<サ道2021>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

国内ドラマ

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テレビ東京はドラマ25枠で、「サ道」の新シーズンを放映する。
出演は、前作に引き続き原田泰造・三宅弘城・磯村勇斗が決定。今回、“ディスタンスと継承”をテーマとし、様々な距離をこえて受け継がれていくものを描く。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・「サ道2021」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

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今や当たり前になった新しい日常に慣れ始めたナカタアツロウ(原田泰造)、偶然さん(三宅弘城)、イケメン蒸し男(磯村勇斗)は自粛していたサウナ生活を再開し、久しぶりにホームサウナである上野の「サウナ北欧」に集まっていた。
レストランで他愛もない話をしていると、ある理由で意地を張り今まで行っていなかったサウナ施設へ訪れたと話すナカタ。そこはアスリートがよく集まり、都内なのにフィンランドのサウナ小屋に出会えた気分になる施設で…。

第1話のレビュー

ロウリュでサウナストーンにアロマ水が注がれたときのジュッという音を聞くと、たまらない気持ちになって、今すぐサウナに行きたくなる。

サウナを知らない人にとっては暗号文のようかもしれないが、サウナ好きの人ならきっとわかるはず。そんな感覚を詰め込んだ、サウナ好きによるサウナ好きのためのドラマ「サ道」が「サ道2021」になって帰ってきた。

原田泰造・三宅弘城・磯村勇斗という出演陣も変わらなければ、コーネリアスによるオープニング曲も変わらないし、彼らのホームサウナ「北欧」も変わらない。うんうん、これでいいんだよ、と思わず頷いてしまう。

しかし、もちろん変化もある。世界はコロナ禍によって変わってしまったが、サウナの世界への影響も大きい。原作者・タナカカツキによる著書『サ道』が刊行された2011年以来、爆発的なブームとなったサウナ。コロナ禍による緊急事態宣言の発出後は、休業や時短営業を余儀なくされたサウナも多い。

サウナでも「黙食」ならぬ「黙浴」が推奨されている。前シリーズでは偶然さん(三宅)を中心に、サウナの中で会話を交わすことの多かった3人。今シリーズではサウナの中で無言を貫く。彼らはサウナと水風呂を行き来した後に訪れるディープリラックス(これを「ととのう」という)の最中、無言のまま「ととのい世界」で会話できるようになっていたのだ!

そんな中、ナカタ(原田)が訪れたのは、東京都文京区にある「東京ドーム天然温泉・スパラクーア」。高温サウナ「オールドログ」でかつて同じ東京ドームシティ内にあった老舗サウナ「サウナ東京ドーム」から継承されたサウナの醍醐味を味わい、フィンランドサウナ「コメカ」では、はるか遠くのサウナの本場フィンランドに思いを馳せる。

今シリーズのテーマは「ディスタンスと継承」なのだそうだ。スパラクーアでいうなら「オールドログ」は「継承」で、「コメカ」は「ディスタンス」。フィンランド人ともサウナで交流を果たした3人は軽々と「ディスタンス」を超え、フィンランドから独自に「継承」した日本式のサウナについても語られていた。今後どのようなサウナが登場し、どのように「ディスタンスと継承」が語られていくのか興味深い。

日本サウナ・スパ協会が認定した日本のサウナ大使はタナカカツキと長嶋茂雄の2人だけ。長嶋は「サウナ東京ドーム」の常連だった。イケメン蒸し男(磯村)が語っていた日本に初めてサウナを持ち込んだ人物というのは、「東京温泉」の創業者で、大物右翼としても知られる許斐氏利である。

※この記事は「サ道2021」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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当たり前になった新しい日常に慣れ始めたナカタアツロウ(原田泰造)。しかしその影響で仕事がなかなかうまくいかず、トラブルが続いていた。数日前も取引先と朝から揉めてしまい、気を晴らすためサウナ激戦区の街の朝から営業している銭湯サウナを訪れることに。
お湯の種類が充実しており、浴室内に音楽が流れ変わった壁画がある施設。いつものようにサウナ・水風呂・外気浴を堪能していると、若者たちが話しながらやってくる。気になって仕方がないナカタが限界を超え、声をかけようとすると…

第2話のレビュー

爆発的なサウナブームの中、満を持して放映中のドラマ「サ道2021」。第2話に登場するサウナは、錦糸町・黄金湯。

いつも温厚なイラストレーターのナカタアツロウ(原田泰造)が、深刻な面持ちで電話している。偶然さん(三宅弘城)とイケメン蒸し男(磯村勇斗)が聞くと、決まっていた仕事がキャンセルになったらしい。コロナ禍で仕事が減って頭を抱えるナカタ。別の日には、文房具店の二代目社長から理不尽な理由でリテイクを食らっていた。筆者はライターだけど、ナカタの気持ち、わかるなぁ。

いきなり偶然さんが「アベノマスク」をしていて笑ってしまったが、今年1月クールの「俺の家の話」では長州力がアベノマスクをしていた(三宅は長州も所属する「さんたまプロレス」の会長を演じていた)。鳴り物入りで大金を突っ込んだアベノマスクだが、もはやドラマの中でしか見ることはない。世の中は理不尽だ。

モヤモヤを抱えたナカタは「サウナイキタイ」(サウナ好き御用達の口コミサイト)で黄金湯を発見。平日の午前中から飛び込んでしまう。銭湯なのだが、サウナもおしゃれで、水風呂も気持ちよさそうで、外気浴もできる。デザインもおしゃれだし、クラフトビールだって飲めるんだから最高だ。雑念だって、仕事の愚痴だって、オートロウリュの音(灼熱のサウナストーンにアロマ水をかける音)がきれいに消し去ってくれる。イケメン蒸し男が「サウナは思考の世界から感覚の世界に切り替わるから」と解説しているが、まったくそのとおりだとサウナ愛好家として思う。

黄金湯のオーナーはもともと別の仕事をしていたが、父親が倒れて実家の銭湯を継ぎ、さらに近隣の黄金湯のオーナーが高齢になったため、こちらも継いだのだという。こういうエピソードを入れるところが、「継承」をテーマに打ち出した今シリーズらしい。

コロナ禍の現在、事業に限らず、良いものを受け継いで後世に残していくことが難しくなっているように思う。みんな今を生きるのに必死だからだ。だけど、力を振り絞って、良いものをさらに良くして、受け継いでいこうとしている人たちもいる。とても心強く感じるし、そういう人たちには協力したいし、疲れたときはぜひサウナでリラックスしてほしいと強く思うのであった。

※この記事は「サ道2021」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

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「サウナ北欧」に集まっているナカタアツロウ(原田泰造)と偶然さん(三宅弘城)は、いつもより機嫌の悪いイケメン蒸し男(磯村勇斗)に遭遇し動揺が隠せないでいた…。
数日後、蒸し男の話を聞くと幼馴染と喧嘩をしていたという。一緒に上京し仕事で競い合っていた最中、突然田舎に帰ると言い出した友人とじっくり二人で話す時間をつくるため、テントサウナへ誘った蒸し男。帰ることにどうしても納得できず引き留めようとするが…。

第3話のレビュー

小山田圭吾がコーネリアス名義で担当していた主題歌が「これまでの一連の経緯を総合的に判断」(テレビ東京による発表)して差し替えとなってしまったドラマ「サ道2021」。

彼の過去の所業についてここで論じるつもりはないが、「サ道」ファンとしては残念の一言に尽きる。とはいえ、安易に他の音楽に差し替えることなく、サウナの効果音だけにしたあたりにドラマ制作側の何らかの意志を感じる。サウナストーンにかかるアロマ水の音が、どこか虚しく聞こえたのは気のせいだろうか。

さて、ナカタ(原田泰造)たちのいるサウナ「北欧」では、イケメン蒸し男(磯村勇斗)が見たことのない荒れ方をしていた。まるで磯村が出演している『東京卍リベンジャーズ』のように啖呵を切って、偶然さん(三宅弘城)の関節を極めてしまう蒸し男。だが、これは「ととのい世界の出来事」。とはいえ、不機嫌だったのは事実のよう。東京で切磋琢磨していた幼馴染のリョウ(藤原季節)が故郷に帰ると聞いて、腹を立てていたのだ。

蒸し男はリョウを説得するつもりで、相模原市の青野原にある野呂ロッジキャンプ場に誘う。ここはテントサウナが設置可能で、汗をかいたら目の前の道志川へ水風呂代わりに飛び込むことができる。サウナーにとっては最高のアウトドアだ。

蒸し男が持ってきたのは、ロシア製のテントサウナ「MORZH(モルジュ)」。マイナス20℃以下の環境でも熱いサウナに入りたいと願うロシアンサウナーの夢を実現した、“世界一熱いサウナ”とも呼ばれる逸品。断熱性の高い3層式の幕とハイパワーな対流式ストーブ、景観を楽しめる大きな窓が特徴で、お値段は約20万円。さすがコンサルの蒸し男、しっかり稼いでるね。

サウナで無駄に張り合い続ける蒸し男とリョウ。けっして褒められたサウナの入り方ではないが、2人にしかわからない世界があるのだろう。故郷の長崎に帰ってから、父親のちゃんぽん屋を継ぐというリョウ。ただ継ぐだけでなく、世界に発展させていきたいと野望を語るのが若者らしい。

話を聞いて「故郷っていいもんだねぇ」と語る偶然さん。アラフィフの偶然さんと20代の蒸し男では、故郷への気持ちもかなり違うはず。若い蒸し男にとって、自分の成長を受け止めきれない故郷はまだ生々しい存在だが、ナカタや偶然さんたちにとって故郷は、すでに失われつつある。だから、蒸し男にとって抵抗感のある故郷も、偶然さんは素直に「いいもんだねぇ」と言うことができる。

サウナは違う道を歩もうとする男たちの溝を埋め、ジェネレーションギャップのある男たちの間だって埋めてくれる。次回は悩めるサラリーマンたちが登場する。

※この記事は「サ道2021」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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雑貨メーカーに勤めるヘルパーさんは、同僚の吉田くんに誘われて以来サウナの魅力にハマってしまう。いつものようにサウナで蒸され水風呂に入っていた時、吉田くんから「会社を辞める」と告げられる…。
“デキる社員”として評判のいい吉田くんの退職に社内の雰囲気が悪くなっていた頃、社員から“デキない社員”と言われ自暴自棄気味の小倉くんを見かねたヘルパーさんはサウナに誘う事に。話を聞いて勇気づけるはずが事態は思わぬ方向に進んでいく…!

第4話のレビュー

サウナへは女性もたくさん通うようになったが、やっぱり“男の世界”という側面が強い。成人男性が集まれば、仕事の話が始まりがち。

『サ道2021』第4話も、サラリーマンたちの仕事の話だった。そういえば、前シリーズの『サ道』にもサラリーマンの話があったっけ(第10話)。

第4話の主役は“ヘルパーさん”と呼ばれるサラリーマン(前野朋哉)。彼は社内のPCトラブルを解決するヘルプデスクの仕事をしている。彼の趣味はサウナ。ホームサウナの「池袋 タイムズ スパ・レスタ」は絶品サウナとして知られている。

ヘルパーさんが勤める会社の業績は悪化していて、社内の空気も澱んでいるが、そんな中、入社5年目の吉田くん(戸塚純貴)が退社して独立することになる。吉田くんはヘルパーさんをサウナに誘ってくれた男だった。

一方、入社10年目の小倉くん(前原滉)は、いまだに企画を通すこともできないでいた。吉田くんが「できる社員」なら、小倉くんは「できない社員」だ。2人を間近で見ていたヘルパーさんは、殻を破るきっかけになればと考えて、小倉くんをサウナへと誘う。小倉くんを演じる前原滉は、長瀬智也主演の『俺の家の話』で彼の元妻の新しい夫を演じていた人。

しかし、それがヘルパーさんの失敗だった。彼はサウナが苦手な小倉くんをサウナ室にとどめ、水風呂にも入らせる。さらに酒を飲みながら、“ソフト説教”をかましてしまうのだ。翌日、小倉くんは欠勤。その後、ヘルパーさんを露骨に避けるようになる。

サウナには人それぞれのペースがある。なにせ100度近くもある空間にいるのだから、どれだけ耐えられるかはその人次第。冷たい水風呂に何分浸かるのかも、そう。他人にそれを強制するのは、一番やっちゃいけないことだ。そもそも、裸でリラックスする空間に、サラリーマンの世界の上下関係を持ち込むなんて野暮すぎる。

「サウナに上下はない。あるのは温度が高めの上段と、温度が低めの下段だけ。人間だって同じじゃないか。偉そうに説教して、何様なんだ。僕がやったのはパワハラだ」

後悔の念にかられるヘルパーさん。月日が経ったある日、小倉くんがサウナに現れる。彼はヘルパーさんに誘われたのをきっかけに、サウナにハマるようになったのだ。さらにヘルパーさんの言葉にファイトを燃やし、素晴らしい企画書を通すこともできた。「できない社員」が「できる社員」へと変貌したのだ。

「人には、それぞれペースがある。きっかけとタイミングで人は変わっていく。自分に一番合うペースで進めばいい」

これもヘルパーさんの言葉。人生とサウナは同じなのかもしれない。脚本は『全裸監督』シリーズや、今クールの傑作深夜ドラマ「八月は夜のバッティングセンターで。」を手掛ける山田能龍。スッキリまとまっていながら、滋味もあるという、さすがの仕上がりだった。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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第5話のレビュー

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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第6話のレビュー

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

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第7話のレビュー

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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第8話のレビュー

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–{「サ道2021」作品情報}–

【作品情報】

全国のサウナー(サウナ好き)にとっての“サウナの伝道漫画”であるタナカカツキ原作『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』(講談社モーニングKC刊)を実写化し、2019年7月期で放送するとSNSを中心に話題となり、その後スペシャルドラマとしても2回放送。さらに、日本サウナ大賞・サウナの魂賞・サウナシュランの3冠を受賞するなど日本全国に多くのサウナーを生み史上空前のサウナブームを巻き起こしたドラマ「サ道」が、レギュラー放送から年末特番、そして大きな話題となったバレンタインデーの特番を経てついに新シリーズへ。
出演者には、前作に引き続き原田泰造・三宅弘城・磯村勇斗が決定。
今回のテーマはディスタンスと継承。
コロナ禍で再認識させられた家族や友人との距離、社会との距離、土地との距離、過去や未来との距離。それらをこえて、受け継がれていくものとは?

出演:原田泰造/三宅弘城/磯村勇斗

原作:タナカカツキ『マンガ サ道』(講談社モーニングKC刊)

脚本:根本ノンジ、竹村武司、山田能龍

音楽:とくさしけんご

主題歌:Cornelius「サウナ好きすぎ」(ワーナーミュージック・ジャパン)

監督:長島翔

プロデューサー:寺原洋平、五箇公貴、手塚公一、伊藤才聞

演出:福田亮介、村尾嘉昭

製作:テレビ東京、イースト・ファクトリー

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