「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」(C)日本テレビ
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2021年にはいって西野七瀬の出演ラッシュが止まりません。
2021年8月現在で映画が2本、連続ドラマが1本、配信ドラマが1本、舞台が1つ。
アナウンスされているものでもすでに、年内公開待機中の映画1本あり、ほぼほぼ表舞台に出ずっぱり状態が続きます。これにトークバラエティー「グータンヌーボ2」のMCとして毎週登場しています。
もはや“元乃木坂46”という肩書は必要ないかなというところまで来ています。
AKB48の公式ライバルとして誕生した乃木坂46も今年でデビュー10周年、一期生だった西野七瀬の芸歴もまた10年となりますね。
本人は2018年の乃木坂46卒業からの3年が“事実上の芸歴”として語っているときもありますが…。
10周年イヤーのスタートは舞台で弾ける!!
西野七瀬の2021年は2月から。劇団☆新感線41周年春興行Yellow⚡新感線「月影花之丞大逆転」に出演しました。乃木坂46卒業後の初舞台作品で5月までのロングラン公演策となった本作では、徹底的にはじけた劇団☆新感線テイストに順応して古田新太、阿部サダヲ、木野花ら舞台の猛者たち向こうに回して、大健闘を見せました。
私は、運よく初日のチケットをゲットすることができて、「月影花之丞大逆転」を観劇できました。舞台は大ネタ&小ネタをふんだんに散りばめた内容で、新感線デビューとしては少し難易度の高いものになっていましたが、西野七瀬は奮闘して、全力でふざけ切りました。
久しぶりに歌と踊りも披露しているのも見どころです。
8月21日(土)には早くもWOWOWで放映がありますので、要チェックです。
過激なパロディが満載で、ソフト化はもちろん放映もちょっとないのではないかと思っていたので、WOWOWでの放映はうれしいですね。かなりレアな放映になるかもしれないので、そういう意味でも見逃し厳禁です。
–{舞台と同時期にはネットドラマで主演!!}–
舞台と同時期にはネットドラマで主演!!
(C)「ホットママ」製作委員会
Yellow⚡新感線「月影花之丞大逆転」出演期間中には、2021年3月~4月に主演ネットドラマ「ホットママ」が配信されました。西野七瀬はこのドラマで初めて母親役を演じています。
Amazon Prime Videoオリジナル作品でもある「ホットママ」は2013年に中国で放送され、仕事や子育てに奮闘する主人公の姿が反響を呼び大ヒットとなったドラマ「辣媽正伝」を日中共同プロジェクトとして日本版としてリメイクされたものですが、西野七瀬は予期せぬ妊娠から、母として、仕事人として人生の岐路に立つ役を演じています。
西野七瀬にとっては「アンサング・シンデレラ ANOTHER STORY 〜新人薬剤師 相原くるみ〜」に続く乃木坂46卒業後の主演作品となります。
「ホットママ」は1話30分×12話というボリュームがあり、予期せぬ妊娠から出産、その一方での仕事(上司役に板谷由夏)への向き合い方、とパートナー(千葉雄大)との関係の在り方などを丁寧に描いていて、共感性の高いドラマになっています。
こちらは今でもAmazonプライム会員ならすぐに見られるので未見の方お薦めです。
–{夏は映画が連続公開!!『孤狼の血LEVEL2』『鳩の撃退法』}–
夏は映画が連続公開!!『孤狼の血LEVEL2』『鳩の撃退法』
2021年の西野七瀬の夏は出演映画が2週連続公開される映画の夏となっています。
一本目はあの衝撃作のまさかの続編『孤狼の血LEVEL2』。
前作で広島県警呉原東署の丸暴のキーマン・大上(役所広司)を失った中で、かつて彼の相棒だった日岡(松坂桃李)が跡を継ぎ、危ういバランスを3年間保っていたものの、そこに過剰な暴力性の持ち主上林(鈴木亮平)が出所してきたことで、新たな争いの火種が起きます。
ここで西野七瀬が演じるのはスタンド“華”のママの真緒という女性。日岡とはプライベートでも繋がりがある一方で水商売をしながら弟妹を養っているタフな女性で、前作の真木よう子のキャラクターを引き継いだ存在。
しかも一番年長の弟の幸太(村上虹郎)は日岡の“S”(=スパイ)として上林のもとに潜り込んでいるという複雑な事情もあります。
西野七瀬本人もまさか“やくざ映画”から出演オファーが来るとは思っていなかったらしく、かなり驚いたとのことですが、広島弁にも挑み、苛烈な社会を生き抜く“オトナ”の世界の女性を力強く演じています。
(C)2021「鳩の撃退法」製作委員会 (C)佐藤正午/小学館
『孤狼の血LEVEL2』の1週間後の8月27日に、今度は藤原竜也主演の超変則ミステリー『鳩の撃退法』が公開されます。
直木賞作家佐藤正午の同大小説を大胆な脚色を施しながら映画された本作は、藤原竜也のトリックスターぶりを堪能する一本であると同時に、真実と虚構の境界線を大きく揺さぶってくる超実験作に仕上がっています。
直木賞作家だった津田(藤原竜也)は今は富山で風俗のドライバーに身を墜としています。
そんな津田が深夜のコーヒーショップで秀吉(風間俊介)と出会ったところから物語は始まります。
一方で、津田はこの出会いから小説を書き始め、かつての担当者だった鳥飼(土屋太鳳)に読ませます。
あくまでも小説だと言い張る津田ですが、鳥飼が追いかけていくと実際の出来事と重なる部分が多く、津田の物語は小説(ウソ)なのか現実(ホント)なのかがあいまいになっていきます。
(C)2021「鳩の撃退法」製作委員会 (C)佐藤正午/小学館
キーマン倉田を演じた豊川悦司を筆頭に超曲者キャストが集合した『鳩の撃退法』で、西野七瀬は富山パート(小説パート?)のヒロインというべきコーヒーショップの店員の沼本(ヌモト)を演じています
常連の津田とは憎まれ口をたたきあう仲ですが、少し津田のことが気になっているようなそぶりも見せ、映画後半では真実の証言者の一人として登場します。
『孤狼の血LEVEL2』と『鳩の撃退法』と2週続けて新作が公開される西野七瀬は、全く違った顔を見せてく、演技の振り幅が確実に拡がっていることを証明しています。
「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」(C)日本テレビ
さらに、この夏7月期の連続ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」にも出演、戸田恵梨香、永野芽郁の同僚の刑事・牧高役で登場。
ドラマは捜査パートも面白いですが、この三人の女子会パートも面白く、お仕事ドラマとしても等身大の女性のドラマとしても楽しく見ることができます。
–{締めくくりの冬は“あの話題作”の劇場版!!}–
締めくくりの冬は“あの話題作”の劇場版!!
そして2021年の冬の西野七瀬はあの、日本中に”一大考察ブーム”を巻きを越した、大ヒットドラマ「あなたの番です」の劇場版『あなたの番です劇場版』が控えています。
12月10日に公開予定の本作はドラマのパラレルワールドを描くとのことですが、手塚菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)の船上結婚式の会場に招待された同じマンションの住人たちが、またも連続殺人に巻き込まれていくとのこと。
ドラマは異例の2クールかけて念入りに謎を散りばめ、それを丹念に回収していきましたが、劇場版のほうは2時間前後であることは予想できるので、ものすごいスピード感のある作品になるのではないかと思われます。
主演の二人に加えて横浜流星や奈緒などドラマ版のレギュラーキャストは基本的に全員登場とのことですが、限られた上映時間の中で複雑な人間関係をどうさばいて行くのか注目です。
西野七瀬はドラマ版ではとにかく大変な役どころでしたが、果たして劇場版ではどうなるのでしょうか?
パラレルワールドの住人とはいえドラマのことを考えると観客すべてに疑われても仕方のないキャラクターなので、どういう風に見ていけばいいのか、今から心の準備が必要ですね。
そろそろ、主演作品があっても…。
(C)2017 映画「あさひなぐ」製作委員会 (C)2011 こざき亜衣/小学館
乃木坂46時代に映画と舞台を同時進行させた『あさひなぐ』(17)で映画主演は経験済みの西野七瀬ですが、卒業後は映画にしてもドラマにしても脇に回るものが多く主演は「ホットママ」くらいになります。
映画では『一度死んでみた』(20)、ドラマでは「あなたの番です」、石原さとみの後輩を演じた「アンサング・シンデレラ病院薬剤師の処方箋」、そして今夏「ハコヅメ~たたかう!交番女子」と話題作が続いていますが、どれも2~3番手。
2022年にはそろそろ主演作品の話があっても良いのではと思っていたところ、今年10月期のテレビ朝日×ABEMA共同制作の土曜ドラマ「言霊荘」の主演として発表されました。
女性限定マンションを舞台に、放った言葉が現実となる「言霊」に住人たちがさいなまれていく物語になるとのことで、西野七瀬は、底辺“ViewTuber”(動画配信者)として暮らす歌川言葉(コトハ)を演じそうです。
秋の夜長にぴったりなホラー作品のようで、期待大ですね。
(文:村松健太郎)