「TOKYO MER」第6話:小さなヒーローたちの息遣い、息子を救う冬木(※ストーリーネタバレあり)

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2021年7月4日から放送されるTBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」。鈴木亮平が主演を務め、中条あやみ、賀来賢人、菜々緒、小手伸也、佐野勇斗、石田ゆり子、要潤と豪華キャストが集結している。

「TOKYO MER」=「Mobile Emergency Room」で、文字通り動く救命救急室が描かれる。

本記事では、第6話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第6話レビュー

第5話で官僚としての自分の立場ではなく、医師として患者の命を救った音羽(賀来賢人)。しかし、赤塚(石田ゆり子)を失脚させたい白金(渡辺真起子)はまだ諦めておらず、今度はMERのメンバーをバラバラにしてミスを誘発させろと音羽に命令する。

これまでの出動で、MERの“指示灯”となってきた喜多見(鈴木亮平)。海外の紛争地やへき地での医療従事経験があり、判断力に優れた彼がいたからこそMERは「死者ゼロ」という目的を達成してきた。そのため、白金の思惑に音羽は不安げな表情を浮かべる音羽。そんな彼に喜多見の妹・涼香(佐藤栞里)が「誰にだってできることはある」と声をかける。今週はその言葉通り、MERのメンバーそれぞれの活躍が光る回となった。

「TOKYO MER」第6話では、18人の小学生が山中で疾走する事件が発生。MERは喜多見・冬木(小手伸也)、音羽・ホアン(フォンチー)、弦巻(中条あやみ)・蔵前(菜々緒)・徳丸(佐野勇斗)の3チームに分かれて救助に当たる。それぞれの冷静な判断力が必要とされる現場に漂ういつも以上の緊張感。ただMERのメンバーは喜多見のもとで、確実に成長を遂げていた。

研修医でありながらMERのメンバーに選任された弦巻は、命の危機に晒された子どものオペをその場で開始。当初は喜多見の指示を仰ぐだけだったが、見違えるほど頼もしくなった彼女の行動には少しの迷いもない。目の前の命を救うことに全力を注ぐ喜多見に影響されたのだろう。

一方、熱中症の子どもたちに使う点滴が足らず、ピンチに陥った喜多見を救ったのはメカオタクの徳丸だ。なぜか重装備でやってきた彼は広い山間部での救助を想定し、離れていても必要な薬剤を届けられるドローンを持ってきていた。また、母国のために日本で看護技術を学ぶホアンは自らの危険を顧みず、スズメバチに刺された救助隊員を救う。

ただ純粋に「人の命を救いたい」と医師を志した弦巻をMERのメンバーに選任した喜多見。経験や技術だけではなく、それぞれが何らかの理由で彼に選ばれている。まだまだ未熟なところはあるかもしれないが、誰一人として欠かすことはできない。

しかしただ一人、冬木だけは自分に自信を持てないでいた。彼は別居状態にある息子に尊敬されたくて、「MERの副チーフ」だと嘘をついたという。そんな時、行方不明になった子どもの一人に冬木の息子がいることが判明。しかも息子は一度スズメバチに刺された時に蜂毒アレルギーを持っていることが分かっており、二度目に刺されると重篤率が格段に上がってしまう。パニックに陥り、単独行動を取ろうとする冬木。そんな彼に、同じ幼い子どもを持つ母親として蔵前が冷静な言葉をかける場面もいい。落ち着いて見えるが、胸には熱い思いがあり肝が据わっている。

そして蔵前をはじめ、周りのサポートのおかげで冷静さを取り戻した冬木はあることを思い出す。冬木は息子に、もしハチに刺されたら蜂毒を絞り出し、水で洗うようにアドバイスしていたのだ。水場を捜索した冬木は無事に息子を発見。自身もハチに刺され、危険な状態に陥ったが、麻酔科医として一人の患者である息子の命を守りきった。

今週は特にGReeeeNが歌う主題歌「アカリ」の、<君は僕の世界守るヒーロー>というワンフレーズが心に響く。幼い頃にみんなが憧れた人々を救うヒーロー。大人になりヒーローになれなかった現実を嘆くこともあるが、実は誰もが誰かのヒーローだったりする。冬木は副チーフじゃなくてもオペ室で患者の命を守り、そんな彼の息子は幼いながらにパパに教わった対処法で同級生のピンチを救った。MERのメンバーはもちろん、いつも彼らの活動をサポートしている駒場(橋本さとし)も赤塚からMERの未来を託されたヒーローだ。第6話は今日もどこかで私たちの世界を守り続ける小さなヒーローたちの息遣いを感じる回となった。

「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第6話ストーリー

18人の小学生が山中で突如として失踪する謎の事件が発生。現場に向かったTOKYO MERの喜多見幸太(鈴木亮平)は、子供たちを捜索し、治療するためメンバーを分散する決断をする。これまでチーム一丸でピンチを乗り越えてきたメンバー達は、バラバラに闘うことに…。

音羽尚(賀来賢人)や弦巻比奈(中条あやみ)は原因不明の重症に陥った子供たちの治療に苦慮する中、喜多見も必死に処置に当たるが、必要な薬剤が全く足りない…!なす術のない喜多見に、最大の危機が襲いかかる!

(文:苫とり子)

–{「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」作品情報}–

【作品情報】

コロナ禍という未曾有の恐怖の中、危険を顧みず命を救うために闘う医療従事者たちの“勇気”に人々は心を打たれ、胸を熱くした。

重大事故、災害、事件の現場に駆けつけ、命を救うために危険な現場に勇猛果敢に飛び込んでいく救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く物語!

主演・鈴木亮平が演じる主人公は、“TOKYO MER”のリーダーでスーパー救命救急医・喜多見幸太。「待っているだけじゃ、救えない命がある」ーー命を救うためなら命も懸ける使命感と強い信念を持つ医師。

大事故、大災害……かつてない超スケールで描く、命を巡る熱く胸躍るヒューマンドラマ!

出演:鈴木亮平/賀来賢人/中条あやみ/菜々緒/小手伸也/佐野勇斗/石田ゆりこ/要潤

【出演者放送前コメント】


鈴木亮平

僕が演じる喜多見幸太は、患者が搬送されてくるのを待っているのではなく、自ら事故や災害の現場に駆けつけ、いち早く命を救う救命救急チーム「TOKYO MER」のチーフドクターです。そして喜多見は、命懸けで危険な現場に飛び込み、勇敢に患者さんを救おうとする情熱を持っています。

また、この作品で注目してほしいのは、オペ室を完備した最新鋭の“ERカー”が登場することです。監修の救命救急医の方々から、「理想の医療」だという声もお聞きしました。

この作品が、今の大変な状況の中で働く医療従事者の方々へのエールになればうれしいですし、一つ一つの命の大切さを改めて伝えていけるようなドラマにできればと思っています。

“日曜劇場”らしく、熱く、スケールの大きなドラマをお届けしたいと思いますので、楽しみにしてください。

賀来賢人
台本を読んで、撮影がとにかく大変になるだろうなと思ったほど、スケールがとても大きい作品です。脚本家の黒岩勉さんの「TOKYO MERのメンバーがヒーローに見えるような作品にしたい」というイメージを聞いて、すごくワクワクしています。

私が演じる音羽は、厚生労働省の官僚であり医師でもあるという複雑な役です。鈴木さん演じる喜多見とは対照的な役柄ですが、音羽には音羽なりの正義があると考えています。クールなキャラクターですが、実際のところはどうなのか、放送を楽しみにしていただければと思います。放送を観て、また次の日も頑張ろうと思えるような作品になるよう頑張りますので、ぜひ皆様に観ていただければうれしいです。

中条あやみ
初めて日曜劇場に出演できる喜びを噛みしめつつも、これから闘いが始まるんだなと実感しています。これまでにも研修医役を演じたことはありましたが、本格的な医療ドラマは今回が初めてです。救命救急の医療指導も受けさせていただきましたが、難しい医療用語や器具の使い方など覚えることが多く、共演者の方々においていかれないか不安もありました。でも、練習を重ね、みんなで力を合わせて作品を作っていくんだと思うと、もっと頑張りたいというパワーが湧いてきます。

一人一人の命を救いたいという医療従事者の方々の熱い思いを大切に、素敵で熱いドラマを皆様にお届けできればと思います。

脚本・黒岩勉
コロナ禍におきまして、人間の一番キレイな部分といいますか、心を動かされる瞬間というのは、自己犠牲を払って他の誰かを助ける姿なのだなと改めて思いました。こんな時代だからこそ、誰かのために必死に戦うヒーローが見たい。最強のナイスガイ・鈴木亮平さんとその仲間たちがきっと叶えてくれます。

とても真剣な医療モノなのですが、とことん痛快な「アクションエンターテインメント」を目指して書かせていただいています。医療従事者だけではなく、その周りでサポートする人々も含め、危機的・絶望的な状況の中でも、冷静に、的確に、前向きに、ただひたすら命を助けようと奮闘する人たちのお話です。

これを見ると、自分の周りにいる人たちに感謝したくなる。ささくれ立っていた気持ちがちょっとだけ優しくなる。そんなテレビ番組になれれば最高に幸せです。

演出・松木彩
以前、救急医療やレスキューの現場を拝見する機会があり、見ず知らずの他人のためにこんなにも危険を顧みず人生を懸けている人たちがいるのかと大変衝撃を受けました。彼らの凄まじさと、その時感じた「この人たちがいればきっと大丈夫だ」という安心感を、喜多見とMERチームの姿を通して伝えていきたいです。

真夏の日曜夜にスカッと前向きになれる作品をお届けしたいと思いますので、どうぞご期待ください。