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テレビ東京はドラマ25枠で、「サ道」の新シーズンを放映する。
出演は、前作に引き続き原田泰造・三宅弘城・磯村勇斗が決定。今回、“ディスタンスと継承”をテーマとし、様々な距離をこえて受け継がれていくものを描く。
本記事では、第10話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「サ道2021」第10話レビュー
「サ道2021」第10話は、偶然さん(三宅弘城)が主役。ホームサウナの「北欧」にやってきた偶然さんは、いつも以上にご機嫌な様子。以前、娘とサウナに行くのが夢だと泣いていたが、本当に10歳の娘・明日菜(新津ちせ)と二人でサウナに行ってきたのだという。
偶然さん親子の行く先は「埼玉 オーパークおごせ」。だけど、車中で不機嫌そうな娘相手に空回りし続ける。K-POPかけてって言われてるのにポンチャック(韓国の超チープなディスコ演歌)をかけたら、娘も不機嫌になるよ!
偶然さん役の三宅弘城と二人きりで達者なやりとりを見せた新津ちせは、数多くの映画やドラマ、舞台に出演してきた子役。紅白に出場したユニット「Foorin」としても活躍した。実は『天気の子』で知られる新海誠監督の娘さんだったりする。
目的地の「埼玉 オーパークおごせ」で偶然さん親子が泊まったのは「サウナスイートキャビン」と呼ばれる部屋。フィンランドのサウナ小屋をコンセプトに作られたもので、ロウリュサウナが備え付けられているほか、ジャグジーや暖炉もついた素敵なお部屋。ウェブサイトによると、親子二人で泊ると1泊軽く15万円ぐらいはする。そんなお部屋を予約し、ステーキを焼き、(妻にリサーチして)プレゼントを渡して娘を喜ばせる偶然さんは、すごくやり手の父親だと思う。
だけど、偶然さんが一緒にサウナに入ろうと娘を誘うも、娘は断固拒否。子どもはサウナなんて熱いだけだし、そもそも父親と二人で入るなんて断るに決まってるよな……と思いながら見ていたが、明日菜にはサウナが嫌いになったはっきりとした理由があった。
母・円香が倒れたとき、父親に連絡したものの、サウナでととのっていて電話に出られなかった過去があったのだ。幼い娘が一人でどれほど不安な時間を過ごしたことか、想像するだけで胸が痛い。そりゃ、サウナも、サウナが大好きな父親も嫌いになるよね。
仕方なく一人でサウナに入る偶然さん。しかし、娘は母から電話で意外な事実を聞く。事件の後、偶然さんは自分からサウナ通いをやめていたが、妻がサウナに行くよう薦めたというのだ。愉快だった夫が。大好きなものをやめたことで、口数の少ない、つまらない男になってしまったからだった。
「人間てさ、ひとつぐらい好きなものがあったほうが、楽しく生きられるんだよねぇ。だから行っていいよ、って言ったんだ」と妻は言う。「私のために行って、って無理やり行かせたんだよ」。なお、妻・円香役は「サ道」の大ファンという水川あさみが声のみ出演していた。
その後、娘が一緒にサウナに入るのは、ちょっとファンタジーが過ぎると思ったが、サウナが日本にやってきて以降、多くの男たち(なかには女性もいただろうが)を癒やしてきたように、「サ道2021」というドラマも世のサウナ好きの男たちを癒やすためのドラマなんだと思うと、こういう話もアリなのかもしれない。そもそも娘と一緒にサウナに行くなんて、これが「最後」って言ってたしね。
(文:大山くまお)
「サ道2021」第10話ストーリー
偶然さん(三宅弘城)は、10歳の一人娘・明日菜の夏休みの宿題の為に2人でサウナ旅へと出かけることに。念願だった娘とのサウナ旅にテンションが高い偶然さんとは対照的に、行きたくない明日菜は機嫌が悪く車内の雰囲気は最悪な状況に…。
どうにか雰囲気を変えようと必死の偶然さんだったが空回りしてしまう。そして、明日菜のある一言に我慢できず偶然さんの目に涙が…。そんな中、明日菜は仕事で一緒に来られなかった母・円香の電話で衝撃の事実を知る!
–{「サ道2021」作品情報}–
【作品情報】
全国のサウナー(サウナ好き)にとっての“サウナの伝道漫画”であるタナカカツキ原作『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』(講談社モーニングKC刊)を実写化し、2019年7月期で放送するとSNSを中心に話題となり、その後スペシャルドラマとしても2回放送。さらに、日本サウナ大賞・サウナの魂賞・サウナシュランの3冠を受賞するなど日本全国に多くのサウナーを生み史上空前のサウナブームを巻き起こしたドラマ「サ道」が、レギュラー放送から年末特番、そして大きな話題となったバレンタインデーの特番を経てついに新シリーズへ。
出演者には、前作に引き続き原田泰造・三宅弘城・磯村勇斗が決定。
今回のテーマはディスタンスと継承。
コロナ禍で再認識させられた家族や友人との距離、社会との距離、土地との距離、過去や未来との距離。それらをこえて、受け継がれていくものとは?
出演:原田泰造/三宅弘城/磯村勇斗
原作:タナカカツキ『マンガ サ道』(講談社モーニングKC刊)
脚本:根本ノンジ、竹村武司、山田能龍
音楽:とくさしけんご
エンディングテーマ:Tempalay「あびばのんのん」(unBORDE/Warner Music Japan)
監督:長島翔
プロデューサー:寺原洋平、五箇公貴、手塚公一、伊藤才聞
製作:テレビ東京、イースト・ファクトリー