「#家族募集します」第3話レビュー:息子に明かした真実……結ばれ直す父子の絆(※ストーリーネタバレあり)

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金曜ドラマ枠では、2021年7月9日より「#家族募集します」を放送。主演に重岡大毅(ジャニーズWEST)、ヒロインに木村文乃、共演に仲野太賀、岸井ゆきのという豪華実力派俳優陣を迎えてオリジナルストーリーで展開する。

本記事では、第3話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「#家族募集します」第3話レビュー

3週間ぶりに泣かされた。

めいくと大地親子が暮らすようになり、ますますにぎやかになっている「にじや」。
そんな中で俊平はいまだ陽に妻・みどりが亡くなったと言えずにいた。みどりの母親からも、職場の上司からも、そして蒼介にも「陽に真実を告げたほうがいいのではないか」と言われてしまう。
もちろん、俊平も分かっている。しかし、これは自分が決意しなければならないこと。周りが相談に乗るという言葉にも、きっかけを作ろうか、という申し出も断る。
「ひとりで考えるから」
この言葉は周りからすると寂しいものだ。必要ない、と言われているようなものなのだから。

それでも、「にじや」の面々に背中を押されて決意を固める。礼は、自分だったら踏み込まれるのは嫌だから、とアドバイスもしないし、相談にものらない。でも、児童心理学の専門書などをまとめていた。
「曖昧な言い方をせずに、真実を伝えたほうがいい」
ただ感情的だったり、「こうしたほうがいい」という常識的な行動を勧められても気持ちは動きにくいもの。誰かが自分のために調べてくれたことも、それが専門家の推奨することならば。最終的に礼の行動が俊平の心を動かした。

陽もずっとかえってこない母親に対して、なんとなく予感はしていたのだと思う。子どもは親が思っているよりもずっと敏感だ。抱き合って「これからはたくさんママの話をしよう」と誓い合う俊平と陽。最後、大人たちに肩車をされていた子どもたちが、月に向かって「おーい!」と呼びかけるシーンには目頭が熱くなる。
礼の娘・雫が蒼介を「家族」と言ったように、きっとそれぞれがかけがえのない存在になっていくのだろう。

陽へ真実を打ち明けた俊平。しかし、俊平の感情が爆発したのはひとりきりの自宅でだった。みどりとの写真を抱きしめ、声を上げて泣く俊平。
もしかしたら、陽に伝えることで、俊平もみどりの死を受け入れなければならなくなってしまったのかもしれない。自宅にはまだみどりがいるような気がする、と言っていた。陽にみどりが亡くなったことを伝えなければ、もしかしたらひょっこり帰ってくるのではないか。わかっている。大人だから、みどりが帰ってこないことを。でも、陽に告げたことで受け入れざるを得なくなった。もしかしたら、俊平は初めてちゃんと、さよならができたのかもしれない。本当の意味で乗り越えられるのはまだ少し先かもしれないけれど。

そして、俊平と共に礼親子も「にじや」に引っ越すことを決意。にぎやかになるであろう「にじや」でこれからどんなことが起きるのだろうか。

「#家族募集します」第3話のストーリー

めいく(岸井ゆきの)と大地(三浦綺羅)親子が暮らし始めて賑やかになった“にじや”。 なんだかんだ言いつつも、俊平(重岡大毅)と礼(木村文乃)も頻繁ににじやに顔を出すようになっていた。蒼介(仲野太賀)は、俊平と礼に、改めて「ここで一緒に暮らそう」と提案!しかし、礼は「誰にも頼りたくない」と蒼介の申し出をあっさり却下。一方の俊平も、みどりと一緒に住んでいた家を引き払う気にはなれず、にじやに住むことをためらっていた。

俊平は妻・みどり(山本美月)が亡くなったという事実を、息子・陽(佐藤遙灯)に伝えることができず、思い悩んでいた。そんな俊平の思いを汲み取ったにじやの面々は、お節介な蒼介を筆頭に、それぞれの方法で俊平に寄り添うことに。

“家族”の優しさに背中を押され、俊平は陽に向き合おうと心に決めるが……

(文:ふくだりょうこ)

–{「#家族募集します」作品情報}–

【作品情報】

TBSでは、7月期の金曜ドラマ枠(毎週金曜よる10時)で、オリジナルストーリーの『#家族募集します』を放送する。
主演に重岡大毅(ジャニーズWEST)、ヒロインに木村文乃、共演に仲野太賀、岸井ゆきのという豪華実力派俳優陣を迎えて送る本作。それぞれに悩みや秘密を抱えるシングルファーザー&マザーたちが、ひとつ屋根の下で子育てをしながら共に過ごし“家族”になっていく姿を描く、新時代のホームドラマが誕生する。

主人公の赤城俊平(重岡大毅)は、ある事情で3か月前にシングルファーザーになったばかり。5歳のひとり息子の子育てに苦戦する中、偶然再会した幼馴染の小山内蒼介(仲野太賀)がお節介な思いつきでSNSに投稿した「#家族募集します」という突飛な募集に巻き込まれてしまう。蒼介は自身が働く古びたお好み焼き屋「にじや」を立て直すため、「にじや」の2階の空き物件で共同生活をして家賃収入を得ようと考えていたのだ。そんな募集に誰も乗るわけがないと呆れる俊平だったが、「#家族募集します」のSNS投稿をきっかけに、ちょっと堅物な小学校教師のシングルマザー・桃田礼(木村文乃)と、夢を追い続ける子持ちシンガーソングライター・横瀬めいく(岸井ゆきの)と出会い、大人4人+子ども3人でひとつ屋根の下で暮らすことに。
性格も価値観もバラバラな7人がどのようにして“家族”になっていくのか。一風変わった同居生活を通して、新しい“家族のカタチ”をお届けする。

脚本は、ドラマ『山田太郎ものがたり』(2007年)、『カンナさーん!』(2017年)などを手掛けたマギー。オリジナル脚本で、“家族とは何か”“家族といる時間の大切さ”をハートフルに描く。

出演:重岡大毅/木村文乃/仲野太賀/岸井ゆきの/金子大地/小松和重/福山翔大/丸山礼/佐藤遙灯/宮崎莉里沙/三浦綺羅/山本美月(特別出演)/石橋蓮司

脚本:マギー

音楽:河野 伸

主題歌:ジャニーズWEST「でっかい愛」(Johnny’s Entertainment Record)

プロデューサー:佐久間晃嗣、岩崎愛奈・那須田 淳

演出:福田亮介、村尾嘉昭

製作:TBSスパークル、TBS