「お耳に合いましたら。」第7話レビュー:ドムドムバーガーを食べて「バディ」になろう!(※ストーリーネタバレあり)

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テレビ東京が音楽ストリーミングサービス「Spotify」と共に、ポッドキャスト番組と連動させたオリジナルドラマ「お耳に合いましたら。」を2021年7月8日より放送する。

伊藤万理華演じる会社員の高村美園が、とあることをきっかけにポッドキャストを始め、人気のパーソナリティ目指して奮闘する物語。

本記事では、第7話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

「お耳に合いましたら。」第7話レビュー

好きなものを、好きなように食べて、好きなように語る。

伊藤万理華主演のポッドキャスト&チェンメシストーリー「お耳に合いましたら。」。元乃木坂46桜井玲香と共演した第6話がとても良かったのだが、第7話「ヘタレ王子と八本の矢」も実に気持ちの良いお話だった。

高村美園(伊藤)は取引先のスーパーに直接、営業に行くよう命じられる。バディは営業部エースの桐石(中島歩)。桐石は「八本の矢」と呼ばれる武器を持っていた。スマイル、自信、データとマーケティング(以下略)。ところが店長の大門(松尾諭)には、まったく通用しない。あっという間に自信喪失してダメ男と化す桐石。美園にも「ガラスのエース」「ちっちぇえ……」と呆れられる始末。

すっかりやる気を失った桐石に、美園はスーパーの近所にあったチェンメシ・ドムドムバーガーを食べさせて励ます。ドムドムバーガーといえば、日本初のハンバーガーチェーン店として知られるが、最盛期の90年代には約400あった店舗が現在は27にまで減ってしまった“絶滅危惧種”。現在は、美園が食べていた「お好み焼きバーガー」や「はみでる!アジフライバーガー」など個性的なメニューで勝負をかけている。ピンチのときに食べるにはぴったりのチェンメシだ。桐石がかぶりついている姿を見て、ものすごくドムドムバーガーが食べたくなった人は少なくあるまい。

桐石と美園は再びあの手この手を使って店長攻略を目指す。跳ね返されるたびに、ドムドムを食べて反省会を繰り返すふたり。桐石と美園の間に、いつしか会社の先輩と後輩、男女を超えた、ほのかな友情が生まれているのが微笑ましい。なんでも器用にこなすように見えた桐石が実は不器用な男だとわかるのだが、それを隠したり、誤魔化したりしないで、まるごと晒しているのがいいのかも(それを美園にポッドキャストの話のネタにされていたりするのだが)。最後は、ちゃんと美園のアドバイスにも従うようにもなっていた。

結局、営業に成功した桐石は鼻高々。実は成功したきっかけは「方言」だったというオチ(桐石と店長が青森出身だった)。エンディングダンスには桐石も登場して、本当の「バディ」になった感じがすごく良かったエピソードだった。やっぱり誰かと一緒に同じものを「うまい!」と思いながら食べていると、何か連帯感が生まれるんだろうなぁ。

(文:大山くまお)

「お耳に合いましたら。」第7話ストーリー

雑誌の「イマ聴くべきPodcast10選」に「お耳に合いましたら。」が選ばれた美園(伊藤万理華)は徐々に認知されてきていることに、喜びが隠せないでいた。そんな中、営業部エースの桐石(中島歩)と取引先のスーパーへ営業をする事に。
何事もそつなくこなす桐石の営業テクニックを見て感銘をうけていたが、スーパーの店長・大門(松尾諭)にはテクニックが通じず、壁にぶち当たってしまう。やる気を失くしてしまった桐石を励まそうと、美園は声をかけるが…

–{「お耳に合いましたら。」作品情報}–

「お耳に合いましたら。」作品情報

高村美園(伊藤万理華)は、とある漬物会社に勤める会社員。彼女の楽しみはお気に入りのポッドキャスト番組を聴き、会社帰りに“チェンメシ(チェーン店グルメ)”を買って、ひとり自宅で満喫すること。大勢の前で自らを表現することが苦手な美園であったが、「好きなこと」を語るときだけ熱量が溢れる美園の姿を見ていた同僚・亜里沙(井桁弘恵)に、ポッドキャスト配信をやってみることを勧められる。
そして美園はある夜、大好きなチェンメシを片手に、はじめてのポッドキャスト配信に挑戦することに。トークのルールもわからない美園であったが、その気持ち溢れる、実に“おいしそうな配信”が徐々に反響を呼んでいく。そして、会社の後輩で“音オタク”の佐々木(鈴木仁)もそこに加わり、美園は仲間とともに、番組「お耳に合いましたら。」の人気パーソナリティを目指して、成長していく。

出演:伊藤万理華/井桁弘恵/鈴木仁 ほか 

監督:松本壮史/杉山弘樹/松浦健志

脚本:家城啓之/大歳倫弘/灯敦生/松本壮史

原案・企画・プロデュース:畑中翔太(博報堂ケトル)

キャストコメント

伊藤万理華(高村美園 役)コメント 

主演ドラマ、というのがまったく聞き馴染まなくてドキドキしています。
ラジオレジェンドの大先輩の方々に見守られながら、撮影に奮闘しています。
Spotifyユーザーとして、このドラマを通してポッドキャストデビューできることがすごく嬉しいです!
私が演じる、高村美園の発する拙くも漏れ溢れ出るチェンメシ愛をどうかあたたかく聴き取って、
見守っていてください。木曜日のこの夜が明日のもうひとがんばりに繋がって、
それを終えてから食べるチェンメシはきっと最高に美味しいです。
美園と一緒にそんな楽しい習慣をつくっていきましょう。
お耳チーム一丸となって良い作品にしていきます!どうぞよろしくお願いします。

井桁弘恵(須藤亜里沙 役)コメント 

「音声コンテンツ」と「チェンメシ」どちらも身近で大好きな私にとってこのドラマはワクワクで楽しみでしかありません!
伊藤万理華さんが演じられる美園を亜里沙としてサポートしながら、私自身もこの作品を通して一緒に成長できたらいいなと思っています。
音声コンテンツとチェンメシのコラボはもちろん、美園と亜里沙、そして鈴木仁くん演じる佐々木とのほっこりするやりとりも楽しんでいただけると嬉しいです!

鈴木仁(佐々木涼平 役)コメント 

​佐々木涼平役を演じさせていただくことになりました。鈴木仁です。
後輩やオーディオマニア、他にも涼平の様々なキャラや武器をフル活用して作品の中に入り込んでいければと思います。
特に美園先輩、亜里沙先輩との掛け合いはこのドラマにおいて、重要になってきます。作品の空気感を大切にして、遊びも交えながら真剣に取り組んでいきます。よろしくお願いします。

スタッフコメント

〈原案・企画・プロデュース〉博報堂ケトル 畑中翔太

この企画は、自分自身が小学生の頃、CDコンポを並べてカセットテープに録音していた“自作のラジオ番組”がきっかけで生まれたものです。ポッドキャストなどの音声メディアの浸透とともに、今では「誰もがパーソナリティになれる時代」となりました。主人公の高村美園はごく普通の会社員ですが、ある日ポッドキャストとの出会いから、憧れだった“パーソナリティ”への道を歩んでいきます。それは今の時代、誰しもに起こるようなリアルストーリーだと思います。
そして主人公が配信するテーマ、それは牛丼、ハンバーガー、ラーメン、ピザ、お寿司などなど・・彼女が愛してやまない、魅惑のチェーン店グルメ・通称“チェンメシ”。
これから平日に疲れた木曜の深夜には、伊藤万理華さん演じる美園のほっこりするような「パーソナリティ成長記」と、テレ東ならではの「深夜グルメ」の“異色コラボ”をぜひお楽しみください。

〈プロデューサー〉テレビ東京 寺原洋平

キャンプ、サウナ、車中泊など今までライフスタイル系ドラマを作り出してきたテレビ東京が新しく挑戦するのは、最近まさに注目を浴びている“音声コンテンツ”!そこにテレビ東京が得意とするグルメエッセンスと、20代前半に誰もが経験する「大人の青春」を掛け合せたら、主演の伊藤万理華さん演じる美園がとても個性的でチャーミングなキャラクターに仕上がりました。今後、発表される絶対予想できないSpotifyさんとのメディア連動のパーソナリティ正体も併せて是非ご期待ください!

スポティファイ ジャパン株式会社  音声コンテンツ事業統括  西ちえこ

駆け出しのポッドキャストパーソナリティとして奮闘する女性を主人公にしたドラマというのは、これが初めてではないでしょうか。ポッドキャストはいつでもどこでも無料で楽しめる音声コンテンツで、毎日の生活の中で新しい世界や興味を広げてくれるだけでなく、専用アプリ「Anchor by Spotify」を使えば誰でも自分の考えや物語を簡単に世の中に届けることもできます。音声コンテンツは今かつてない盛り上がりを見せていますが、音声を介した表現方法は様々で、これからもフォーマットに縛られない新しい表現方法が日本のクリエイターによって生み出されていくことに期待しています。ドラマとこれに連動したSpotify上での展開を通じて、音声コンテンツの楽しさをより多くの方に知っていただければと願っています。