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2021年7月4日から放送されるTBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」。鈴木亮平が主演を務め、中条あやみ、賀来賢人、菜々緒、小手伸也、佐野勇斗、石田ゆり子、要潤と豪華キャストが集結している。
「TOKYO MER」=「Mobile Emergency Room」で、文字通り動く救命救急室が描かれる。
本記事では、第11話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第11話レビュー
裏切られたような気分にしばらく陥っていたが、喜多見を演じる鈴木亮平が自身のTwitterで発した「先週は、皆様と同じく我々にとっても辛い回でした。しかし、描かなければいけない回でした。この喪失の先にきっと『命を救う仕事』を選んだ者たちの矜持を、人間の崇高さとも呼べるものを見ていただけると信じるからです。」というコメントにハッとさせられる。
どんな暗闇の中にも、いつしか道を照らす“希望の光”が差し込むはずだ。そう信じて、「TOKYO MER」の最終回を見届けよう。
自分が紛争地に行かなければ、テロ組織LP9の一員である椿(城田優)を助けなければ、涼香は今もここにいたかもしれない。「ただ純粋に目の前の命を救う」という自身の正義を信じられなくなった喜多見は、MERの解散を決意する。一方、持病を抱える赤塚(石田ゆり子)は生死を彷徨い、音羽も政治の圧力に逆らえずにいた。
そんな中、闇献金疑惑のある天沼(桂文珍)に世間の批判が集まり、それを契機としたLP9による同時多発テロが発生。MERのメンバーは最終審査会よりも救助を優先し、現場に駆けつける。涼香という大切な存在を失った音羽も、喜多見の言葉を思い出し、審査会でこう証言する。
「このチームがいるというだけでみんなが安心する。TOKYO MERはそういう存在に成長しました」
そこからは日曜劇場らしい、目頭が熱くなるような展開が続く。「最後に、純粋に人の命を救う政治がしたかった」という赤塚の言葉が、ずっとMERの敵だった白金(渡辺真起子)の心を動かした。MERの正式認可を下ろし、全員が足並みを揃えて“死者0”という使命を全うする。
第11話はまさに、みんなが主役の回だ。
喜多見が不在の中、音羽、弦巻(中条あやみ)、蔵前(菜々緒)、ミン(フォンチー)、冬木(小手伸也)、徳丸(佐野勇斗)、そしてレスキュー隊の千住(要潤)という頼もしいメンバーが爆弾に巻き込まれた人々を救い、危機管理対策室では赤塚の代わりを担った白金と駒場(橋本さとし)が中心となって現場を動かす。お馴染みの「死者はゼロです!」というセリフに、思わず小さくガッツポーズを取ってしまった。
この国にはたとえ注目されなくとも、たくさんのヒーローたちが存在する。コロナ禍という厳しい現実の中、医療従事者たちが多くの命を救ったように。
最後は喜多見が妹の命を奪った張本人である椿を再び助け、「命を救えて良かった」とつぶやく。椿は、数としてはただの“1”でも誰かにとって生きる全てだった尊い命を奪った罪を生きて償わなければならないのだ。
この物語は決して、綺麗事ばかりではなかった。いつの世界にも暗闇で覆い尽くすような悲劇が時として訪れる。それでも悪意に飲み込まれず、希望の光を探し続けたい。「TOKYO MER」はそんな風に感じさせてくれる、大作だったと言えよう。
「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第11話ストーリー
最愛の妹・喜多見涼香(佐藤栞里)を亡くし、失意のどん底にいた喜多見幸太(鈴木亮平)はMER脱退を告げる。都知事の赤塚梓(石田ゆり子)は意識不明のまま生死の境をさまよっていた。そして、音羽尚(賀来賢人)は大物政治家・天沼夕源(桂文珍)に逆らえないまま、遂にMER解散が決定しようとしていた…。
そんな中、エリオット・椿(城田優)による連続爆破テロで東京中が炎上!多くの負傷者が出るが、喜多見も音羽も出動せず、ERカーの使用も禁じられてしまう!
最大のピンチを迎えたメンバー。しかし、その時…喜多見の心を震わせる「言葉」が響いた。
TOKYO MERの最後の出動の物語。
(文:苫とり子)
–{「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」作品情報}–
【作品情報】
コロナ禍という未曾有の恐怖の中、危険を顧みず命を救うために闘う医療従事者たちの“勇気”に人々は心を打たれ、胸を熱くした。
重大事故、災害、事件の現場に駆けつけ、命を救うために危険な現場に勇猛果敢に飛び込んでいく救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く物語!
主演・鈴木亮平が演じる主人公は、“TOKYO MER”のリーダーでスーパー救命救急医・喜多見幸太。「待っているだけじゃ、救えない命がある」ーー命を救うためなら命も懸ける使命感と強い信念を持つ医師。
大事故、大災害……かつてない超スケールで描く、命を巡る熱く胸躍るヒューマンドラマ!
出演:鈴木亮平/賀来賢人/中条あやみ/菜々緒/小手伸也/佐野勇斗/石田ゆりこ/要潤
【出演者放送前コメント】
鈴木亮平
僕が演じる喜多見幸太は、患者が搬送されてくるのを待っているのではなく、自ら事故や災害の現場に駆けつけ、いち早く命を救う救命救急チーム「TOKYO MER」のチーフドクターです。そして喜多見は、命懸けで危険な現場に飛び込み、勇敢に患者さんを救おうとする情熱を持っています。
また、この作品で注目してほしいのは、オペ室を完備した最新鋭の“ERカー”が登場することです。監修の救命救急医の方々から、「理想の医療」だという声もお聞きしました。
この作品が、今の大変な状況の中で働く医療従事者の方々へのエールになればうれしいですし、一つ一つの命の大切さを改めて伝えていけるようなドラマにできればと思っています。
“日曜劇場”らしく、熱く、スケールの大きなドラマをお届けしたいと思いますので、楽しみにしてください。
賀来賢人
台本を読んで、撮影がとにかく大変になるだろうなと思ったほど、スケールがとても大きい作品です。脚本家の黒岩勉さんの「TOKYO MERのメンバーがヒーローに見えるような作品にしたい」というイメージを聞いて、すごくワクワクしています。
私が演じる音羽は、厚生労働省の官僚であり医師でもあるという複雑な役です。鈴木さん演じる喜多見とは対照的な役柄ですが、音羽には音羽なりの正義があると考えています。クールなキャラクターですが、実際のところはどうなのか、放送を楽しみにしていただければと思います。放送を観て、また次の日も頑張ろうと思えるような作品になるよう頑張りますので、ぜひ皆様に観ていただければうれしいです。
中条あやみ
初めて日曜劇場に出演できる喜びを噛みしめつつも、これから闘いが始まるんだなと実感しています。これまでにも研修医役を演じたことはありましたが、本格的な医療ドラマは今回が初めてです。救命救急の医療指導も受けさせていただきましたが、難しい医療用語や器具の使い方など覚えることが多く、共演者の方々においていかれないか不安もありました。でも、練習を重ね、みんなで力を合わせて作品を作っていくんだと思うと、もっと頑張りたいというパワーが湧いてきます。
一人一人の命を救いたいという医療従事者の方々の熱い思いを大切に、素敵で熱いドラマを皆様にお届けできればと思います。
脚本・黒岩勉
コロナ禍におきまして、人間の一番キレイな部分といいますか、心を動かされる瞬間というのは、自己犠牲を払って他の誰かを助ける姿なのだなと改めて思いました。こんな時代だからこそ、誰かのために必死に戦うヒーローが見たい。最強のナイスガイ・鈴木亮平さんとその仲間たちがきっと叶えてくれます。
とても真剣な医療モノなのですが、とことん痛快な「アクションエンターテインメント」を目指して書かせていただいています。医療従事者だけではなく、その周りでサポートする人々も含め、危機的・絶望的な状況の中でも、冷静に、的確に、前向きに、ただひたすら命を助けようと奮闘する人たちのお話です。
これを見ると、自分の周りにいる人たちに感謝したくなる。ささくれ立っていた気持ちがちょっとだけ優しくなる。そんなテレビ番組になれれば最高に幸せです。
演出・松木彩
以前、救急医療やレスキューの現場を拝見する機会があり、見ず知らずの他人のためにこんなにも危険を顧みず人生を懸けている人たちがいるのかと大変衝撃を受けました。彼らの凄まじさと、その時感じた「この人たちがいればきっと大丈夫だ」という安心感を、喜多見とMERチームの姿を通して伝えていきたいです。
真夏の日曜夜にスカッと前向きになれる作品をお届けしたいと思いますので、どうぞご期待ください。