「ひねくれ女のボッチ飯」第8話(最終回)レビュー:「すんごくおいしいのに悲しいって何なの~?」ひねくれてないほっこりしたラスト。続編希望!!(※ストーリーネタバレあり)

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飯豊まりえ主演で生粋のひねくれ女子を描く「ひねくれ女のボッチ飯」が2021年7月1日深夜1時よりスタート。
Paraviでは先行配信開始済み。

飯豊まりえが生粋のひねくれ主人公として、誰とも繋がらない孤独の食事「ボッチ飯」を食らう。一人だからこそ美味い飯に集中し、日常を忘れて英気を養う!

本記事では、第8話(最終回)をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「ひねくれ女のボッチ飯」第8話レビュー

ああ、もう終わってしまうのか~! かなしすぎる。

5月15日はつぐみ(飯豊まりえ)の誕生日。友だちのいないつぐみにとって、ずっと誕生日は自分がつまらない人間だと思い知らされる最悪の日だった。今年は恋人と過ごせるかと思ってたのにふられるし……といじけつつ勤務するつぐみ(まああんな性格の悪い男は別れて正解だと思うが……)。くじで缶コーヒーが当たった人への「おめでとう」すらうらやましい。

そこへ王子の更新が。王子の中の人・白石(柄本時生)もまた今日が誕生日なのだ。一人で17時からコース料理を食べるという王子に、16時上がりのつぐみは行こうとする。だが、店長が事故渋滞にハマり、用事があるという同僚(片桐はいり)に延長を押し付けられてしまう。

やっときた店長に「店長のバカ!」と言って店に急ぐつぐみ。走り方がイケてない感じが愛おしい。

緊張しながら入った店に、王子はいなかった。拍子抜けしつつも王子と同じコースを頼む。コース料理にテンションがあがりつつ、ちょいちょい自嘲をはさむつぐみ。だが、食べ進めていくうちに心もほどけていく。

この見たことないお料理、つぐみいわく「おかきサイズのピザ」と、「いかすみとチーズのシュークリーム」。どんな味なのか気になる~!

「これ料理なの? 料理を超えてアートじゃん。崩すのは勇気がいるな~」つぐみ、自分や人に対してはひねくれているが、出された食べ物に対して敬意を持っているところが好きだ。丁寧に「いただきます」を言うし、食べ方もきれい。料理の写真を撮るときに「写真撮ってもいいですか」と確認してから撮っている(今までまったく撮ってなかったのね……!)

去年の誕生日は家でおにぎり食べてたのに、王子のおかげでボッチ飯を楽しめるようになった。全部、王子のインスタに出会えたおかげだ、とうれしい気持ちになるつぐみ。

このお店、たびたび伝わってくるマダム(峯村リエ)の心遣いも素敵だった。メニューひとつひとつの説明も丁寧だし、一人で来たつぐみに「お食事、楽しんでいただけてますか?」「よかったです」と話しかけてくれるのもいい。コース料理って緊張するけど、このお店なら気後れせずに入れそう。
全く関係ない話だが、キャスト名を確認していて峯村リエがドラマ「あなたの番です」の惨殺された奥さんのほうだと気が付いた。

王子から追加の投稿が。つぐみの誕生日を祝うメッセージだった。誰にも祝われないと思っていたので喜ぶつぐみ。

最後のデザートを食べながら「すんごくおいしいのに悲しいって何なの~? 無くなっていくと思うと悲しすぎる」と思うつぐみ。その感覚、わかる~!!

一方、すぐにいいねがつかないことに自分のせいではと思い、泣きそうになる白石(仕事中なだけかもしれないのに情緒不安定すぎない?)つぐみからDMが届き、感謝のメッセージがつづられていた。

王子に背中を押されてインスタ投稿する勇気を出したつぐみ。初めての投稿は、さきほど食べたデザートの横に置かれた「Happy Birthday 王子&つぐみ」のポップだった。さきほどマダムが「それ素敵~!」と言ったのはこれだったのね。

最終回、二人が会うのでは!? と気になっていたが、最後まで二人が会わないところが逆によかったのかもしれない。厳密に言うと同じ橋の逆サイドに立っているのだが、インスタでつながりつつお互いが近くにいることには気づいていない。

つぐみと白石(王子)。実生活ではイマイチうまくいかないことも多く、「自分なんて」と卑下することも多い二人だ。だがインスタを通してのやり取りで、お互いがお互いの支えになり、それぞれの人生がちょっと良くなっていく。劇的なドラマがあるわけではないけど、素晴らしいストーリーだった。

さらに、王子が投稿し、つぐみが訪れるボッチ飯が毎回毎回非常においしそうなこと。さえない毎日の中、おいしいものとの出会いで幸せになれる瞬間。なかなか外食もままならないご時世、そんな幸せな瞬間を思い出させてくれたし、この状況が落ち着いたらまた行きたいと思わせてくれた。

もっともっといろんなお食事を観たいし二人のその後も気になる。第二弾を作ってほしい~!! ごちそうさまでした!

「ひねくれ女のボッチ飯」第8話ストーリー

今日はつぐみ(飯豊まりえ)の誕生日。この日投稿されたホワイトホース(柄本時生)のインスタを見て、つぐみは動揺する。そこには、王子のつぐみに対する熱い想いが書かれていた。そして、王子も今日が誕生日で、思い出のフレンチレストランで一人お祝いをすることを知る。つぐみは心を決め、白馬の王子に会うため店へ向かうのだが…。互いに運命を感じ合う二人の結末は!

(文:ぐみ)

–{「ひねくれ女のボッチ飯」作品情報}–

【作品情報】

「ひねくれ女のボッチ飯」の主演は、女優・モデルと大活躍中の飯豊まりえ。テレ東ドラマ初主演!

飯豊が演じるのは、人づきあいが苦手で友達もいない、ひねくれ女の川本つぐみ。連続テレビ小説「まれ」、「君と世界が終わる日に」等、話題作に出演し、映画「いなくなれ、群青」(2019)ではヒロインを務め近年幅広い役に挑戦し、頭角を現している彼女が、本作では一体どのように、ひねくれ女・つぐみを演じるのか、こうご期待です!

相手役には、どの作品でも異質な存在感を放つ実力派俳優、柄本時生。

柄本が演じるのは、「ホワイトホース」というアカウント名でインスタグラムにて食事の写真を投稿する男・白石一馬。「わたし、定時で帰ります。」(2019)、映画「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」(2021)、舞台「泣くロミオと怒るジュリエット」(2020)など、舞台から映画まで数多くの作品に出演している柄本が、飯豊演じる川本つぐみの白馬の王子様に?!

主演の飯豊とは、「誘拐法廷~セブンデイズ~」(2018年)以来、2年ぶりの共演となります。
テレ東らしい、どうしても食べたくなってしまうグルメ映像と、二人のすれ違い恋愛コメディを、お楽しみに!

出演:飯豊まりえ/柄本時生/片桐はいり/ダンディ坂野

監督:西川達郎/たかせしゅうほう/北尾賢人/佐々木豪

脚本:たかせしゅうほう/田口佳宏

プロデューサー:川村庄子(テレビ東京)/吉見健士(共同テレビ)/菊池武博(共同テレビ)

音楽:岩本裕司/宮上啓仁

製作著作:テレビ東京

制作協力:共同テレビ