<最愛>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

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吉高由里子主演の金曜ドラマ「最愛」が2021年10月15日より放送開始。

念願の製薬事業にまで手を広げるに至った「真田ウェルネス」の代表取締役・真田梨央(吉高由里子)は、学生時代に思いを寄せ合っていた宮崎大輝(松下洸平)と15年ぶりに再会。彼は警視庁刑事部捜査一課の刑事となっていた。一方、梨央はとある重要事件の参考人に……。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・「最愛」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

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「真田ウェルネス」の社長・真田梨央(吉高由里子)は、“世界を変える100人の30代”に選ばれる気鋭の実業家。その彼女が、かつて心を通わせた宮崎大輝(松下洸平)と15年ぶりに再会した時、大輝は刑事、梨央は殺人事件の重要参考人だった――。

15年前の2006年、岐阜県。梨央は東京の大学の薬学部に進学を希望する高校3年生。白山大学陸上部男子寮の寮夫として忙しく働く父・朝宮達雄(光石研)に代わり、弟・優(柊木陽太)の面倒をよく見る、寮の看板娘だった。

その梨央が恋心を抱いていたのが、陸上部のエースである大輝。彼が出場する駅伝の地区選考会に駆けつけ、精一杯声援を送る梨央。大輝もまた梨央に思いを寄せており、彼女の推薦入試が終わったら告白しようと決めていた。

そんなある日の夜、達雄が留守にしていた寮で“事件”が起こる…。梨央を心配した母・真田梓(薬師丸ひろ子)は、弁護士の加瀬賢一郎(井浦新)を梨央の元へと向かわせる。

第1話レビュー

2014年に放送され話題となったドラマ「Nのために」や2018年のドラマ「アンナチュラル」(共にTBS)を、あなたはご覧になっただろうかーー

私は今でもこの2作品の続編が観たいと思うほど、大好きなドラマだ。そんな2作品を手掛けた監督とプロデューサーがタッグを組んだドラマ「最愛」が、面白くないわけがない。

2021年秋ドラマの中でも注目を集めているドラマ「最愛」を今週から紐解いていく。ところどころ、勝手な推測やネタバレにつながりかねない部分にも触れていくので、ご了承願いたい。

前半の舞台は2006年岐阜県・白川郷。

のどかな雰囲気の中で朝宮梨央(吉高由里子)と、宮崎大輝(松下洸平)が学生時代を過ごしていた。この“高校3年生”という設定に、少しムリがあるように思えそうなものの、首をかしげたくなるほどではない。学生時代の歯がゆさ、初々しさを吉高と松下が熱演している。

将来、梨央が殺人事件の重要参考人、大輝が刑事として再会するとは、まったく想像できない。

梨央の父親、朝宮達雄を演じるのは光石研。「Nのために」でクソみたいな父親役を演じた光石だが、今回はとにかく優しい“これぞ父親”という雰囲気をにじみ出している。この光石の存在も「Nのために」を彷彿とさせる。

梨央の祖母役の茅島成美。「あー金八先生の!」とテンションが上がった。TBSドラマの常連、茅島のお元気な姿は個人的に嬉しかった。

さて、本題に戻る。

開始から30分ほどで、誰かが誰かを殺した? と思わせるような描写が次々とあらわれ、和やかな雰囲気が一変していく。あれほど仲の良かった2人が離れ離れになり、15年が経過ーー再会した2人は、これからどんなドラマを展開していくのだろうか。

あっという間に初回拡大版も終了。終了した瞬間に”にんまり“してしまったのはいうまでもない。

これはおもしろいドラマがスタートしたぞ。

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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思わぬ形で15年ぶりに再会した梨央(吉高由里子)と大輝(松下洸平)。大輝は梨央に任意同行を求め、遺体で発見された昭(酒向芳)との関係や、昭の息子・康介(朝井大智)の遺留品について尋ねる。

会社に戻った梨央に、専務の後藤(及川光博)はフリー記者・しおり(田中みな実)から入手した写真を見せ、昭との関係を追及。梨央を心配した弁護士の加瀬(井浦新)は、今後は一人で警察と会わないよう約束させる。

一方、捜査資料から、梨央が今も変わらずに新薬開発の夢を追いかけていることを知る大輝は、刑事として今回の殺人事件と15年前の事件のつながりを調べはじめる。

さかのぼること14年前の2007年ーー。真田家での生活になじめずにいた梨央。兄・政信(奥野瑛太)との対立や弟の優(柊木陽太)と自由に連絡が取れないなど、慣れない生活を送っていた。そのような中でも加瀬の支えによって何とか大学には通っていた梨央だが、とある衝撃的な真実を知ることに……。

第2話のレビュー

10月15日にスタートしたドラマ「最愛」が早くも話題となっている。

手に血が付いた状態でパトカーに乗り込む梨央(吉高由里子)の姿が印象的だった第1話。
ストーリー展開、映像美、そして演技派の役者たちと文句なしだ。

同作品はこれまで多くのヒット作を手掛けてきた、プロデューサーの新井順子と演出の塚原あゆ子。
脚本は、奥寺佐渡子と清水友佳子が手掛ける完全オリジナル。
さらに主題歌の「君に夢中」を歌うのは、あの宇多田ヒカルだ。
少しだけその歌詞に触れてみる。

「君に夢中 人生狂わすタイプ」
「好きすぎてどうにかなる」
「ここが地獄でも天国」

これは歌詞を見ているだけでもゾクゾクするやつだ。
人生狂わすタイプとは、第1話を見る限り15年後の梨央(吉高由里子)のようだが、個人的にはそんな「まんま」なわけがないような気も……。

(以下ネタバレありです)

第2話では消えた携帯電話の行方が明らかになる。
実家に久々に帰省した梨央は、弟の優(柊木陽太)から「見せたいものがある」と携帯電話を渡される。
「怖い画像が映っとる」「ガチで怖いやつなら消しといてな」とだけ言って部屋を出ていってしまった優。

恐る恐る2006年9月21日の動画を再生してみると、そこに映っていたのはなんと失踪した大学院生の渡辺康介(浅井大智)と自分だった。
さらには、その動画から事件の概要が明らかに。
涙が止まらない梨央。
康介を殺してしまったのは優なのか。
優が殺したとすると、その遺体を隠したのは梨央の亡くなった父親、達雄(光石研)?
では、15年後に康介の父、昭(酒向芳)を殺したのはいったい誰? 
何のために?
さらに現在、失踪中の弟はいったいどこに?

まだまだ謎だらけだ。

このドラマは過去と現在が行ったり来たりするのも特徴的。
しかし、視聴者を惑わすようなものではなく、スッとストーリーが入ってくるのは前述したプロ集団のお陰だろう。
まだ第2話の時点で、これまでの名作ドラマと肩を並べる作品なのではないかと、みるみる期待値が高まる。

個人的に刑事役の津田健次郎の声が良すぎて困っている。
登場すると声に聞き惚れてしまって、ストーリーが入ってこない……(苦笑)
さらに、梨央の兄役の奥野瑛太と専務役の及川光博が超絶感じが悪く、顔をしかめたくなる。

今後は、脇を固める登場人物にも注目したい。

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

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大輝(松下洸平)から「友達として話をしたい」と言われた梨央(吉高由里子)は、近所の馴染みの鉄板焼き店へ。ぎこちないながらも昔のような空気が2人の間に流れ、梨央は事件当夜のことを話し始める。

署に戻った大輝は、梨央の足取りを付近の防犯カメラで確認。彼女の話に矛盾はなく、相棒の桑田(佐久間由衣)も梨央は犯人ではないと感じるが、同時にどこか煮え切らない大輝の態度がひっかかる。

そんな折、「真田ウェルネス」に一通の脅迫メールが届く。後藤(及川光博)は事業説明会の中止を進言するが、新薬開発をなんとしても成功させたい梨央は「中止はしない」と断言。説明会がアナリストやメディアに評価されて新薬が承認されれば、自分の前から突然姿を消した弟の優が戻ってきてくれるかもしれないという思いもあった。物々しい警備体制のなか、事業説明会が始まる・・・。

第3話のレビュー

第3話は、真田ホールディングスの弁護士であり、梨央(吉高由里子)の理解者でもある加瀬賢一郎(井浦新)のナレーションからはじまった。

「弟は15歳のとき彼女の前から姿を消した」とあるように、梨央の弟である朝宮優(柊木陽太)は現在も行方不明だ。

「できれば友達として話がしたい、秘密は守る」という大輝(松下洸平)の言葉で見つめ合う2人。15年前まではお互いが好き合っていたのに、今は重要参考人と刑事……。いったい梨央と大輝はどんな気持ちでいるのだろうか。

渡辺康介(新井大智)の死になんらかの関係がある、2人をつなげていたお守り。梨央はもらったその日になくしたと告白した。梨央の話が本当であるとすれば、いったい誰がそのお守りを渡辺の遺体と一緒に埋めたのだろうか。

第3話は事件が大きく動いた。

梨央が社長を務める真田ホールディングスに脅迫メールが届いた。事業説明会を中止にするよう専務の後藤(及川光博)は事業説明会の中止を促すも、梨央はそれを突っぱねる。しかし、梨央が強行した事業説明会の日に、1人の男が会場に侵入していた。

案の定、梨央はその男にナイフで脅される。そこに助けに入った加瀬は腕を切りつけられ負傷。遅れてやってきた大輝に逮捕された男は、真田ホールディングスに恨みをもつ同業者の元社長だった。

逮捕されたときに男が「真田梨央は人殺しです」と集またマスコミに大声で叫んだため、真田ホールディングスの評判はガタ落ち。

今後、梨央はどうやって会社の信用を取り戻し、長年の夢であった新薬発売にこぎつけるのか。

今回からは脇を固める登場人物に1人ずつ注目をしていきたい。第一回目は、田中みな実が演じるフリーライターの橘しおりだ。

専務の後藤と裏で繋がっており、梨央のことを調べるうちに真田ホールディングスのことも追うことに。この橘という女性は化粧っ気もなく、まったく愛想がない。狙った獲物は逃がさないといった感じで、なんともしつこそうなタイプに見える。

この役を演じる田中は、世間のイメージからいうと真逆のところにいる。キャスティングの面白さも同ドラマの魅力かもしれない。

また気になるのが、初回からちょこちょこ登場する謎の青年。

彼はいったい誰なのか?

シンプルに考えると、この青年が優なのかもしれないが、それほどストレートに考えていいものか?
筆者はこれは優ではないと考えているが、であれば彼は誰なのか?

そして優はどこにいるのか? ということになる。

まだまだ考察が必要そうだ。

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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事業説明会での騒動に加え、真田ウェルネスの疑惑を追及する記事のゲラが出回り、後藤(及川光博)の梨央(吉高由里子)への風当たりはますます強くなった。さらに、後藤は会社の裏事情を嗅ぎ回るしおり(田中みな実)に不信感を抱きはじめ、彼女について調べるよう情報屋(高橋文哉)に指示を出す。

その頃、警察は殺人事件の被害者である昭(酒向芳)に500万円を渡した男の足取りを追っていた。大輝(松下洸平)は桑田(佐久間由衣)と共に真田ウェルネスを訪ね、梨央と加瀬(井浦新)に男の心当たりがないか、さらに事件当夜の加瀬の行動について聞く。

翌朝、1本のネットニュースが梨央をさらなる窮地へと追い込む。「疑惑だらけの治験薬」という新薬の中傷記事で、不安を感じた被験者が治験の中断を申し出る事態に。社内にも動揺が広がり、真田グループの株価にまで影響が出始めていた・・・。

第4話のレビュー

この人物にとって最も愛する者はなに(だれ)か?
そんなことを想像しながら観ると面白い、ドラマ「最愛」。

かつて話題となったドラマ「Nのために」(2014)でも、登場人物にとっての「N」は誰なのか? と考察を繰り返しながら最終回を迎えた視聴者もいるだろう。
同ドラマも最終回まで「最愛」がなに(だれ)なのか、混乱しながら見続けることになりそうだ。

(以下、ネタバレが含まれます)

第4話では、情報屋が梨央(吉高由里)の弟、優(高橋文哉)だと判明。
この展開は意外であった。
なぜなら、情報屋=優であることは、うっすら想像はできていたが、その正体を明かすのはもっと先の展開だと考察していたからだ。

さらに驚いたことは、殺された渡辺昭(酒向芳)の首に優が手をかけている動画の存在が明らかになったこと。
真実を知った梨央と大輝(松下洸平)にとっても衝撃の展開であったが、筆者も驚いた。
このままいけば物語の後半は優の逃走劇なのか?
いや、そんなわけはあるまい。
新たな事件が発生し、さらに物語は渦巻いていくであろう。
しかし、まったく想像ができない。
これはゾクゾクする。

予告ではフリーライターの橘しおり(田中みな実)が拘束されている?
さらなる犠牲者とは橘なのか?
2006年に法都大学を休学しているという事実は今後、大きな鍵となりそうだ。
(この橘も、実は過去に梨央や大輝と接点があったりして……?)

気になる登場人物として、梨央の母親・真田梓(薬師丸ひろ子)をあげたい。
筆者は第2話からこの人、なにか怪しいとにらんでいる。
梨央の父親である朝宮達雄(光石研)とは梨央が3歳のときに離婚し、息子の政信(奥野瑛太)は梓が、梨央は達雄が引き取った。
「私たちは家族、隠し事はなし」と一見理解のある母親を装ってはいるが、上京したばかりの梨央に岐阜に帰ることを許さず、笑顔でちょいちょい残酷なことをしていることにお気づきだろうか。
この梓、あなどれない。
今後、どんな風に物語に絡んでくるのか注目したい。

第1話の配信再生回数がTBSドラマ史上最高の再生回数(※TBS調べ)を記憶したというドラマ「最愛」。

「大ちゃん 私やっとらんよ」
という梨央の言葉は信じていいのか?

第5話以降、どんな展開になるのか?
右肩上がりの視聴率と共に注目していきたい。

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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ついに再会を果たした梨央(吉高由里子)と弟の優(高橋文哉)。優は9年間自分がどのような人生を歩んできたか、そして携帯電話の記録動画から自らの罪を打ち明ける。

一方、イヤホン男の住居を割り出した警察は、誠と真田ウェルネスとの関わりや、誠と優が同一人物であることも突き止めていた。さらに、大輝(松下洸平)は15年前に大麻事件を起こした元陸上部員の長嶋(金井成大)のもとを訪ね、事件当夜に関してある重要な証言を得る。

そんな中、真田グループの情報を嗅ぎ回るしおり(田中みな実)について調査する加瀬(井浦新)は、後藤(及川光博)との接点を突き止める。

そして、9年ぶりに優と語り合った梨央は、ある大胆な行動に出るのだったーー。

第5話のレビュー

一人ひとりが「最愛」の人のために動きだしていた。

今の梨央(吉高由里子)にとっての最愛は、大輝(松下洸平)でも加瀬(井浦新)でもなく、まぎれもなく弟の優(高橋文哉)だろう。

優がなぜ梨央の前からいなくなったかもわかった。
記憶から消されていた15年前のことを昔の携帯から知った優。
自分が渡辺康介(朝井大智)を殺したため、梨央とその母の梓(薬師丸ひろ子)に迷惑をかけたくないと思った末の行動だった。

しかし、梨央のことを心配するあまり、梨央の敵でもある後藤(及川光博)に近づき、遠隔で梨央を守っていたこともわかった。
優もまた最愛の姉のために生きていたのだった。

「優はやっとらん、なんもしとらん。そうやろ?」と自分にも優にも言い聞かせる梨央。
「記憶になくても記録に残っとる」と絶望する優。
お互いを想う姉弟の気持ち……。
多くの視聴者が「なんとかならないものか……」と、もどかしく思っただろう。

優の望み通り、故郷の白川に向かった梨央と優。
その二人を追う大輝とコンビを組む桑田(佐久間由衣)。
大輝は刑事としてというよりも、2人を心配する者として見守っているようにもとれる。

同ドラマでは、ほとんど笑顔のシーンがない松下洸平。
刑事としての正義感と、最愛を守りたいという狭間で揺れ動く男を見事に演じている。

同じように梨央を想う加瀬。
「少しだけ優といさせて」と梨央に頼まれれば、弁護士という立場と、最愛を守りたいという一心で梨央に力を貸す。

常に2人の男性と、弟から守られている梨央。
こんな状況にはなりたくないが、それでも少しうらやましいと思う視聴者も少なくはないだろう。

第5話の気になる登場人物として、大輝のコンビ、桑野を演じる佐久間由衣に注目したい。
男性だらけの職場で刑事として奮闘している姿が初々しい。
はっきりとした描写はないが、きっと大輝に気持ちを寄せていることは表情からわかる。
梨央に再会してから、どんどん梨央に夢中になっていく大輝を一番側で見ている桑野。
この桑野も今度、物語にスパイスを与えてくれそうだ。

フリーライターの橘(田中みな実)も相変わらず荒々しい行動が目に付く。
真田ウェルネスの実態を探ろうとしているが、なぜそこまで執拗に追うのだろうか。
彼女は15年前の事件と関係している?

故郷の白川に戻った2人が見つけたのは父、朝宮達雄(光石研)のパソコンだった。
そこには15年前の父の懺悔が残されていた。
「私、朝宮達雄は9月21日深夜、渡辺康介さんを殺しました」
ここにも子どもたちを最愛に想い、そして全力で守る父の姿があった。

同ドラマ内でちょくちょく現れる、謎のブラックボックス。
第5話の最後にはその箱が微かに空いていたのが気になる。
箱がすべて空くまでは、もどかしい日を送らなければならなさそうだ。

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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加瀬(井浦新)は、警察に連行された優(高橋文哉)と面会し、15年前の事件だけでなく昭(酒向芳)の殺害も自らがやったことだと告げられる。さらに、公園で昭と争った時の様子がイヤホン型カメラに記録されていることを聞き出し、その動画データを解析することに。

そんな中、優の処遇を心配し不安に怯える梨央(吉高由里子)。心配して訪れた加瀬から優が置かれている状況を聞き、優しく励まされながら何とか眠りにつくのだった。

梨央が優のことで後藤(及川光博)や兄・政信(奥野瑛太)から社長としての責任を追及される一方で、加瀬が民間の科捜研に依頼していた動画データの解析が完了。加瀬はある疑問を抱く。また大輝(松下洸平)ら警察も、優の証言による裏取をもとに現場周辺で聞き込みを進めるが…。

第6話のレビュー

「なんもかんも全部、私一人がやりました」

梨央(吉高由里子)と優(高橋文哉)の父、達雄(光石研)が渡辺康介(朝井大智)を殺したと自供する動画が発見されて、優が大輝(松下洸平)の前で「やったのは俺や」と自供。
優は警察に同行されてしまった。
事情聴取の前に加瀬(井浦新)に「本当のことを話して欲しい。本当に君がやったの?」と渡辺親子の殺害について質問された優。
それにも素直に「はい」と答え、康介の父、昭(酒向芳)を殺したときの動画の存在があることを明かした。

梨央のもとに戻った加瀬は「優君は取り戻す」と発言。
そこから加瀬は優の撮影した動画を解析。
加瀬は、優と梨央を助けようと行動をはじめた。

一方、大輝も独自のやり方で二人のことを支えようと必死だった。
梨央に「優はどうなってまうの?」と聞かれた大輝も「待っとってくれ」と加瀬と同じように梨央を安心させるために声をかけていた。

加瀬と大輝—。
「優君は取り戻す」
「待っとってくれ」
優のことで梨央を支えようとする二人の男性の力強い発言。
これには
「私も梨央になりたい」とシンプルな意見から
「とことん優しい加瀬さん、頼りになる大輝。梨央がうらやましい」など、梨央のことをうらやむ視聴者が大勢いた。
確かに2人の魅力的な男性にとことん守られている梨央。
しかし、そこに媚びている感はない。
そこが梨央を演じる吉高由里子の魅力かもしれない。

第5話で拉致されたフリーライターの橘しおり(田中みな実)は、後藤(及川光博)によって解放された。
「殺されでもしないと世間に注目されない。梨央社長みたいに生きてるだけで注目を浴びる人もいるのに。なんでこんなに不公平なんですかね」と梨央に対して嫉妬をするような意味深発言をした橘。
また、「どんな目にあおうが、真田ウエルネスの隠し事は突き止めます」と宣戦布告をした。

優は、「僕がやりました」と取り調べで自供したので逮捕。
しかし、優が渡辺父の首を絞めたのは「東の池」。
遺体が浮かんでいたのは別の「西の池」だと判明。さらに、目撃者の証言により、渡辺父は優に首を絞められた跡もびしょびしょに濡れて歩いていたことがわかった。
生きていたのだ!
これにより、優は不起訴となり釈放された。

岐阜県警から上京していた藤井の助言により、ライターの橘が過去の事件の関係者だったこともわかった。
橘も渡辺息子の性被害者だったのか?
渡辺息子を遺棄したのは本当に梨央たちの父親なのか?
渡辺父にとどめを刺したのはいったい誰なのか?
まだまだ事件は謎だらけ。

第6話もラストでは、大輝と梨央が力強く抱き合うシーンも。
宇多田ヒカルの曲の絶妙なタイミングもラブストーリーを盛り上げている。

ドラマ「最愛」、いろんな意味で最終回まで目が離せない。

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

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梨央(吉高由里子)の前に現れたしおり(田中みな実)は、真田グループの不正について追及する。話が見えない梨央はその場を去るが、しおりが自分や優(高橋文哉)のことを昔から知っていたような口ぶりに違和感を抱いていた。

加瀬(井浦新)の尽力によって昭(酒向芳)の死には関与していないことが証明された優は、梨央と一緒に暮らすことに。さらに、加瀬の言葉で前向きに生きることを考えるようになり、新薬の治験を受ける決意をする。

一方、大輝(松下洸平)と桑田(佐久間由衣)は、15年前の事件の捜査から関係者として浮上したしおりと接触。15年前のある恨みが昭殺害事件につながった可能性があることを掴むが、しおりには事件当夜のアリバイがあった。

さらに、しおりは真田ウェルネスが経営する老人ホームに出入りし、真田グループの不正を執拗に追う。そんな彼女に対し、後藤(及川光博)は再び取材をやめさせようとするが……。

第7話のレビュー

私たち人間は「数字」で左右されて生きているところがある。

たとえば、新型コロナウイルスの感染者数やランチメニュー表のカロリー値などには、自然と目がいくものだ。世間には参考になる数字で溢れているが、逆にあまり参考にならない数字も実はある。これは完全に個人的意見だけれど、最近の「視聴率」はあまり参考にならない部類に入るのではないだろうか。

なぜなら先週の「最愛」の平均視聴率(世帯)は8.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったからだ。

あれほど面白くて、真犯人の考察がネットに大量に溢れている作品だというのに、視聴率が10%に届いていないとは……。見逃し配信で多くの人が見ていることが理由の一つに考えられるが、リアルで視聴している人の少なさよ。筆者は、「最愛」のようなスリルのあるドラマこそ、リアルタイムで楽しみたいタイプだ。

さて、前置きが長くなってしまった。第7話を紐解いていこう。

執拗に梨央(吉高由里子)のことを追いまわすライターの橘しおり(田中みな実)は、過去に梨央と接触していたことがわかった。合同合宿で渡辺康介(朝井大智)から性的暴行の被害にあっていたしおりは当時、被害にあう前に梨央に助けを求めていた。しかし、そのことに気付けなかった梨央。

「あの日から人生が一変しました。なのにあなたは世界を変える30代。こっちは息をするのもやっとの思いで生きてきたのに……」

明らかに梨央に対して逆恨みをしているような発言を吐いた。

さらにしおりは、渡辺親子の死は仕方のないことと発言。その時点で梨央は、しおりが渡辺親子の死に関係しているのでは、と疑っていた。

被害にあったしおりには同情するが、そのときに助け舟を出してくれなかった(気づいてくれなかった)というだけで、あそこまで梨央のことを恨むだろうか? 新聞社を辞めた理由も梨央となんらかの関係があるのかも?

しかし、そのしおりがなんとラストで転落死

明らかに後藤(及川光博)が殺したかのような描写が観られたが、安直にそう考えていいものか?

第7話では、大輝(松下洸平)と梨央が見つめ合う胸きゅんシーンもあり、視聴者にドキドキ感を与えてくれた。

弟の優(高橋文哉)も治験を受ける決心をし、明るい展開も予想できるが、優の症状が改善されることにより、15年前のあの夜の出来事をはっきりと思い出すのではないだろうか。もしかしたら優の脳裏にあの日父、達雄(光石研)と一緒にいた人物の顔が思い浮かび、ストーリーが大きく展開するということも考察できる。

来週の予告で、また一瞬だけ映った藤井(岡山天音)が不気味だ。

所轄に異動になった大輝は今後、どんな動きをするのだろうか?

過去の事件と新たな事件は、どこでどうつながっているのだろうか?

頭の中はさらに「ハテナ」でいっぱいだ。

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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しおり(田中みな実)の遺体が発見されたーー。現場の状況から雑居ビルからの転落と考えられたが、昭(酒向芳)殺害事件の参考人となっていたタイミングだったこともあり山尾(津田健次郎)は事件性を疑う。

出社した梨央(吉高由里子)は、秘書の児島(宮下かな子)からしおりと後藤(及川光博)がもめていたようだと聞かされる。しかし、その後藤とは加瀬(井浦新)も前日から連絡が取れず、行方を掴めずにいた。

しおりが亡くなる前日、彼女と会っていたことで警察から事情聴取を受けることになった梨央。そんな彼女を、捜査本部を外されて所轄の生活安全課に異動になっていた大輝(松下洸平)が訪ねてきた。大輝の母が送ってくれたという故郷の酒を飲む二人の間には穏やかな時間が流れ、とある約束を交わす。

一方、しおりの周辺を捜査していた桑田(佐久間由衣)は、上司の山尾から、事件に関するネタを大輝からうまく聞き出すようはっぱをかけられてしまう。気が進まない中大輝のもとを訪ねる桑田は、かつての相棒に捜査の協力を懇願する。

そんな中、加瀬は梓(薬師丸ひろ子)と今後の策を練っていた。梓から後藤が向かうと思われる場所を聞いた加瀬は、早速梨央と向かうことに……。

第8話のレビュー

「梨央さんの人生も間もなく一変します」

そんな言葉を遺し、悲しい最期を遂げた橘しおり(田中みな実)にとっての最愛は何だったのだろうか―。
登場したときから彼女の背景描写は少なく、視聴者が想像するしかなかった。
しかし、あの合宿の日までは一人の平凡な女子大生だったことは想像に難くない。
彼女にとっての最愛は、合宿の前後でがらりと変わり、亡くなるその瞬間までは憎しみや怒り、そして哀しみなど自分の感情を最愛として生きてきたのではないだろうか。

あの合宿で梨央(吉高由里子)が手を差し伸べていたら……。
梨央もしおりもそして、加害者の渡辺康介(朝井大智)もまた違った人生を送っていたかもしれない。

大輝(松下洸平)と加瀬(井浦新)という2人の男性に守られている梨央。
一方で守ってくれるような存在のなかったしおり。
だからこそ、あのような最期を迎えてしまったしおりには一層、同情してしまう。

第8話は急展開を迎え、多くの視聴者が“ハラハラドキドキ”を経験しただろう。

まずは、後藤(及川光博)。
しおり殺しの犯人と思わせるスーツケースは結局、不正隠しの資料を詰めるためのものだった。
鼻血を垂らしながらも、必死に隠そうとする及川光博の演技には鬼気迫るものがあった。
不正は自分一人でやったという切ない告白。
梓(薬師丸ひろ子)をかばっているとしか思えない後藤は、殺人事件には一切、関わっていないような気がする。
彼の最愛は会社と思と思いきや、もしかしたら梓の存在なのかもしれない。

そして第8話の謎は、この世に5本しか存在しない「WELLNESS HOME」のボールペン。
(記念品で作ったというわりには数が少ないが……)

持ち主は梓、梨央、政信(奥野瑛太)、後藤、加瀬。
この5人の中に犯人がいるのか?

ここにきてSNSを中心に加瀬犯人説が濃厚になってきているが、加瀬が犯人だろうか。
加瀬の犯行であれば梨央を守るために?

筆者は第8話での優(高橋文哉)が再び起こした、記憶障害が気になる。
そして最後に表れた藤井(岡山天音)の存在。
彼は大輝の上司、山尾(津田健次郎)に使われていると考察する。

残すところあと2話—。
どんな展開が待っているのか。
1週間後が待ち遠しい。

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー


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昭(酒向芳)の遺体と一緒に池から発見されたウェルネスホームのペンは、梓(薬師丸ひろ子)が会社設立の記念品として作った特注品だった。持っているのは梨央(吉高由里子)、加瀬(井浦新)、後藤(及川光博)、政信(奥野瑛太)、梓の5人。警察はその中の誰かが事件の時に落とした可能性があるとにらんでいた。

同じ頃、富山県警の藤井(岡山天音)が、捜査一課からはずれた大輝(松下洸平)を訪ねて来る。いつものように軽口をたたくが、帰り際、藤井が何かを言いかけてやめたことに大輝はひっかかる。

政信が社長を務める真田ビジネスサービスの30周年記念パーティーの翌日、真田ウェルネスの寄付金詐欺疑惑と、しおり(田中みな実)の不審死に関する週刊誌のスクープ記事が出て……。

第9話のレビュー

(※冒頭からネタバレと著者の考察があります)

待ちに待った金曜22時がやってきた。
赤いボールペンの持ち主、5名の中にどうやら犯人がいるのでは?
というのが前回までの流れだった。
しかし、第9話終了30秒前にはまさかまさかの大輝(松下洸平)も、15年前の事件と関わっているかもしれないと匂わせる展開で終了し、衝撃が走った。

さて、どこのシーンに注目しようか、迷ってしまうほど第9話はネタがてんこ盛りだった。
ひとまず怪しさがハンパない大輝の後輩、藤井(岡山天音)の行動に着目しよう。

突然、大輝の元をを訪れたかと思えば、別の日には梓と接点があったかのような描写も。
この藤井の存在は、ストーリーが進むにつれてネットでは犯人の有力候補とされていたが、本当にそうだろうか?

実はこの藤井、15年前から独自に捜査をしてきているとは考えられないだろうか。
あの怪しい目つきは犯人のそれではなく、警察官そのものの目つきだったとしたら?
「15年前、台風の夜、本当は事件の現場におりましたよね?」
藤井が怪しいとにらんだのが大輝だとしたら、第9話のラストの流れは納得がいく。

そして、ここまで坦々と描かれていた梨央の母、梓(薬師丸ひろ子)にも大きな進展があった。
冒頭で「彼女(梨央:吉高由里子)のため、会社のため、私がしたことに後悔はない」というセリフから梓の“最愛”が明確になった。
しかし、「私、お母さんには向いていないみたいね」というセリフが気になる。
これはいったいどういう意味なのだろうか。

また、梨央に「後藤さんとはうまくやりなさいよ。あの人はあなたにとってもウエルネスにとっても必要な人材よ。いずれ必ず、あなたを助けてくれる。梨央と後藤さん、2人で真田グループを支えて欲しいの」

このセリフから梓の後藤に対する信頼度があまりにも高すぎるという違和感が残る。
梓はここまで寄付金詐欺のことで会社をめちゃくちゃにしてきた後藤を、なぜかばうのだろうか。
また、梨央の兄である政信(奥野瑛太)の名前が上がらないことにも疑問だ。

最終話を前にさらに疑問が増えたものの、第1話の冒頭で流れた“梨央の連行シーン”の謎は解けたのでスッキリした。
梨央の左手にべったりついた血は、階段から落ちた後藤(及川光博)のものであった。
てっきり梨央が誰かを傷つけて連行されたのかと思いきや、事故の介助によるものだったため、多くの視聴者が安堵したことだろう。

さて、もう一人気になる人物がいる。
「加瀬さん、いろいろありがとう」と梓からは感謝され、
「ごめん、加瀬さん」という梨央からは謝罪される加瀬(井浦新)だ。
母子が全信頼を寄せる加瀬の犯人フラグは、完全に解けたと言えるだろうか?
まったく関係がないとしたら、前回の最後の描写(加瀬に犯人フラグを立てた展開)は少し雑な気がする。

来週が最終話。
いよいよあの謎のブラックボックスが開く―。
延長なしの60分ですべての事件の真実を、どんなふうに“回収”するのだろうか。

今クールナンバーワンと呼び声の高いドラマ「最愛」。
最後までしっかり楽しみたい。

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第10話ストーリー&レビュー}–

第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー


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ついに、すべての真実が明らかに…!
それぞれの最愛…そして梨央が下す決断とは――?

第10話のレビュー

「あ~またCMかっ!」と何度も舌打ちをした60分だった。
ドラマを観ていて、CMが多く長く思えたことは久々だった。
それだけ本編が流れている間は集中していたのだろう。

個人的には納得のいく終わり方だった。
塚原監督と新井プロデューサーには機会があれば、同ドラマの“その後”を描いて欲しいと思うものの、このまま視聴者の想像力に委ねてもいい気もしている。

さてここから【ネタばれ】&【個人反省会】のはじまりである。

まずはなんと言っても渡辺親子の胸くその悪さよ……。

「たかがちょこっとイタズラしただけやないか!悪いのは誘ってくる女のほうや、なんで康介(朝井大智)が責められなあかんのや。康介にも将来があったんや」

この康介の父、昭(酒向芳)のセリフには「ふざけるな!」としか言いようがない。
そもそも論だが康介があんなことをしない、まっとうな人間であれば誰一人として不幸にはならなかった。
その康介にも「最愛」があったとするならば「自己の欲求」としか言えない。
個人的には、父親役の酒向の「身勝手で狂気に満ちた演技」にMVPを贈りたい。
撮影も過酷だっただろうし、(池でのシーン)ご本人にとっても昭という役は難役だったのでは? と想像し、同情する。
しかしだ。
向こう半年くらい、別のドラマで渡辺親子を見かけたら「あっ」と声が漏れてしまうだろう。

反省点とは、伏線だと深読みしすぎて後半はなにがなんだかわからなくなってしまったこと。
回収されないまま終わったと勝手に思い込み、今もモヤモヤしていることだ。
たとえば……

・梨央(吉高由里子)の父、達雄(光石研)が死んでいると思われている状態で藤井(岡山天音)が「動かすな」と言ったこと→藤井犯人疑惑①
・達雄の葬儀中に「藤井」という人が訪ねてきたこと→藤井犯人疑惑②
・梨央(吉高由里子)の部屋にヨーグルトがこぼれたままだったシーン→梨央の記憶障害疑惑①
・加瀬とパフェを食べるシーンに違和感があったこと→梨央の記憶障害疑惑②
・梨央の母、梓(薬師丸ひろ子)が梨央に卵サンドを渡したところ→梨央の記憶障害疑惑③
・山尾(津田健次郎)が、誰かと敬語を遣いながら話しているシーン→山尾が犯人と繋がっている説

あげたらキリがないのでこのへんでストップ。
これら自分の浅はかな考察が恥ずかしい……。

そして、このドラマにはいくつもの教訓があった。
・家族の愛に心を打たれたからとはいえ、その場の判断で犯罪者の片棒をかついではならない。
 (加瀬が達雄に手を貸したシーンより)
 →転落人生が待っているだけ!

・もめごとはビルの踊り場でするな。(加瀬としおり(田中みな実)のシーンより)
 →必ずどちらかが落っこちるから、そんな危ないところで話してはダメだって!

・アリバイのある友だち(先輩)を疑うな。(藤井が大輝(松下洸平)を疑うシーンより)
 →友だちをなくすよ!

この藤井が、同ドラマになくてはならない存在だった。
彼のするどい眼光と存在感にはしびれた。
犯人を思わせるうつろな目つきと、怪しげな行動をとった藤井が
まさか、真面目な警察官だったとは……。
とはいえ、彼の「読み」は筆者の考察とおなじく、ハズしていたが……。

後藤(及川光博)もまた会社のためとはいえ、金には汚かったが梓を思う優しい男だった。
前半と後半で表情の違いを、まざまざと見せてくれた及川に脱帽だ。
後藤にもしっかり罪を償い、また真田ファミリーのために奮闘してもらいたい。

そして最後は、梨央と優には一点の曇りもない人生を送って欲しいと願って姿を消した加瀬。
かっこ良すぎるだろう。
梨央と優への愛の深さは、まさに家族だったといえる。

まだまだ書きたいことは山のようであるがそろそろ締めくくりたいと思う。
番組のキャッツフレーズ

全ては、愛するがゆえに
真相は、愛で消える

それぞれの最愛が確かにそこにはあった。
そして、あなたの最愛は?
と、問いかけられているようなドラマだった。
だからこそ、私の最愛についてしっかり考えてみようと思う。

(文:シネマズ編集部)

※この記事は「最愛」の各話を1つにまとめたものです。

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–{「最愛」作品情報}–

【「最愛」作品情報】

吉高由里子、TBS金曜ドラマ初主演!

完全オリジナルのサスペンスラブストーリーで、連続殺人事件の重要参考人に……。

“事件を追う刑事は、かつて心を通わせた最愛の人だった”

出演:
吉高由里子、松下洸平
井浦新、光石研、薬師丸ひろ子、奥野瑛太
佐久間由衣、津田健次郎、及川光博、宮下かな子

脚本:
奥寺佐渡子
清水友佳子 

音楽:
横山 克 

主題歌:
宇多田ヒカル「君に夢中」(ソニー・ミュージックレーベルズ) 

プロデュース:
新井順子 

演出:
塚原あゆ子
山本剛義
村尾嘉昭 

編成:
中西真央
東仲恵吾
 
製作:
TBSスパークル
TBS