過去に放送されたアニメ「鬼滅の刃 竈門炭治郎立志編」が特別編集版として放送される。本記事では、「那田蜘蛛山編」について、解説・感想・名ゼリフをご紹介する。
(※竈門禰豆子の「禰」のへんは「ネ」の字です。)
- 「那田蜘蛛山編」ざっくり解説
- 「那田蜘蛛山編」がっつり感想
- 「那田蜘蛛山編」名ゼリフ・名場面(※筆者の独断と偏見です)
- 「ほわほわ」
- 「とんでもねぇ炭治郎だ」
- 「俺は俺がいちばん自分のこと好きじゃない。ちゃんとやらなきゃっていつも思うのに、怯えるし、逃げるし、泣きますし。変わりたい、ちゃんとした人間になりたい」
- 「いいんだ善逸、お前はそれでいい。一つできれば万々歳だ。一つのことしかできないなら、それを極め抜け。極限の極限まで磨け。」
- 「泣いていい、逃げてもいい、ただ諦めるな」
- 「俺は鬼殺隊の嘴平伊之助だ!! かかって来やがれゴミクソが!!」
- 「何だコイツ!! わくわくが止まらねぇぞオイ!!」
- 「己の怪我の程度もわからない奴は戦いに関わるな」「俺が来るまでよく堪えた 後は任せろ」
- 「失礼しました、死んでるからもう聞こえませんね、うっかりです」
- 「全部、全部思い出した、俺は謝りたかった」
- 「鬼は人間だったんだから 俺と同じ人間だったんだから」
- 次回は「第五夜 柱合会議・蝶屋敷編」
「那田蜘蛛山編」ざっくり解説
炭治郎・善逸・伊之助3人で向かった那田蜘蛛山。中に入ると、先に入った鬼殺隊が奇妙な術によって味方同士で殺し合っていた。十二鬼月がいると知らされる。初めて一緒に戦う炭治郎と伊之助、またはじめに行かないと駄々をこねたため別行動の善逸は、今までとは強さが違う敵に苦戦するのだった。また、初めて柱が戦いに登場し、その圧倒的な強さを目の当たりにする。
十二鬼月
これまで十二鬼月と名乗ったが違った、元十二鬼月と戦うことはあったが、ついに本物の十二鬼月の鬼と戦うことになった炭治郎。強力な血鬼術を持ち、頸を斬っても死なない相手に苦戦する。
柱
柱の存在は聞かされつつ、初めて義勇に出会ったとき以来その戦いを見たことはなかった炭治郎。炭治郎と伊之助は、それぞれその圧倒的な強さを目にすることになり、自分たちとはほど遠い圧倒的な強さに驚く。
–{「那田蜘蛛山編」がっつり感想}–
「那田蜘蛛山編」がっつり感想
初めて3人で向かった任務……のはずだったが、途中で愚図る善逸は置いていかれ、2人で那田蜘蛛山に入る炭治郎と伊之助。そこでは先に入った鬼殺隊士たちが殺し合いをしていた。糸のようなものでマリオネットのように操られていた。
触覚に優れた伊之助は、2本の刀と自分の感覚を使いダウジングのように敵の位置を割り出す。なんだこの能力、よくわからないけどすごい。糸に操られた兵士たちを助けようとするが、あせった敵により無残にも殺されてしまう。炭治郎から感じる静かな怒りを感じ取りる伊之助。
一方、結局別々に山に入った善逸は、蜘蛛の身体を持った鬼から毒を受けてしまう。弱い自分を悔いる善逸は諦めそうになるが、育手の爺ちゃんとの修業を思い出す。壱ノ型しかできなかった自分を励まし、「一つのことしかできないなら、それを極め抜け」「泣いていい、逃げてもいい、ただ諦めるな」と言われたことを思い出し、希望を捨てずに自分のできることを考えるのだった。
何とか相手を倒したものの、毒がまわり動けなくなる。それでも最後の望みを捨てず、呼吸術で毒のまわりを遅くする(そんなことできるの?)。善逸が捨て子で孤独だったこと、そんな自分に期待し、逃げても諦めず叱り続けてくれた爺ちゃんとのエピソードがよかった。育手に出会ったことで善逸の人生は変わったといってもいい。
どうやら今回の鬼たちは家族のようだ。本来群れないはずの鬼が一緒に行動することに戸惑う炭治郎。どれが十二鬼月かわからないが、1体1体が強い。だが家族と言いながら、小さな弟が姉を傷つけているのを見てしまった炭治郎。そんな絆は偽物だ! と言うと、相手は怒り出す。この弟・累こそが、十二鬼月だった。
頸を斬っても死なない累に、すでに怪我を負っていて苦戦する炭治郎。禰豆子も箱から出てきて炭治郎を助けるが、累の攻撃により重傷を負う。鬼である妹が身を挺して人間である炭治郎を守ったことに「本物の絆だ」と興奮し、禰豆子をくれという塁。当然炭治郎は怒るが、刀が折れてしまう。
絶体絶命で思い出したのは、父が舞っていたヒノカミ神楽。技として繰り出す炭治郎。禰豆子の血鬼術・爆血と合わせて累の頸を斬ったが、累は首を斬っても死ななかった。ここまでかと思ったとき、現れたのは義勇。「俺が来るまでよく堪えた」か、か、かっこいい……。炭治郎があれだけ苦戦した累を、義勇はこともなく殺した。
義勇は伊之助が苦戦していた父鬼も倒しており、さらに怪我のひどい伊之助がそれ以上戦えないよう、木からつるしていた。「柱」というワードは以前から出ていたが、圧倒的な強さに観ているこちらも感動した。力の差がすごすぎるし、無惨が遠いなぁ……。
胡蝶しのぶもすごかった。身体が小さく鬼の頸を斬る力がないしのぶだが、毒を調合でき、毒で鬼を殺す。一見柔らかな言葉と表情だが、笑顔で殺せるタイプだ。幻惑のようなものを見た次の瞬間、毒に侵されている相手の恐怖はすごそうだ。「鬼も人間も仲よくしたらいいのに」と言っていたが、実際は全くそんなこと思っていなさそう。
さらに、禰豆子が鬼なことに当然気づき、殺そうとする。それを庇う義勇と戦い始める。せっかく柱が出てきたのに、2人がやり合い出してしまい、どうしよう……。炭治郎、ボロボロなのに禰豆子とともに捉えられてしまった。義勇さん、本当にいい人……。でもしのぶに「そんなんだからみんなに嫌われるんですよ」って言われててかわいそう。
柱の活躍の一方、隠(かくし)という事後処理部隊の活躍が初めて出てきた。表立って活躍するわけではないが、まだ生きている隊士を見つけたときの嬉しそうな声や、テキパキした働きにグッときた。この人たちがいるから鬼殺隊は活躍できるんだな。
炭治郎と禰豆子のその後が心配だ。
–{「那田蜘蛛山編」名ゼリフ・名場面(※筆者の独断と偏見です)}–
「那田蜘蛛山編」名ゼリフ・名場面(※筆者の独断と偏見です)
「ほわほわ」
藤の家紋の家のおばあさんに優しくされたり、炭治郎に優しくされたり、てんぷらを食べたときに感じるほわほわした感情に戸惑う伊之助。初めて触れる人の温かさが何かわからず困惑しているようだ。
「とんでもねぇ炭治郎だ」
怖いので行かないと言い、追いていかれた善逸。説得してくれれば行くのに……と面倒くさいことを言っていたが、ふと禰豆子も一緒に連れて行ったことに気づき、このセリフとともに「女の子を危ないところに連れていくなんて!」と全速力で山に向かう。
「俺は俺がいちばん自分のこと好きじゃない。ちゃんとやらなきゃっていつも思うのに、怯えるし、逃げるし、泣きますし。変わりたい、ちゃんとした人間になりたい」
兄蜘蛛に追い詰められた善逸の独白。もう駄目かと思うとき、期待に応えたいのにできない自分のことを思って言った言葉。切実な感情が伝わってくるシーンだ。
「いいんだ善逸、お前はそれでいい。一つできれば万々歳だ。一つのことしかできないなら、それを極め抜け。極限の極限まで磨け。」
善逸の育手の爺ちゃんの言葉。できないことを嘆くのではなく、できることを極めろというエール。この言葉、励まされた人も多いのではないだろうか。
「泣いていい、逃げてもいい、ただ諦めるな」
これもまた、善逸を否定せず励ます言葉。泣いたり逃げたりしても自分を見捨てなかった爺ちゃんに恩返ししたいと思っている善逸もいい。これもまた、励まされた人が多そうな言葉だ。善逸、爺ちゃんに巡り合えてよかったな……。
「俺は鬼殺隊の嘴平伊之助だ!! かかって来やがれゴミクソが!!」
相手の圧倒的な強さ、自分の怪我もあって一瞬もう死ぬと思ってしまう伊之助。その時に思い出したのは炭治郎や「どんな時も誇りを持ってくださいませ」と言った藤の家紋の家のおばあさんの言葉だった。理解できなかった「誇りをもって生きる」を身をもって理解した伊之助があらためて相手に啖呵を切るシーンが、アツい。
「何だコイツ!! わくわくが止まらねぇぞオイ!!」
ボロボロだったのに、義勇の圧倒的な強さを見て大興奮の伊之助、まわりはキラキラしてるしちょっとかわいい。
「己の怪我の程度もわからない奴は戦いに関わるな」「俺が来るまでよく堪えた 後は任せろ」
義勇が伊之助、炭治郎それぞれに向けた言葉。淡々としているけどきっちり助けて鬼も倒してくれて、かっこよすぎた。
「失礼しました、死んでるからもう聞こえませんね、うっかりです」
助かろうと嘘をついた姉鬼を毒で殺した後のセリフ。しのぶの怖さがにじみ出ている。でもこういうところ、好き。
「全部、全部思い出した、俺は謝りたかった」
過去を思い出し、後悔する累。あまりにも犯してしまった罪が重いが、悲しい過去だった。でも地獄でも一緒に行くという両親の言葉にもらい泣きしてしまう。とっくに絆は手に入っていたのに、それに気づけなかったのか……。
「鬼は人間だったんだから 俺と同じ人間だったんだから」
累を足蹴にした義勇にくってかかる炭治郎。自分より強い相手にも言うべきことは伝えようとする炭治郎の意志が感じられる。
次回は「第五夜 柱合会議・蝶屋敷編」
次なる柱合会議・蝶屋敷編は、いよいよ柱たちが集結する。炭治郎と禰豆子の運命は……? 引き続き楽しみだ。
(文:ぐみ)
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