『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』レビュー:平野紫耀&橋本環奈のテンションMAXで進む恋のオバカ騒動第2弾!

ニューシネマ・アナリティクス

■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

勉強はエリートながら恋の駆け引きはオバカ極まりない生徒会長・白銀御行(平野紫耀)と副生徒会長・四宮かぐや(橋本環奈)。そして、このふたりに翻弄される(翻弄している?)生徒会役員の面々が織り成すドタバタ恋愛騒動を描いた赤坂アカ原作の同名コミック、及びTVアニメのスピリッツを見事に実写映画に転じ得た思春期ラブコメ映画、お待ちかねの第2弾!

2019年にヒットした前作のラストの直後からお話は始まりますが、およそ2年のブランクもどこ吹く風で、キャストの雰囲気もテンションも見事にそのままMAX持続しているのが、まずはほっとします。

その中で原作&アニメ以上に二次元的なブットビ異世界キャラを具現化させた生徒会書記・藤原千花役の浅川梨奈が、生徒会会計監査兼風紀委員のキマジメ少女・伊井野ミコ役として初登場の日向坂46・影山優佳とともに探偵もどきを始めていく様は、あたかも『Dr.スランプ』のアラレちゃんとガッちゃんがキーンと走り回っているかのようで、楽しいことこの上なし!

またかぐやのクールビューティな秘書・早坂愛ですが、演じる堀田真由ファンのみなさま、お待たせしました!と言わんばかりに、今回はさりげなく活躍の場が目立ち(セクスィ~なコスプレも!)、ついには恋の行方まで!?

一方で今回は青春ヘイトが止まらない生徒会会計の陰キャラ石上優(佐野勇斗)の暗い過去が描かれることで、前作にはなかったシリアス・モードも加味されています。

アニメ版で子安つばめの声を担当していた福原愛や、応援団長・風野役の板橋駿谷(それにしてもこの人、いつまで高校生を演じられるのか、その記録更新も楽しみ!?)などの新キャラ登場も楽しいところ。

こういった周囲のざわめきをよそに、メインなる平野紫耀と橋本環奈のふたりは、もはや完全に役を掌中に収めたといっても過言ではない自然な過剰さで、今回も全力疾走!

大量の内面心理台詞は今回も満載ですが、これらをハイテンションで楽しく持続させつつ、ふと引きの画をポンと挿入したりしてキャラクターの言葉に表せない真の内面を露にしてくれる河合隼人監督の「この題材を“映画”にするのだ!」といった意気込みは今回も心地よく伝わってきます。

あえて不満を述べるとしたら、今回でFINALを謳ってしまったことでしょうか。

正直、この題材は2部作よりも3部作くらいのほうが、ゆとりもあってさらに楽しめるはず。

何よりも、ここに登場する愛すべき連中と今回でお別れするのはちと寂しい、というのが本音でもあるのでした。

(文:増當竜也)

–{『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』作品情報}–

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』作品情報

【あらすじ】
将来を嘱望されたエリートが通う秀知院学園の生徒会会長・白銀御行(平野紫耀)と生徒会副会長・四宮かぐや(橋本環奈)は互いに惹かれ合っているものの、プライドが高くて素直になれず、いつしか告白した方が負けと思い込み相手に告白させようと恋愛頭脳戦を繰り広げていた。白熱の生徒会選挙により互いの愛を確かめ合ったかに見えたが、結局全く進展せず、天才たちの知略と技術を尽くした恋愛頭脳戦はヒートアップしていく。 

【予告編】

【基本情報】
出演:平野紫耀(King & Prince)/橋本環奈/佐野勇斗/浅川梨奈/影山優佳(日向坂46)/福原遥

原作:赤坂アカ

監督:河合勇人

脚本:徳永友一

企画プロデュース:平野隆

製作国:日本