<八月は夜のバッティングセンターで。>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

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テレ東が描く新感覚“ベースボール・ヒューマンドラマ”!
関水渚×仲村トオルW主演で、この夏開幕!

わけあって夏休みにアルバイトをすることになった17歳の女子高生・夏葉舞(関水渚)と「バットのスイングだけで、その人の悩みがわかる」と豪語する47歳の謎の元プロ野球選手(仲村トオル)。

二人がバッティングセンターに現れる女性たちの悩みを「野球論」に例えた独自の「人生論」で解決へと導いていく。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・「八月は夜のバッティングセンターで。」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話ストーリー

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伯父のバッティングセンターでアルバイトをしている夏葉舞(関水渚)は、バッティングを見ればその人の悩みがわかるという謎の男・伊藤智弘(仲村トオル)と出会う。この日来店した坂本ゆりこ(木南晴夏)のスイングを見た伊藤は、仕事関係で悩んでいることを見抜く。実際ゆりこは同期に振り回された挙句、フォローしても周囲から評価されない現状があった。伊藤はそんなゆりこの悩みを独自の野球論で解決しようとする。

第1話レビュー

叔父が経営するバッティングセンターでバイトすることになった女子高生・舞(関水渚)は、ずっと座ってバッティングを見ている中年男性(中村トオル)を怪しむ。

「女性がバッティングするのを見て楽しむ不審者なのでは」と警戒していた舞は、男性が自分の名前を知っていることを知って騒ぐ。オーナーである舞の叔父に頼まれてここにいるという男性は、先ほど帰った女性客が忘れた財布を舞に渡し、「心が力んだら、打てるものも打てないぞ」と謎の伝言を頼む。

伊藤と名乗ったこの男性は、舞が立ち去った後に裸足でバッターボックスに立つ。ホームランを連発していて、ただものじゃなさそうだ。

忘れ物をした女性、坂本ゆりこ(木南晴夏)は仕事のことでイライラしていた。面倒なことを押し付けてくる上司や同僚の茜(奥山かずさ)。茜は自分が担当する企業への謝罪をもともと担当だったゆりこに押し付け、茜を気に入っている上司はそれに大賛成。ゆりこが無事に状況をおさめると「さすが地雷処理班」と言われる。

だからといってゆりこの努力は認められるわけでもなく、部下の営業成績が悪いと怒鳴られる。さらに、「新たな企画のプレゼン資料にまだ手をつけていないから作ってくれないか」と頼まれて引き受けてしまうゆりこ。とどめに部下が「坂本さんは地味でうるさい」「茜は仕事ができる」などと話しているのを聞いてしまう。

何というあからさまな差別、モラハラだろうか。茜は無責任すぎるし、それを容認するどころか同調する上司も、腐っている。

木南晴夏、前クールの「レンアイ漫画家」で演じていた、派手でハキハキした少女漫画家・可憐とは真逆な役で、同じ人には思えない。どちらも元からこういう人なのかと思わせるような雰囲気ですごい。

また面倒を押し付けてきて手柄を横取りする嫌な同僚役の奥山かずさも「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」の明神つかさなど、いい人のイメージがあったため、エンドロールを見るまで誰かわからなかった。

再びバッティングセンターを訪れたゆりこに伊藤が語り掛けると、なぜかマウンドが登場し、茜が立っている。茜と交代してピッチャーをやるアナウンスが流れ、ゆりこは混乱する(そりゃそうだ)。マウンドに立つと、ベンチにいた上司や部下たちが馬鹿にしたヤジを飛ばす。何だよあんたら、よってたかって! と怒る舞。止めさせようとするが、伊藤は黙っている。

「私だって誰かに認められたいんだよ!」と叫ぶゆりこ。
すると、とある選手が走ってきて「大丈夫、誰かが見てくれてる」と言う。
「岡島だー! すげー!」と叫ぶ。
伊藤も「よく吐き出した! OK、交代だ」と叫ぶ。

ゆりこに「任せろ」と言って後退したのは、岡島秀樹選手だった。
レジェンド投手が毎回出演するようだ。すごい。

中継ぎ投手という役割があるらしい。先発投手と抑え投手の間に投げる中継ぎは重要な局面で登場して仕事をしても、脚光を浴びにくい。でもチームには欠かせない存在だ。ゆりこの仕事は中継ぎと似ているかもしれない、と言った伊藤はこう続けた。中継ぎはチームがピンチなときに颯爽と現れるヒーローだ。日米を渡り歩いた岡島は、中継ぎ投手の存在価値を高めた立役者の一人だという。

おおお、このドラマは、登場する女性の悩みと野球のレジェンド選手の活躍をリンクさせて人生論に昇華させるストーリーなのか。これはなかなか熱い。しかも、登場した選手が実際にプレイするところが見られるのだ。

野球に詳しくない私でも感動しているのだから、きっと野球に詳しい人なら何倍も楽しめるだろう。人生で初めて、野球に詳しくないことを後悔した。

さらに伊藤が語る言葉が印象的だ。

「不思議なもんでな、自分はちゃんとやってる、認めてくれとアピールする人間に、人は目を向けない。雑念を捨てて、黙々と仕事をする人間には、おのずとオーラがまとうようになって、勝手に周りが認めはじめる。あんたの仕事もそうなんじゃないのか。」

実際は、声をあげないでそのまま認められないこともあるかもしれない。でも、心に残る言葉だった。後日会社で、ゆりこに資料を作らせた仕事で評価され、ドヤ顔で自分がいかに頑張ったか話す茜。またかよ……と思ったそのとき。

ゆりこに「今回の資料って、ぜんぶ坂本さんが作ったんですよね。本当にありがとうございました」と話しかけてきた社員がいた。周りの社員もその話に興味を示し「坂本さん、すごくないですか?」という話で持ちきりに。岡崎選手の「大丈夫、誰かが見てくれてる」という言葉が現実になったのだ。

伊藤はプロ野球選手だったらしい。あまり活躍できなかったそうだが、野球のことに詳しいのも納得だ。「おっさん」呼ばわりだったのに元選手と知ったとたん敬語になる舞。岡島秀樹選手が登場したときも大興奮していたし、野球が好きなようだ。舞が暇になり、バイトをすることになった理由も気になるところ。演じている関水渚の目が印象的でいい。

ラスト、オープニング映像では浮かない顔をしていたゆりこが微笑んでいたのが印象的だ。一度自分の悩みを言葉にして出すこと、大切だな。毎回ハッとする言葉をもらえそうなこの作品、今後も楽しみだ。

※この記事は「八月は夜のバッティングセンターで。」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話ストーリー

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広告会社に勤める天野佳苗(堀田茜)は、男性からの誘いが多数あるが誰のことも相手にしない。人気CMディレクターと接近するチャンスも、モデルと仲睦まじくする様子を見てその場から離れてしまう始末。ある夜、佳苗は夏葉舞(関水渚)と伊藤智弘(仲村トオル)が見守る中でバッターボックスに入るが、ストライクなのにクレームをつけては全て見送り。逃げてばかりの佳苗にしびれを切らした伊藤は、ある決定的な欠点を指摘する。

第2話レビュー

前回終盤で伊藤(仲村トオル)が元野球選手だと知った舞(関水渚)が突然先輩呼び&敬語になったが、伊藤に「気持ち悪いな」と言われ一瞬でオッサン呼び&タメ口に戻っていて笑った。

今回の悩める女性は天野佳苗(堀田茜)。美人で男性からの誘いは引く手あまただが、理想もプライドも高く誰のことも相手にしない。まず相手の駄目な部分を探して、近づくことを避けているようだ。前回もだが、悩める女性の同僚嫌なやつ多くないか? 「そのドレス派手すぎません?」「完全に男目的、必死に頑張った分なかなかきれいよ」とか言ってくる「えり好みしすぎ、完璧な条件の男性なんていないですよ」という意見はうなずけるけども。

実は、人気CMディレクターに近づくために新しいドレスをおろした佳苗。相手がモデルにデレデレしているところを見て諦めてしまう。さらに「あんなボウル球こっちから願い下げですよ! モデルだか何だか知らないけどデレデレしちゃってさ~。私そういう人無理なんですよね、もっと中身見れる人じゃないと」と悪く言う始末。同僚の男性が気遣って声をかけてくれるが「小山田かよ」と文句を言う。

言われたくないことを言われると「そういう価値観古いですよ」「女は結婚がすべてじゃないの」と反論するが、顔つきからして心穏やかじゃなさそうだ。周りの人へのあたりもきついし、美人だがあまり魅力的に見えない。

バッティングセンターでのプレイにもその性格は出ていて、バットを振らずに出てくる球に文句を言い続ける。マシーンの調整は完璧なのだが……。「新手の嫌がらせ?」「だとしたら斬新すぎるな」と舞と伊藤も困惑気味。

文句を言い続けて一度もバットを振らない佳苗に、伊藤が動いた。

「随分とせまいストライクゾーンだな。それだけ狭かったらどんな球でもボウルだろう」
「あんた自身が、狭くしてるんだぞ」
「その原因は、勇気のなさだ」

なんだかギクッとしてしまう言葉だ。勇気がなくてやらない理由を作っているとき、ある気がする。

「うるさい!」「黙って!」と怒る佳苗に
「聞いてみるか、俺の野球論」という伊藤(な、なんだこの人~!)。
「ライフ・イズ・ベースボール」を合言葉に、前回同様舞いわく「おっさん(伊藤)が没頭する世界」に入っていく。

急にバッターボックスに立つことになり、困惑する佳苗。
ピッチャーは甘めな球を投げてくれており、振れば当たるかもしれないのに佳苗は振らない。

「怖いんだからしょうがないじゃん。振れるんだったら最初から振ってるよ」
「無様に三振したらどうしようって、打ち損じたらどうしようってそれを想像すると怖いの」
「ホームランの保証がないと、今さら怖くて振れないよ」

ベンチに戻った佳苗に
「あの男のバッティングを参考にしたほうがいい」
「参考にするのは、勇気の出し方だ」
と語りかける伊藤。

バッターボックスに立ったのは、レジェンド山﨑武司選手。
三振を恐れずフルスイングし続ける山﨑。はじめは失敗し、外野に笑われる(このドラマに出てくる外野、本当にいつもムカつくな……)のも気にしない様子に「なんであんなかっこ悪いことができんの? 笑われても平気なの? なんで」

「本当にそう思うのか? あの気迫が、あの表情が、あの姿勢が本当にかっこ悪いと、あんたそう思うのか? 空振りしたっていいんだ。人生でど真ん中のストライクがする保障なんてどこにもない。勝手に自分のストライクゾーンを決めないで、思い切って振ってみなよ」

結果、山﨑はヒットを出した。球はバットの根っこに当たったが、フルスイングしていたためヒットにつながったのだ。
「勇気が、出塁につながるってことだよ」と言われ、ハッとする佳苗。

また今回もグッときてしまった。

山﨑武司選手についてさらに調べてみたが、何ともともとは三振を怖がる選手だったらしい。だが楽天時代に野村監督に「三振だろうといい当たりだろうとアウトはアウト。根拠さえあれば思い切って振ってくれればいい。ダメならまた次、考えればいいだろ」と言われたことで、三振を怖がらない思い切ったスイングができるようになったというのだ。さらに、それまでは来る球をただ打つタイプだったが、配球を読むようになったらしい。

「振らなきゃヒットも生まれないでしょう。まずは1回振ってみな」 もともとは佳苗と同じような悩みを抱えていた山﨑武司選手。笑顔でいう言葉に重みがある。つくづく、野球に詳しくないことをはじめて後悔している。

「まず振ってみるかな~」と、同僚男性と食事の約束をした佳苗。
初めてバットにボールが当たり、伊藤と一緒に大喜びする。
「振れば当たる! 振ってけ!」と大声で応援する伊藤を「暑苦しい」と言いながらうれしそうな表情でながめる舞。

舞がユニフォームを着て球を投げるシーンが回想される。
確かに彼女がやたら野球に詳しいのも、本人がやっていたからだと思うとうなずける。やることがなくなったというのは、何らかの原因で野球ができなくなったということなのか。

ラストシーン、憑き物が落ちたようなはつらつとした笑顔の佳苗が印象的だ。

※この記事は「八月は夜のバッティングセンターで。」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話ストーリー

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今井果林(武田玲奈)は和食屋で職人として修業を始めて1年経つが、手際が悪く先輩から怒鳴られる毎日。だが和食の可能性を広めるためにこの世界に入った果林は気にも留めない。バッティングセンターでも、最初から一流のフォームを真似しようとするがうまく打てず、イライラを募らせる。夏葉舞(関水渚)と伊藤智弘(仲村トオル)が話を聞くと、「下積みは不要」だの店の文句ばかり…。
考えの甘さに野球論を語り始める。

第3話レビュー

今回の悩める女性は、和食やで職人として修業している果林(武田玲奈)。
働き始めて1年近く経つが、全然上達せず怒られてばかりだ。料理の専門学校時代成績が良く、コンテストで賞を取っていた果林は、自分の才能を生かさず下働きばかりさせられることに不満を感じていた。下働きなんて無駄だと思っているし、注意されても不満が顔に出てしまっている。さらに先輩に「こんなことするためにここに来たんじゃない、私は和食の可能性を広げるためにこの世界に入ったのに!」という始末。

おお……これはなかなか青い……。

バッティングセンターでも同じだった。「はじめから完璧にやりたい」と動画でプロのフォームをさんざん観たあとバッティングに臨むが、全然当たらない。

舞(関水渚)と伊藤(仲村トオル)が話を聞いたが、下積みや店への文句ばかり。

「あんだの考えが甘いのがよくわかった」と言う伊藤に怒る果林だが、またここであのセリフが出る。

「聞きたいか、俺の野球論」

今回は試合ではないようだ。そこには、練習している川崎宗則選手の姿があった。

「ムネリンこと、川崎宗則だ~! ついに現役選手!」

めちゃくちゃわかりやすい舞の叫び(説明)が野球初心者にはありがたい(川崎宗則選手はさすがに知っているけど)。

「たとえ同じような反復作業に見えても、そこには必ず意味がある」

そういう伊藤に、彼とあんたの決定的な違いがわかるかと聞かれるが、果林はわからない。

「彼は一本一本、その質を丁寧に確認しながら、その上で自分を酷使している。そこが一番違う」
「毎日の積み重ねに、あんたも全力で取り組んでみなよ」

ハッとした果林は、野球場に転がった川崎選手に「どうしてそんなことできるの?」と聞く。

「野球が(息切れ)野球が上手くなりたいから。千本ノックっていっても、いろんなシチュエーションを考えて受けると、結果千本になるだけで、実は千本じゃ足りないくらいなんだよ」

伊藤が続ける。

「側から見れば根性論、近くで見れば方法論てことだよ。プロでやってる人間は、みんな自分で自分を鍛え上げてる。そしてその先に、きっと栄光は待ってる」

翌日から、任された下積みに取り組む姿勢を変えた果林。注意もされるが、いいところを褒められる。笑顔で「ありがとうございます」と答えた彼女は、もう心配なさそうだ。

今回川崎選手の練習を見て神妙な顔をしていたのは果林だけではない。
舞もまた、彼を見て自分が練習していた頃を思い出していた。伊藤に頼み、外野で練習を見させてもらうことにした舞。快諾して「ついでにボールを拾ってやってくれ」と言い、少しため息をついた伊藤。舞が野球をやめた(?)事情を知っているのだろうか。

最後、誰かの家の前で呼び鈴を押すか迷う舞。チームメイトらしき人に「お見舞いにきたの?」と話しかけられるがひるみ、「続けるかやめるかはっきりしなよ」的なことを言われて逃げてしまう。舞の物語も徐々にわかっていくのが楽しみだ。

毎回登場する出てくる女性の悩みとゲスト選手のプレイスタイルがリンクしているところが魅力のこの作品。それだけでなく、毎回取り上げられる悩みが、誰でも体験する可能性があるところが素晴らしい。野球やゲストに興味がなくても、共感できる部分があるんじゃないかと思うので、ぜひいろんな方に観てほしい。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話ストーリー

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高橋菜々子(深川麻衣)が神妙な面持ちでバッティングセンターの打席に立っている。しかも思い切り振ることができずうまく打てない。様子を見ていた夏葉舞(関水渚)は、ボールを怖がる気持ちがわかると言葉を掛けるが、菜々子はイイ子に見られたいだけだと自分を卑下する。相手を怒ることができず、彼氏に浮気を問い詰めることができないのだ…。そんな菜々子に伊藤智弘(仲村トオル)が説いた野球論とは!?

第4話レビュー

今回の悩める女性は、高橋菜々子(深川麻衣)。怒ったり断ったりできない優しい性格を周りの人に利用されがちだ。彼氏の家に見覚えのないイヤリングや調味料やルームフレグランスがあって聞いてみたものの、友達がきたとごまかされたうえ「詮索するタイプ?」「何? 別れたいってこと? 俺しつこいの嫌いなんだけど」と逆ギレをされてそれ以上問い詰められない。

以前も他の女に乗り換えた元カレにストーカー扱いされたり、彼氏が鼻炎だという同僚に仕事を押し付けられたり、崩れたお寿司を運んできた配達員に逆ギレされたりしていた。相変わらずこのドラマのモブはクズ率高めだ。

困り顔の深川麻衣はかわいいが、そんな彼女を利用する奴らはゆるせない。

結局自分を卑下しつつ「私が我慢すればいい」「相手を傷つけたくない」
という菜々子に、舞(関水渚)も伊藤(仲村トオル)も疑問を投げかける。

「腹立ちすぎて吐き気する」という舞の反応、正常だ。

「聞いてみますか、俺の野球論」
今回は珍しく敬語ではじまるライフイズベースボール。

突然ピッチャーとしてマウンドに立つことになり、戸惑う菜々子。
浮気彼氏、元カレ、押し付けてきた同僚(後輩?)、配達員が並ぶ(めっちゃ嫌だ、こんなマウンド)。

伊藤から「バッティングセンターで機械が壊れて身体の近くにボールが通ったとき怖かった? もし怖かったならそこに投げてみたらどうだ」と言われる。

だが菜々子は投げられず、ベンチに戻ってしまう。
「私、相手に嫌われるのが怖いんです。ボールぶつけて相手が傷つくくらいなら、自分が我慢して笑ってたほうがずっと楽」

伊藤は異議をとなえる。
「本当にそれでいいのか。結果相手がほくそ笑んで自分が傷ついてるだけじゃないのか。どうふるまおうが勝手だが、俺はもったいないと思うね。そう簡単にマウンドを降りるのは」

ピッチャー交代で現れたのは、五十嵐亮太選手。

「い、い、い、五十嵐だ~!!!!!」と叫ぶ舞。

「強気なピッチングスタイルで剛速球をを投げ込み、日米で登板した試合はすべてリリーフという偉大な記録の持ち主だ」続ける伊藤。

「インコース、あそこに投げ切れるか投げ切れないかで、その先の生き方が変わる」
「人間は誰もが臆病だ、あんただけじゃない。だから、それを恥じる必要なんてない」
「それよりも、もっと自分を大事にしなよ」

今週も沁みる伊藤の言葉。菜々子もはっとする。

五十嵐はさっき伊藤が菜々子にアドバイスしたインコースに投げ切り、バッターアウトをもぎとる。

文章で表現しきれないのがくやしいが、この選手がプレイするシーンが毎回毎回とんでもなくかっこいいのだ。本人のプレイや表情はもちろん、音楽や演出を相まって鳥肌が立ちそうだ。例えていうと、選手のプレイをあらためてMVにした感じというか(よけいわかりづらいかもしれない)。

「次はあなた自身でマウンドを守らなきゃ」

五十嵐に声をかけられた菜々子は、勇気を出すのだった。
マウンド=自分の人生なんだな。

彼氏の家に行き、友達でも女の人は入れないでほしいと伝える。「またその話かよ、めんどくせぇなぁ」「もうこの話しないで」いつものごとく逆ギレしてきた彼に一瞬謝りかけたが、「インコース……」とつぶやいて続ける。

「じゃあもういいよ、別れよう」「だって、女遊びやめる気ないんでしょ? 私のこと大事にする気ないんでしょ? そんな男とだれが付き合うのよ」「怒るわ! しかも急じゃないからずっと黙ってただけだから! もうタモツのそういうのに付き合うのうんざり! なめんな!」

「えっ……冗談だよね?」「待って、ごめんごめん」

ようやく慌てだした彼氏だが、もはや覆水盆に返らず。
浮気相手が置いていったルームフレグランスを彼のインコースにぶん投げ、尻もちをつかせて部屋を出ていったのだった。

は~! よく言った(やった)菜々子!!! スカッとした!!

菜々子からの報告LINEを見て微笑みつつ、カメラロールを眺める舞。
ちょいちょい挟まれる舞のエピソードも気になるところだが……。
最後の菜々子のスッキリした笑顔、よかった!

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話ストーリー

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夏葉舞(関水渚)がバッティングセンターに着くと、伊藤智弘(仲村トオル)が困惑していた。常連客・寺本沙織(佐藤仁美)の息子・優斗(中村羽叶)に懐かれてしまったからだ。遅れてやって来た沙織は、到着するなりバッティングエリアへ。打席に立つ優斗を笑顔で応援している。一見幸せそうに見える親子だが、伊藤は問題を抱えていることを見抜く。その読み通り、家では夫婦喧嘩が絶えず、優斗の顔に明るさはなかった――。

第5話レビュー

今回の悩める女性は、息子の優斗(中村羽叶)を連れてバッティングセンターにくる常連客・寺本沙織(佐藤仁美)。「あのお母さんは相当問題を抱えている」という伊藤(仲村トオル)に、「沙織さん幸せいっぱいに見えるけどな」と言う舞(関水渚)。優斗も悩んでいるという伊藤に「優斗くんにまだ悩みなんかないでしょ」と言うが、「小さい頃、そういうことを言う大人を見てどう思った?」「自分はどうだったんだ? 悩みはなかったか?」と聞かれて「あった」とハッとする。

「俺が子どもと接するときのポリシーは、子どもを子ども扱いしないことだ」
伊藤の持論、納得感ある。「そうすると心を開いて、異様になつかれることがある。困ったもんだ」とのことだが、子どものときにそういう大人がいてくれたらうれしいだろうな。

沙織が抱えている悩みは、夫のことだった。会社を辞め、田舎で新しい農業ビジネスをしたいという夫。「もう一度話を聞いてくれ」と言われるが、「聞いても一緒、私は反対」「優斗は私立の学校に行かせる」と聞く耳を持たない。

まあ、成功するかわからないビジネスにのために移住するという話に賛成できない気持ちもわかる。だが「あんたは私の言うこと聞いてりゃいいの」という言葉はちょっと気にかかる。

息子の優斗は苛立っている母親や、夜中夫婦が言い合いをするのを聞いて心を痛めていた。伊藤によると、自分のせいで二人が争っているのではと思っているという。唯一沙織が笑顔を見せるバッティングセンターで自分がホームランを打てれば、スカッとしてもらえるのではと考えていたのだった。いい子すぎる……(涙)。だがイライラしていた沙織はうまく打てない優斗を責めるような言い方をしてしまう。

「いい加減にしなよ。頑張るのはあんただろ」と今回もライフイズベースボールの世界へ。

夫とバッテリーを組むことになった沙織だが、指示に従わない夫に苛立つばかり。伊藤の伝言「ちゃんと向き合うように」と伝えた舞に「無理、あいつが考え方を変えないと」「言うこときかないの」

夫にも「お前ふざけんなよ、バカげてんだろ」「あんたに経営能力なんてないから」「やらなくてもわかることだろバカ」と、自分の意見を曲げない。優斗はベンチで

伊藤はキャッチャーを交代。現れたのは、里崎智也選手だった。
「里崎さんだーーー!!! すげー本物ーー!」
舞のお決まりの叫びが入る。

「お前はどう投げたいんや?」と夫に聞き、

「よっしゃじゃあそれで行こ。その代わり自分の投げる球、しっかり責任もって投げろよ」

と笑顔で声をかける。笑顔がとても頼もしい。希望を聞き入れてもらえた夫はうれしそうだ。

結果、球は打たれてしまった。

「だから言ったじゃない」と言う沙織に、
「いや、あれでいい」と言う伊藤。

「人生は長いシーズンだ。バッテリーの呼吸があってくればシーズンは勝てる。里崎はそれを見越して、自由に投げさせてやったんだよ。女房役として、打たれてもいいと覚悟を決めて」

里崎はロッテ一筋16年、WBCでチームをけん引した日本を代表する女房役だった選手だ(野球では、ピッチャーを夫に例えるのに対してキャッチャーを女房役と呼ぶことがあるそうだ)。男女に例えた呼称については、時勢的に異論を唱える人もいそうだが、個人的には夫婦の問題回に「日本を代表する女房役」をぶち込んできたところにグッときた。

長い目で見て、失敗してもいいから自由にやらせる。夫婦に限らず大事な考え方かもな、と思った。例えば自分自身のことにしても、直近の失敗を恐れて判断したけど、長い目で見たら失敗してもよかったなということはある。

「じゃあ、女房は我慢して、夫を好きにさせろってことですか? そんなの都合よすぎるじゃない」
沙織がそう言いたくなる気持ちもわからなくはない。

伊藤は続ける。
「そうじゃない。バッテリーは協力して、試合に勝つんだ。里崎を見なよ」

夫に駆け寄った里崎は、うなだれる夫の肩を叩き、笑顔で励ます。
「ま、結果をしかり受け止めて、今後どうやったらチームが勝てるか、死ぬほど考えろよ」

「目的は、家族というチームで勝つことだろ。そのためにキャッチャーは、長い目で見てピッチャーと向き合って、勝負に勝たせてやるんだよ」

伊藤にそう言われ、沙織が夫を見るまなざしが変わった。

そしてしばらくした後、沙織の家では夫が荷造りをしていた。家族で長野へ移住することにしたらしい。

自分のチャレンジをさせてくれた沙織に礼と「俺マジで頑張るから」という夫に対し、「付き合うよ、家族だもん。でも、もしダメだったらアルバイトでも何でもして家族守ってよ? あんたの好きにしろっていう話じゃないからね」と言いつつ、穏やかな笑顔の沙織。さっそく長野にあるいい学校を見つけ、家族で盛り上がっていた。

意見の食い違いで一時は険悪になってしまったものの、二人とも子ども想いで頑張り屋でもあるこの夫婦。優斗もいい子だし、家族というチームで頑張っていくと決めた今、もう大丈夫そうだ。

舞の話のその後も気になる。母(藤田朋子)に「また野球やるなら応援するよ」と言われたが断っていた。やはり何かがあって辞め、周りは本当は続けたかったのではないかと思っているようだ。

残り3回、楽しみだ!

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話ストーリー

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夏葉舞(関水渚)がバッティングセンターで準備をしていると外から女性の大きな声が。しかも電話で激しくやりあった後に1万円を全て両替してバッターボックスへ。その気迫は周囲の子供たちが驚くほどだ。舞はやがて女性が有名企業の社長・元山陽子(山下リオ)だと気づく。ネット記事によると陽子の会社が買収の危機にあるようで――。仲間のためにも譲渡すべきか否か…揺れ動く陽子に伊藤智弘(仲村トオル)がかけた言葉とは?

第6話レビュー

今回の悩める女性は有名企業の社長・元山陽子(山下リオ)。仲間とした学生起業で成功したものの、大手の会社に買収されそうになっている。

せっかく自分たちで作ったサービスを、人に渡したくない。悔しい。絶対に負けたくない。同じ気持ちだが譲渡も必要だという仲間たちとも、意見の違いが出てきてしまった。

回想する起業したばかりの頃。学生の陽子、数年前なのに全然雰囲気が違ってかわいらしい。徹夜で作業しカラオケで盛り上がり、契約が決まるだけで大喜びしていたとき。今のほうがより成功しているのに、回想のほうが輝いて見える。

「迷うなら前進したい」という信念で頑張ってきた陽子。バッティングでも子どもたちが待っているのに気づかず熱中してしまうほどで、今まで出てきた女性の中では一番打てている。

だが、伊藤(仲村トオル)は「ただ振りまくるだけなら、誰にでもできるんじゃないか」と言いたいことがある様子。お約束、ライフイズベースボールの世界へ。

試合は12回表、ツーアウト満塁。絶体絶命のピンチだ。
相手チームは陽子たちの会社を買収しようとしている、ドン社長率いるハードバンク社。名前といい社長の顔といいソフト○ンクでちょっと笑ってしまった。

攻める気満々の陽子に「守りは任せて」という仲間たち。「迷うなら前進という信念を邪魔する人たちに負けるわけにはいかない」と息巻く。

敵チームがサインを盗んでいるのに舞(関水渚)が気づき「どんだけ卑怯なのよ!」と激昂する陽子。

伊藤に「少しは冷静になったらどうだ」と言われ「なによ! この状況で冷静になれるわけないでしょ」、「ならピッチャー交代だ」と言われ「何で私が変わらなきゃいけないのよ!」と噛みつく。

「経営者は前だけ見てるんじゃなくて、横も後ろも足元も、ちゃんと見なきゃ駄目なんじゃないか? 今のあんたがやってるのは独り相撲だ。それじゃあ仲間は、誰もついてこないぞ」

そして現れたピッチャーは……

「よ、吉見だーーーーー!! 中日のエース!」
舞のセリフは毎度毎度、野球初心者に優しくて本当にありがたい。

「5年連続二桁勝利、価値にこだわってきたからこそ出るあの風格、偉大なエースだ」
「ポーカーフェイスにテンション上がるわ~」

だがキャッチャーは立っている。吉見は3球連続わざとボールにした。

これには舞も困惑。伊藤に説明を求める。

「まだこの先があるからだ。一時の感情に流されてどうする。自分の近くの仲間たちを、この先の未来に連れていく。それが経営者としての、あんたの役目じゃないのか」「いい仲間に恵まれてるじゃないか」

伊藤に言われ、仲間たちを見つめる陽子。
バッターが代わると、吉見は連続でストライクをとり、チームを勝利に導いた。

折れたバットを持ち、陽子に語りかける吉見。

「1点取られることを怖がらなかったから、次の勝負に勝てた。大丈夫、試合はまだ続いている」

陽子はみんなと一緒に勝ちたい。そのために譲渡することに決めた。
でもただでは引かない、一緒に考えてほしいと仲間たちに伝える。
事業を譲渡する代わりに、新たなサービスへの出資をしてもらうことにしたのだ。

「いいもんだな、仲間。チームメイト。そういうやつだ」

伊藤に言われた舞は夜、「野球ノート」を取り出す。
さまざまな研究内容や部活のメモのようなものが書かれているノート。
一生懸命野球に打ち込んでいたことがうかがえる。

だが、後ろのほうのページには
「ごめん せめて私、野球やめるから」
と書かれていた。

以前、友人の家らしきところでお見舞いしようとしていた場面もあったし、やはりプレイ中、チームメイトに怪我をさせてしまったのだろうか。次回、話がどう進むのか気になるところだ。

今回もラスト、夕暮れをバックに微笑む陽子がとっても美しかった。

※この記事は「八月は夜のバッティングセンターで。」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話ストーリー


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夏葉舞(関水渚)がバッティングセンターで準備をしていると外から女性の大きな声が。しかも電話で激しくやりあった後に1万円を全て両替してバッターボックスへ。その気迫は周囲の子供たちが驚くほどだ。舞はやがて女性が有名企業の社長・元山陽子(山下リオ)だと気づく。ネット記事によると陽子の会社が買収の危機にあるようで――。仲間のためにも譲渡すべきか否か…揺れ動く陽子に伊藤智弘(仲村トオル)がかけた言葉とは?

第7話レビュー

予告映像や「引き際」というタイトルから、つらい内容が予想できた回だった。レジェンドが登場するタイミングとその言葉が印象的だ。

今回の悩める女性は、雑誌の編集をしている尚美(板谷由夏)。
15年前は編集部のエースとしてたびたび表彰されていたが、最近いい企画を出せず、読者アンケートもビリから数えたほうが早い。後輩が上位になり、気まずい状況だ。

とうとう編集長(二人の話している感じからして同期っぽい)に異動を打診されてしまう。これからも世話になりたい、後輩の育成を頑張ってほしいと言う彼に「もう少し踏ん張りたいの」と頼む。そこまで言うならと、快く頷いてくれた。

バッティングセンターに訪れるが、懸命にバットを振るがほとんど当たらず、やっと当たっても球は飛ばずにすぐ落ちてしまう。そんな尚美を見て「少なからず俺には、彼女の心が泣いているように見える」と言い出す伊藤。「なにロマンチックなこと言ってんのよ」という舞(関水渚)のツッコミがよい。

「そんなやり方じゃずっと当たらない」という伊藤にイラつき「あなた元プロ野球選手なら教えてくださいません?」と言う尚美。

実は、尚美が舞に話しかけたときの態度が少し気になっていた。
企画のために話を聞いた舞に夏休み前に何をしていたか聞き、部活のことを思いだして言いよどむ彼女に「随分つまんない女子高生ライフね」と言ったり、自分からバッティングセンターの特徴を聞いておいて「もっと読者を惹きつける何かないのかな」と言ったり。

すべてにおいて感じが悪いわけではないし、うまくいかない焦りからそうなってしまったのかもしれない。

そんなわけで、今回もライフイズベースボールの世界へ。

尚美のいる編集部チームが現在勝っているものの、相手は勢いのある出版社だ。ピッチャーを務めることになった尚美は「経験者には経験者のやり方ってもんがあるんだから。まだ負けたくない」と勝負に挑む。だが失点を繰り返し、チームはピンチに追い込まれてしまう。

舞は「見てられない、いつもみたいにレジェンド出してよ」と抗議するが、伊藤は「それじゃあ彼女のためにならない」と拒否。

尚美の上司や後輩たちは、みんな本当にいい人だ。1話に登場したゆりこ(木南晴夏)の同期は手柄を横取りしたけど、後輩は仕事をほめられても尚美のおかげだときちんと言った。編集長も先ほど書いた通り、あくまで尚美の気持ちを尊重してくれた。

ライフイズベースボールの世界でもそうだ。尚美が投げる前も、失点を繰り返してしまった後も、変わらず励ましの声を送り続ける。どうするか伊藤に問われると「尚美さんが投げたいなら、うちらは反対しません」と強いまなざしで言う後輩女性。気を遣っているわけではなく、心からそう思っている目だ。

「ごめんね、もう大丈夫。こめんね、足ひっぱっちゃって。気づかないふりして。さすがに、もうちょっとつらいかなぁ、自分自身が」

客席へ去っていく尚美。現在のエースがピッチャーを交代すると、いい球を連続で投げ大勝利。歓声をあげる仲間たちを遠くの客席から見、タオルをかぶって泣く尚美。彼女の気持ちを思うと、見ているこっちもつらい。他人事ではなく、いつか自分にもこう感じるときがくるのかもしれないと思うと怖い。

尚美の場合、エースとして活躍していたことがあるからよりつらいのかもしれない。栄光を知っているから、今の自分に落差を感じてしまう。

そんな尚美のもとに近づく足音。

「誰にでも来るんです、このときが」

やってきたのは……

「ええ? ま、ま、昌だ~! 尚美さんの隣に山本昌がいる。あの! 山本昌がいる!」

興奮して横飛び? で伊藤の隣に異動してくる舞。今回もわかりやすい説明をありがとう。山本昌さんは私でもお名前聞いたことある。

「日本のプロ野球選手でただ一人、50歳まで現役で投げ続けたピッチャーだ。今の彼女に必要なのは、山本昌の言葉だ」

山本昌と尚美のやり取り、いつもにくらべてだいぶ長いが読んでいただきたい。すべての人に読んでほしいくらい素敵な言葉だ。

「誰にでも来るこのときって、どういうことですか?」

「周りを見て、自分を見て、何か変わんなきゃいけないな、って、悩むときです」

「それは、引き際ってことですか?」

「そうですね、後輩たちの成長を見て、そして今の自分を外から見て『この場にいちゃいけないな』と思うときが、引き際じゃないかなと、僕は思います」

聞きながら泣きそうに歪んでいく尚美の顔。

「自分では、まだまだやれると思ってたんです。ただ、遠くから自分を見たときに、ここにいちゃ、いけなくなったなと。そこで、自分で引退を決めましたね」

うなずきながら鼻をすする尚美。「あたし、ずっとこの仕事だけ一生懸命やってきました。そういう、誰にでも来るこのときっていうのは見えてたんですけどね。見ないふりしてました」

「自分が中心にいなくてもできることってあると思うんです。自分のために、会社のために、仲間のために。そういうふうに、自分で変わっていこうと。私は思いましたね」

「あたし変われますかね?」

「これまで一生懸命、夢中で、やることがあった人だったら、どんなことでも、夢中になることを探せるんじゃないですか。大丈夫だと思います」
笑顔でうなずきながら、尚美の顔をしっかり見て言う山本昌。

「昌さん強いな~」

「強くないですよ」

何だかぐっときて、涙が出てしまった。他に例がないくらい長い間プロとして活躍し、さらに自ら引き際を決めた、彼だからこそ響く言葉だった。

どうも、いつものこのシーンに比べてセリフっぽくないというか、ご本人そのものみたいな話し方だなと思った。

それもそのはず、実は今回のこのシーンは山本昌と板谷由夏のアドリブだったそう。どおりで、セリフにしてはゆっくり言葉を切りながら話しているなと思った。

吹っ切れて後輩の育成にまわると決めた尚美。最後の企画をちゃんと出して終わるところに、彼女の思いを感じた。

ラスト、舞と伊藤二人の会話もまた印象深い。

「精一杯やり切った人が、潔くやめて次のステージに進むの。それってかっこいいよね」

「たしかにかっこいいが、それは精一杯やり切った人間だから、かっこいいんだ」

そう言って去っていく伊藤。ボールをじっと見つめる舞。
来週は最終回だが、舞の葛藤にも答えが出るのだろうか。

※この記事は「八月は夜のバッティングセンターで。」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話ストーリー

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夏葉バッティングセンターにテレビ番組のロケ隊が。ロケのゲスト、アイドルグループ『27』新センター神崎ヒナ(山﨑夢羽)に共演者やスタッフは苛立っていた。自分が目立つことに精一杯だからだ。グループの人気低迷に焦るマネージャーの注意にも不満げで、「チームとかどうでもいい」と言い放つヒナ。
そんな無責任な言動に、舞は怒りを露わにして…。一方、伊藤智弘(仲村トオル)はヒナが悩みを抱えていることを見抜いていた。

第8話レビュー

今回の悩める女性は、アイドルグループ『27』のセンター・神崎ヒナ(山崎夢羽)。前センターが辞めた後、新センターとなったヒナだが、グループの中でも、外仕事でも自分が目立つことしか考えていない。マネージャーに注意されても反抗的で、まったく反省していない様子。「自分は一人で結果を残してる」と言い張る。

アイドルには賞味期限がある、グループなんてどうでもいいというヒナを、チームで野球をしていた自分と重ねて言い合いになる舞(関水渚)。お客さん相手に感情的になるのはよくないが、確かにヒナはあまりにも自分勝手だ。

ヒナを演じる山崎夢羽自身も、ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「BEYOOOOONDS」のメンバー。映画『あの頃。』で松浦亜弥役を演じたことでご存知の方もいるかもしれない。

実際の山崎夢羽は、ボーカルで重要なパートを任されることも多いという点ではヒナと一緒だが、かなり謙虚な性格だ。そういう意味では真逆のヒナを、もともとある程度活動を知っている筆者から見ても小憎らしくなってくるくらいよく演じていた。今後、またこういった演技の機会が増えるとうれしい。

「チームリーダー」回のライフイズベースボールの世界、登場するレジェンドが古田敦也なのもアツかった。さすがに野球に詳しくない筆者でも知っている、選手兼任監督として活躍した人だ。

チームが勝ってないじゃないか、そんなんじゃ普段だって貢献できてないと思うよ、とたしなめられムキになるヒナ。

マウンドに立つ古田を見ながら伊藤(仲村トオル)は言う。

「彼はなぁ、このチームで勝つにはどうすればいいか、自分には何ができるのか、常にそのことを考えてる」

「たしかに一選手としてゲームに臨むよりも、はるかに大きなプレッシャーがあるだろう。その重圧の中、自分のための練習の時間は満足に取れず、心も身体もボロボロに削られていき、個人としての成績は衰えてしまうかもしれない」

「何でそこまでやるのか、教えてください」と古田に話しかけるヒナ。帰ってきた答えはこうだ。

「うーん、単純に、自分の好きなチームで勝ちたいから」

「好きなチーム?」

「僕はスワローズの古田だからね。自分の好きなチームで勝てたら、喜びって掛け算になっていくよね」

「え、君は自分のチームが好きじゃないの? そこのところ、よーくもう一度考えてごらん」

チームやメンバーの大切さに気付いたヒナは、より一層活躍する。
あれだけ自己中だったところから、ここまで変われるものだろうか? とも思うが、ステージでパフォーマンスする彼女はキラキラしていた。

「僕はスワローズの古田だからね」には涙腺がゆるんだ。

私は彼やスワローズのファンではないけれど、長らく何らかのチームやグループで活動している人たちが好きだ。引退してなお、チームを大切に思う発言をしてくれるのには泣いてしまう。スワローズや彼のファンの方だったら、さらにずっとうれしい言葉だろうなと思う。

舞の過去も明らかになる。勝つことにこだわりすぎた舞は、部員たちに無理な練習を強いていた。見かねて意見したチームメイトに対し、腹を立てながら投げたボールが相手の手に当たり、けがを負わせてしまう。そんな自分が野球を続ける資格はないと部活を去ったのだった。

次回、ゲストなしの最終回。舞の心に、決着はつくのか。

※この記事は「八月は夜のバッティングセンターで。」の各話を1つにまとめたものです。

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第9話ストーリー&レビュー

第9話ストーリー

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高校入学後、女子野球部に入部した夏葉舞(関水渚)はエースとして活躍するが、勝ちを求めるためハードな練習を周囲に強要するように。苦言を呈する秋本美希(池田朱那)に舞は反発。そんな関係の中、追い討ちをかけるような事件が起き、野球から離れた舞はボールすら投げられなくなってしまう。一体何が起きたのか?舞の心を修復するため伊藤智弘(仲村トオル)が説く最後の野球論とは!
ベースボール・ヒューマンドラマ最終回!

第9話レビュー

の悩める女性は、他でもない、舞(関水渚)自身だ。

舞が投げたボールが腕に当たった美希は、翌年の復帰はおろか、まずは完治を目指さねばならぬ状況だった。

チームメイトがまた一緒に野球をやろう、美希のケガは誰が悪かったわけでもない、と言いに来てくれた。だが美希の手に当たったボールを投げた際、彼女と意見が対立して腹を立てていた舞は、わざとではないが本当に自分に邪心はなかったか、ずっと自問自答してきた。球が投げられなくなってしまったのは、人から野球を奪った自分への報いだと思っているのだ。

ここで口を開いたのが伊藤(仲村トオル)。

「俺は、お前の心を治しにきたんだよ」

元バッテリー相手の舞のおじに頼まれ、やってきたという。

もうどうしたらいいかわからない、美希に顔を合わせるのが怖い、勇気が出ないという舞。

「今までここで出会ってきた女性たちのことを思い出せ」という伊藤。

「みんなはじめは今のお前と同じように弱音を吐いていた、それでも彼女たちはみんな一歩前に進んだ。怖くても、情けなくても、踏ん張って歯を食いしばって、前に進んでたじゃないか。お前、その姿を見てきたんじゃないのか?」

伊藤が毎日バッティングセンターにきていたのは、お前にひとつでも多くの勇気を見てもらいたかったからだ、という。

思い悩むことの多い高校時代、お前の心を治しにきたんだよと手を差し伸べてくれる大人がいたらどんなによかっただろう。少々変人だけど、伊藤が気づかせてくれたことは多い。舞がちょっとうらやましい。

今まで冷静に女性たちを見守る立場だった舞が、取り乱している。いくら勇気を出して前に進んだ女性たちを見ているとはいえ、自分の問題となると別なのだな、と当たり前なのだが思った。

ライフイズベースボールの世界に来るも、勇気がなく逃亡する舞。

「今のお前にいちばん見てほしいピッチングをする男だ」

現れたのは上原だった。

「あの表情、あの気持ちが、野球人にとっていちばん大事なものじゃないか。お前がまだ野球人なら、感じるはずだ」

「お前の根っこには、野球があると思ってた。でも違ったんだな。お前はもう、野球が心底嫌いになったと。そんなに嫌いなら、捨てちまえよ野球なんか」

「嫌いなわけ、ないでしょ!!」そう言いながら球を投げた舞に、笑顔「ナイスボール」「マウンドに行ってこい」と声をかける伊藤。

「野球は好きか?」「大好き!」「じゃあ大丈夫だ」
泣きながら答える舞と笑顔の伊藤に、こちらの涙腺もゆるむ。

上原は「最後はお前が決めろ」と言って去っていく。

現実世界に戻り、意を決して美希の家に行く舞。
未希は「見て、ギブス取れた。ブイブイ」「言ったでしょ、どんなことがあっても諦めないって」と笑顔で迎え、舞を抱きしめ頭をなで「最後の夏、一緒に出るよ」と言う。素晴らしい友情だ……。

役名がわからなかったけど、バッティングセンターに来てくれ、このシーンでも見守ってくれたお友達もとてもいい子だ。

野球をまたやることに決めた舞を、途中まで送っていく伊藤。別れるときの二人のやり取りがいい。

舞を演じた関水渚は、自身も高校時代、野球部のマネージャーだったらしい。毎回ユニフォームにジーンズの短パン姿という独特のファッションがとても似合っていた。健康的なスポーツ少女っぽい感じと、何かを思い悩んでいる様子、仲村トオルとのやり取りもとても自然だった。彼女が今後どんな役を演じるか楽しみだ。

伊藤は去っていき、おじ「岡田圭右)と話す舞。バッティングセンターのボールにまぎれた硬球には「Life is Baseball 臆せず前へ 伊藤」と書かれていた。

「大きなお世話、ありがとうございました」と、あまのじゃくと思いきや、素直な反応をする舞。

伊藤から舞へのメッセージは、そのまま視聴者へのメッセージのようにも感じた。8人の女性たち、そして舞の勇気を見せてもらった今、勇気をもって前に進んでいけそうだ。

そして野球にまったく興味のなかった筆者だが、野球を好きな皆さんがなんであんなに野球を愛しているのか、世界をのぞかせてもらってほんの少しだけわかる気がした。

ありがとう、「八月は夜のバッティングセンターへ」。

※この記事は「八月は夜のバッティングセンターで。」の各話を1つにまとめたものです。

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(文:シネマズ編集部)

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–{「八月は夜のバッティングセンターで。」作品情報}–

「八月は夜のバッティングセンターで。」作品情報

イントロダクション

テレ東が描く
新感覚“ベースボール・ヒューマンドラマ”!

「八月は夜のバッティングセンターで。」
関水渚×仲村トオルW主演で、
この夏開幕!
- あの往年の“野球レジェンド”たちも登場!? -

関水渚ドラマ初主演!仲村トオルとW主演!
ドラマの舞台は都内のとあるバッティングセンター。わけあって夏休みにアルバイトをすることになった17歳の女子高生・夏葉舞と、「バットのスイングだけで、その人がどんな悩みを抱えているかわかる」と豪語する47歳の謎の元プロ野球選手の男性が、毎回バッティングセンターに現れる悩める女性たちを、「野球論」で例えた独自の「人生論」で解決へと導いていく本作。
「ライフ・イズ・ベースボール」を合言葉に、「野球」というテーマを通して、人々の背中を少しだけ押していく、テレビ東京が描く、新感覚の“ベースボール・ヒューマンドラマ”です。

女子高生・夏葉舞を演じるのは、1月クール「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」でヒロインに抜擢された今最も注目される若手女優・関水渚。関水は本作がドラマ初主演となります。バッティングセンターで悩める女性の相談を次々と解決する謎の人物・伊藤智弘を演じるのは、実力派俳優・仲村トオル。テレビ東京のドラマ出演は昨秋放送『横山秀夫サスペンス「沈黙のアリバイ」「モノクロームの反転」』、連続ドラマは2018年放送の「ラストチャンス 再生請負人」以来。また野球部のマネージャーを務めたことがあるという関水と、中学時代に野球部だった仲村は、今回が初共演となります。

さらに本ドラマは、野球好きであれば誰もが知っているような、往年の“野球レジェンド”たちが登場します。ドラマのストーリーの中で、どんな選手が、どのように登場するかは今後の続報をお待ちください。

“ライフ・イズ・ベースボール”
異色の野球好きコンビが放つ、
これまでにない<“人生×野球”ドラマ>
「八月は夜のバッティングセンターで。」
(通称:ハチナイ)
夏のはじまりと共に開幕する本作に、どうぞご期待下さい!

スタッフコメント

テレビ東京 寺原洋平(プロデューサー)

この夏、テレ東深夜ドラマに期間限定でバッティングセンターが出現します。
この時期、野球といえば言わずと知れた甲子園ですが、テレビ東京の深夜も覗いてみてください。
そこにはまさに人生の縮図のような野球が展開されています。
野球の適温は熱いだけじゃない、青春は甘酸っぱいだけじゃない、これまで多くの大人達に向けて色々な変化球のヒューマンドラマを送り出したテレビ東京だからこそできる、甘さ控えめ微熱の新感覚ベースボール・ヒューマンドラマ。是非、この夏のお供に!

博報堂ケトル 畑中翔太(企画・プロデュース)

「野球は人生に通ずる」をテーマに、人生における様々な“壁”にぶつかる悩める人々を「野球論」で解決していく、そんな全く新しい“ベースボール・ヒューマンドラマ”が誕生しました。
野球ファンの方であれば誰もが知っている、あの“レジェンド”たちもドラマに登場します! そしてこのドラマのために、監督、脚本家、プロデューサー、各スタッフに至るまで、実に野球愛に溢れた制作チームが集結しました。この夏、関水さん&仲村さんの新コンビが、夜のバッティングセンターを舞台にして、「ライフ・イズ・ベースボール」を合言葉にちょっぴり大人のベースボールドラマをお届けします。ぜひご期待ください!

アカツキ 後藤ヨシアキ(プロデューサー)

アニメ「八月のシンデレラナイン」の打ち合わせの場で「女性が夜のバッセンで良いスイングをしてる深夜ドラマが観たいんです」とテレビ東京さんの深夜ドラマファンであることを伝えてから約1年。
今、ドラマ化という想像もしていなかった打席に立っています。
私自身、普段はハチナイのアニメやコラボ企画を担当していますがドラマのハチナイでは〝野球というモチーフを通じて人間の成長を描く〟という本質的コンセプトはそのままに、完全オリジナルの物語に挑戦しています。
監督の皆さん、ぜひご視聴ください!
各話、視聴後の余韻はきっと〝ハチナイだ〟と感じていただけるはずです。

原案情報

スマートフォン用アプリゲーム
『八月のシンデレラナイン』(アカツキ)

2021年6月にリリース4周年を迎える「青春×女子高生×高校野球」をテーマにした〝野球型青春体験ゲーム〟です。
プレイヤーは同級生監督として、魅力的な女子キャラクター達を指導・育成しながら、共に〝甲子園〟という夢を追いかけます。
2019年4月にテレビアニメ化され、2021年7月には最新話を加えて再放送がスタートします。

イントロダクション

女子高生の夏葉舞(関水渚)が、夏休みにわけあってアルバイトをすることになったバッティングセンターには、夜になるとなぜか悩める女性たちがやってくる。バッターボックスで球を打つ彼女たちを見つめている謎の男性・伊藤智弘(仲村トオル)は、「スイングを見るだけで、その人がどんな悩みを抱えているのかわかる」といい、その悩みを「野球論」で例えた独自の「人生論」で解決に導いていく。

果たして今宵はどんな悩める女性が訪れるのか?舞と伊藤の不思議な夏が今はじまる!
番組概要

番組名
水ドラ25「八月は夜のバッティングセンターで。」

放送日
7月7日スタート 毎週水曜 深夜1時10分~1時40分放送

放送局
テレビ東京 テレビ北海道 テレビ愛知 テレビ大阪 TVQ九州放送

原案
八月のシンデレラナイン(アカツキ)

出演
関水渚 仲村トオル ほか

ゲスト
第1話:木南晴夏 岡島秀樹
第2話:堀田茜 山﨑武司
第3話:武田玲奈
第4話:深川麻衣
第5話:佐藤仁美
第6話:山下リオ
第7話:板谷由夏
第8話:山﨑夢羽

監督 原廣利(「RISKY」「日本ボロ宿紀行」)
志真健太郎(「LAPSE」「TOKYO CITY GIRL」)
原田健太郎

脚本
山田能龍(「全裸監督」「新聞記者」)
矢島弘一(「毒島ゆり子のせきらら日記」「コウノドリ」)

オープニングテーマ
クリープハイプ「しょうもな」(ユニバーサル シグマ)

エンディングテーマ
クリープハイプ「こんなに悲しいのに腹が鳴る」(ユニバーサル シグマ)

企画・プロデュース
畑中翔太(博報堂ケトル)

プロデューサー 寺原洋平(テレビ東京) 漆間宏一(テレビ東京) 
山田久人(BABEL LABEL) 山口修平(アカツキ) 後藤ヨシアキ(アカツキ)

制作
テレビ東京/BABEL LABEL

製作著作
「八月は夜のバッティングセンターで。」製作委員会

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