フジテレビ・オトナの土ドラ枠で2021年6月5日(土)にスタートした「#コールドゲーム」。
-45℃の氷河期を迎えた地球を舞台に避難所でたくましく生き抜こうとする人々を笑いあり・涙ありで描く本作。極限の世界でタフに生き抜こうとする主人公の女詐欺師を羽田美智子が演じる。
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
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もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
時は西暦20××年。
隕石落下の影響で地軸が大きく変動し、マイナス45°Cの氷河期に突入した地球。ここ避難所第七支部では、生存者たちが限りある食糧や資源を分け合いながら共同生活を送っていた。
前科二犯の天才詐欺師・祥子(羽田美智子)、息子の大輝(結木滉星)、娘の陽菜(久間田琳加)、夫の隆(やす)たち“木村家”は、支部長の如月(中村俊介)の考えで“家族優先”が徹底されているこの避難所で、ある秘密を抱えて日々を過ごしていた…。
極限状況をたくましく生き抜く人々の世紀末サバイバルストーリー、開幕!!
第1話のレビュー
ここまで突き抜けた設定のドラマは、久々に見た気がする。
舞台は極寒の氷河期を迎えた地球の一避難所。水と電気は確保されていて、避難者たちは物資を集めて防寒具を縫ったり野菜を栽培したり協力してなんとか生き延びている。
…と言えば聞こえはいいけれど、実際は決してそんなきれいごとじゃない。
温度が保たれているとはいえ、標準気温7~8度と寒い避難所。家族は個室がもらえるのでいくらかマシだけれど、独り者は集団の相部屋暮らし。見ているだけで居住者たちのストレスが伝わってきてつらくなった。
中でも一番つらいのはやはり“食”。「缶詰じゃない肉が食べたい」と不満が出たり、ビスケット一枚を家族が奪いあったりする。なお、板チョコは貴重品らしい。(ドラマの公式Twitterによると、この世界では「お値段100万円」の価値があるのだとか)
強烈だったのは、男性が不満解消を要求して「これでどうだ」何枚も万札を出してみせたのに、何の効力もなかったこと。「お札なんて紙クズ。言うことを聞かせたいなら食料持ってないと」と、お金に群がる者は一人もいない。
「稼いできた人生は何だったんだ…!」と嘆く彼の姿は身につまされるものがあった。筆者自身も日々お金を稼ぐために働いてきている。けれど、それが突然無価値になってしまうことだって当然ありうるわけで、そうなったときにどれだけ空しさと悔しさを感じることだろう…と、決して他人事には思えなかった。
しかし、こんな過酷な状況で非常にしたたかに生きている女性がいた。羽田美智子演じる主人公・祥子だ。
生き延びるために手段を選ばない祥子。夫に息子、娘と同じ部屋に暮らしているけれど、明らかに偽装家族だし、家族対抗レースでも平気で卑怯な手を使って周りを出し抜く。
咎められると「弱肉強食の世界ですから」としれっと交わし、一方年老いた女性(おそらく祥子と何か示し合わせている)を気遣って“いい人アピール”もぬかりない。たいしたタマというか女狐というか…である。
詐欺師で前科二犯だという彼女。人をだましたり出し抜いたりするのにそもそもあまり抵抗がないのかもしれないが、決してそれだけではない気がする。不満を爆発させて反乱を起こした男たちに「甘ったれるのもいい加減にしな!」と啖呵を切った彼女からは、生き抜かねばならないのだ…という生半可ではない思いが垣間見えたから。
おそらく彼女はただただ生きるために誰よりも割り切って、そして誰よりも必死なのだ。やっていることは決して褒められないけれど、覚悟を決めているその姿はむしろ潔くすがすがしく思えた。
実際、この避難所は「愛をモットー」と言っているわりには非常にシビア。避難生活に耐えきれず脱走する者を誰も追わないし、反乱を起こした首謀者たちは追放になる。
そう、逃げても反抗しても無駄。もっとつらい世界に追いやられるだけ。だからこそ、ここで耐えて生きるしかないのだ。
-45℃の史上最高に過酷なサバイバルドラマはまだ始まったばかり。極寒の世界でタフに生き抜く女の戦いを毎週ぜひ楽しみに見守っていきたい。
※この記事は「#コールドゲーム」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
避難所第七支部は存続の危機に陥っていた。地熱発電で賄っている電力が不足し、全棟に行き渡らないとして、如月(中村俊介)は節電を呼びかける。黙って従う者、あわてて内緒の電気器具を隠す者など、人々が様々な反応を見せる中、祥子(羽田美智子)は「何か起こる予感…」とつぶやく。
ある夜、発電機がまさかの故障! 避難所は気温が急激に下がり、このままでは全員凍死必至の大ピンチ。そんな中、祥子ら木村家の面々はある意外な行動に出る。
第2話のレビュー
第2話にして、避難所の発電機が故障する絶体絶命のピンチ。つくづく過酷なドラマである。
このまま凍死するしかないのか…というときに、「こんなところで凍え死ぬより、今やるべきことをするの!」と立ち上がったのが祥子。
やはり彼女は生きることへの思いが人一倍強いようだ。普通ならあきらめてしまうところを何かできることをしようとするこの強い精神力と勇気。その姿を見てこれこそがサバイバルに必要なものなんじゃないか…と思えてきた。
他の家族3人も立ち上がり、彼らは発電室で修理をはじめる。ただ、さすがに度胸だけで解決はできず、修理は行き詰ってしまう。
そこに思わぬ助けが登場。乗り込んできたのは保健室の医師。実は彼は医者ではなく、その正体は電気工事屋。凍えて死にそうな病人に注射ができず、替わりに「今やるべきことをする」と気がついた彼が修理して、おかげで避難所に無事電力が戻ってきた。
保健室のベッドで寝たいがため嘘をついていたという医者、もとい電気工事屋。いくらふかふかのマットレスで眠りたいからといって、診察してミスが何かあったら責任重大な医者になりすますってすごいな…と、その熱意に感心するやらあきれるやらだった。
ただ、この避難所で嘘つきなのは何も彼だけではない。偽装家族の木村家をはじめ、ベッド目当てに仮病を装って保健室に来る者しかり、節電が叫ばれる中で電気具を隠す者しかりで、多くの人が何かしら嘘をついている。なので、彼だけが強く責められるかといったら、それはちょっと違う気もしてしまうのだ。
実際、彼らの置かれている環境を見たら、嘘の一つもつかないとやっていけないよな…と思う。いいことではないけれど、ルールをバカ正直に守っていたら、たぶん居住スペースも食べ物も電力も最低限しかもらえない。それを思うと、大変な状況を生き抜くため、ときに嘘も必要かもしれない…と考えさせられた。
そして、嘘をついた電気工事屋が支部長の如月たちに追放されそうになったとき、またも威勢よく祥子が動いた。「家族」が優先される避難所で独り者の支部長が個室で暮らしているのは変な話、それをネタにみんなを焚きつけたらどうなるか…と脅しをかけて追放を止める。
祥子が電気工事屋の彼を庇ったのは、もしかすると如月が言っていたようなまた電気が壊れたときに修理屋がいたほうがいい…という計算もあったかもしれないけれど、それだけではないようにも感じられた。人知れず病人に注射をして救ってもいた彼女。したたかなだけではない、ピンチの際に立ち上がる勇気がある、そして、優しさや人情も持ちあわせた女性であることを信じたいなと思った。
ただ、この2話で祥子の正体がますますわからなくなったのも確か。医療の知識があり注射もできて、詐欺師になる前は看護師だったのか?という謎が出てきた。如月ともただならぬ縁がある様子。一体これまでどんな人生を送ってきたのだろうか?
一つわかっているのは、祥子が生きようとするのは別れた息子と再会するためだということ。
そして、今回ラストに彼女の息子かもしれない少年の姿が見えた。
祥子が望む息子との再会はいつかかなうのだろうか? 彼女のサバイバルゲームはまだまだ続くばかりだ。
※この記事は「#コールドゲーム」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
氷河期を生き抜くため、偽装家族の木村家として第七支部で生活する祥子(羽田美智子)たちだが、避難所内にはある噂が流れ始める。この中に脱獄犯が素性を隠して潜んでいるというのだ。まさか自分たちが疑われているのか…びくびくし始める隆(やす)と陽菜(久間田琳加)だったが、大輝(結木滉星)が隣の教室の家族が怪しいことに気づく。
「まさか、彼らも…?」
不穏な空気が流れる中、騒ぎを鎮めるために如月(中村俊介)は怪しい人物を申告するよう情報提供を呼び掛ける箱を設置。包囲網が狭まる中、祥子はある行動に出る…。
第3話のレビュー
このドラマ、なぜか出てくる食べ物が妙に美味しそうに見える。1話のカップラーメンや板チョコ、2話の納豆、そして、3話ではじゃがいもカレー。深刻な食糧難を抱える避難所が舞台なのに、毎回ちょっとした飯テロ感がある。
と、そんな余談はさておき、避難所ではまたもトラブルの兆し。
第七支部は「家族」が優遇される場所。それだけに、木村家以外にも偽装家族はいるだろうな…と思っていたけれど、「献血」という名目で血液型から偽装家族がいるかどうか確かめる検査が始まり、両親と息子の3人家族・前田家が落ち着かなくなる。
ただし、ふたをあけてみたら、前田家の偽装は木村家とはまたちょっと違う話。実は息子の卓が実子ではなく養子で、卓にそれを知られたくない…というセンシティブな事情を抱えていたのだった。
息子に知られるくらいなら3人で死んだほうがまし…と避難所を出ようとする前田家の母・典子。しかし、そんな彼女に「子どもの命を守るのが親のつとめよ」と祥子は投げかける。さらに、祥子は裏で医者(本当は電気工事屋)の藤岡に検査結果を変えるよう頼み、実質前田家を危機から救った。
祥子の一連の行動からわかったのは、やはり彼女はちゃんと人情のある女性なのだ…ということ。前田家を助けて何かメリットがあるわけでもないのに手をさしのべた。それは、彼女もまた息子をもつ母親で、典子の心情を理解したからだと思う。「嘘ばかりの世界だとしても、親の愛には嘘はないから」と語った彼女。詐欺師で嘘つきだけれど、心の奥にはしっかりと家族を信じる優しさや愛情が存在している。今回そう確信した。
そして、そんな祥子と対照的に「親だって、実の子だからかわいいってわけじゃないし」と家族を否定するかのような思いを吐露したのが、木村家の長女・陽菜。
当初から妙に冷めて何かと頑な様子が見られた彼女。今回卓に対して「(自分を見るのは)気持ち悪いからやめて」ときつい言葉を放ち、さらには「あんたの親が甘やかすのは、実の子じゃないから気がねしてる」と彼の不安を煽る。
陽菜の言葉がきっかけで、前田家では卓が怒って親に物を投げつける騒ぎになってしまう。なので、さすがにこれは過酷な環境でストレスがたまっているとはいえ、陽菜に配慮がなさすぎるのでは…と感じた。
ただ、どうやら陽菜は陽菜で心に傷を抱えているらしい。回想シーンで母親らしき女性から目を背けられていた彼女。察するに親から見捨てられたのだろうか。だとしたら、卓への仕打ちは決してほめられないけれど、家族を信じられない心情は理解できる。日ごろ父親役の隆に何かと突っかかるのも、本当の親に顧みられなかった分、偽装の父に八つ当たりして甘えてるのかな…とその胸のうちがようやく見えた気がした。
今回は、「避難所に脱獄犯がいる」と噂がたつトラブルもあった。ただ、これについては清掃員のふりをして実は警察だった男・黒崎が、1人部屋の老女・椿に殺人(ただし正当防衛)の前科があるのを明らかにして、ひとまず収まった。
ただ、この黒崎、ホルンの中にピストルを隠していて、まだ秘密があるような気がする。ただならぬ目的のためにこの避難所にやってきたのだろうか。そして、ラストに「国木田留美さん」と祥子の本名らしき名前を口にした支部長・如月の動向も気になる。
謎が増えていくばかりだが、サバイバルゲームはようやく3回を回ったところ。すべてが明らかになるまでまだまだ先は長そうだ。
※この記事は「#コールドゲーム」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
「政府のヘリと交信が取れ、我々が避難生活していることが政府に伝わったようです」如月(中村俊介)の緊急校内放送を聞き、喜びの声を上げる避難者たち。如月は優秀な家族を先に救出するはずとにらむ祥子(羽田美智子)だが、そうなると班長である良子(椿鬼奴)の一家が俄然有利だ。
「よし、ここは選挙よ!」
祥子は“班長選挙”を提案し自ら立候補。負けじと良子(椿鬼奴)も名乗りを上げ、なぜか黒崎(篠原篤)も立候補し、避難所全体を巻き込む選挙戦が幕を開ける。
第4話のレビュー
このドラマの飯テロ感の秘密は、配膳係のおかげだとようやく気がついた。
毎回食事を運ぶおじさんがごはんの内容を快活にアナウンスする。おかげで、見ているほうも「どんなごはんなんだろう?」と気持ちが高まって、つい祥子たちの食事に注目してしまうのだ。ちなみに今週のごはんは「栄養たっぷり!チーズつきで~す」のパンだった。
さて、今回のメインイベントは第七支部の班長選挙である。
祥子と現・班長の良子が対決の火花を散らし、当初優勢と思われたのは良子。ただ、彼女にはちょっとした裏の顔があった。実は良子は避難所の食料の缶詰を「ばれないわよね~」とちょこちょこ盗んでいたのだ。陽菜の力を借りて祥子はこの不正を暴き、良子に選挙を辞退するよう突きつける。
祥子たちに抵抗し証拠を奪おうとする良子だったが、祥子と良子がつかみ合う中で思わぬ事実が明らかになった。それは良子の身体のアザ。実は良子は息子から暴力を受けていたのだった。
これまで見てきたかぎり、良子は缶詰を盗む若干の図太さはあれど、決して裏表が激しいわけではなくそれほど悪意もない印象。家族もそれなりに円満に見えたので、深刻な問題を抱えていたのは少し意外といえば意外だった。
ただ、改めて思い返してみたら、つまりは彼女も祥子と同じく生きるのに必死だったんだな…と気が付いた。班長としてかいがいしく働いていたのも、「家族」「愛」が優遇されるこの避難所で、いい人、いい家族として認めてもらい優先的に救助してもらえるようものすごく頑張っていたんだなと。そして、懸命になるあまりに息子にも「いい子」を強要して追いつめてしまったのだろう。
良子が苦しんでいるのを知った祥子は彼女に理解を示す。選挙で対立はしたけれど、やはりそこは同じ母親。良子にかけた「いいお母さんだもの、あなたは」という言葉は祥子の本心だったと思う。実際、良子は家族のために一生懸命かつ避難所のみんなの世話も焼いて、本当によい母親だしよい班長でもあった。祥子の言葉に思わず泣き出す良子。母親二人がわかりあっていくこの場面は、なんとも心にしみた。
その後、選挙の結果に憤る息子に対して、良子はそれまでため込んでいたものを噴出するかのように「殴りたいなら殴りなさいよ!」と言い返し、「いい家族はもうおしまい!」と部屋の中で暴れる。これでよかったと思う。取り繕ってばかりでいるより喧嘩をしても本音をぶつけあえるほうがずっといい。
そして、班長選挙で当選したのは良子でも祥子でもなく、まさかのもう一人の候補・黒崎だった。
避難所の男たちにタバコと酒を渡して大量の票を得た黒崎。登場したときからどうにも掴めない男で、とはいえ元刑事だから何か正しいことのために動いているのでは…とも思っていた。しかし、今回やったことは明らかな不正行為。しかも支部長・如月の力を借りたもので、ある意味如月の子分になり下がったともいえる。そして、如月は新班長になった彼に木村家が偽装家族であるのを伝えてしまった。
自ら始めた班長選挙が裏目に出て、思わぬ敵を増やしてしまったかもしれない祥子。サバイバルゲームは4回裏を回ったが、この先、祥子と他の木村家の面々が窮地に追い込まれやしないか…? まだまだハラハラする展開が続く中、ひとまず見守っていきたい。
※この記事は「#コールドゲーム」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
如月(中村俊介)の思惑通り班長に選ばれた黒崎(篠原篤)は木村家の“秘密”を知らされる。黒崎は隆(やす)を脅して副班長に任命、祥子(羽田美智子)たちを探るよう指示する。 急に黒崎と行動を共にするようになった隆を見て、陽菜(久間田琳加)たちはいぶかしむ。
そんな中、一芸一能を披露して競い合う競技大会の開催が発表される。賞品はなんと牛肉!色めき立つ避難者たちをよそに、祥子は如月には何か狙いがあるはずと考えを巡らすが…。
第5話のレビュー
今回、第七支部では避難所あげての競技大会が開催。
体力テストや知能テスト、一芸一能披露など、居住者たちが思い思いの特技を発表している場面はさながら学校の文化祭のよう。マッチ棒でイヤリングを作った良子や得意のフラフープを本番でポシャってしまう隆の姿はなんともおかしく、演じる椿鬼奴、やす(ずん)らの芸人らしい味が光っていた。一方オペラ歌手のような美声で歌を披露したのは良子の主人。あの歌声はまた聞けたらいいなと思う。
そして、この5話は、木村家の長女・陽菜の心情がより詳細に描かれた回だった。
頭はいいが無愛想で、周りになじもうとしない陽菜。言葉を選ばないストレートな発言で人を傷つけるなど、若干わがままが過ぎるように見えたときもあった。そして、今回彼女は密かに想いを寄せる兄の大輝に「(元の世界で付き合っていた彼女は)生きてる?死んじゃった?」と心ない質問をして、恋人を亡くした過去があるらしい彼を怒らせてしまう。
おそらく陽菜は大輝の過去を知らないし、悪気もなかったと思う。とはいえ、ここは隕石落下で突如-45℃の氷河期となった世界。家族とつらい別れをした人は決して珍しくないはずなので、こういう状況で誰かの生死について軽い調子で聞くのはやはり少々思いやりに欠けているところがあるかな…と感じてしまった。
大輝からそっぽを向かれたことで傷ついていく陽菜。そして、競技大会で不正がバレて他の女子たちと喧嘩になり、一人の女子に水をかけて外に出すというとんでもないことをしでかしてしまう。(-45℃の世界でびしょぬれの人間が外に出されたらすぐに死んでしまいかねず、つまりは殺人未遂に近い行為)
反省のため懲罰室に入れられる陽菜。そこで彼女の過去が映し出された。回想に出てきた陽菜の母親は「あなたのその目を見てるとぞっとする」娘に言い放ち、隕石落下後、陽菜を置いていってしまう。やはり…という感じだった。彼女は親から嫌われていた。人を愛する、誰かに優しくするということをそもそも教えてもらえていなかったのだ。
そして、そんな陽菜の様子を見にやってきたのは大輝だった。彼の前で陽菜はようやく素直になり、「私だって好きでこうなったんじゃない」「もうこんな自分が嫌になった」と泣きそうになる。
そこへ現れたのは黒崎。「事情を聞いたがお前を庇う奴はいなかった。嫌われ者だな」と陽菜に追い打ちをかけるが、そんな彼を大輝は睨みつける。「俺の妹をここから出せ」と黒崎に掴みかかり、あわや懲罰室に入れられそうになる大輝。しかし、そこで如月から連絡が入って黒崎たちはその場を去っていった。
二人になって改めて大輝は陽菜と向き合い、「お前が自分のこと嫌いだとしても、俺は絶対にお前のこと嫌ってないよ」と優しく見つめる。この大輝の言葉はあくまで家族、兄妹としての親愛の情なのかもしれない。それでも、本当の親からすら愛されなかった陽菜にとってはすごくしみるものだったと思う。
懲罰室を出た後、椿の部屋を訪れる陽菜。どうもこの二人の間にもただならぬ縁があるようで、仲よく一緒に焼き肉をつつきながら陽菜は椿に「生きてみたいなってちょっと思った」と打ち明ける。大輝が気にかけてくれるのを知って本当にうれしそうな陽菜。彼女の心からの笑顔をこの5話でようやく見られた気がした。
そして、陽菜のことを思って行動したのは大輝だけではなかった。陽菜を懲罰室から出すよう裏で如月に頼んだのは祥子。隆たちの前では「自業自得。ほっときゃいい」と言っていたが、結局陽菜を見過ごしはしなかった。偽装家族ではあるけれど、ここまで一緒に生活してきた木村家では少しずつ愛情や絆が芽生えつつあるのかもしれない。
コミカルな場面も多くて、若干休憩回という感もあったこの5話。しかし、予告を見ると次回は「ユウト」と祥子の息子と同じ名前を口にする男が登場。5回を回ってぼちぼち後半戦ということで、次回はよりドラマが大きく動き出すかもしれない。まだまだ注目していきたいところだ。
※この記事は「#コールドゲーム」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
救出されるのは優秀な家族だけであり、避難所の家族に優先順位がつけられているとの噂が広まる。競技会でも断トツ1位だった木村家は憎まれている、と良子(椿鬼奴)は祥子(羽田美智子)に警告する。
そんな折、無線が繋がり避難所に救助部隊が派遣されることが確実と分かるが、救出人数はかなり少ないと知った如月(中村俊介)は考えを巡らす。一方、避難所内では謎の暴行事件が連続して発生。
犯人は?動機は?大輝(結木滉星)は黒崎(篠原篤)が怪しいとにらむが…。
第6話のレビュー
急展開。ついに第七支部の歯車が狂いだした。
救出されるのは優秀な家族からと噂が広まる中、木村家に嫉妬と憎しみの視線が集中する。「気をつけないと」と祥子に警告したのは良子。4話以来祥子を「ねえさん」と慕っているので、親切心で言ったのだとは思うが、ただ、ドラマ冒頭で「優秀な家族断トツ1位は木村家」と周りに煽っていたのは他でもない彼女。いや、種まいたのはあんたやん!とツッコミたくなった。
ただ、この救助に関する噂はあくまで噂。真実は違った。政府からの無線で優先して救助されるのは新たな世界で役に立つ技術者と子どもだとわかり、如月たちも困惑を隠せない。
その後、第七支部で大変なことが起こり始める。大工の留吉や医者(本当は電気工事屋)の藤岡ら技術者が次々に襲われ行方不明になってしまう。そして、避難所に不穏な空気が流れる中、一人の男が運ばれてきた。彼は祥子の息子と同じ名前の「ユウト」が山小屋に残っているのを伝える。
それを機に、ついに木村家の長男・大輝が動いた。
「ユウト」を探しに行こうとする祥子に自分が行くと申し出る大輝。そして、その前に自分との約束を果たしてほしい、如月を呼び出してほしい…と祥子に頼む。今回、彼の過去も明らかになった。大輝の恋人の父親は如月のせいで自殺していて、その後恋人も他界。彼は如月への復讐心を抱いて生きてきたのだった。
大輝の希望を聞き入れる祥子。だが、彼女は如月をただ呼び出すだけでなく「殺される」とも伝える。そのため、大輝は黒崎につかまって懲罰室に入れられてしまった。
筆者はこの祥子の行動、如月に幾ばくかの情が残っていて彼を守ろうとしたのか…と当初疑ってしまった。しかし、話が進むと祥子の思いは別のところにあったのがわかった。
大輝は如月を殺して自分も死ぬつもりだった。それを祥子は察していたのだ。だからこそ、そうさせないためにあえて如月に真実を伝えた。
祥子が大輝を助けたかったことは、懲罰室の大輝に差し入れに来た椿の話で明らかになるのだが、これがわかったとき、祥子はこんなにも心の大きな愛情深い女性だったのか…と驚きと感激を覚えた。
「あなたの大好きな兄貴を人殺しになんかさせない。私はあなたたちの母親よ」と陽菜に話していた祥子。実際彼女は前回陽菜を救いだし、今回は大輝を守りきった。偽装であっても家族は家族。祥子の中で彼らはすでに守るべき存在になっていたのだ。「愛こそ生きる希望。その愛が家族にはある」とは如月の語ったなんともしらじらしい言葉だが、これを誰よりも本気で貫いていたのが実は祥子だったのだといまさら気づかされた。
結局自身で「ユウト」を探しに行こうとする祥子。しかし、彼女が極寒の中に飛び出そうとするのを大輝が止めに入った。
大輝を懲罰室から出したのは意外にも黒崎。如月が大輝を消そうとしているのを知って大輝に逃げるように促した。どうやら真に如月の手下になり下がったわけではなかったらしい。実は留吉や藤岡の事故も、黒崎が配膳係の佐藤に手伝わせて仕組んだもののよう(留吉と藤岡は隠れて生きていた)。如月が技術者を消したがっていると察して彼らを守ったということだろうか。黒崎の本心はわからないが、少なくとも悪い人間ではなさそうだとわかってひとまずホッとした。
そして、大輝は改めて「必ずユウトをつれて戻ってくる」と祥子に約束して避難所を旅立っていった。
サバイバルゲームは6回を回って残すところ2話。物語が決着するときが近づいている。果たして祥子は息子と会えるのか? 第七支部のみんなは助かるのか? 正直筆者は、木村家をはじめ極寒の中たくましく生きる避難所の面々にとても親しみがわいてきている。なので、できるなら非情な結末が訪れることなく、みなが助かってくれたら、生き延びてくれたら…と願うばかりだ。
※この記事は「#コールドゲーム」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
祥子(羽田美智子)の息子・裕翔(川口和空)を救うために、決死の覚悟で外界へ向かった大輝(結木滉星)。避難所では、大輝に如月(中村俊介)を狙わせたとして小橋(和田琢磨)が懲罰室に入れられ、黒崎(篠原篤)がその地位にとって代わっていた。
祥子は避難所の前で行き倒れ手当を受けていた山田(福田転球)を問い詰め、山小屋で裕翔が生きていることを知る。襲い来る吹雪の中、なんとか山小屋までたどり着いた大輝だったが、その中には誰もおらず…。
第7話のレビュー
第6話に引き続き、第七支部にどうにも不穏な空気が漂っている。
前回大輝を逃したのは黒崎。しかし、彼はその罪を小橋になすりつけ、如月は小橋を懲罰室に入れてしまう。これはさすがにひどくないか?…と思ってしまった。小橋はここまでずっと如月の太鼓持ちをして、相当尽くしてきたのは間違いない。その如月からこの仕打ち。あまり好感が持てない男だったけれど、小橋がどうにも気の毒になった。
そして、避難所の男性たちも何かおかしい。というか、どう見てもクーデターを計画しているようにしか思えない。これも黒崎の差し金らしいが、彼は如月の前で「あんたと俺が助かればいい」と言っていて、彼の真意が本当にわからずじまいである。男たちは一体何をしようとしているのか。
そんな中、大輝が一人の少年とともに戻ってくる。大輝がつれていたのは祥子の息子・裕翔だった。
意識が戻らない裕翔を保健室のベッドに寝かせた後、祥子は大輝や陽菜の前で自分の過去を明らかにしていく。
かつて祥子は如月と恋をして結婚の約束もしていた。しかし、如月が別の女性に乗り換えて捨てられたため、しばらくして再会したときに彼から大金を騙しとって復讐。その後も、自分と同じように騙された女性を助けて詐欺を重ねてきたのだった。なお、裕翔は如月と別れた後に結婚した男性との間の子どもだが、その夫は飛行機事故で他界したらしい。
祥子が逮捕された経緯も今回明らかになった。一度目は詐欺、二度目は裕翔を連れ戻そうと彼の養父母の家に入った際に捕まってしまった(このときに刑務所で椿と知り合った)。そして、氷河期になったときに一人の刑務官のおかげで刑務所を脱出。裕翔を見つけようと第七支部にたどりつき、如月の命を狙う大輝と協力関係を結ぶ。さらに椿から彼女の孫娘の陽菜を託され、最後に隆を誘って偽装家族として暮らし始めたのだった。
ここまで見てきて、平気で嘘をつく狡猾な一面もあるけれど、決して悪人ではないのが伺えた祥子。なので、過去を知って、そういうことだったのか…とだいぶ納得した。椿から「悪い男を騙すのが楽しくなったんじゃないの?」と言われて悪びれず認めていたので、詐欺稼業をそこそこエンジョイもしたようだけれど、その根っこにあったのは苦しむ人を見過ごせない彼女の優しさと包容力だった。そして、祥子を捨てておきながら「君との思い出は忘れないよ」と言ってのける如月は本当にひどい男。彼の正体もようやくわかった気がした。
何はともあれ、ここに来てようやく息子と出会えた祥子。
しかし、安堵したのはほんのつかの間。ショッキングな現実が彼女を襲った。なんと、裕翔の養母もまたこの避難所に暮らしていたのだ。
保健室で泣き崩れながら裕翔を抱きしめる養母。そして、意識が戻った裕翔は彼女を「お母さん」と呼ぶ。そんな彼らを目の当たりにする祥子。もう見ていてただただやるせなかった。
今回見た限り、養母の女性も確実に裕翔に愛情を注いでいる。この現実を知った祥子は果たしてどうするのだろうか。実の親子でなくても絆や愛情を育めることは、大輝や陽菜を守ってきた彼女が一番よくわかっているはず。もしかすると祥子は悲しい決断をしてしまいかねない…と、今後の展開が非常に心配になってきた。
そして、事態はさらなる急展開。隆が大輝を体育館へ連行し、そこに待っていたのは黒崎と如月。しかも、如月の手には拳銃が握られていた。「話が違う。大輝を連れてきたら穏便にことを収めるって…」と驚いて大輝を庇う隆。そこに祥子と陽菜も駆けつけるが、揃った木村家に如月は「偽装家族のみなさん」と呼びかける。ついに祥子たちと如月は直接対決のときを迎えた。
はたして彼らの運命はどうなるのか? 7回を回ったサバイバルゲームは次回ついに最終回。どうかどうかつらいことにならないでほしい。木村家の4人、そして、第七支部の住人たちの無事を心から願っている。
※この記事は「#コールドゲーム」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
「お揃いですね、偽装家族の皆さん」
祥子(羽田美智子)ら木村家に拳銃を向ける如月(中村俊介)…因縁の2人、最後の対決の行方は?前科2犯の天才詐欺師・木村祥子が仕掛けたトリックをあなたは見破れるか?
そして、ついに避難所に政府の救助ヘリが降り立つ…救助される人数はごくわずか。選ばれるのは誰か?本物の絆で結ばれた偽装家族が迎える結末は…。
思わず初回から見返したくなる、怒涛の伏線回収とどんでん返しの連続!衝撃と感動の最終話!!
第8話のレビュー
怒涛の最終回。さまざまな謎が解け、意外な真実が明らかになった。
ついに全面対決する木村家と如月。如月のせいで大切な人たちが死に追いやられたと大輝は訴え、「最後なんだから教えてあげたら?」と如月に促す祥子。彼女の感じから何かたくらんでいるのが見てとれる。そして、如月は大輝の恋人の父親を騙したと自ら認めた。
この氷河期に自分を捕まえられるものはいない…と勝ち誇って大輝に銃を向ける如月。必死で庇う祥子に「君とはもう一度この世界で生きたかったのに…」と言うあたり、“ぬけぬけと”という言葉がここまでぴったりくる男もそうそういない。
ついに如月は拳銃の引き金を引く。しかし、まさかの空砲に終わり、「そこまでだ」と黒崎が叫んだ。
元刑事の黒崎は、実は氷河期になる前から如月の悪事を追っていたのだった。「騙したのか?」と怒る如月に、彼は「先ほどの自白、確かに聞き届けた」とICレコーダーを掲げ、如月の腕に手錠をはめる。
ここまで真意がつかめず視聴者をどうにもやきもきさせてきた黒崎だが、今回は「たとえ世界がどう変わろうが、自分の職務を全うする」「どんな世界になっても、犯罪は罰せられなければならない!」などかっこいいセリフ連発。思わず拍手を贈りたくなった。そして、抵抗する如月に大輝が飛び蹴りを喰らわせのもスカッとするダメ押し。ちなみに大輝役の結木滉星は、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』でパトレン1号演じた戦隊出身者。さすが元ヒーロー、ほれぼれするジャンプと蹴りっぷりだった。
その後、祥子は、如月の逮捕は自身と黒崎による計画だったことを明かす。祥子の正体を知った黒崎が協力を依頼し、二人は班長選挙のときから仕組んできたのだった。ちなみに男たちのクーデターも如月を追い詰める作戦の一環。こちら、ふたをあけてみれば暴力的被害のないハンガーストライキで、如月が懲罰室に入れられるとすぐに終了したようだった。
一件落着後、救助隊の詳細を聞いた祥子は救出する人選を「公平に選んでもらいましょう」と提案。避難所内に放送をかけ、自分の経歴や偽装家族のことを打ち明けつつ、戸籍や本名など正確な情報を申告するよう呼びかけるのだった。
そして、ついに政府の救出ヘリがやってくる。子どもや技術者を優先した第一次救出者8名に選ばれたのは、木村家の陽菜や祥子の息子・裕翔、そして、なんと隆もである。実は彼のもともとの職業は海洋研究所の研究員。新たな世界のために必要な人材だった。
救出メンバーが決まった後、旅立つ準備が始まる。息子に大量の食料をもたせる良子(缶詰はまたくすねたものだろうか…?)。離れるのを嫌がる陽菜と隆を励ます祥子と大輝。そして、陽菜が部屋を訪れたとき安らかな顔で眠りについていた椿。それぞれがさまざまな形で別れのときを迎えていた。
そんな中、祥子はまたも裏で動いていた。彼女は救助隊員に「小学生の子どもには母親が必要なのでは」と働きかけ、裕翔の養母を救出メンバーに加えさせる。
この祥子の行動、やはり…という感じだった。思い返せば彼女はいつもそう。これまで大輝や陽菜を守ってきたのと同じように、裕翔のために自分ができる最善のこと、養母と彼を一緒に行かせるという一番悲しい決断をした。
結局、裕翔の前で一度も母親と名乗らず、そっと見送ろうとする祥子。けれど、運命の神さまは少しだけ彼女の味方をしてくれた。「ママだよね?」と、裕翔のほうからやってきたのだ。
かつて祥子と暮らした部屋で冷蔵庫に貼っていたマグネットをまだ持っていた裕翔。そのうちの一つを「僕のこと忘れないように…」と祥子に託して彼は旅立つ。ほんの少しの時間だったが、親子が心を通い合わせる瞬間があって本当によかった。これで大丈夫。祥子も裕翔もお互いを忘れないで、いつかまた会うために生きていけるはずだ。
本作は今回がラスト。-45℃の氷河期というかなり突き抜けた設定のドラマだったが、主人公の祥子をはじめとする極寒を生きるたくましい人々は、ときに嘘をついたり他人を出し抜いたりする姿も含めてすがすがしく魅力的だった。生きるため、そして、大切なものを守るために必死な彼らからパワーをもらい、非常に楽しませてもらった。
第一弾の救出者を送り出した第七支部では、また忙しい日々が始まる。ようやく懲罰室から出された如月は、「俺と組まないか」と祥子に持ちかける。またもぬけぬけと…という感じだが、つまるところまだ祥子を好きで未練があるのかも…とも思えてきた。祥子はもちろん取り合わない。そして、新しい支部長を決めることになり、佐藤や卓、黒崎や小橋、如月までもが立候補する中、「面白くなってきたわね…」と微笑んで自分も手を挙げるのだった。
8回を終えたがコールドゲームはこれから。しぶとく生きる祥子たちの戦いはきっとまだまだ続くのだ。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「#コールドゲーム」の各話を1つにまとめたものです。
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マイナス45°Cの氷河期に襲われた地球。
ここ、避難所第七支部では逃げ込んできた数十人がぎりぎりの生活を送っていた。
もはや文明は崩壊し、金や地位は何の意味も持たず、缶詰ひとつ、毛布一枚がなによりも必要とされる、価値観が一変した世界。
人類は、生きたいという本能的な欲望の強い者だけが生き残る極限状態に直面していた。
主人公は、そんな弱肉強食の世界に負けず、どんな手段を使ってでも生き抜くことを決意した前科2犯の天才欺師・木村祥子。たどり着いた避難所はなぜか“家族”優先に運営されており、祥子は寄せ集めの”偽装家族”の母親として過酷な日々に立ち向かう!
絶対に生き延びてやる!祥子が放つ爆発的な生きるエネルギー!
その裏には、生き別れた息子に一目会いたいと願う母の切なる想いが煮えたぎっていた。
キャラ立てハッキリ、あざとさ満載、情には厚くテンポよく。
厳しい人間模様の中にも明るく温かな物語を展開させます。
善人に見える人、悪人に見える人、しかし一枚仮面を剥ぎ取れば、善の裏にも悪が潜み、悪の片隅にも予想外の善が息づいている。
追い詰められた環境の中でこそ現れる人間の本性を、笑い泣きのエピソード満載で描きます。
放送日時
2021年6月5日(土)スタート。毎週土曜夜11時40分~
放送局
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
出演
羽田美智子
結木滉星
久間田琳加
やす(ずん)
篠原篤
和田琢磨
山田転球
椿鬼奴
銀粉蝶
中村俊介
原作・脚本
小松江里子
音楽
中村巴奈重
斎木達彦
主題歌
ファーストサマーウイカ「帰り花のオリオン」
作詞・作曲・編曲:粗品(ユニバーサル ミュージック/ Virgin Music)
挿入歌
神はサイコロを振らない「徒夢の中で」(ユニバーサル ミュージック/ Virgin Music)
企画
市野直親(東海テレビ)
プロデューサー
松崎智宏(東海テレビ)
宮川晶(ケイファクトリー)
演出
千葉行利(ケイファクトリー)
後藤庸介
制作
東海テレビ
ケイファクトリー