長と、愛はあってもお金がない貧乏専門学生という真逆の2人が出会い、会社に襲いかかる困難を次々と乗り越えて前へと進んでいく姿は、苦境が続く現代社会を生きる全ての人を元気づけること間違いなし!
まるでジェットコースターのように、毎分、毎秒でめまぐるしく変化していく登場人物たちの心情と、原作のない完全オリジナルドラマだからこその予測不能かつスリリングなストーリー展開をお見逃し無く!衛と優を取り囲む『スリースターブックス』の社員やインターン仲間にも、今後ブレークが期待される若手から国民的スターまで、個性豊かな俳優陣が顔をそろえます。
コメント
江口のりこさん
出演が決まったときは、まずは体力や体調に気をつけなきゃな、と思いました。そして台本を読んでみて、1話からスピーディーな展開で、“その先を早く読みたい!”と、ワクワクしました。まったくのオリジナル作品なので、どうやって面白くしていくのかをチームのみんなで探せて行けたらなと思います。共演の赤楚さんは柔らかい雰囲気の方なので、リラックスしてお話が出来そうだなぁ、とホッとしました。きっと面白いドラマになると思います。是非ご覧になってください。よろしくお願いします。
赤楚衛二さん
今までに取り組んだことのない題材と役柄で、新しい挑戦ができることが楽しみですし、木曜劇場にレギュラー出演させていただけて、とても光栄に思います。台本を読んでみて、困難に直面し、目まぐるしい環境の変化の中でも、氷河衛をはじめとした登場人物たちが日々を一生懸命生きる姿に力強さを感じました。
江口さんはドラマや映画で拝見し存じ上げていたのですが、このたび撮影で初めてお会いし、凜とした佇(たたず)まいで、かっこいい方だと思いました。 今回僕が演じる春野優からは、世の中に対して不公平さを感じるものの、“自分の人生は自分のものだから光をつかみたい”という気概を感じます。若さ故の不器用さもありますが、役と向き合いながら、そういった人間味も表現できるよう心がけていきます。そして月日がたつにつれ、優の人間力や価値観が変化していく過程も丁寧に描いていけたらと思います。
このドラマが、見てくださった皆様の明日の活力になるような作品になれたらうれしいです。今作のテーマである“本当の幸せ”とは何なのか、衛の波乱な半生と共に、一緒に楽しんでいただけたらと思います。
プロデュース 金城綾香(フジテレビ第一制作部)
お金と愛と幸せと、全部あれば良いのですが、そうはいかないのが人生だと思います。江口さんに演じていただく衛は、凛としたクールな佇(たたず)まいがある女性で、赤楚さんに演じていただく優は柔らかい温かさのある男性です。
男と女、年齢差、バックボーンの違いなど、正反対の場所にいる二人がどう交わっていくのか、また、これからたくさんの登場人物と二人が交差して物語が進んで行きます。2021年秋、ご覧になった方の心を少しだけでも“リッチ”にできるよう、一同力を尽くして頑張ります。
キャスト
氷河衛
江口のりこ
春野優
赤楚衛二
宮村空
町田啓太
鮫島彩
菅野莉央
豪徳尊
板垣瑞生
鬼頭流星
嘉島陸
高橋みゆ
野々村はなの
春野真子
茅島みずき
東海林達也
矢本悠馬
田中リリカ
志田未来
今吉零子
中村ゆり
一ノ瀬亮
戸次重幸
春野桜
美保純
碇健二
古田新太
島谷聡美
松嶋菜々子
スタッフ
主題歌:
『ベテルギウス』優里
(ソニー・ミュージックレーベルズ)
脚 本:
溝井英一デービス
(『監察医朝顔』脚本協力、『癒されたい男』他)
音 楽:
fox capture plan
プロデューサー:
金城綾香
(『監察医 朝顔』シリーズ、『グッド・ドクター』『営業部長 吉良奈津子』『5→9~私に恋したお坊さん~』他)
栗原彩乃
(『監察医 朝顔』スピンオフ 他)
演 出:
三橋利行
(『監察医 朝顔』第2シーズン、『トレース~科捜研の男~』『コンフィデンスマンJP』他)
平野 眞
(『監察医 朝顔』シリーズ、『ショムニ』シリーズ、『HERO』シリーズ 他)
相沢秀幸
(『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』『トレース~科捜研の男~』 他)
阿部雅和
(『監察医 朝顔』シリーズ、『婚活刑事』 他)
制作・著作
フジテレビ 第一制作部