今年、続編の公開が予定され、つい先日には最新予告が公開。
8月7日には、ついに地上波で初放送となった『ヴェノム』。
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』予告
今回は、そんなアメコミ原作のダークヒーロー映画『ヴェノム』と意外な関わりを持った5つの作品をご紹介。
『ヴェノム』の存在を一躍世に知らしめた人気シリーズの第3作や意外な共通点が多い日本映画、さらには間もなく放送が開始される最新特撮ヒーローの存在まで、幅広い作品をご紹介していきます!
その1:『スパイダーマン3』
ヴェノムが映画デビューを飾ったのは、日本でも71億円を超える大ヒットとなった『スパイダーマン3』でした。
原作で人気ヒーロー・スパイダーマンの悪役として登場した彼だけに、映画での初登場も彼を苦しめる極悪な敵キャラクターという形になっています。
本作で、ヴェノムに変身することになったのはトファー・グレイスさんが演じたエディ・ブロックJr.
『ヴェノム』の主人公と同名のキャラクターではありますが両作は独立した作品であるため、新聞記者という設定以外は異なる部分が多いです。
ちなみに『ヴェノム』のスピンオフ映画化企画は『スパイダーマン3』が公開された直後からスタートしたと言われています。
当初は続編として脚本が執筆されていた『ヴェノム』ですが、新シリーズ『アメイジング・スパイダーマン』の始動や、その後のMCU版スパイダーマンの製作など本流シリーズが激しく変動したため、現在のような単独作品が製作されることになったようです。
その2:『ライフ』(2017)
国際宇宙ステーションに搭乗している宇宙飛行士たちが惑星探査機から未確認生命体を発見したことで、一人また一人と襲われていく恐怖を描いたSFパニック映画が『ライフ』。
本作にも『ヴェノム』との大きな繋がりは感じられます。
というのも、『ライフ』の脚本を担当したレット・リース&ポール・ワーニックさんは『ヴェノム』映画化企画において、初期段階で脚本を担当していたコンビ。
そのため、物語のプロットには類似点がみられるほか、公開前の予告映像には『スパイダーマン3』の劇中映像が再利用されており、それに気づいたファンが「『ヴェノム』の前日譚なのでは?」と噂したことも……。
実際には『ヴェノム』本編とは全く関わりのなかった本作ですが、過去に報道されていた初期段階の『ヴェノム』の物語(寄生生物が人々へ飛び移り、寄生された人物が凶暴化して人を襲うもの)を考えると一致している部分も多く、筆者は、この脚本を再利用したものが本作なのではと推測しています(あくまで個人の推察です)。
その3:『寄生獣』
『ヴェノム』では、公開前の予告編とは異なり、寄生生物と主人公のコミカルなバディ要素が観客の心を鷲掴みにしました。
その点においては、同じく謎の寄生生物・ミギーと高校生・新一の奇想天外なバトルアクションを描いた『寄生獣』も『ヴェノム』に通ずる作品と言えるでしょう。
1990年代、『月刊アフタヌーン』で掲載されたのち、約20年の歳月を経て、ついに実写映画版が実現した本作。
実は、これまで実写化に関する権利はハリウッドが保持しており、その契約期間が切れたタイミングに、念願の日本での映像化が実現したという経緯があります。
映画『ヴェノム』では、原作以上に宿主・エディに対する人懐っこい部分が強調され、日本のファンからは”ど根性ガエル”とも称されていたヴェノム。
その描写には『寄生獣』におけるミギーと高校生・新一の不思議な関係性が影響を与えているのかもしれません。
–{続いて、その4は}–
その4:『仮面ライダーリバイス』
特撮ファンの間で、現在話題になっているのが、この秋から放送される新ヒーロー『仮面ライダーリバイス』と『ヴェノム』との類似です。
心の内に悪魔が宿るという主人公・五十嵐一輝と口数が多い相棒の悪魔・バイス。
彼らが時に衝突し合いながらも共に敵と戦っていく姿には、『ヴェノム』を彷彿とせざるを得ません。
実は現在上映中の映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』では、サプライズキャラクターとして彼らの活躍が存分に描かれているのですが、その姿を目撃した筆者は「『ヴェノム』やん……」と心の中で呟いておりました(SNSを確認すると、同様の感想を抱いたファンもいる模様)。
『ドラえもん』のジャイアンや『ヒプノシスマイク』の山田一郎といったキャラクターを演じ、いまや大人気の声優・木村昴さんがバイスの声を担当しており、豪華声優陣の起用で大ヒットを記録した『仮面ライダー電王』に続く作品になるのかにも期待が高まります。
その5:『モービウス』
今後、公開予定の作品としては、同じくスパイダーマンの悪役を題材にしたスピンオフ映画『モービウス』の存在があります(現段階では、来年に公開予定)。
アカデミー賞俳優でもあるジャレッド・レトさんが演じた主人公は、怪しい科学実験に巻き込まれ、コウモリの力から吸血鬼のダークヒーローへと変身します。
この物語は『ヴェノム』を始めとしたスパイダーマンの敵キャラクターを中心に、ソニーが展開するシリーズ映画の1本としても企画されており、今後、彼らの共闘が見られるかにも期待が高まります。
また、予告編では現行のスパイダーマンシリーズ第1作『スパイダーマン:ホームカミング』で悪役・ヴァルチャーを演じたマイケル・キートンの出演も明らかにされており、ファンの間では、本作が『ヴェノム』シリーズと『スパイダーマン』シリーズを繋ぐ重要な一作になるのではないかともウワサされています。
以上、映画『ヴェノム』と意外な繫がりがある5つの作品を紹介しました。
『ヴェノム』を観た方もそうでない方も上記5作品の存在を念頭に置いて本編を鑑賞すると、思わぬ見え方が発見できるかも……。
今年公開予定の最新作『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』へ向けて、少し変わった角度からシリーズを予習してみるのもオススメです。
(文:大矢哲紀)