杉咲花が主演するドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」が2021年10月6日(水)放送スタートした。
WEB閲覧数累計2000万PVを突破した人気漫画「ヤンキー君と白杖ガール」(作:うおやま)を実写化した本作は、勝気だけれど恋に臆病な盲学校生の少女と喧嘩っ早いけれど根は純粋な不良少年が運命の出会いを果たし、惹かれ合っていく新世代のラブストーリー。主役の赤座ユキコを杉咲花、ユキコと恋に落ちる黒川森生を杉野遥亮が演じる。
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
盲学校高等部に通う赤座ユキコ(杉咲花)は、おっちょこちょいなカメラマンの父・誠二(岸谷五朗)と、心配性なネイリストの姉・イズミ(奈緒)との3人暮らし。色と光がぼんやりわかる程度の弱視のユキコは、その日、いつものように白杖をついて学校へと急いでいた。しかし、朝からツイていないこと続きで時間は遅刻寸前。そんな日に限って、点字ブロックの上で話し込む男たちに遭遇してしまう。
何やら物騒な会話を交わす男たちに、どいて欲しいと頼むユキコだが、相手は地元でも有名な札付きのワル『黒ヒョウのモリ』ことヤンキーの黒川森生(杉野遥亮)と、その仲間・花男(戸塚純貴)と草介(堀夏喜)だった……!そんな中、白杖を掴まれて、反射的に蹴り上げたユキコの足が、偶然にも森生の股間にヒットしてしまう!悶え苦しむ森生を心配し、よく見ようと覗き込むユキコ。だが、その瞬間、ユキコの顔の近さに驚いた森生は、恥ずかしさから思わずフリーズ!森生の中で“何か”が始まる!
その日以来、なぜかユキコの通学路で待ち伏せするようになった森生。謎のアプローチに戸惑うユキコを、盲学校のクラスメイトの空(田辺桃子)と青野(細田佳央太)は「一目惚れだ」と冷やかすが……。
一方、花男と草介の前には、森生のライバル・獅子王(鈴木伸之)が現れる。森生との因縁の喧嘩対決に決着をつけようと宣戦布告する獅子王。しかし、いつもは喧嘩っ早いはずの森生は、その話を聞いても心ここに在らずで……。
森生の異変に気付いた行きつけの喫茶店店主・茜(ファーストサマーウイカ)は、「それが、『恋』だよ」と森生に告げる。その日の夕方、森生は下校するユキコを再び待ち伏せて……。純粋すぎるヤンキー・森生と、ある理由で恋に臆病になっているユキコ。全く違う世界に生きてきた2人が出会った時、想像もしていなかったラブストーリーが始まる!
第1話レビュー
ユキコ(杉咲花)は、そこに何かがあるなぁ…とぼんやり認識できる程度の弱視。コスメにつけた突起状のシールを頼りにテキパキとメイクをするし、家の中をほとんど自由に動き回る。
だが、やはり一歩外に出てしまうと同じようにはいかない。道端のビニール袋に足を取られてしまうし、点字ブロックが塞がれると前に進めなくなってしまう。
この点字ブロックを塞いでいたのが、“黒ヒョウのモリ”という異名を持つヤンキーの黒川(杉野遥亮)と、取り巻きの花男(戸塚純貴)、草介(堀夏喜)だった。「どいて欲しい」と訴えるユキコに絡む黒川。ところが、白杖を掴まれたことで動揺し蹴り上げたユキコの足が、見事(?)黒川の股間に当たってしまい形勢逆転。
痛みに苦しむ黒川と、横でやいのやいのと騒ぐ花男と草介。顔に傷があると聞いたユキコは、自分のせいだと勘違いして黒川の顔を覗き込もうとするが、その距離がとんでもなく近い。この杉咲花の至近距離、かわいすぎて画面越しで見る筆者にとっても相当な破壊力だったが、それは黒川も同様だったようで、ちょっと様子がおかしい。はい、これはもう、完全に始まりました…!
翌日、黒川はユキコに謝るべく、通学経路で待ち伏せをしていた。でも、ただ謝るだけではない。点字ブロックや白杖について調べ、昨日の自分がどう悪かったのかを理解しようとした上での謝罪だった。これは謝罪される側にとっても重みが全然変わってくる。黒川のこの真摯な姿勢は、その後も様々な場面で垣間見えることとなる。
ユキコを見送り、満面の笑みで「行ってらっしゃい!」と手を振る黒川…
溜まり場にしている喫茶店で、「(ユキコに)また会いたい」と言って憚らず、にやにやが止まらない黒川…
帰りもユキコを待ち伏せて「会いたかったんです」と言っちゃう黒川…
真摯というか、びっくりするくらい純粋だ。そして何より愛おしい。反面、こんなにも真っ直ぐだと、きっとこれまでたくさんのことに傷付いてきたんじゃないかと、にわかに心配になる。
その心配を実感してしまう出来事が起きる。
自転車を盗み人を殴ったという理由で、黒川たちが警察に捕まってしまったのだ。しかも、ユキコのいる前で。黒川の真っ直ぐな好意に心を開きかけていたユキコだったが、「何やってんだよ」と黒川に言い放ち、その場を去ってしまう。雨に濡れる傷付いたヤンキー、鉄板だけど子犬みたいな顔をしている黒川に胸が痛む。
でも、これはすべて濡れ衣だった。黒川は、ユキコのためにと点字ブロックの上に停められていた自転車をどけようとしていただけだったのだ。
そのことを後日、花男から聞かされたユキコは、1度は捨てようとした黒川からのラブレターを急いで読む。傍らにはルーペも出していたが、そんなものは必要ないくらい、便箋2枚に渡ってでかでかと「恋です!」と書かれていた。シンプルで、1番思いの伝わる3文字。黒川らしい。
家を飛び出したユキコだったが、黒川の居場所を彼女は知らない。道行く人に聞いてみるが、知ってる人もいない。
途方に暮れている時に、誰かが横に腰掛ける。ユキコはその人に黒川の特徴を説明する。
「怖くない」「不器用なだけ」「口下手」「悪い奴じゃない」…
横に腰掛けていたのは黒川本人で、ユキコの言葉に泣き始めた。ユキコに嫌われていなかったという安堵が大きかったのだろうが、この人が今までどれだけの偏見に知らぬ間に傷付いてきたかの片鱗を見せられたように感じてしまった。
2人は、自転車で塞がれていた道の、その先にある公園へ。
「住む世界が違う」ことを理由に、もう自分とは関わらないほうがいいと言う黒川。これに対しユキコは、自分が弱視だから、住む世界が違うと言われたと解釈する。ところが、黒川は「ユキコさんは普通の世界で生きている」と続けた。“普通”と言われたことに驚き、ちょっとだけ目を潤ませるユキコ。
それぞれが自分のことをこそ“異質”と思っていたのだ。周りとの違いを感じ、時に傷ついたり悩んだりしてきたのだろう。そんな自分を偏見も区別もなく見てくれる人が現れた。ユキコの「この世界は私が思っているより優しいのかもしれない。でもそれはもしかして、この変な奴と一緒にいると、なのか?」というナレーションが、じんわりと染みる。
どんな展開になるのか、スタートをとても楽しみにしていた本作。ともすればセンシティブになりかねないテーマがラブコメで描かれることに、ほんの少しの不安も感じていたのだが、完全なる杞憂に終わった。コミカルでありながら、丁寧な描写で色んな気づきを与えてくれる作品に仕上がっていた。
ひと口に弱視といってもそれぞれに見え方が異なること。雨が降ると行動が制限されてしまうから天気予報のチェックは欠かせないし、晴れ予報が嬉しいこと。普段どれだけ視覚情報に頼っているかということ(濱田祐太郎の解説も面白く、勉強になる)。ドラマを見、調べ、筆者自身も理解を深められたらと思う。
そしてもちろん、ちょっと口が悪くて勝気な女子高生を演じる杉咲、真っ直ぐすぎる純粋ヤンキーを演じる杉野にも注目したい。2人の間に流れるかわいくてピュアな空気感に、きっと毎週癒やされるんだろうな。(願わくば筆者も毎朝、笑顔の杉野に「行ってらっしゃい!」と見送られたい!)
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
映画を観に行くため、待ち合わせ場所に向かっていたユキコ(杉咲花)は、いつもの道で森生(杉野遥亮)に再会する。すっかりユキコになつき、嬉しそうな森生。そんな中、一緒に行くはずだった同級生の空(田辺桃子)から風邪をひいたと電話が入り、急遽予定はキャンセルに。家に帰ろうとするユキコに、森生は自分と一緒に映画に行こうと提案する!男子と2人で映画を観ることに抵抗を覚えつつ、森生に押し切られたユキコは2人で映画館へ。
カップルたちに混ざり、売店で飲み物を注文するユキコ。メニューの読めないユキコが周囲に迷惑をかけないよう素早く定番メニューを注文する中、森生は意外な方法でユキコの世界を広げて行く……!
その頃、森生から約束をドタキャンされた花男(戸塚純貴)と草介(堀夏喜)は、いつもの喫茶店に集合。茜(ファーストサマーウイカ)の姪・ハチ子(生見愛瑠)は、森生がユキコと映画に行ったことを知り、面白くない態度を見せる。花男はハチ子の恋心を確信するが……。
一方、映画館ではユキコの大好きなゾンビ映画が始まる。ぎこちない2人の映画初体験には、想像を超えるドキドキと胸キュンが詰まっていた!
その帰り、すっかり打ち解けた2人は、なんだかいい感じに。先入観のない森生と過ごすうち、ユキコにも自然に笑顔が溢れる。しかし、森生から連絡先を交換したいと言われてスマホを出したその時、2人の様子を影から見ていたハチ子が割って入る!
ハチ子の心無い言葉によって森生との間に再び壁を感じたユキコは、「私の気持ちなんてわかるワケないんだよ!」と、森生に告げると、その場を去ってしまう。
さらに、森生をよく思わないイズミ(奈緒)は、妹を心配するあまり、ユキコに近づかないよう森生に釘をさす。動き出したかに見えた2人の恋。その先には高い壁が立ちはだかっていた!
第2話のレビュー
見た目はヤンキーなのに、見ていて心配になるほどに純粋な黒川(杉野遥亮)と、そんな彼に懐かれているユキコ(杉咲花)。ユキコは「変な奴」と表現するけど、黒川のことを思い出す顔は完全ににやけている。
そして黒川もまた、ユキコとの距離が縮まったことでテンションが高い。「白杖と点字ブロック発明してくれた人、まじありがとう」は、しかし本当にその通りである。
空(田辺桃子)と映画を見に行く約束をしていたユキコだったが、空が体調不良で来られなくなってしまった。たまたま居合わせた黒川は、すかさず「じゃあ俺と一緒に行きませんか?」とユキコを誘う。なかなか隅に置けない奴だ(いいぞもっとやれ)。やや攻防はあったものの、結局2人で映画を見に行くことに。
売店でのお買い物。メニューを見ることができず、また読み上げてもらうことにも申し訳なさを感じるユキコは、どこにでもある定番を頼もうとする。しかし、目に映るものや、考えていることが言葉に出ちゃう黒川のおかげで、ユキコは無事にメニューのいくつかを把握、普段とは違うものを注文することができた。黒川の無意識の行動が、ユキコの楽しいをちょっとずつ膨らませていく。なんだなんだ、息ぴったりじゃないか。雰囲気は完全にデートだ。
バナナスムージー2つと、チュロス、ポップコーンを持っていざ座席へ。黒川がユキコにポップコーンを勧めると、こぼすかもしれないから食べない、とユキコ。自分の注文を後悔する黒川だったが、おもむろにユキコの手を握り、ポップコーンを乗せてあげる。失敗したなと思っても、すぐに切り替えて違うやり方で思いやりを示す黒川は、本当にあったかい。
ほっこりした気分になったのも束の間、無言のままユキコの顔が近づいてきて…。これは大胆! と思いきや、黒川の口にチュロスが突っ込まれる。「お返し」とややぶっきらぼうに言うユキコ。このちょっと噛み合わない感じが、2人のいいところだ。なんと微笑ましい世界なんだろう…。
帰り道、飲み物を買おうとする2人。ユキコは自動販売機での買い物を「運だめし」と表現し、「飲みたいものが出たらアタリ、出なかったらハズレ」と、穏やかに言う。それを大変だと悲観せず、「いいっすねぇ」と言える黒川もまた、心が透き通っていると感じた。
2人が飲み物片手に休憩していると、黒川の中学時代の同級生・ハチ子(生見愛瑠)がやって来る。そのはずみで、ユキコは飲み物をニットにこぼしてしまった。汚れを拭くために黒川が席を外した途端、黒川に好意を寄せているハチ子は、ユキコに嫉妬心を剥き出しにする。「森生はああ見えて、困った人がいると放っとけないから」「だからあなたのことも放っておけないのかも」「私もこれ(白杖)持ちたいな~」…。
この言葉が、ユキコに白杖を持つきっかけの出来事を想起させた。
ユキコにはかつて、いつか付き合いたいと思う人がいた。そんな矢先、目の病気が進行し、白杖を持つことを家族に勧められる。だが、当時のユキコにとって、白杖を持つことは、“私は見えない”とみんなに宣伝しているようなもの。白杖を持つことは、ユキコが自分を普通じゃないと認めることを意味していたのだ。だから、しばらくは白杖を使わずに外出をしていたが、そのせいで好きな人にケガをさせる結果となってしまった。これをきっかけに、ユキコは白杖を使うことを決め、自身の恋心にも蓋をするようになってしまったのだった。
ユキコにとって、色濃く残っているだろう悲しくて辛い記憶。それを思い出してしまい、かつ黒川が自分に構うのは同情からと言われたのだ。深く傷ついただろう。あんなにいい空気だったのに、ユキコは黒川を避けるようになってしまった。
しかし、自分の決断に迷いが見えるユキコ。そんな事情を知ってか知らずか、父・誠二(岸谷五朗)がナイスアシストをする。それは何気ない会話からだった。父の行き当たりばったりを笑うユキコに、「ユキコはお父さんに似てるだろ」と、子どもの頃のユキコの無鉄砲ぶりを話題にする。「今はちゃんと考えてからじゃないと行動できない」とユキコは言うが、誠二は「でも、この間はそうじゃなかっただろう」と食い下がる。この間の、黒川を探して慌てて出かけて行った時のことだ。ユキコは、黒川と知り合ってからの自分に想定外のことばかりが起こるが、それが楽しかったと思い至る。
ユキコは自動販売機の運試しで、コーヒーが出たら黒川に会いに行くと決めた。運だめしだけど、あの時のユキコは確実にコーヒーが出ろと願っていたはずだ。もちろん、筆者も。
途中、黒川を目の敵にする獅子王(鈴木伸之)に助けられながら、なんとか黒川に会うことができたユキコ。黒川は、「ユキコさんの気持ちを分かりたくて」と、目隠しをして生活をしていたらしい。難しいだろうな、と想像はできても、何がどう不便で、どんな風に不安なのかは、実際にやってみないと分からないこともあるだろう。改めて、黒川の行動力と人に寄り添う心が素晴らしい。
「何で会いに来てくれたんですか」と問いかける黒川に、ユキコは「会いたいから来た」と答える。「それって告白ですか」と黒川は言うが、筆者にもそのように聞こえた。あれは完全に告白でしょう…!? 否定するユキコだが、「俺は会えて嬉しい」と黒川。見ていて、ただただ幸せだった。
せっかくだから、と黒川行きつけの喫茶店で映画を見ることに。選んだのは、ユキコが好きなゾンビシリーズの1作目、まだ音声ガイダンスが採用されていない作品。僭越ながら、と黒川がガイドをする。やることもズルいし、張り切りつつ誰よりもビビッているかわいさもズルい。杉野遥亮って、ズルい(褒めてます)。
いい雰囲気で帰路につくユキコと黒川だったが、そこでイズミに遭遇してしまう。黒川との関係を好ましく思っていないイズミの表情からは怒りが溢れている。黒川、見た目ほど悪い奴じゃないんだけどな。早くイズミにもそのことを知ってほしいなと思いながら、次週の放送を待ちたい。
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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森生(杉野遥亮)と会っているところを見つかり、姉・イズミ(奈緒)の怒りを買ってしまったユキコ(杉咲花)。心配性のイズミは、無職でヤンキーの森生がユキコに近づくことに猛反対。姉妹の間には険悪な空気が流れる。
そんな中、聴覚に頼ることが多いユキコにとって、背の高い自分の声が届きにくいことがストレスになると知った森生は、なんとかユキコとの身長差を縮める手立てはないかと考える。花男(戸塚純貴)たちとの会話からあることを思いついた森生は、早速ユキコの家にプレゼントを届けに行くが……。森生が玄関に置いたプレゼントは、ユキコの父・誠二(岸谷五朗)が気づいて家に持って入るが、なぜか、別れた元彼からイズミへのプレゼントだと勘違いされてしまう。その中身は、赤いハイヒール。照れながらも嬉しそうなイズミの様子を、何も知らないユキコは微笑ましく思うが……。
翌日。森生に会ったユキコは、ハイヒールが自分へのプレゼントだったことを知る。プレゼントに込められた森生の一途な思いを知り、素直に嬉しいユキコ。なんとかイズミからプレゼントを取り返そうと考える。
そんな矢先、いつもの喫茶店に溜まっていた森生のもとに獅子王(鈴木伸之)が現れる。店内に緊張が走る中、獅子王が切り出したのは、なんと「就職する」という報告で……!?突然の正社員宣言に一同がどよめく一方、獅子王の姿に刺激を受けた森生は、自分もちゃんと働くことを決意!しかし、ヤンキーの森生には厳しい現実が待ち受けていた……。
そして、赤座家では、ハイヒールを巡って新たな問題が勃発!ユキコに危険な思いをさせる森生が許せない心配性のイズミと、森生との出会いで新しい世界を知り始めたユキコ。お互いの幸せを思うが故に、姉妹は激しく衝突してしまい……。
第3話のレビュー
身長差萌え、ヤンキー同士の友情(?)、人の“見た目”問題、激しい姉妹喧嘩、不意打ちのハグ…
とても1時間とは思えないくらいたくさんの要素が盛り込まれた、お腹いっぱいの第3話だった。
相変わらずユキコ(杉咲花)のお見送りを続けている黒川(杉野遥亮)。街の中は車や工事など、いろんな音で溢れている。ただでさえ身長差のある2人だから、黒川の声が聞こえにくいことにユキコはストレスを感じていた。それを知った黒川、工事をしている人たちに「うっせんだオラ」と食ってかかる。ユキコにたしなめられ、簡単に引き下がる姿はまるで忠犬だ(かわいい)。ユキコと物理的に距離を近付けるため、道でひざまずく場面も。この姿勢になってようやく目線の高さが同じなんて、萌えしかない。杉野遥亮の高身長、恐るべし…。
そんな黒川は、ユキコにヒールをプレゼントすることを思いつく。購入したはいいものの、結局、ピンポンダッシュのような形になってしまった。宛名も手紙もないプレゼントは、イズミ(奈緒)の元カレからのプレゼントだと勘違いされてしまう。なんとももどかしい展開だ。
翌朝、いつもの靴で現れたユキコを見て、「サイズ合わなかったすか?」と黒川。そこでようやくユキコは事態を理解する。黒川が入れ忘れたという手紙には「これでオレの声届きますか?」と書かれていた。ユキコの悩みを聞き、解決策を探してくれただけでも優しい。さらに、このタイミングではあったものの、ヒールはユキコには危ないのではないかと気付き後悔する想像力もまた優しい。思いやりって、温かい。
そんな折、獅子王(鈴木伸之)が黒川たちのたまり場である喫茶店にやって来た。また殴り合いでもおっぱじめるのかと思いきや、差し出したのは内定通知の写真。突然の就職宣言には驚きだ。並んでナポリタンを食べながら、「大したもんだよ」と称賛する黒川と、それを嬉しそうに受け止める獅子王。ヤンキー君たちがただただかわいくてたまらん。
黒川は獅子王に触発され、就職することを決意。ところが、“黒ヒョウのモリ”というだけで門前払いを食らったり、顔の傷を指摘されたりと結果は散々。地元で札付きのヤンキーを雇って面倒に巻き込まれたらと不安が過るのも、接客業で顔に傷のある人が敬遠されてしまうのも理解はできる。でも、彼は真面目に働こうとして、履歴書まで持参してきているのだ。せめて、「生きてる価値あるのかな」とまで思い詰めない世の中であれと願う。
この絶妙なタイミングで、黒川のもとにヒールを取り戻すことができたユキコから電話が入る。部屋の中で「今履いてる」って、かわいすぎやしないか…。素直に喜びを表現するユキコの様子に、「めっちゃ元気出ました」と黒川。悪いことばかりじゃない。「黒川のいいところを分かってくれる人はいるよ」と言えるユキコがいてくれてよかった。
幸せな気分に浸っていたのも束の間、ヒールが黒川からのプレゼントだったことがイズミにバレてしまう。「ヒールを贈るなんてバカすぎる」「危ない」と、否定の言葉ばかり口にするイズミ。ユキコの話には聞く耳を持たず、大喧嘩に発展してしまう。愛情ゆえの心配を投げかけるイズミ、新しいことに挑戦したいユキコ…感情が高ぶって声も身体も震えていた。杉咲花も奈緒も、迫真の演技すぎて圧巻だった。このシーンは特に必見だ。
ユキコに元気づけられた黒川は、職を求めてふらっとレンタルショップで、セルフレジの使い方に困っている女性を助けることに。なんとその女性、獅子王の祖母だった。黒川の前で「しーちゃん」(!)と呼ばれることに嫌がる素振りも見せない獅子王。しかも、祖母がレンタルショップに来る時には毎回付き添っているという。なかなかいないぞ、こんな孝行孫。
イケメンに手伝ってもらえて嬉しいとご満悦な獅子王の祖母に、黒川は「顔に傷のあるヤンキーですよ」と謙遜する。しかし、「傷の1つや2つ、年を取ればいくらでもあるわよ」と祖母。黒川が受けた理不尽に少なからず痛めていた心が救われた気分だ。獅子王が根本的にいい奴なのって、この祖母にしてこの孫あり、なのかもしれない。
祖母を見送った2人。実はこのレンタルショップ、獅子王が店長を務める店だった。それを聞いた黒川は、お店の中の不親切な部分を次々に指摘。すると獅子王は「貴様みたいな人間がうちには必要なのかもしれない」と、この店で働くことを打診する。急展開の中、獅子王は「わたしのことは、てーんちょ(店長)と呼べ」と条件をつけてきた。ますます楽しくなりそうである。
イズミとの喧嘩を継続中のユキコは、黒川から仕事が決まったと電話を受ける。「お節介に感謝されて」という黒川の言葉に、イズミとの仲直りの糸口を見つけたようだ。
これまで、買い物はイズミと一緒だったユキコ。だが今回は、店の外でイズミに待っててもらうことに。店員さんとコミュニケーションをとり、試着をするユキコを見、静かに涙を流すイズミ。本当は1人でもできるかもしれないのに、心配が勝ってさせてこなかったこと、どうかイズミには自分を責めないでほしいと思った。ユキコも、きっとそんなことは望んでない。1人でもできるくらい強くなれたのは、心配しお節介を焼くイズミがいればこそだ。仲直りしてくれて、本当に良かった。
黒川にもらったヒールを履き、購入した服を着て(試着してた中でこれが1番似合っていた)、黒川のバイト先を訪れたユキコ。黒川の目の前で足を取られ、転びそうになるも、黒川が支える。突然のゼロ距離…そして、「俺の声届きますか?」からの、思いっきりのハグ。これだけでも最高なのに、履きやすい靴をプレゼントすると言った黒川に対し、「この靴は黒川の声を聞くためのものなんだよね?」「これ履く時はいつもいてくれるんでしょ」とユキコ。もう、幸せ過ぎてにやけが止まらないし、黒川が溶けてしまわないか心配になる。いい人に出会ったね、と心からの祝福を送っていたら、2人を見守り涙を流すイズミにハンカチを差し出した獅子王も同じようなことを言っていた。「妹さん、いい男と出会いましたね」。獅子王、本当に黒川のことを認めているんだな。
最高の気分で終われるかに思えたが、最後の最後、ユキコのいるところでハチ子(生見愛瑠)が黒川にキスを…!? 実力行使に出たところで、入る隙はないと思うんだけどどうなるんだろうか…。
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
ユキコ(杉咲花)がいる前で、突然ハチ子(生見愛瑠)からキスされた森生(杉野遥亮)!状況が飲み込めない森生は、ユキコに誤解されたのではないかと焦るが、キスが見えていたか確認することも出来ず、上の空で時を過ごす。
一方、レンタルビデオ店で働き始めた森生に触発されたユキコは、自分もアルバイトをしようと、イズミ(奈緒)監修のもと、面接の練習に励む。森生と付き合うために、自分も対等な立場になりたいと思うユキコを、誠二(岸谷五朗)も温かく見守るが……。
勇気を出して受けたアルバイトの面接。ユキコは視覚障害者である自分を雇ってもらう『メリット』をアピールできずに失敗してしまう。
そんな中、盲学校の教師から、障害があるからこそ、自分の好きなこと、やりたい仕事に対する「これがやりたい」というパワーが必要だ、と言われたユキコは、自分の大好きなバーガーショップでアルバイトを募集していることを思い出す。障害のあるユキコの扱いに戸惑う副店長・紅林(吉住)の一方、店長の茶尾(古川雄大)はユキコを見てなぜか即採用!ユキコは憧れの店でアルバイトをすることに。
ユキコは森生に甘えないためにも、しばらく会わずにアルバイトを頑張りたいことを伝える。会えないことに落ち込みながらもユキコを応援する森生だが……。実はユキコは、仕事に慣れたら森生に告白するつもりでいた。
そんな矢先、森生への片思いをこじらせるハチ子は、鈍感な森生にしびれを切らし、ついに森生に告白する!妹扱いしてきたハチ子の気持ちを知り、森生の頭は大混乱!しかし、自分にとってハチ子が大切な存在であることに悩み……。
そして、アルバイト初日を迎えたユキコは、忙しい店内で他の従業員の足を引っ張り、失敗を連発。自信を失くし、大ピンチを迎えていた……!
第4話のレビュー
仕事も決まり、色々と順調な黒川(杉野遥亮)。そんな黒川と対等な関係になりたいと、ユキコ(杉咲花)もアルバイトを始めようとする。「恋の力は偉大だね」と話すイズミ(奈緒)。そんな娘たちを、ソワソワしながら見守る父・誠二(岸谷五朗)がかわいかった。
ユキコはまず、スーパーの面接へ。対応してくれた店長は、白杖を持つユキコへやや不躾な態度…? 一瞬身構えてしまったものの、弱視について聞き、「恥ずかしながら知らなくて」「気付かせてくれてありがとう」と理解を示そうとしてくれるいい人だった。
人件費の関係もあり、採用には至らなかったユキコ。盲学校の先生のアドバイスもあり、好きなことから仕事を考えることに。そこで思いついたのが、クラスメイトの空(田辺桃子)とよく行っているBBバーガーだった。最初に応対してくれた紅林(吉住)は戸惑った様子を見せていたが、店長の茶尾(古川雄大)は採用を即決する。
いよいよ、バイト初日。
茶尾以外のスタッフは、ユキコが働くことに消極的だ。ポテトを揚げ、鉄板でパティを焼いているバーガーショップの裏側は、言うまでもなく危険がいっぱい。そして、この店は忙しい。そこまでフォローしてる余裕ないって…というのが従業員たちの本音だろう。しかも、茶尾はユキコの指導を紅林に丸投げする。
案の定、上手く立ち振る舞えないユキコ。初めての場所でさぞ怖かっただろうな、と思うと同時に、例えば筆者自身が紅林だったらどう対応しただろうか、と考えてしまった。きっと上手くなんかできない。
さらにユキコは、国からの補助金目当てで採用を決めたのでは、などと他のスタッフが噂してるのを聞いてしまう。落ち込み、茶尾になぜ自分を採用したのかと問う。すると返ってきたのは、「ユキコちゃんはうちの店の新しい風になってくれるんじゃないかと思って」という言葉だった。
茶尾の期待を知り奮起したユキコは、厨房のどこに何があるかを自分の声で録音したり、マニュアルを持ち帰ったり、自分なりの努力を重ねる。紅林のユキコを見る目が、どんどん変わっていく。
ある日、バイトスタッフが急に休むことになり、ポテト担当が不在に。茶尾は、工程を完璧に暗唱できるユキコに、担当を任せることを決意する。
しかし、初めての仕事と早いスピード感についていけず、失敗してしまうユキコ。
こっそり偵察に来ていた黒川は、花男(戸塚純貴)たちに「大変そうだったよ」と聞くと、店の外から大声でエールを送る。恥ずかしげもなく。黒川、あんた、最高だよ…。
その声が届き、再びやる気を取り戻したユキコは仕事を再開。ポテトを揚げるためのスイッチが見つけられずにいたところを、バイトの紺野(大友花恋)がマグネットを使ってサポートしてくれた。1番ユキコが働くことにネガティブだったが、1番のファインプレー。そして、ついにポテトが完成する。
ユキコは、決してできないわけじゃない。ハンディがゆえに少し時間がかかってしまうだけ。だから、筆者がもし紅林の立場だったとしたら、上手にフォローしなければと身構える必要はないのだ。頑張りたい気持ちを、ちゃんと尊重できる人でありたいと強く思った。
ちなみに、ユキコが初めて作ったポテトを食べたのは常連のおじさん。なんと、ユキコを面接したスーパーの店長だった。よく踏み切ったね、と言われた茶尾は、ユキコの採用を「期待以上でした。働いているみんなが今ハッピー。これで彼女にとっても得になるならウィンウィンです」と笑顔で話す。これまで忙しさのせいで殺伐としていた厨房が、相手のことを思いやれる優しい空間に変わっていた。茶尾采配、恐るべし。
ユキコのバイトエピソードが主軸の今回だったが、これはラブコメ。ラブの要素にも進展があった。
なんと、イズミ(奈緒)が獅子王(鈴木伸之)に恋をしたらしい。ハンカチを返すため、DVDをレンタルするため、と理由をつけて獅子王の店に通うイズミ。完全に乙女な様子のイズミがかわいくてたまらない。でも、獅子王には思い人がいるらしい。それ、まさか、黒川だったり…は、しないよね…??
一方、片思いをこじらせているハチ子(生見愛瑠)は、ついに黒川に思いをぶつける。鈍感な黒川は面食らった様子だ。しかし黒川にとって、ハチ子はハチ子で大切な存在。これは浮気なのか? と思い悩む黒川。うん、これが浮気になったら、大変だよ…? と思いつつ、純粋ヤンキーにとっては一大事なのだろう、偶然遭遇した青野(細田佳央太)に恋愛相談をはじめる。
どんなアドバイスが返ってくるのかと思いきや、「好きって1つだけなのかな」と青野。「赤にも色んな赤があるように、好きにも色んな好きがある」。言葉にしてしまうと1つだけど、その中に何通りもの形が存在するのだ。なんて素敵な表現だろう。
そして、ハチ子の思いに応えられないと、きっぱりと告げる。どこまでも誠実だ。ハチ子も、しっかり諦めたかに見えたのだが…。
一足先に仕事をはじめていた黒川と対等になれたら告白をすると決めていたユキコは、ポテトの一件で手応えを感じ、黒川に連絡をする。待ち合わせ場所へ向かうユキコの背後に近づくハチ子。穏やかじゃない。一体、どうなる!?
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
森生(杉野遥亮)に告白する覚悟を決め、待ち合わせ場所に呼び出したユキコ(杉咲花)。しかし、緊張するユキコの前に現れたのは、突然白杖を取り上げようとするハチ子(生見愛瑠)だった!「障害者はずるい」その声を聞いたユキコは、相手がハチ子だと気づくが……。森生のことで嫉妬心を燃やすハチ子vsユキコの修羅場が勃発する!そこに森生もやってきて……!?
その夜―。ユキコは、森生のためにアルバイト先で作ったポテトを手渡し、勇気を出して告白する。「……好きなんだよ、黒川のことが!」想定外のユキコの告白にびっくりし、腰を抜かす森生!ついに2人は恋人として一歩を踏み出す。
そんな中、アルバイトにも慣れ始めたユキコは、店長の茶尾(古川雄大)や同僚たちの協力を得て、新しい業務にも挑戦。しかし、皆が弱視のユキコをサポートする中、同僚の1人・紺野大友花恋)は、生き生きと働くユキコに面白くない気持ちを抱いていた……。
翌日―。ユキコと森生は水族館デートに行くことに。お互いに照れながらも、2人はドキドキの詰まった初デートを満喫する!
一方、仕事帰りのイズミ(奈緒)は、ジムから出てきた獅子王(鈴木伸之)に遭遇。ハンカチを貸してもらって以来、獅子王の存在が気になるイズミは距離を縮めようと画策する。しかし獅子王は、ユキコと森生の順調な恋に、何か思うところがある様子で……。
その夜。ユキコは、イルミネーションの始まるクリスマスにもう一度水族館に行こうと森生に提案する。しかし、森生は突然表情を曇らせて……。実は森生には触れられたくない過去のある出来事があった。2人は森生の秘密を巡り、ケンカをしてしまい……!?
第5話のレビュー
まずひとつ言わせていただきたい。めるるが根っからの悪役じゃなくてよかったーーー!!
ユキコ(杉咲花)に黒川(杉野遥亮)を横取りされた、しかもそれは視覚障害があるからだとあらぬ方向へ考えてしまっていたハチ子(生見愛瑠)。ユキコの後をつけ、白杖を奪おうとした時にはどうなることかと思った。
でも、ハチ子だって、ユキコとは違う意味で生きづらい痛みを経験してきている。そしてそれを、黒川に救ってもらったのだ。当時の感謝に恋心を混ぜて大事にしてきたハチ子とユキコが、絶対に分かりあえないはずはないと信じていた。
ヘッドフォンと白杖。全く異なるけど、それは2人それぞれにとって人生をちょっと便利にするもの。何かの記号では決してない。筆者にだって、恐らくドラマを見ていた1人1人にだって、人から見たらそうでもないものが、知らず知らずのうちに日々を便利にしたり、彩ったりしているはずだ。
そして、ユキコはついに黒川に告白。晴れて2人は付き合うことになった。
ポテトをかじりながらほっぺを叩いたり、腰を抜かしたり、「やったー!」と叫びながら走り回ったり、「よろしくお願いします!」と深々頭を下げたり。終始はにかむ黒川が、それはそれはかわいい。こんなに全身で喜びを表現してくれたら、ユキコが勇気を出して告白した甲斐もあるというものだ。
楽しそうで、見ているだけで幸せな気持ちになった水族館デートの帰り道。どうも黒川の様子がおかしい。
それはずるずると尾を引いて、2人は初めての喧嘩をしてしまう。踏み込まれたくないことは、たしかに誰にでもあるだろう。でも、黒川が示したのは明確な拒絶で、ユキコが入る隙がまるでないように感じられた。
空(田辺桃子)と青野(細田佳央太)はユキコを気にかけて、黒川のバイト先へ。
あいにく黒川は早上がりだったため、獅子王(鈴木伸之)が伝言を預かる。どうやら黒川は、母親に捨てられた過去があるらしい。そのため、ユキコがいなくなることが怖くなっているようだ。
そんな黒川に、獅子王は「しっかり向き合え」と強く言ってくれた。ありがとう、獅子王…。
その言葉に後押しされるように、黒川はやっと母の荷物を開けることができた。アルバムには、笑顔の黒川の写真がびっしり並ぶ。
どんな理由だったにせよ、親に捨てられたという感覚を子どもに与えてしまうことはあってはならない。だけど、アルバムを見る限り、彼女は間違いなく少年・森生を深く深く愛していたはずだ。今、どこで何をしているんだろう。
やっと気持ちに区切りがついて、ユキコに生い立ちを話せた黒川。
「私は離れないよ」とユキコ。「黒川とずっと一緒にいる未来が見える」。それを、ぜひ現実にしてほしい。もう誰も黒川のことを1人ぽっちにしないでくれと願ってやまない。
ユキコのバイト先でも少し動きがあった。
相変わらずユキコの頑張りを認めてくれない紺野(大友花恋)。足を引っ張られているような感覚は、分からなくもない。もっとスムーズだったはずなのに、私は頑張っているのに…なぜできない(ように見える)人を基準にしなきゃいけないのか、理解できないのだろう。
だけど、茶尾(古川雄大)が用意した「使ったものはもとに戻す」などのユキコのためのルールは、見える見えないにかかわらず、本来は守られるべき普通のルールであっていいはずだ。そこにあるのは、次に使う人のことを考えた思いやりなのだから。
ミスをしてしまったユキコに、強い言葉で気持ちをぶつけてしまった紺野。
そんな紺野に、茶尾は優しく諭す。
「職場はできる人ができない人をカバーして教えていくもの」
「きれいごとに聞こえるかもしれないけど、僕は働くスタッフを1人も取りこぼさない店にしたい」
紺野は、たしかに仕事ができるのだろう。それは、速さという意味において。だけど、きっと茶尾が目指しているのはそれだけの店ではないのだろう。速さ、正確さ、それは最低限満たしつつ、もっと魅力的なものが何なのかを、きっと明確に分かっている。
次こそはミスをしないようにと、ユキコは伝票の文字を大きくしたいと申し出る。するとこれが、他のスタッフのミスもなくすことに繋がった。
そのことに気付いた紺野は、ユキコにもっと気付いたことを言ってほしいと伝える。ユキコのことを認めてくれたのだ。こうやって自分の非をすぐに認められる人しか雇っていないという自負が、もしかして茶尾にはあったのかな。どんどん茶尾のことが好きになる。
イズミ(奈緒)と獅子王の恋模様も気になるところだが、以前書いた、獅子王の好きな人、黒川なのでは説が濃厚に…?
獅子王が時折見せる寂しそうな表情にただならぬ気配を感じていたけど、そういうことだったのか。
誰を好きになったって、もちろん自由だ。そんなことは獅子王も分かっているはず。でも、一切周りに気取られず、思いを抱えている獅子王のことを考えると胸が痛む。そして、好きな人と思いが通じることの奇跡を説く、獅子王の言葉が何倍もの重みを持って訴えかけてくる。
獅子王に恋をしているイズミは、もし獅子王の気持ちを知ったらどうするんだろう。この作品が教えてくれる優しい世界で、獅子王の思いがどんな形で昇華されるのかが楽しみだ。またひとつ、人生のヒントをもらえそうな気がする。
※この記事は「作品名」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
盲学校で開かれるマラソン大会に向け、森生(杉野遥亮)はユキコ(杉咲花)のマラソン練習に付き合うことに。『絆』こと伴走用のロープを握ってノリノリの森生の一方、運動嫌いですぐにサボろうとするユキコ。今まで知らなかったユキコのダメな一面を知り、ますます愛おしく思う森生は、キスのチャンスを伺うが……。
一方、獅子王(鈴木伸之)と同じジムに通い始めたイズミ(奈緒)も、獅子王を食事に誘おうとチャンスを狙うが、前途多難な予感で……。
そんな中、ユキコたちは、近くでマラソン練習をしているはずの空(田辺桃子)と合流するため公園へ。しかし、そこには伴走者なしで一人走る空の姿が。しかも空は、森生たちの目の前で放置自転車に激突して転んでしまう!慌てて助けに向かった森生とユキコに強がってみせる空だが、ユキコは空の声が震えていることが気にかかる。森生は、友達の異変を心配するユキコの力になりたいと考えて……。
翌日。学校帰りのユキコと空に声をかけた森生は、茜(ファーストサマーウイカ)の喫茶店へ。付近のヤンキーたちに話を聞いた森生は、空が走る道にわざと障害物を置いて、練習を邪魔しようとした悪意ある人物がいるらしいことを突き止めていた。森生の行動に感謝するユキコだが、唯一の取り柄である“走ること”を諦めたくない空は、森生も「見えない」自分をバカにする「見える」人たちと一緒だと頼ることを拒否し、突然態度を硬くしてしまう。さらに、空の鬱憤は仲裁に入ろうとしたユキコに向かっても爆発して……!
その日。空の言葉が刺さった森生は、自分とユキコたちの間には超えられない壁があるのではないか、と苛立つ。そして、親友と恋人、自分にとって大切な二人が分かり合えないことを悲しく思うユキコは、何か自分にできることがないかと考えるが……。
第6話のレビュー
筆者、「見えても見えなくても同じものを好きになれる」という言葉と、その優しいメッセージがあまりにも素敵すぎて、いまだに余韻が続いております…。
マラソン大会の練習に励むユキコ(杉咲花)と、それをサポートする黒川(杉野遥亮)。「絆」と呼ばれる伴走ロープで繋がっていることにうれしそうな黒川がかわいい。それ以上に、しっかり伴走の役割を果たしていることに頭が上がらない。この人、見えないところですごい勉強してるんだろうな。
一方の空(田辺桃子)は、先生に気を遣って伴走をつけず1人で練習。なんだかちょっと雲行きが怪しい。
練習を終えたユキコと黒川は、練習中の空が自転車に躓いて転んでしまうところに遭遇する。「大丈夫だから」と強がる空は震えていた。
黒川が調べてみると、空の練習中に空き缶や石などを置く人がいるらしいことが発覚。そいつを捕まえると名乗り出るが、空は「黒ヒョウも見える人だから」「見える奴なんか大嫌い」と拒絶する。さらに、「見えてるアンタには分からない」と言葉を重ねる空。ヒートアップしていく空をユキコは冷静に諭すが、もうその言葉は届かなかった。
ユキコと空の出会いの回想は、そのまま空の芯の強さを見ているようだった。盲学校に転入してきて、まだ白杖を持つことにも不慣れだったユキコを優しく導く。初めてのことも乗り越えていく。優しい世界がじんわり染みる。(ここでも茶尾(古川雄大)の声かけが素敵だったので見習いたい。)
そんな過去を思い出し、このままじゃダメだと、翌朝学校で会うなりお互いに謝り合えるユキコと空の関係が素敵だった。
自分は空と仲直りできたが、黒川とも仲直りしてほしいユキコ。ランニングコースを考え、空と黒川に走ってもらうことに。勝負だよと焚きつけるユキコ、2人の性格をよく分かっていてさすがだ。
ユキコ考案のコースには、要所要所に2人の好きなものが配置されていた。どこからともなく流れてくる「ルパン三世」のテーマソング、とんこつラーメンの香り…音と匂いで弾み出す会話。なんてかわいらしい計画だろう。こんな罠なら、ぜひかけられたい。(イズミ(奈緒)と獅子王(鈴木伸之)を借り出したのは、姉の恋路をサポートする狙いだろうか…? やるな、ユキコ!)
そしてユキコの「見えても見えなくても同じものを好きになれるんだよね」という言葉が飛び出す。当たり前のようだが、言われなければ気付くことは難しかっただろう。こういう学びを、このドラマは毎回さりげなく与えてくれる。
そんな折、置きチャリクソ野郎(誰が考えたか、語呂のいいあだ名だ)が見つかったと連絡が入る。
「黙ってねぇで何とか言えよ」と胸倉を掴む黒川に、そういえばこの人ヤンキーだったと思い出す。ユキコといる時はあんなにとろとろの笑顔だから、温度差にちょっと食らった。
なんと犯人は、空の元カレだった。「できる限りのことしてあげた」「君の目の代わり」…言葉を重ねれば重ねるほど、“そうじゃない”が積もる。そんなもの、本当に空が求めていると思ったのだろうか? でもこれも、このドラマを見たからこそ得られた価値観の変化かもしれないと思い直す。
空は、いつも周囲に謝ってばかりの元カレといるのが辛かったのだと言う。それを聞くと、ベンチで席を譲られ「あざーす!」とナチュラルに言う黒川がどれだけすごいか分かる。月並みだけれど、これからは“すみません”より“ありがとう”を多く言おうと思った。
胸に迫る内容が盛りだくさんだったが、最後に胸キュンシーンの2連発!!
練習の甲斐あって、マラソンではぶっちぎりの1位だった空。
そんな空をこれまで名字で呼んでいた青野(細田佳央太)がおもむろに“空ちゃん”と呼ぶ。今回の一件で、空への思いがところどころに溢れていた青野。名前で呼ばれ、空もまんざらでもなさそうだ。「機は熟したかなって」とおどけて見せる彼が愛おしい。
そして極めつけはこちら。
空の走りを褒めてばかりの黒川に嫉妬するユキコ。「妬いてくれてます?」からのキスは、さすがに黒川ズルすぎるって…!!! 「今の何だった?」ととぼけて見せ、最後にはにやにやを隠し切れないユキコがあまりにもかわいくて抱き締めたくなった。この幸せを永遠に見せてほしい…。
穏やかに終わった第6話。さて、次回も楽しみだ!
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
交際が順調に進み、すっかりカップルらしくなったユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)。その一方で、盲学校で開かれる『就職相談会』を翌週に控えたユキコは、卒業後の進路について頭を悩ませる。夢と現実の間で将来の展望が見えない中、相談会に訪れるイケメン担当者の名前が『ひやま』だと聞いたユキコは、ある予感を感じるが……。
そんな中、ユキコは翌日に迫ったイズミ(奈緒)の誕生日を祝うため、父・誠二(岸谷五朗)の出張の間に森生と獅子王(鈴木伸之)を家に招き、誕生日会を開こうと企画する。彼女の家へ初のお宅訪問をすると聞いて盛り上がる花男はなお(戸塚純貴)たちの一方、緊張する森生はその夜、なぜか不穏な夢を見てしまい……。
そして誕生日会当日。森生は準備をするため、ユキコの待つ赤座家へ。ユキコの部屋で二人きり、いい雰囲気になる森生……。しかし、出張が延期になった誠二が、森生と獅子王のいる家に突然帰宅するハプニングが発生!赤座家は彼氏と父親が想定外に鉢合わせる緊急事態に襲われる!
その後、イズミも帰宅し、史上最高に気まずい雰囲気で誕生日会がスタート。森生の『いい彼氏』っぷりが気に食わず、張り合おうとする誠二だが、獅子王とはまさかの意気投合!?さらに、お酒が進んだ獅子王の『普段は見せない一面』に、イズミの恋も加速する!先の読めない誕生日会の中、目が見えなくなってから将来の夢について考えなくなっていたユキコには、小さな夢が叶うサプライズが訪れようとしていた……。
第7話のレビュー
1話のお休みがとても長く感じた…耐え忍んだ私たちへのご褒美なのか、はたまた1週間のブランクで「恋です!」の世界に飢えていたせいなのか、笑って泣いて、最高の1時間だった。
今回のテーマは「夢」。
ユキコ(杉咲花)たちは、卒業後の進路を考える時期に差し掛かっていた。
そんな中、イズミ(奈緒)の誕生日会を開くことに。
この会には黒川(杉野遥亮)のほか、サプライズで獅子王(鈴木伸之)も招かれていた。ユキコと黒川、イズミと獅子王の4人で楽しいパーティーとなるはずだったのだが…
出張に行くはずだった誠二(岸谷五朗)が帰ってきてしまった。黒川と獅子王が来ることを知らされていなかった誠二は拗ねてしまう。
黒川の「ユキコさんとお付き合いさせていただいております」という挨拶にも複雑そうだ。少し前にはユキコに彼氏ができたことを祝って花束までくれたのに、やはり彼氏本人を前にすると違うものなのか。お父さんって難しい。
一方の獅子王はしっかりした挨拶を披露する。これは好印象だ。
少しだけ和んだ空気の中で乾杯。成人しているのにお酒を飲まない黒川。「飲んじゃうと、ユキコさんに何かあっても助けられない」「(未成年はユキコだけなので)仲間外れにするわけにはいかない」らしい。なんて優しいんだ…!
誠二もちょっと見直したのでは?というタイミングで、イズミへプレゼントを渡す。が、袋に入っていたのは花男(戸塚純貴)たちが黒川のために用意したお泊りセットだった。歯ブラシに勝負パンツ、極めつけにマムシドリンクまで…。なんというタイミング。黒川には申し訳ないが、声を出して笑ってしまった。
誠二は、おそらくマウントをとるために、黒川に“ユキコクイズ”を持ち掛ける。筆者がユキコの立場だったら、恥ずかしくてこの場にいられないだろう。「やめてくれ」以外の感情が湧いてこない。
そこへ酔っぱらった獅子王が乱入、突如“森生クイズ”をはじめる。酔って呂律が怪しい獅子王、うざくてめちゃくちゃにかわいい。
マニアックなクイズを繰り出していた獅子王は、少し溜めて、森生の顔に傷をつけたのは誰か?と問う。
「正解は、自分でーす!」とお茶らけるも、その顔からはもう笑顔が消えていた。
黒川はチャラにしただろと諭すが、「一生チャラにはなんねぇだろ」「森生は、この傷のせいで生きづらい思いをしてきたっていうのに」と獅子王からは次々に後悔の念があふれ出す。そして、ことあるごとに黒川に勝負を挑んでいたのは、黒川の様子を見に行くためだったと明かした。
「幸せになってくれ。それが俺の夢だ」と話す獅子王。
友情とは違う、名前のつけられない特別な絆で2人は繋がっている。切ないけど眩しい。
酔い潰れてしまった獅子王と誠二を横目に、黒川はユキコの夢について尋ねる。「夢なんて言うだけタダっすから」という言葉に、ユキコは「顔が見たい。黒川の顔」と答える。即座にユキコの手を掴んで、「ここです」とホクロの位置を教える黒川だったが、たぶんユキコには見えない。それを、誠二がこっそり聞いていた。
翌日、ユキコと黒川をスタジオに呼び出す誠二。黒川の寝顔を引き伸ばした巨大なパネルを用意していた。黒川の顔が見たいと言ったユキコの夢を叶えてあげたかったのだ。顔のホクロも、これで見られた。
さらに誠二は、脳に直接画像を送ってユキコに写真を見せられる未来が来ることが夢だと語る。ユキコは「無理なんじゃない?」というが、「できますよ、きっと」と黒川。
夢を聞き出した彼氏と、夢の叶え方を知っている父。
未来を夢見る父と、それを信じる彼氏。いい関係性じゃないか。
この時に誠二が撮ってくれた黒川との2ショットをユキコが見られる日、いつか絶対来るはずだ。
さらに新しい夢を見つけた人がもう1人。イズミだ。
誕生日会を終えた夜、獅子王への思いが抑えきれずに告白をした。しかし、獅子王は「自分は普通じゃないんです」と苦しそうに語りはじめる。「俺の思い人は、男なんです」と。あぁ、やっぱり…と思った視聴者も多かっただろう。筆者もそうだった。
でも、獅子王が男性を好きになることは、果たして“普通じゃない”ことだろうか?
作中、何度も問いかけられてきたこと。「恋です!」を見て筆者が感じたのは、普通なんてそもそも存在しないということだ。多数とか少数があるだけで、普通はない。だから獅子王、どうか”普通じゃない”なんて言わないで…。
失恋したイズミは、翌日も獅子王に会いにジムへ行く。
そして、「推しだと思って見守っていいですか」と宣言をする。諦められないなら、せめて幸せになってくれるように応援したい。
「推しの幸せは夢」「その笑顔、最高のファンサです!」とこちらも満面の笑みで言うイズミ。
獅子王のことを好きになってくれたのが、そして獅子王が自分のことを打ち明けた相手がイズミでよかった。
黒川と誠二、イズミと獅子王、ともに関係も良好で、一件落着かに見えたが…
次回、ついにユキコの初恋の彼が登場するらしい。これはちょっと今までにない波乱が起きそう!?
それにしても、今回もまた黒川のかわいさが突き抜けていた。
ユキコを呼び捨てにできず声が上ずるのも、部屋に入ってきょろきょろしちゃうのも、酔っぱらって獅子王におんぶされた赤ちゃんみたいな寝顔も、どれも破壊力がはんぱじゃなかった。
底なしのかわいさを違和感なく体現できてしまう杉野遥亮がおそろしい。この引き出し、一体どうやって身につけたんだろう…。“かわいい”の最高得点を更新し続けていく杉野にも、引き続き注目だ。
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
就職支援の講師として盲学校に現れたのは、なんとユキコ(杉咲花)の初恋の相手・緋山(小関裕太)!やたら親しげにユキコに接する緋山に、森生(杉野遥亮)は嫉妬を覚えるが……。障害者の就職支援に情熱を燃やす爽やかイケメンの緋山は、次々と女性たちのハートを鷲掴みにする!
一方、「つきあってたわけでもないから全然気にしないで」というユキコのフォローを受け、緋山の存在を気にしまいとする森生だが、「実らない恋ほど、強く残る」という獅子王(鈴木伸之)の言葉に、焦りを感じる。さらに、まだ卒業後の進路が見えないユキコと空(田辺桃子)は、もっと緋山に話を聞こうと一緒に茜(ファーストサマーウイカ)の喫茶店へ。そこで森生は、再び緋山と顔を合わせて……!?
んな中、ユキコと空は、地域イベントのクリスマスマーケットに出店したいという茜から手伝いを頼まれる。自分たちでは迷惑をかけるのでは、と二の足を踏むユキコたちだが、自分も手伝うという緋山に背中を押され、参加することに。その姿に火をつけられた森生は、花男(戸塚純貴)たちを巻き込んで手伝いを名乗り出る!
マーケットの準備のため、茜の喫茶店に通うユキコたち。森生は緋山に張り合おうとするも、リーダーシップを発揮するハイスペックな緋山に完敗!さらに、障害者支援に通じる緋山の人間としての凄さにも圧倒される。そんな森生の前で、緋山はユキコへの好意をちらつかせて……!?
何から何まで自分より完璧な最強ライバル・緋山の出現に、森生大ピンチ!そして、クリスマスマーケット当日。ユキコを巡って緋山からの宣戦布告が森生を待っていた……!!
第8話のレビュー
順風満帆なユキコ(杉咲花)と黒川(杉野遥亮)の恋に波乱の展開!?
ユキコの初恋の人・緋山(小関裕太)が、盲学校へ就職支援のためにやって来た。運命の再会に湧く空(田辺桃子)と青野(細田佳央太)。でもユキコは全然意に介していないようだ。
この緋山という人物、爽やかな笑顔を振りまき、仕事もできて紳士的。おまけに仕事柄もあるのだろう、ユキコたちの誘導もスムーズで完璧だ。非の打ちどころがなくて、なんならちょっと胡散臭さすらある(これは完全にユキコ黒川推しの筆者の偏見です)。そんな緋山を目の当たりにして、自信をなくしていく黒川。
そんな折、ユキコたちは地域で開催されるクリスマスマーケットに参加することに。
準備でいいところを見せようとする黒川だが、用意周到な緋山に完敗。いや、いいんだよ! 黒川のいいところは他にいっぱいあるんだから! と、落ち込む黒川を励ましてあげたい。
喫茶店での準備を終えた帰り道。ユキコと黒川の2ショットだ。ユキコの冷えた左手を自分のポケットにお招きしちゃう黒川が最高だった。
なのに、そこに緋山が車で登場する。「送っていくよ」というのはあくまで親切心からなのかもしれないが、ここはさすがに空気を読んでほしい…。控えめに言って、来ないで、という気持ちだ。
さらに、ユキコの家の前に着き、黒川と2人になった緋山は「黒川くんが羨ましいよ」なんて言い出す。でも、ユキコのことを好きかと問われると、「よく分からない」ときた。分からないのに、ちょっかいを出さないでくれ。
一方のユキコは、黒川と手を繋げたことがうれしそうだった。「手、大きかったな」というセリフに、大いに頷いた視聴者も多かったのではないだろうか。
ついにクリスマスマーケット当日。
青野は花男(戸塚純貴)と草介(堀夏喜)とトリオになって屋台への呼び込みを行う。ナポリタンドッグに扮してのコントが面白い。この3人、和む…。
他のお店を見て回っている3人もとても良かった。空へのクリスマスプレゼントに青野が選んだのは、クリスマスツリーを半分ずつにしたストラップ。積極的である。そして、「花男くんもハチ子(生見愛瑠)ちゃんに…」と勧める。まだ草介や黒川も気付いてないだろう花男の恋心に気付いていたなんて! 青野は妄想力もすごいけど、察知能力も高いらしい。侮れん…!
寒そうにしているユキコたちにカイロを手渡す黒川。そこへ、緋山がストーブを持ってやって来る。どんだけ準備がいいんだ。
また自信をなくした黒川の異変に気付いたのか、2人で他のお店を見に行こうと言い出すユキコ。この思いやりがすごくいいし、うれしくて笑顔がはじけちゃう黒川も素直でいい。
その喜びのまま、黒川は「こういうのを幸せっていうんすかね」「俺、今幸せなんすね」と笑顔で話す。トラウマだったはずのクリスマスツリーの前で幸せを嚙み締められる日が来てよかった。お母さんも、きっとどこかで喜んでるよ。
片付けの最中、ついに緋山が動いた。
黒川の顔の傷や、不良になったことを責めた挙句、「ユキコは普通の人を選んだほうがいい」と言い出す。正直、こいつ正気か? と思ってしまった。そして、「僕の一方的な宣戦布告だ」と言う。
そんな状況なのに、ユキコには普通に接する黒川。飲食業界へ進みたいというユキコの夢を、絶対にできると応援する。こんな風に、自分のやりたいことを100%全力で応援してくれる人がそばにいたら、どんなに心強いだろう。
しかし、やっぱり緋山の言葉が堪えていたらしい黒川は、その夜、雨の中でベンチに座り込んでいた。そこへ獅子王(鈴木伸之)が登場。どうしよう、すごくかっこいい…。
黒川の話を聞き、「そんな半端な思いなのか。だったらユキコさんとはさっさと終わりにしろ!」と喝を入れる獅子王。自分の好きな人の恋愛相談を受けるって複雑だろうに、一切の邪念なく背中をぶっ叩いてくれる。本当にかっこいい。この作品の影のヒーローは間違いなく獅子王だ。
食の仕事がしたいと学校で宣言するユキコ。それに対して緋山は「一緒に幸せになろう」と言い出す。その場にいた誰もが、プロポーズ…? と勘違いをする。でもそれは、一緒に新しい道を開拓しよう、という意味らしい。いやいや、下心しか見えないけど!
帰り道でユキコを待っていた黒川は、「免許取ります」からはじまり、いろいろなことをやると言い出す。困惑しながらも、「そんなこと求めてないよ」とユキコ。
そして家に招待し、クリスマスマーケットで黒川が食べ損ねたナポリタンドッグをふるまう。
ユキコは、自分が黒川と会うまでそんなに強くなかったと話し出す。実際にユキコは黒川のお陰で、1人でバスに乗ったりバイトをしたり、ぐんと世界を広げてきたのだ。でもそれは、黒川にとっても同じだろう。改めて、なんていい2人なんだろう。
「だから、私のために変わろうとか、そんなこと思わないでほしい。だってわたしは今の黒川が好きなんだもん」
この言葉を、ぜひ緋山に聞かせてあげたい。
ユキコが食の仕事をしたいという夢を見つけた一方、青野はかねてから決めていたマッサージの体験学習に行くことに。しかし、その道中で線路に転落したかもしれない可能性が浮上する。
せっかく空もおそろいのストラップを白杖につけてくれている。これからという時に、なんという展開だ。ただただ無事を祈るが…。
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第9話ストーリー&レビュー}–
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
森生(杉野遥亮)から、白杖を持った若者が駅のホームから転落した、という連絡を受けたユキコ(杉咲花)と空(田辺桃子)。ホームドアのない駅のホームは、視覚障害者にとっては『欄干のない橋』と同じ。その日、体験学習に向かうために駅に居た青野(細田佳央太)の身を心配したユキコたちは、慌てて病院に駆けつける!しかし、病院でベッドに寝かされていたのは、青野ではなく、なぜか森生で……!?
翌日。ユキコは退院する森生に付き添うため、お弁当を用意して森生のもとへ。娘が初めて彼氏の家に上がることに神経をとがらせる誠二(岸谷五朗)の一方、イズミ(奈緒)は妹の恋を応援する。しかし、松葉杖をついた森生と白杖をついたユキコは、いつものように歩調を合わせることができず……。さらに、散らかった森生の部屋で、怪我をした森生の力になれないことに、ユキコは人知れず自信をなくしてしまう。
1週間後。ユキコの元に、就職支援をしていた緋山(小関裕太)から連絡が入る。それは、希望していた飲食関係の会社がユキコに興味を示しているという連絡!その日、森生の快気祝いに茜の店でサプライズを準備していたユキコは、嬉しい気持ちで森生を待つが……。
そんな中、森生には、獅子王(鈴木伸之)を通じて正社員になるチャンスが訪れる。しかし、赴任先はなんと鹿児島だと告げられて……!
ユキコと森生、2人の前に拓ける別々の道。森生の人生を邪魔したくないと思うユキコと、ユキコの人生をサポートする緋山の存在を前に自信をなくす森生。決断を迫られた2人が選ぶ道とは……!?
第9話のレビュー
青野(細田佳央太)の身に何かあったのではないかとハラハラさせられた前回。
白杖の人が線路に落ちたわけではなく、実際には間一髪のところを緋山(小関裕太)に助けられていた。とりあえず、何もなくてよかった…。涙を流して青野をハグする空(田辺桃子)が愛おしい。2人まとめてまるっと抱き締めたくなった。
が、なぜか慌てて駅に駆け付けた黒川(杉野遥亮)が怪我をして入院することに。一体どんな展開だよ、とツッコミたくなるが、ユキコ(杉咲花)の言うように、そういうところこそ黒川のいいところだ。
しばらくの間、松葉杖での生活を余儀なくされた黒川。退院の日、ユキコは黒川を手伝いに行く。お弁当を作り、イズミ(奈緒)に持たされたお菓子と茶葉を持って用意は完璧。
だが、2人の歩くペースは噛み合わないし、白杖と松葉杖が交錯しちゃうし、黒川の部屋が散らかっているせいでユキコは思うように動けないし、なかなか大変そう。
こぼしてしまったコーヒーを、床に落ちていた黒川のパンツ(なぜキッチンにパンツ?)で拭いてしまうユキコ。「雑巾みたいなもんすけど、ユキコさんが触るには申し訳ないもんす!」と慌てて取り上げる黒川。
なんだなんだ、楽しそうじゃないか。ちょっと混ぜて欲しい。それが無理なら、せめて1時間ずっと2人の様子を見せてくれないだろうか。
平和な空気が一変したのは、黒川に正社員の話が持ち上がってからだ。
正社員になれるかもしれない、ただし、赴任先は鹿児島県。あまりにも遠すぎる。獅子王(鈴木伸之)から話を聞いた黒川は、すぐにユキコに「行かないですよ」と宣言。一緒にいたいからだと言われ、ユキコも嬉しそうだ。
同じ頃、ユキコもまた就職活動に動きが。希望していた飲食関係の会社が興味を持ってくれたという。しかし話を聞きに行ってみると、調理に携わるのは難しく、デスクワークが中心になるらしい。素人感覚だからかもしれないが、企画ならできるんじゃないかと思っていたのに…現実は想像以上に厳しい。
それでも次第に、“求められている”だけでもありがたいのではないかと考えるようになるユキコ。そして、黒川も本当は鹿児島へ行きたいんじゃないか? 自分が黒川の人生の邪魔をしているんじゃないか? と考えはじめてしまう。複雑だ。
一方の黒川は、早々に獅子王に正社員の辞退を申し出る。
せっかくのチャンスを手放そうとする黒川に、獅子王もまた悩む。獅子王にとっては黒川が大切な人なのだから、できればそばにいたいはずなのだ。どうしてあげるのが正解なのか、しかし自分の気持ちもある…こちらも複雑。
黒川に、デスクワークだったとしても自分に興味を持ってくれた会社に就職を考えていることを打ち明けるユキコ。対する黒川は、正社員の話を断ったことを告げる。その理由はやはり、ユキコと一緒にいたいから。
これって別におかしな話ではないと思うのだ。“ワークライフバランス”という言葉があるけど、オンとオフのどちらをより重視するかというのと同じで、自分が誰とどこで生きていたいのかを基準に仕事を選ぶことは、決して悪いことじゃない。こればっかりは、周りがとやかく言うことじゃないはずなのだ。本来は。
いつものように黒川の腕をとって、並んで歩き出す2人。だんだんと濃くなっていく寂しさは、降り出した雪のせいだけではなさそうだ。お互いを思うからこその、気持ちのすれ違い。近くにいるのに、これまでにないくらい距離を感じる。
そんなタイミングで、黒川はユキコが緋山に抱き締められている場面に遭遇してしまう。もちろんユキコは緋山の告白を断ったが、きっと黒川は誤解しているだろう。
直後に黒川を呼び出したユキコ。「鹿児島へ行って」とか、「正社員になって」と切り出すのかと思った。あるいは「私が重荷になってるよね?」とか。
だが、ユキコが口にしたのはそのどれでもなかった。「私たち、別れよう」ときっぱり言ったのだ。
なんでそうなる!!! まず浮かんだのはその一言だった。
たしかに、黒川は何を言っても頑なに「ユキコのそばにいたいから」を繰り返すだろう。だけど、もうちょっと他のやり方はなかったか。好きな人を傷つけ、ユキコ自身だってボロボロに傷付いているじゃないか。もっと納得のいくやり方があったはずなのに。
余談だがこのシーンの杉咲花の涙、そしてそのあとの小さな後ろ姿から伝わってくる悲しみにやられて、筆者は本編を2回見て、2回とも大号泣した。多分この先、見るたびに何度だって泣けるだろう。ちょっとそれくらいすごいシーンだったので、もし見てない人がいたら絶対に見てほしい。
今回、ユキコはしきりに「黒川は人から必要とされたいはず」と言っていた。けれど、黒川を必要とするのは会社や不特定多数の誰かではなく、ユキコだっていいんじゃないか。そう思うのは、2人に一緒にいて欲しいと願う筆者のエゴかもしれない。だけど、まだはっきりと見えてこない黒川の本心を、周りが勝手に決めてしまっているような気もしてしまって切ない。何より、こんな風になってしまった2人を見ていられないのだ。
ここまで、いつだって想像を超える世界を見せてくれた「恋です!」。それぞれの思いも、未来への希望も、すべてが明るい場所へと繋がる最終回が待っているだろう。だから、今回だけはたくさん泣けばいい。その分、来週またたくさん笑顔になれるはずだ。
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
–{第10話ストーリー&レビュー}–
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)の別れから1年―。ユキコは盲学校を卒業し、食品関係の会社で事務の仕事を始めていた。一方、再び無職になった森生は、鹿児島から地元に戻ってきていた。
そんなある日、仲間内の意外な2人が結婚することになり、結婚パーティーでユキコと森生が久しぶりに顔を合わせる機会が訪れる!
しかし、1年前ユキコが森生と別れた本当の理由が、緋山(小関裕太)と付き合うためではなく、森生の仕事を応援するためだったと知った森生は、無職の今、ユキコに合わせる顔がないと考えて……。森生は仲間たちに口裏合わせを頼み、ユキコの前では自分がいないことにしてもらうが……。
そんな中、パーティーでユキコの手作りケーキが振舞われる。その美味しさに喜ぶ一同の様子に、心の底から嬉しそうなユキコ。森生はその笑顔が忘れられず……。
翌日。森生は社会人になったユキコの姿を見ようと、出会いの場所でユキコを待ち伏せる。立派なビルに出勤するユキコの姿を尊敬の眼差しで遠くから見守る森生。声はかけないつもりが、バーガーショップの店長・茶尾(古川雄大)の空気を読まない行動でそばにいることがバレ、ユキコと正面から向き合うことに……!
ついに1年ぶりの再会を果たした2人。森生の何気ない一言が、封印していたユキコの“ある気持ち”に再び火をつける!?出会うはずのなかったヤンキー君と白杖ガール、2人の運命には、意外な結末が待っていた……!
第10話のレビュー
見たいような見たくないような…そんな迷える最終回がついに来てしまった。
黒川(杉野遥亮)の人生の邪魔をしないため、別れるという選択をしたユキコ(杉咲花)。
そこから時は経ち、1年後。ユキコは興味を持ってくれた食品関係の会社で事務の仕事をこなしていた。調理に関わる仕事は、やっぱりできていない。
一方の黒川はというと、勤めていたレンタルビデオ店が九州から撤退することが決まり、退職を余儀なくされていた。
自分の気持ちを押し殺してまで別れを決断してくれたユキコに、あわせる顔がない黒川。花男(戸塚純貴)とハチ子(生見愛瑠)の結婚式に参列するも、ユキコからこそこそ隠れていた。(ハチ子、花男にはさらさら興味なさそうだったのに急展開! それもまたよし。)
ユキコが見えないのをいいことに、みたいな隠れ方はやや複雑だったが、出勤するユキコをストーカーのように見守る黒川がたまらなくかわいかったのでチャラにしたい。
こそこそしていたくせに、結局茶尾(古川雄大)のいるバーガーショップで、ついにユキコに黒川の存在がバレてしまう。1年ぶりの再会を果たした2人、感情が爆発するかと思いきやそんなことはなく、思っていたよりも冷静だ。
そして、黒川はほんの感想のつもりだったのだろう。ユキコが、自分が作ったものや考えたものを「美味しい」と言われている時がやっぱり嬉しそうだったと伝える。「今も“美味しい”って言われるのが1番好きなんじゃないですか?」。その言葉に、にわかにゆらぐユキコの表情が印象的だった。
「やりたいこととできることは違う」「自立のためには働かなくちゃ」と言うユキコ。対する黒川は、「夢が見つかったらユキコさんに会いに行きます」と宣言する。それはつまり、夢が見つかるまでは会わないということ…?
しかし、ユキコはこの言葉に感化され、料理の専門学校のオープンキャンパスへ行くことに。まただ。また黒川の存在が、ユキコの人生を明るいほうへと導こうとしていた。
とはいえ、調理を学ぶのは弱視のユキコにとって前途多難。調理師の免許は取れても就職は難しいだろうと言われ、入学を諦めようとしていた。
そこへ、父・誠二(岸谷五朗)が問う。「自立したいんだよな? それって1人でできると思うか?」。「無理かもしれないけど頑張りたい」と答えたユキコを、それは無理だと一蹴する誠二。
「見えてても見えなくても、みんな多かれ少なかれ誰かに頼らなきゃ無理だ」
「誰かと一緒だと、できることが増えて、世界が広がる」
これは誰もが胸に持っておきたい言葉だ。1人で頑張る必要なんかない。人を頼ったっていいし、頼られることが誰かの支えになることもあるかもしれない。共存していくことの尊さを簡潔に表現していた。
調理学校で黒川が体験に来たらしいことを知ったユキコは、黒川と一緒に料理するところを想像する。それは素晴らしく幸せな想像だった。自立って、1人で生きることではない。頑張るなら、1人より2人、2人より3人…数がすべてではないけど、支え合える人たちこそ最強なのかもしれない。
黒川を呼び出したユキコは、黒川からキッチンカーを見せられる。黒川の夢は、キッチンカーで店をやること。そのために、ユキコに手伝ってほしいと言う。「俺がやりたいことって、ユキコさんと一緒にいることなんで」。ただストレートに思いを伝えた「恋です!」という手紙も素敵だったが、この言葉にもものすごい愛情が詰まっている。
そしてユキコもまた、黒川に夢を手伝ってほしいと言おうとしていた。離れていた1年があったからこそたどり着いた答え。「黒川と一緒にいたい」と言うユキコを前に涙を流し、信じられないくらい優しく、大きく包む黒川のハグがあたたかくて幸せだった。
ここまで様々な“普通”の形を示してくれた「恋です!」。そのほかの人たちも、新たな1歩を進んでいた。
まずは、獅子王(鈴木伸之)とイズミ(奈緒)。
お腹を壊した獅子王の家へ看病に行くイズミ。そこへ黒川がやってくる。獅子王は黒川に思いを伝え、さらにイズミが今の自分の大事な人だと宣言する。
突然の告白を受けて、照れながらも「ありがとう」と言った黒川が最高にいい男だった。獅子王が好きになったのが黒川で本当に本当によかった。そして、イズミが大事だと気付いた獅子王。2人の間にあるのが世間でいう“恋”とは少し違っても、そこには確かに愛がある。この人たちなら大丈夫、ちゃんと幸せになれるだろう。
余談だが、スーツではなくラフな服装に身を包んだ獅子王、いつもより色気があってとてもよかった。
結婚こそしたものの、ハチ子はまだ服飾の学校に通う学生。卒業後はがっつり働くつもりらしく、花男は専業主夫をするようだ。
空(田辺桃子)と青野(細田佳央太)は、進展があるのかないのか…。ただ、高校卒業後も週に1度のペースで、青野曰く“デート”を重ねているらしい。ゆっくり、進んでくれたらいいな。
みんな、それぞれのペースでそれぞれの“普通”を生きている。普通は1パターンしかないわけでもないし、ましてや正解なんてそもそも必要ない。そんなことを優しく教えてくれる作品だった。最高のハッピーエンドに感謝するとともに、願わくば狭いキッチンカーの中で奮闘するユキコと黒川の姿を、またいつか見せて欲しい。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
–{「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」作品情報}–
「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」作品情報
勝ち気だけど 恋には臆病な盲学校の女の子と、喧嘩上等だけど、根は純粋なヤンキー。
ある日出会ってしまった運命の二人!
笑って泣けて時々ハッとする新世代ラブコメディー!
光と色がぼんやりわかる程度の弱視の盲学校生ユキコと、喧嘩っ早いけど純粋な不良少年の森生。
運命の出会いをした二人はお互いの事を理解し、惹かれ合っていく…!
ギャグとラブコメ要素がふんだんに盛り込まれた原作「ヤンキー君と白杖ガール」の世界観を大切にして、 この秋、誰もが応援したくなる 恋の物語をお届けします!
出演
杉咲花/杉野遥亮/奈緒/鈴木伸之/田辺桃子/細川佳央太/生見愛瑠/堀 夏喜(FANTASTICS from EXILE TRIBE)/濱田祐太郎/ファーストサマーウイカ/戸塚純貴/古川雄大/岸谷五朗
原作
「ヤンキー君と白杖ガール」うおやま(KADOKAWA)
脚本
松田裕子
音楽
得田真裕
演出
内田秀実
狩山俊輔
ほか
プロデューサー
森雅弘
小田玲奈
鈴木香織(AX-ON)
チーフプロデューサー
加藤正俊
制作協力
AX-ON
製作著作
日本テレビ