「TOKYO MER」第10話:「死者0」がついに破られる!椿が喜多見に教えた“世の中の不条理”とは(※ストーリーネタバレあり)

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2021年7月4日から放送されるTBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」。鈴木亮平が主演を務め、中条あやみ、賀来賢人、菜々緒、小手伸也、佐野勇斗、石田ゆり子、要潤と豪華キャストが集結している。

「TOKYO MER」=「Mobile Emergency Room」で、文字通り動く救命救急室が描かれる。

本記事では、第10話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第10話レビュー

まさかのラストに震えが止まらなかった。予告で一瞬流れた「死者1名」の文字。どんなに願っても救えない命はあるとわかっていたが、それでもいち視聴者として心が追いついていかない。

「TOKYO MER」第10話では、とある大学に爆破予告が届き、MERが出動。テロ組織に関与していたと報道され、世間からバッシングを受けていた喜多見(鈴木亮平)と音羽(賀来賢人)が現場に駆けつける。しかし、それはテロ組織LP9の椿(城田優)による罠で、予告とは異なる場所が爆発。2人は数人の医学部生と校舎内に閉じ込められてしまった。

そこからはパニック映画さながらの展開が続く。SNS上に拡散された「喜多見はテロ組織の一味」という噂に生徒たちは惑わされ、喜多見を薬品管理室に閉じ込める事態へ。

「くだらない噂に振り回されていないで、あの人が何をするのかその目で見て判断しろ」

音羽が生徒たちに訴えたこの言葉は、私たち一人ひとりに向けられたものでもある。現実世界でも日々SNS上には不確かな情報が流れ、いとも容易く信じてしまう人が多い。でもそれは本当に真実なのか、信じるに値する情報なのか。誹謗中傷する手を一旦止め、自分の目で見たものだけを信じることの大切さを音羽の言葉に教えられた。

そして、生徒たちも必死で戦う喜多見と音羽の姿を見て協力することを決意。椿に内通していた女子生徒の心をも動かし、全員で校舎から脱出することができた。この時点で、ドラマの放送はあと20分。私たちも「死者1名」という空目した文字に踊らされているだけかもしれない……と思った矢先、新たな爆破が起きてしまう。

かつて喜多見に命を救ってもらったと語る椿から、涼香(佐藤栞里)に手渡された水筒が爆弾だったのだ。どこまでもお人好しでまっすぐな涼香の命は、たった1人の「世の中は不条理だってことを分かってほしかった」という身勝手な思いによって奪われる。鈴木亮平をはじめ、目の前で大切な人を失った絶望を表現する役者たちの迫真の演技に涙が止まらない。

「死者1名」。その数の分だけ、積み重ねられたストーリーがある。幼い頃にテロで両親を失い、兄を側で支えながら共に生きてきた涼香。エレベーターに閉じ込められた際には自分よりも患者の命を優先し、誤解されやすい音羽にも優しい眼差しで向き合ってきた。この先、喜多見やMERのメンバーに見守られながら音羽と結ばれる……なんて未来もあったかもしれない。そんな希望が一瞬にして打ち砕かれてしまった。

次週、「TOKYO MER」は最終回を迎える。あと1話で、本作はそれでも前を向く理由を私たちに教えてくれるのだろうか。

「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第10話ストーリー

喜多見幸太(鈴木亮平)がテロ組織への関与を疑われ、出動禁止を命じられたMER。そんな中、ある大学で爆破事件が! 救助のため駆け付けた喜多見と音羽尚(賀来賢人)だったが、それは更なる爆破テロを仕掛けたエリオット・椿(城田優)の罠だった。爆弾を仕掛けた校舎内で重傷者のオペを行う2人だったが、SNSの噂を信じ込んだ学生達は喜多見をテロリストと疑い、とんでもない行動に…2人を襲う最大の危機。そしてついに、初めての死者が発生する…!?

(文:苫とり子)

–{「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」作品情報}–

【作品情報】

コロナ禍という未曾有の恐怖の中、危険を顧みず命を救うために闘う医療従事者たちの“勇気”に人々は心を打たれ、胸を熱くした。

重大事故、災害、事件の現場に駆けつけ、命を救うために危険な現場に勇猛果敢に飛び込んでいく救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く物語!

主演・鈴木亮平が演じる主人公は、“TOKYO MER”のリーダーでスーパー救命救急医・喜多見幸太。「待っているだけじゃ、救えない命がある」ーー命を救うためなら命も懸ける使命感と強い信念を持つ医師。

大事故、大災害……かつてない超スケールで描く、命を巡る熱く胸躍るヒューマンドラマ!

出演:鈴木亮平/賀来賢人/中条あやみ/菜々緒/小手伸也/佐野勇斗/石田ゆりこ/要潤

【出演者放送前コメント】


鈴木亮平

僕が演じる喜多見幸太は、患者が搬送されてくるのを待っているのではなく、自ら事故や災害の現場に駆けつけ、いち早く命を救う救命救急チーム「TOKYO MER」のチーフドクターです。そして喜多見は、命懸けで危険な現場に飛び込み、勇敢に患者さんを救おうとする情熱を持っています。

また、この作品で注目してほしいのは、オペ室を完備した最新鋭の“ERカー”が登場することです。監修の救命救急医の方々から、「理想の医療」だという声もお聞きしました。

この作品が、今の大変な状況の中で働く医療従事者の方々へのエールになればうれしいですし、一つ一つの命の大切さを改めて伝えていけるようなドラマにできればと思っています。

“日曜劇場”らしく、熱く、スケールの大きなドラマをお届けしたいと思いますので、楽しみにしてください。

賀来賢人
台本を読んで、撮影がとにかく大変になるだろうなと思ったほど、スケールがとても大きい作品です。脚本家の黒岩勉さんの「TOKYO MERのメンバーがヒーローに見えるような作品にしたい」というイメージを聞いて、すごくワクワクしています。

私が演じる音羽は、厚生労働省の官僚であり医師でもあるという複雑な役です。鈴木さん演じる喜多見とは対照的な役柄ですが、音羽には音羽なりの正義があると考えています。クールなキャラクターですが、実際のところはどうなのか、放送を楽しみにしていただければと思います。放送を観て、また次の日も頑張ろうと思えるような作品になるよう頑張りますので、ぜひ皆様に観ていただければうれしいです。

中条あやみ
初めて日曜劇場に出演できる喜びを噛みしめつつも、これから闘いが始まるんだなと実感しています。これまでにも研修医役を演じたことはありましたが、本格的な医療ドラマは今回が初めてです。救命救急の医療指導も受けさせていただきましたが、難しい医療用語や器具の使い方など覚えることが多く、共演者の方々においていかれないか不安もありました。でも、練習を重ね、みんなで力を合わせて作品を作っていくんだと思うと、もっと頑張りたいというパワーが湧いてきます。

一人一人の命を救いたいという医療従事者の方々の熱い思いを大切に、素敵で熱いドラマを皆様にお届けできればと思います。

脚本・黒岩勉
コロナ禍におきまして、人間の一番キレイな部分といいますか、心を動かされる瞬間というのは、自己犠牲を払って他の誰かを助ける姿なのだなと改めて思いました。こんな時代だからこそ、誰かのために必死に戦うヒーローが見たい。最強のナイスガイ・鈴木亮平さんとその仲間たちがきっと叶えてくれます。

とても真剣な医療モノなのですが、とことん痛快な「アクションエンターテインメント」を目指して書かせていただいています。医療従事者だけではなく、その周りでサポートする人々も含め、危機的・絶望的な状況の中でも、冷静に、的確に、前向きに、ただひたすら命を助けようと奮闘する人たちのお話です。

これを見ると、自分の周りにいる人たちに感謝したくなる。ささくれ立っていた気持ちがちょっとだけ優しくなる。そんなテレビ番組になれれば最高に幸せです。

演出・松木彩
以前、救急医療やレスキューの現場を拝見する機会があり、見ず知らずの他人のためにこんなにも危険を顧みず人生を懸けている人たちがいるのかと大変衝撃を受けました。彼らの凄まじさと、その時感じた「この人たちがいればきっと大丈夫だ」という安心感を、喜多見とMERチームの姿を通して伝えていきたいです。

真夏の日曜夜にスカッと前向きになれる作品をお届けしたいと思いますので、どうぞご期待ください。