「#家族募集します」第8話レビュー:このままではいられない? 「にじや」が問いかける家族の形(※ストーリーネタバレあり)

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金曜ドラマ枠では、2021年7月9日より「#家族募集します」を放送。主演に重岡大毅(ジャニーズWEST)、ヒロインに木村文乃、共演に仲野太賀、岸井ゆきのという豪華実力派俳優陣を迎えてオリジナルストーリーで展開する。

本記事では、第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「#家族募集します」第8話レビュー

シンプルに、「家族ってなんだろうなあ」と考えさせられる。

銀治が心筋梗塞で倒れた。旅先で大地から連絡をもらった俊平と礼は、事情を聞きながら救急車を呼ぶ。そしてそのまま岐路へ。
同じく旅行中の黒崎にも連絡をする俊平。礼は、遅い時間だから、と一度は俊平を止める。が、俊平は「家族だから」と言ってメッセージを送った。旅先での親子水入らずの時間も大事だ。でも、すぐに知らされなかったら、きっと辛い。

銀治はしばらく入院。蒼介を中心にみんなで「にじや」を切り盛りすることになる。そうだ、大人たちも夏休み中だった。「にじや」はランチタイムも盛況。俊平や礼、何より黒崎が一番楽しそうだ。初登場時のピリピリした空気が嘘のよう。一度「威厳のあるオトナ」になってしまうと、素直とか無邪気になるのは難しい。そんな頑なな心をほぐしたのも「にじや」という場所なんだろう。

しかし、気になるのはやはり銀治と、銀治の家族のこと。銀治にもしものことがあったら。家族について話そうとしない銀治に、蒼介たちは、SNSで家族を探すことに。それは……このご時勢になかなか危険では? と思うが、投稿を見た銀治の家族だと名乗る女性が店にやってくる。

明かされたのは、蒼介も知らなかった銀治と家族の過去。絶縁状態の息子夫婦。息子が銀治に輪をかけて頑固なせいで、きっかけをつかめないまま時間が過ぎてしまった(石橋蓮司さんの息子役に宇野祥平さんってナイスキャスティングでは……)。でも、できればまた一緒に暮らして「にじや」をやっていきたいという思いはある。

蒼介は、俊平たちに銀治の家族がやってきたことを言えない。銀治には家族を取り戻してほしい。でも、それは今の家族の解散を意味する。互いをわかり合い、子どもたちの仲も深まりつつある。ひとり親同士の俊平たちにとって、今の状態は心身ともに余裕が持てるとてもよい状況だ。
何より、蒼介はやっと手に入れた自分の家族だ。
自分が黙っていれば、俊平たちも知らないまま、銀治の家族の関係修復に進展もないだろう。ただ、蒼介はその事実を黙っていられるほど、冷たい人間ではないのだ。
ただキャベツを切っているだけのシーンが蒼介の苦悩を深く描いていた。当然、ほかの3人も蒼介の異変に気がつく。

さらに、黒崎の元妻で、いつきの母親が予定を早めて帰国するとの連絡が入る。もともと黒崎といつきが一緒にいる時間は限られていた。このまま、「にじや」での家族の時間は終わるのか。

新しい家族の形と、これまでの家族の形。どちらを選んだとしても、間違いではない。優先されるのはそれぞれの幸せだ。

「#家族募集します」第8話のストーリー

旅行中の俊平(重岡大毅)と礼(木村文乃)の元に、大地(三浦綺羅)からの電話が。それは、銀治(石橋蓮司)が倒れたという知らせだった──
ちょうど出かけていた蒼介(仲野太賀)とめいく(岸井ゆきの)に代わり、電話で大地に指示を出す俊平と礼。そしてふたりは、急いで東京に戻ることに。

帰宅した蒼介たちと、知らせを受けた黒崎親子も駆けつけ、病院に集まったにじやの“家族”。俊平たちは、銀治の“本当の家族”に連絡を入れるべきではないかと思案する。しかし、銀治は今まで家族について頑なに口を閉ざしていたため、全く情報がなく連絡先もわからない…そこで俊平たちは、SNSを使って銀治の家族を探すことを思いつく……!

すると、「銀治の家族だ」と名乗る女性(ヒコロヒー)が突然にじやにやって来て──。

(文:ふくだりょうこ)

–{「#家族募集します」作品情報}–

【作品情報】

TBSでは、7月期の金曜ドラマ枠(毎週金曜よる10時)で、オリジナルストーリーの『#家族募集します』を放送する。
主演に重岡大毅(ジャニーズWEST)、ヒロインに木村文乃、共演に仲野太賀、岸井ゆきのという豪華実力派俳優陣を迎えて送る本作。それぞれに悩みや秘密を抱えるシングルファーザー&マザーたちが、ひとつ屋根の下で子育てをしながら共に過ごし“家族”になっていく姿を描く、新時代のホームドラマが誕生する。

主人公の赤城俊平(重岡大毅)は、ある事情で3か月前にシングルファーザーになったばかり。5歳のひとり息子の子育てに苦戦する中、偶然再会した幼馴染の小山内蒼介(仲野太賀)がお節介な思いつきでSNSに投稿した「#家族募集します」という突飛な募集に巻き込まれてしまう。蒼介は自身が働く古びたお好み焼き屋「にじや」を立て直すため、「にじや」の2階の空き物件で共同生活をして家賃収入を得ようと考えていたのだ。そんな募集に誰も乗るわけがないと呆れる俊平だったが、「#家族募集します」のSNS投稿をきっかけに、ちょっと堅物な小学校教師のシングルマザー・桃田礼(木村文乃)と、夢を追い続ける子持ちシンガーソングライター・横瀬めいく(岸井ゆきの)と出会い、大人4人+子ども3人でひとつ屋根の下で暮らすことに。
性格も価値観もバラバラな7人がどのようにして“家族”になっていくのか。一風変わった同居生活を通して、新しい“家族のカタチ”をお届けする。

脚本は、ドラマ『山田太郎ものがたり』(2007年)、『カンナさーん!』(2017年)などを手掛けたマギー。オリジナル脚本で、“家族とは何か”“家族といる時間の大切さ”をハートフルに描く。

出演:重岡大毅/木村文乃/仲野太賀/岸井ゆきの/金子大地/小松和重/福山翔大/丸山礼/佐藤遙灯/宮崎莉里沙/三浦綺羅/山本美月(特別出演)/石橋蓮司

脚本:マギー

音楽:河野 伸

主題歌:ジャニーズWEST「でっかい愛」(Johnny’s Entertainment Record)

プロデューサー:佐久間晃嗣、岩崎愛奈・那須田 淳

演出:福田亮介、村尾嘉昭

製作:TBSスパークル、TBS