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テレビ東京が音楽ストリーミングサービス「Spotify」と共に、ポッドキャスト番組と連動させたオリジナルドラマ「お耳に合いましたら。」を2021年7月8日より放送する。
伊藤万理華演じる会社員の高村美園が、とあることをきっかけにポッドキャストを始め、人気のパーソナリティ目指して奮闘する物語。
本記事では、第4話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。
「お耳に合いましたら。」第4話レビュー
大好きな「チェンめし」を食べまくりながら、ポッドキャストで「好き」について喋りまくる高村美園(伊藤万理華)の物語「お耳に合いましたら。」。
第4話は、いきなり美園が恋人の郁人(井上想良)にフラれてしまうところから始まる。別れを告げられた場所が、北関東一円に展開するハンバーグが名物のチェーン店「FLYING GARDEN」なのが美園らしい。東京には店舗がないので、美園たちはわざわざデートで訪れているのだろう。
「水源」にこだわる郁人に移住を誘われても、今の仕事が好きな美園はとりあわない。目の前のハンバーグに夢中になっているうちにフラれてしまったというわけ。慰めに来てくれた亜里沙(井桁弘恵)に「水に負けた女」とからかわれ、自分の気持ちに整理がつかない美園は「水恐怖症」になってしまう。心がバグっているのだ。
気晴らしに亜里沙、涼平(鈴木仁)と居酒屋とボウリングとカラオケに繰り出すも、効果なし。家の前で会った隣人の紗江子(濱田マリ)に「無心になること」の大切さを教わった美園は、大好きな「FLYNG TIGER」のハンバーグを無心で食べて、ポッドキャストで無心で喋ってみることを決意する。配信を通して「わからなくなった自分の気持ち」を探すつもりだと言う美園。レジェンドパーソナリティのグランジ遠山からは、「難しく考えないで、叫んじゃえ!」とのアドバイスを受ける。なお、グランジ遠山と脚本のまんぼうやしろは、ラジオ「SCHOOL OF LOCK!」で校長と副校長の関係だった。
「泣いたんですけど、泣いてる自分に違和感があって、その違和感を認めたくなくって。でも、こうして喋ったら、素直にイヤな自分を外に出せそうで!」
無心に「好き」なものに打ち込み、無心にアウトプットし続けることで、素直な自分に向き合うことができるのだろう。美園はこれまで目を逸らしていたことに次々と気づいていく。
「私、自分のことばっかりで、私の“好き”、軽い……」
「私の恋愛が幼稚だっただけなのかもしれない」
「“好き”が幼稚だったら、その好きは偽物なの?」
「仕事好き、郁人好き、ハンバーグも好き。でも……その好きがどう違うのか、私にはわからない」
「けれども、今、郁人に“ごめんなさい”ってすごく思ってる」
亜里沙のアドバイスどおり、ハンバーグをおかわりして頬張るたびに、美園からどんどん言葉があふれてくる。普段はチェンめしを食べて、にへら~と笑っていることが多い美園だけど、真剣に自分と向かっているのがよくわかる。「好き」をアウトプットすることには、こんな効用もある。そこには、居酒屋やカラオケで発散するだけでは得られないサムシングがあるのだろう。
(文:大山くまお)
「お耳に合いましたら。」第4話ストーリー
チェンメシ愛を語るポッドキャスト配信を始めた高村美園(伊藤万理華)。突然、彼氏の内山郁人(井上想良)から別れ話をされ困惑する美園は、自分の気持ちに整理がつかないでいた。仕事帰りに亜里沙(井桁弘恵)と佐々木(鈴木仁)を誘い、ダーツや居酒屋、カラオケで発散する美園。その帰り、隣人の高杉紗江子(濱田マリ)と遭遇し悩みを話したことで少し気が晴れた美園は、配信の力を借りて自分の気持ちを探そうと決め…
–{「お耳に合いましたら。」作品情報}–
「お耳に合いましたら。」作品情報
高村美園(伊藤万理華)は、とある漬物会社に勤める会社員。彼女の楽しみはお気に入りのポッドキャスト番組を聴き、会社帰りに“チェンメシ(チェーン店グルメ)”を買って、ひとり自宅で満喫すること。大勢の前で自らを表現することが苦手な美園であったが、「好きなこと」を語るときだけ熱量が溢れる美園の姿を見ていた同僚・亜里沙(井桁弘恵)に、ポッドキャスト配信をやってみることを勧められる。
そして美園はある夜、大好きなチェンメシを片手に、はじめてのポッドキャスト配信に挑戦することに。トークのルールもわからない美園であったが、その気持ち溢れる、実に“おいしそうな配信”が徐々に反響を呼んでいく。そして、会社の後輩で“音オタク”の佐々木(鈴木仁)もそこに加わり、美園は仲間とともに、番組「お耳に合いましたら。」の人気パーソナリティを目指して、成長していく。
出演:伊藤万理華/井桁弘恵/鈴木仁 ほか
監督:松本壮史/杉山弘樹/松浦健志
脚本:家城啓之/大歳倫弘/灯敦生/松本壮史
原案・企画・プロデュース:畑中翔太(博報堂ケトル)
キャストコメント
伊藤万理華(高村美園 役)コメント
主演ドラマ、というのがまったく聞き馴染まなくてドキドキしています。
ラジオレジェンドの大先輩の方々に見守られながら、撮影に奮闘しています。
Spotifyユーザーとして、このドラマを通してポッドキャストデビューできることがすごく嬉しいです!
私が演じる、高村美園の発する拙くも漏れ溢れ出るチェンメシ愛をどうかあたたかく聴き取って、
見守っていてください。木曜日のこの夜が明日のもうひとがんばりに繋がって、
それを終えてから食べるチェンメシはきっと最高に美味しいです。
美園と一緒にそんな楽しい習慣をつくっていきましょう。
お耳チーム一丸となって良い作品にしていきます!どうぞよろしくお願いします。
井桁弘恵(須藤亜里沙 役)コメント
「音声コンテンツ」と「チェンメシ」どちらも身近で大好きな私にとってこのドラマはワクワクで楽しみでしかありません!
伊藤万理華さんが演じられる美園を亜里沙としてサポートしながら、私自身もこの作品を通して一緒に成長できたらいいなと思っています。
音声コンテンツとチェンメシのコラボはもちろん、美園と亜里沙、そして鈴木仁くん演じる佐々木とのほっこりするやりとりも楽しんでいただけると嬉しいです!
鈴木仁(佐々木涼平 役)コメント
佐々木涼平役を演じさせていただくことになりました。鈴木仁です。
後輩やオーディオマニア、他にも涼平の様々なキャラや武器をフル活用して作品の中に入り込んでいければと思います。
特に美園先輩、亜里沙先輩との掛け合いはこのドラマにおいて、重要になってきます。作品の空気感を大切にして、遊びも交えながら真剣に取り組んでいきます。よろしくお願いします。
スタッフコメント
〈原案・企画・プロデュース〉博報堂ケトル 畑中翔太
この企画は、自分自身が小学生の頃、CDコンポを並べてカセットテープに録音していた“自作のラジオ番組”がきっかけで生まれたものです。ポッドキャストなどの音声メディアの浸透とともに、今では「誰もがパーソナリティになれる時代」となりました。主人公の高村美園はごく普通の会社員ですが、ある日ポッドキャストとの出会いから、憧れだった“パーソナリティ”への道を歩んでいきます。それは今の時代、誰しもに起こるようなリアルストーリーだと思います。
そして主人公が配信するテーマ、それは牛丼、ハンバーガー、ラーメン、ピザ、お寿司などなど・・彼女が愛してやまない、魅惑のチェーン店グルメ・通称“チェンメシ”。
これから平日に疲れた木曜の深夜には、伊藤万理華さん演じる美園のほっこりするような「パーソナリティ成長記」と、テレ東ならではの「深夜グルメ」の“異色コラボ”をぜひお楽しみください。
〈プロデューサー〉テレビ東京 寺原洋平
キャンプ、サウナ、車中泊など今までライフスタイル系ドラマを作り出してきたテレビ東京が新しく挑戦するのは、最近まさに注目を浴びている“音声コンテンツ”!そこにテレビ東京が得意とするグルメエッセンスと、20代前半に誰もが経験する「大人の青春」を掛け合せたら、主演の伊藤万理華さん演じる美園がとても個性的でチャーミングなキャラクターに仕上がりました。今後、発表される絶対予想できないSpotifyさんとのメディア連動のパーソナリティ正体も併せて是非ご期待ください!
スポティファイ ジャパン株式会社 音声コンテンツ事業統括 西ちえこ
駆け出しのポッドキャストパーソナリティとして奮闘する女性を主人公にしたドラマというのは、これが初めてではないでしょうか。ポッドキャストはいつでもどこでも無料で楽しめる音声コンテンツで、毎日の生活の中で新しい世界や興味を広げてくれるだけでなく、専用アプリ「Anchor by Spotify」を使えば誰でも自分の考えや物語を簡単に世の中に届けることもできます。音声コンテンツは今かつてない盛り上がりを見せていますが、音声を介した表現方法は様々で、これからもフォーマットに縛られない新しい表現方法が日本のクリエイターによって生み出されていくことに期待しています。ドラマとこれに連動したSpotify上での展開を通じて、音声コンテンツの楽しさをより多くの方に知っていただければと願っています。