<ハコヅメ~たたかう!交番女子~>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

国内ドラマ

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2021年7月7日にスタートした「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」。

戸田恵梨香演じる交番に飛ばされたワケありの元エース刑事と、永野芽郁演じる安定収入を求めて警察官になった新人の最強ペアが繰り広げる、リアルな交番エンターテインメントだ。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話ストーリー

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「警察官にさえなれば一生安泰」そんな安易な考えから警察官になった新人・川合麻依(永野芽郁)は、通称“ハコヅメ”こと交番勤務に配属されて二週間。心身共にキツい警察の仕事に限界を感じ、早々に交番所長の伊賀崎秀一(ムロツヨシ)に辞職願を出すタイミングを狙っていた。

そんな矢先、川合は“問題”を起こして交番に飛ばされてきたという刑事課の元エース・藤聖子(戸田恵梨香)とペアを組むよう言い渡され、辞職願を出し損ねてしまう。飛ばされた理由が“パワハラ”と聞きビビる川合をよそに、藤はパトロール中に早速その能力を発揮!ある“気づき”から、不審な男(モロ師岡)を鮮やかに捕まえて……!?

一方、係長の北条保(平山祐介)率いる刑事課捜査一係では、連続窃盗犯の男・篠原を必死に追っていた。藤の同期・源誠二(三浦翔平)と、そのペアで後輩の山田武志(山田裕貴)、藤の後任で新撰組オタクの新任刑事・牧高美和(西野七瀬)と、個性あふれるメンバーが揃う刑事課捜査一係だが、そこに交番から連絡が。それは、藤が篠原を確保したという一報!実は藤が捕まえた男こそ、刑事課の追っていた窃盗犯だった!

その日、藤と川合はその後も相次ぐ通報に追われて休む暇なく駆け回る。さらに、「今から自殺する」という通報が!それは川合が配属されてからすでに15回は同じ内容で110番通報している常習者・坂本(森田甘路)で……。そして翌朝。ようやく当直勤務を終えた二人の元に警察署副署長・吉野正義(千原せいじ)から招集が入る……。

“交番”を舞台に、藤と川合、最強女性警察官ペアが誕生!!未だかつてない、“お巡りさん”の日常を描く交番エンターテインメントが幕を開ける!

第1話レビュー

戸田恵梨香演じる元エース刑事と、永野芽郁演じる新米刑事のコンビ、爆誕!

元エース刑事の藤聖子は、パワハラ問題で刑事部にいられなくなり交番勤務に移ったという噂。だが新米刑事・川合とのやりとりを見る限り、パワハラをしそうな上司には見えない。

ムロツヨシ演じる交番所長・伊賀崎はこう言っていた。

「藤さん、パワハラするような人じゃないでしょ」
「交番に来たのも、あの事件が関係してるんじゃないの?」

どうやら藤が刑事部から交番勤務に異動になったのは、パワハラではなく、とある事件が関係しているようだ。この辺りも今後明らかになっていくと思うと楽しみでならない。そして関係ないけれど、「藤聖子」って名前は妙に昭和の女優、もしくは演歌歌手っぽい。

そんな元エース刑事・藤と新しくコンビを組むことになったのが、新米刑事の川合。父親の言葉「安定した公務員になれ!」を胸に、公務員試験を受けまくった結果警察官になったという彼女。警察官であることに特別な誇りはなく、物語の初っ端から「辞めたい……」を連呼する有様だ。

確かに、交番勤務のブラック加減を見てると、辞めたくなる気持ちもわかる気がする……。私自身も新卒で葬儀会社に勤めていたことがあり、似たり寄ったりな環境だった。夜中でも休日でも関係なく呼び出しの電話がかかってくる点など、一致している。このドラマを見ていると、苦い過去が蘇ってくる……。

辞職願をポケットに、いつ辞めることを言い出そうかタイミングを図る川合。そんなとき、「自殺してやる!」と何度も虚偽通報をしてくる坂本という男性の件が問題に。通報がある手前、警察官として無視するわけにもいかず、問題が発生するたびに坂本の自宅へ向かうのだが……毎回のごとく本人はケロッとしているのだ。

そんなことが何度も続いたため、いざ改めて例の坂本からの「自殺する!」通報が入ってきたとき、川合はまともに取り合わなかった。ペアとして共に坂本の自宅へ向かった藤は、そんな川合の態度を少したしなめる。

「通報内容にはイタズラや虚偽通報、くだらないものだって多い」
「でも、それに対応する私たちはいつだって本気じゃないとダメなの」

結果、坂本は本当に自殺しようと首を吊っていた。ギリギリのところで助け、病院に搬送する藤と川合。なんとか一命を取り留めたものの……あまりのショックに、川合はとうとうポケットに忍ばせていた辞職願いを提出する。「藤さんがいたから坂本さんは助かった、でも私だけだったらどうなっていたか」ーーこの坂本の一件が、警察官としての責任を重く感じるきっかけになったのだろう。

仕事を始めた当初は、誰だって壁にぶつかるものだ。無知で経験も浅いがゆえに、くだらない失敗をしてしまうことも多い。ミスはただのミスだ、と自分の中で整理をつける場数も少ない。人格まで否定された気になってしまって、「退職」という形で逃げてしまいたくなる気持ちはすごくよくわかる……!

もう辞めようと決意を固めつつあった川合に対し、藤は言う。「警察官なんてみんなしょうもないよ、普通の人間なんだよ」と。

「せめて制服を着てるときだけは、その面構えでいようってだけ」
「川合はその面構えでさえできてないけど、でも、それでいいんだよ」
「警察官の顔をしてない川合だからこそ、できることがある」
「少しずつ警察官になっていけばいいよ」

上司として川合を導く藤の姿を見ていると、とてもパワハラをするような人には見えない。やはり、刑事部でいられなくなる何かしらの事件があったのだ。だって、こんなに理想的な上司はレアでしかない……! こんな人の下でなら、何があっても働ける気さえしてくる。

元エース刑事と新米刑事のコンビ。これからの水10、面白くなりそうだ。

※この記事は「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話ストーリー

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なんとか警察官を続けることになったものの、慣れない当直勤務でパトロール中に助手席で睡魔に襲われる川合(永野芽郁)。藤(戸田恵梨香)は眠気覚ましにと夜の学校で川合を降ろすと、徒歩での見回りを指示する。恐怖におののきながらパトロールする川合だが、そこは源(三浦翔平)と山田(山田裕貴)が絶賛張り込み中の学校荒らしの事件現場で……!?

翌朝、当直明け間近の藤と川合は喫煙していた中学生・優太(南出凌嘉)を補導。交番を訪れた優太の母・咲子(遊井亮子)は、態度の悪い優太を叱りもせずに引き取っていく。川合は、咲子の無関心な態度が優太を生意気にしているのではと思うが……。

一方で川合は、彼氏にもらった大切なイヤリングを落としてしまったという女性・理沙(山口まゆ)にも応対。しかし、彼女の落とし物には予期せぬ展開が待っていた……。

そんな中、藤と川合は刑事課の応援として薬物事件の捜査に駆り出される。川合は源と、藤は山田とそれぞれカップルを装い、薬物使用の疑いがあるホストを尾行するが、デートも尾行も経験のない川合は大パニック。さらに対象を追ってラブホテルに潜入することになり……。

伊賀崎(ムロツヨシ)、北条(平山祐介)が見守る中、被疑者確保の作戦が決行される!

第2話レビュー

麻薬所持・使用の疑いがかかっているホストの男を現行犯逮捕するため、ラブホに潜入捜査する展開に……! 実際のところ、交番勤務でこういった捜査をすることはあるんだろうか。
川合(永野芽郁)と源(三浦翔平)ペア、聖子(戸田恵梨香)と山田(山田裕貴)ペアがそれぞれカップルのふりをして潜入。源とラブホに入ることを嫌がる川合ちゃんを見て、笑いが止まらなかった。源、かわいそうに……!

戸田恵梨香演じる藤聖子の「ミス・パーフェクト」ぶりは、1話に引き続き今回も存分に発揮されている。聖子にとってライバルともいえる源を出し抜くため、わざと山田の気を引き、まんまとホスト男の逮捕に成功する聖子。手口が華麗だし、姿勢も所作も美しすぎる。
そんなミス・パーフェクトとペアを組むことになった川合は、ことあるごとに自分と聖子を比べて落ち込んでしまう。とりわけ、何度か補導されている少年・優太に関する件には考えさせられる川合。公園で喫煙していた優太を交番へ連れていき、母親に迎えに来てもらった。そのとき、川合は優太の母親に対してこう伝えたのだ。

「もう少し気に掛けてあげてください」

しかし優太の母親は、日々の仕事や義父の介護で疲弊しきっていた。母親の背負う苦労の実態は、彼女の義父(優太の祖父)が死に至った段階で明るみに出る。検死のためご遺体を隅々まで観察した聖子が、優太の母親にこう語りかけるのだ。

「長い間寝たきりの状態ですと、普通は床ずれや汗疹ができるのですが、お父様の背中にはひとつの肌荒れもありませんでした」
「よほど小まめなお手入れをされてない限り、このような状態にはなり得ません」
「これまでの献身的な介護、頭が下がります」

聖子の言葉を聞いて、私自身、葬儀社で働いていた過去を思い出した。たくさんの人を見送ってきて、その身体や顔を見、触れるたび、これまで生きてこられた人生を感じたのだ。

綺麗な肌、手荒れした指の節、細くなった足首……。亡くなられた方がいるということは、その方と人生を共にした方や、支えてこられた方もいるということ。故人への尊敬と配慮が顔を覗かせるたびに、そのご家族の方への言葉にできない思いも溢れていく。

亡くなった方を見送る家族へ手向ける言葉として、聖子の語り口や姿勢はこれ以上ないものだったと感じる。さすが、ミス・パーフェクトだ。

そんな聖子の姿を見て、川合は自分を恥じる。聖子は優太の母親に対して深いところまで配慮しているのに、自分は浅いところしか見られていない……。落ち込む川合に、励ましの言葉を向ける伊賀崎(ムロツヨシ)がまた良かった。

「藤くん、ミス・パーフェクトだよ? 経験値、バリ高だよ?」
「それに比べて川合くん、君はレベル1でしょ」
「レベル1の自分なりに、できることをすればいいんじゃないかな」

できる先輩が身近にいると、どうしても自分と比べてしまうものだ。先輩に対する尊敬や憧れの念が強くなるほどに、理想とほど遠い自分を実感してつらくなる。

それでも、自分は自分でいいのだ。「そう割り切れたら苦労しないんだ!」と思ってしまうけれど、何度でも自分に戻ってくればいい。レベル1からスタートした自分に、少しずつでもレベルアップしている自分に、何度でも帰ってくればいい。仕事ってそういうものかもな、と思えた第2話だった。

※この記事は「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話ストーリー

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ペアとして息の合ってきた藤(戸田恵梨香)と川合(永野芽郁)。川合は、藤の期待に応えたいと思い始めていた。
 
そんな中、近所のスーパーで、女が「源刑事(三浦翔平)が来てくれないと万引きする」と言っているという通報が入る。駆けつけた藤と川合にふてぶてしく接する万引き犯の高齢女性・山崎だが、源が到着した途端、態度を急変させて……。川合の知らなかった源の“特殊能力”が明らかに!
 
翌日。川合は有給をとった藤の留守を守ることに。 “同期との女子会”に行くと話していた藤だが、実は一人、何かの捜査をしている様子で……。
 
一方、交番での公務に精を出す川合は刑事課から呼び出しを受け、町山警察署へ。源と山田(山田裕貴)から、女子高生が『知らない男にへんなことをされた』と話していると聞く。署内の女性警察官が出払っているため、初めて一人で被害者に聴取することになる川合。被害者の女子高生・彩菜(畑芽育)は、意外にも落ち着いた様子で痴漢被害について質問に答えるが……。
そして、翌出勤日。町山交番に一人の女性・珠代(茅島成美)が駆け込んでくる。珠代は伊賀崎(ムロツヨシ)の顔を見るやいなや、刑事を名乗る不審な人物から電話が来たと話し出す。さらに、彩菜の事件に予期せぬ展開が…。川合の“ある意外な能力”が試される!

第3話レビュー

川合の才能が開花した回! 本ドラマが始まってこの方、スーパーエリート藤聖子の凄さっぷりがフューチャーされるばかりで、どんどん川合の自尊心が削られていくばかりだ……と心配だった。なんと今回、川合の「似顔絵をつくる力」に焦点があてられる。

きっかけとなったのは、性的被害を受けたとして女子高生が警察に訴えにきた案件。男に路地へと連れ込まれ、身体を触られる被害に遭った彼女。「性的被害の聴取は女性警察官が行うことが多い」という聖子の言葉通り、ピンチヒッターとして川合が女子高生の聴取をする展開になる。

名前や年齢を聞き出した後で、川合は本題へと入っていく。

「どんなことされた?」
「どこを触られた?」
「どっちの胸?服の上から?それとも……」

いくら源たちに「被害状況をしっかり聞き出してこい」と発破を掛けられたからって、ズケズケと聞きすぎだぞ川合! 案の定、女子高生の表情は固くこわばっていき、ついには「もういいです、お姉さんに話したら気が軽くなってきました」と唐突に話すのをやめてしまう。無理もない。ただでさえ思い出したくもないことを、言葉にして伝えなければならないストレスは相当なものだろうから……。

事の次第を知った聖子は川合をたしなめる。「あなたはもっと、覚悟をもって臨むべきだった」ーーその言葉を受け、またもや自信を喪失する川合。しかし、その女子高生を苦しめた犯人の似顔絵をつくる段階で、川合の才能が発掘される。

川合の絵は、決して上手くはない。伊賀崎に頼まれてつくった、高齢者向けの振り込め詐欺抑止ポスターにおいても、なかなかに下手ウマな似顔絵を披露していた。伊賀崎の特徴を絶妙に取り入れた似顔絵で、決して上手くはないが、誰が見ても伊賀崎だとわかるタッチ。その絵を見て聖子はひらめく。川合に犯人の似顔絵を描いてもらえば、逮捕に一歩近づくのではないかと。

仕上がった似顔絵を元に、ひとりの人物が捜査線上に浮上した。犯人を追い詰めるのは次回に持ち越されるようだが、ようやく川合の持ち味が見つかってよかった……と一ファンとして胸を撫で下ろした回だった。

このように、部下の「得意」「持ち味」を積極的に拾い上げ、才能として開かせる機会をつくる指導者の存在はとても貴重だと思ってしまう。まだまだ出そうな杭は打っておけ精神が根付いているように見える日本。聖子のような指導者が増えてくれれば、我が国の未来も明るいな……と遠い目をしながら思いを馳せた。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話ストーリー

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川合(永野芽郁)の描いた似顔絵が手がかりとなり、女子中高生を狙った連続傷害事件の被疑者として安田(北澤ひとし)が浮上。 “特捜”こと特別捜査本部に呼ばれた藤(戸田恵梨香)と川合は、強面刑事の揃う会議に参加するが……。被害者・彩菜(畑芽育)の力になりたいという川合の思いもむなしく、交番勤務の二人は会議後、通常公務に戻されてしまう。
 
そんな中、藤は、道案内を間違えた川合に、管内の地理を頭に入れるように指示。川合は炎天下の中、管内を歩き回る羽目に。

一方、刑事課の源(三浦翔平)と山田(山田裕貴)は、安田のアパートを張り込み。牧高(西野七瀬)と鈴木(渕野右登)は防犯カメラの映像集めに奔走する。
 
一週間後―。捜査の進展が気になる川合は、藤と共に刑事課を訪れる。しかし、そこには先の見えない捜査でボロ雑巾のように成り果てた源たちの姿が……。さらに、肝心の彩菜は事件以来部屋に引きこもったまま、安田が犯人かどうかの証言も取れずにいるという。

北条(平山祐介)の指示を受けた藤と川合は、改めて彩菜の家を訪れるが……。
 
刑事課の応援として再び捜査に加わることになった藤と川合。しかし、安田が犯人である証拠は掴めず、地道で過酷な捜査はゴールが見えないまま、夜が明けて行く……。
そんな中、特捜では、行き詰まりを打破するため、捜査の方向転換が行われようとしていた……!

第4話レビュー

前回に引き続き、性犯罪の容疑者を追う聖子&川合。ふたりが捜査本部の手伝いを願い出るも却下される切ない展開もあったが、熱意が通じたのか捜査に協力できることになった。自分のせいで被害者をさらに苦しめてしまったと責任を感じていた川合にとって、成長できる良い機会になったように見える。

川合の置かれた環境や、川合を支える人たちを見ていると……つくづく、良い上司&先輩はどういった存在なのかと学ばせられる。伊賀崎と聖子の働きが素晴らしすぎて、毎回テレビの前で拍手しそうになってしまうほどだ。名付けるなら「上司力」とも言えるだろうか。

高齢者に向けた詐欺啓発ポスターに載せる似顔絵作成を川合に任せた伊賀崎。その似顔絵を見て、川合の中に眠る似顔絵捜査官の才能に気づいた聖子。性犯罪者を捕まえるため、藁にもすがる思いで川合に容疑者の似顔絵を描かせたことで、犯人逮捕に繋がったーーこのことから、晴れて似顔絵捜査官という新しい役目を担うことになった川合。力を発揮する機会に恵まれなければ起こり得なかった展開であり、その機会を与えてくれたのはふたりの上司だった。

川合の似顔絵の力ももちろんだが、最終的には、被害者を思う川合の気持ちがあったからこそ捜査の進展に繋がった。すっかり心を閉ざしていた被害者。けれど、被害状況ではなく、自身の傷ついた気持ちに配慮してくれる川合たちの思いが通じたからこそ、改めて協力してくれる気になったのだろう。

性被害は深刻だ。そこに大小も強弱もない。性被害は性被害なのだ。「大事がなくてよかった」「無事でよかった」「最悪なことにならなくてよかった」と安易に励ましの言葉をかけることが、どれだけ被害者の心を潰すことになるかーー川合自身も身に染みたのではないだろうか。

川合の成長劇のような様相を呈し始めている本ドラマだが、ついに次回からは、ベールに包まれていた藤聖子の過去が明らかになるのかもしれない。聖子が刑事課から交番勤務に移った本当の理由はなんなのか? それは、川合と関係があることなのか?

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話ストーリー

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夏真っ盛り。相変わらず公務に追われる川合(永野芽郁)は、自分とはまるで別世界で恋愛を満喫する同世代を羨ましく思っていた。そんな中、意外にも藤(戸田恵梨香)のつてで合コンのチャンスが巡ってくる!自分たちが警察官であることを隠し、気合を入れて臨む2人だが……。

なんと、同じ店で別の合コン中の源(三浦翔平)と山田(山田裕貴)に鉢合わせてしまう。史上最高に気まずい合コンがスタート!さらに、2人を警察官ならではのアクシデントが襲う!

翌日、町山交番に高齢の男性・三宅(小野武彦)が駆け込んでくる。三宅は、妻から襲われそうになって逃げてきたと訴える。異変を感じた藤は、川合が担当した聴取に自分も立ち会いを申し出て……。

この日も交番は大忙し。休む間もなく火災の通報を受けた藤と川合は、現場に急行する。しかし、寝不足の川合は突然めまいに襲われ、その場にしゃがみ込んでしまう。その時、川合の前に消火を終えたイケメン消防士・武田(小関裕太)が現れて……!?

憧れの少女漫画のワンシーンのように川合を抱きかかえると、救急車に運ぶ武田。突然川合に運命の恋が舞い降りる!?

第5話レビュー

警察官といえど、川合も藤も女性であり女子である。人並みに恋愛もしたいし、いい人に出会えたら結婚もしたいと考える乙女な二人(とくに川合!)、可愛いかった〜!

恋愛漫画に憧れてイケメンとの出会いを夢見る女子なんて天然記念物モノのように思えるけれど、そんな川合の姿を見ていると自然と応援したくなってくる。藤のツテで人生初合コンに出かけるも、急な招集がかかり途中で退出しなければならなくなり「私たち、警察官なんです」と打ち明けてしまう川合、天然で素直だ。

それにしても、このときに川合&藤ペアと合コンで出会ったSEの男性二人、後になってから「藤ともう一度会いたい」と言ってくるなんて……! 警察官と知っても会いたいと思うあたり、藤にとって春が来る予兆なのではないか?

川合は放ったらかしなのか可哀想に! と思ってしまうが、どっこい。川合は川合で、武田というイケメンと出会う機会に恵まれた。寝不足でしゃがみこんだところをお姫様抱っこで助けてもらうという、まさに夢見た憧れのシチュエーション! 藤のアシストで武田の連絡先をゲットしたり、急接近したり、デートできることになったり……。意外と恋愛のチャンスは近くに転がっているものなのかもしれない。

順風満帆かと思いきや、武田とのデート中に、川合は「とある事」が気にかかり途中で抜け出してしまう。それは先日、交番にやってきた老夫婦の件だった。夫が認知症を患っており、妻がともに暮らしながら世話をしていた。その時の二人は大変ながらも幸せそうに見えたけれども、デートに出かける途中で見かけた様子には何やら不穏な空気が漂っていて……。

心配して夫婦の自宅へ駆けつけた川合は、藤と出くわす。そこには夫婦の姿も。嫌な予感は当たっていたようで、どうやら妻は認知症を患う夫の世話に重圧を感じ、遺書を残してこの世を去ろうとしていたようだ。

「頼ってもいいんですよ」

妻にかけた、藤の言葉があたたかく沁みる。責任を一人で負う必要はないのだと、選択肢を手渡す藤の距離感はいつも優しい。

夫婦の件はなんとか解決したものの、デートを途中で放ってきてしまった川合の問題は解決していなかった。イケメンで優しい武田も、さすがに呆れてしまったのではないか……? 彼の真意は定かでないが、藤たちが探し当てた武田のSNSには、何人もの女性と写る彼の写真が大量に投稿されていた。それもみんな美人ばかり。

「川合も川合で可愛いけど、無謀かもしれないぞ」と諭す源や山田たち。そ、そんな、武田本人に確認もせず簡単に諦めちゃうの……? と筆者はもったいなく思ったが、果たして川合はどうするつもりなのだろうか。

警察官女子の前途は、明るいのか、それとも暗いのか……!?

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話ストーリー

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猛暑の中、休む間も無く働く藤(戸田恵梨香)と川合(永野芽郁)。刑事課の源(三浦翔平)と山田(山田裕貴)も不眠不休で飛び回り、署内の疲労はピークに。そこにタイミング悪く副署長・吉野(千原せいじ)の命令で全員参加のメンタルヘルス研修の招集がかかる。ストレスを解消するためのメンタルケアは、なぜかストレスフルに幕を開ける!
 
翌日。高齢ドライバーの免許更新手続きを対応した川合は、報われない交通課の仕事を悪く言っているところを、交通課一怖いと噂の宮原(駿河太郎)に聞かれてしまう。
 
川合は藤を急かし、逃げるように通報の対応へ。通報内容は、神社にチェーンソーを持った男が出没したというもの。源、山田も合流し、チェーンソー男の制圧ミッションが始まる……!
 
忙しく公務に奔走するうち、すっかり交番の仕事に慣れた川合は、似顔絵捜査でも活躍。尊敬する藤とも息が合い、ペアらしくなってきたことに喜びと自信を感じ始めていた。そんな矢先、藤と川合は交通事故の通報を受け現場へ。事故が大事に至らなかったとほっとする川合だが、藤は路上に転がったタオルケットに気づくと顔色を変える……!

ひよっこ警察官・川合にかつてない試練がのしかかろうとしていた……。

第6話レビュー

山の中にチェーンソーを持った泥酔男が出没する状況にもびっくりしてしまうが、アイコンタクトひとつで危機を脱する藤&川合コンビにも驚いた。

すっかり息が合い、ペアらしくなってきている。川合自身もできることがひとつずつ増えてきた。似顔絵捜査官としても着実に実績を重ねていることからも、自信がついてきたように見える。

しかし、そんな時にこそ苦難は降ってくるものだ。交通事故により、外に投げ出され亡くなってしまった赤ちゃんを目撃してしまった川合。積み重ねてきた自信をすっかりなくしてしまい、しばらく休みをとって実家に帰るとまで言い出した。「川合が決めたことなら、そうしな」と積極的には止めない藤。その脳裏には、誰の顔が浮かんでいるのだろう。

ご遺体を初めて目にした時の、なんとも言葉にできない衝撃は忘れられない。筆者は過去に葬儀会社で働いていた経験があるため、人よりもご遺体を目にする機会は多かった。それにも関わらず、決して慣れるものではない。慣れてはいけないとも感じる。

駿河太郎演じる交通課の宮原が「それが普通だ、俺や聖子みたいなのがイカれてるんだ」と口にするが、その通りだと思ってしまう。慣れる人は慣れていくし、慣れない人はいつまでも慣れない。

だからと言って、慣れない人はその仕事に向いていない、ということにはならないと思う。作中で宮原も言っていたことだけれど、だからこそ人とは違う視点で物を見られるし、より危機感を持って仕事に向き合うこともできる。

当事者だからこそ見えるものがあるし、当事者だからこそ伝えられることがあるのだ。

赤ちゃんを助けられなかったと責任を感じる川合は、真面目で素直ゆえに、この経験をずっと忘れることはできないだろう。頭の中の光景がずっとこびりついて離れないだろう。シートベルトをしない、チャイルドシートをつけない運転者に対して、憤りが増していくに違いない。

でも、それでもいいんだ、だからこそ警察官として一人前になれるんだと、道を開いてくれる人がいる。何度も警察官としてやっていくことを諦めそうになった川合だからこそ、藤や伊賀崎の支えを得ながら、前に進んでいくのだろう。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話ストーリー

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伊賀崎(ムロツヨシ)が藤(戸田恵梨香)の同期・桜(徳永えり)とペアを組んでいたことを知った川合(永野芽郁)。桜について尋ねるが、伊賀崎は曖昧に言葉を濁す。その頃、施設を訪れた藤は、リハビリをする桜に声をかけられずにいた……。
 
そんな中、署員たちに緊急招集がかかる!刑事課に駆けつけた一同の前に現れたのは、なぜか泣いている山田(山田裕貴)と虚ろな表情の源(三浦翔平)。なんと山田が警察手帳を紛失したという!警察官にとって手帳の紛失は致命的。悪用される可能性もある一大事に、吉野(千原せいじ)は警察の威信をかけた徹底捜索を命じる!
 
その夜。藤は、牧高(西野七瀬)から相談を持ちかけられ、川合の部屋に集まる。ペアの鈴木(渕野右登)との関係に悩む牧高の話を聞いた川合は、自分と藤の間には隠し事がないと胸を張る。楽しそうな川合の表情に、藤は複雑な思いを抱える……。
 
翌日。その日は、伊賀崎の妻の出産予定日。伊賀崎が出産に立ち会えるよう協力する藤と川合だが、交番に「男の人に抱きつかれた」という男子大学生が駆け込んでくる。帰りたいのに帰れない!伊賀崎の長い1日が始まる。
 
そして、川合は桜が休職するに至った、ある事件にたどり着く。そこには、藤が交番にやってきた“本当の理由”が隠されているのだが……!?

第7話レビュー

ここまでずっと隠されてきた、ある大きな秘密の正体が明らかになった。藤聖子が町山交番にやってきた本当の理由だ。一話の時点で藤が川合に伝えた「パワハラだ」という理由が嘘であることは、視聴者全員が気づいていることだろう。

その理由は、藤や源たちの同期である桜巡査に関係している。

藤たちの同期として共に公務に励んでいた桜は、公務中にひき逃げに事故に遭ってしまい、半身不随の状態で現在リハビリ中だ。 藤は休日を利用してたびたび桜の様子を見に行ったり、ひき逃げ犯に繋がる証拠を探したりしていた。どうやら、藤は桜のために、未だ捕まっていないひき逃げ犯を見つけようとしているようだ。

それがどうして、川合に言えない秘密となっているのかが、わからなかった。同期のために犯人を探しているのなら、素直にそう言えばいい。事故現場の管轄内にある町山交番へ来れば探しやすいと思ったのなら、その通りに伝えれば川合にも理解できるだろう。

その理由は、あるキーワードをきっかけに明らかになる。それは「守護天使」だ。

とある休日、源から川合へお呼びがかかる。似顔絵捜査官として、似顔絵の特訓をしようという誘いだった。とくに疑いも持たずに馳せ参じた川合だが、「なんでも好きなもの食べていいぞ」とやけに優しい源に対し、少しずつ疑惑の思いを抱き始める。

続けてやってきたのが、源たちの元先輩にあたる女性。彼女の聴取をしながら、とある人物の似顔絵を描いてほしいという。その人物の呼称が「守護天使」だった。

約40分をかけて似顔絵製作に勤しむも、初めて川合は似顔絵を描き上げることができなかった。

その悔しさもあってか、川合は源へ直接「これは訓練じゃないですよね」と問いただす。そして後日、山田と源が会話しているのをこっそり耳にしてしまうのだ。「このことを川合が知らないのはかわいそうっすよ」「薄々思ってるんじゃないですか、藤先輩が川合を囮にして、ひき逃げ犯を捕まえようとしてるって」ーーそう、藤が町山交番にやってきた理由は、パワハラで飛ばされたわけではない。

桜に背格好が似ている川合を囮に、ひき逃げ犯を誘き寄せるため。

これまでの話を総称するなら、確かにその通りなのかも……と思えてしまう。

だけど、落ち着いて考え直してみたい。

川合の身に危険が降りかかりそうになったとき、藤は自分の身を挺して彼女を守ろうと動いていた。今回も、バイクに乗ったヤンキーたちに何かをぶつけられた川合を心配する描写や、軽トラの運転手に話しかけられる川合に注意を促す描写があった(桜を轢いたのは軽トラだった)。

囮として利用するだけ、と割り切っているなら、川合の身に危険が及ぼうとギリギリまで待つのではないか?

一視聴者として、そこまで藤が非道な人ではないと信じたい……。あえて原作を見ずに視聴している筆者としては、続きが気になりすぎて、今すぐにでも原作を買って読んでしまいたい衝動に抗うのに苦労している。

ああ、早く来週の放送が見たい……!

※この記事は「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話ストーリー

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川合(永野芽郁)は宮原(駿河太郎)から、藤(戸田恵梨香)が刑事課から交番にやってきた本当の理由を聞く。
 
3年前にひき逃げされた同期・桜(徳永えり)のために犯人を追っていた藤は、捜査が難航する中、「守護天使が犯人じゃないか?」という伊賀崎(ムロツヨシ)の勘にすがり、一人で手がかりを探してきた。しかし、交番の新任女性警察官を狙って凝視してくる不気味な男・守護天使は、事件後にぱったりと姿を消し、藤の捜査も次第に手詰まりに。そんな時、町山署で現場実習をしていた川合に遭遇。藤は、桜に似ている川合の近くにいれば守護天使がまた現れるかもしれないと思い、自ら刑事課から川合が所属された町山交番に異動してきたという……。
 
藤が真実を隠して自分のそばにいたという事実に混乱する川合。それでもショックを隠し、今まで通りに藤と接しようとするが……。
 
そんな中、生活安全課の応援に駆り出された藤と伊賀崎は、違法風俗店のオーナーが現れる予定のレストランで張り込みをすることに。しかし、客を装った捜査員たちで固めた店内に、事情を知らない源(三浦翔平)と山田(山田裕貴)が偶然にもそれぞれ勝負デートに現れる!全てを察し、捜査の邪魔をしないよう必死に平静を装う二人だが、楽しかったはずのデートは、恥ずかしすぎる公開処刑の場に!さらに、店には何も知らない川合までやってきて……!?

第8話レビュー

違法デリヘル業者を逮捕するため、高級レストランで張り込みをすることになった。藤&伊賀崎ペア、牧高&鈴木ペアなど警察の面々が店内を陣取るなか、なんとプライベートでデートに来た山田と源たち……!

絶対に嫌だ、こんな展開……。

無事に違法デリヘル業者を捕まえることはできたが、急に始まった逮捕劇の勢いに引いてしまったらしい山田&源のそれぞれのパートナーたちは、逃げ帰ってしまった。山田は「こういうのには慣れてるし!」と強がっていたが、こんなことが頻繁にあるなんて不憫すぎる。

一方、自分がおとりにされていると宮原に教えられ疑心暗鬼になっている川合は、聖子との距離感をはかりかねていた。

桜巡査をひき逃げしたと疑われている、女性警察官を狙う守護天使。犯人を捕まえるため、自分がおとりにされている可能性を知ってしまった川合は、自ら聖子に訊ねることもできず悩んでしまう。

明らかに様子がおかしくなった川合を見かねて、伊賀崎が優しく声をかけるシーン。毎回のことながら、伊賀崎はサボりの達人にしては良い仕事をする……!

これまで聖子が自分に優しくしてくれたのは、辞められてしまったら困るからじゃないか。おとりとして働いてくれないと困るからじゃないかーーそう不安を口にする川合に、伊賀崎は言う。そんなことはないはずだ、これまで接してきた聖子を見ていたらわかるはずだ、と。
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モヤモヤとした気持ちを抱え続ける川合だったが、しばらくタイミングが合わず聖子との公務にあたれなかった間、思い出すのは彼女のことばかりだった。何をするにも、聖子から教えてもらったことが頭をよぎる。それほど聖子が日頃から自分のことを思い、色々と教えてくれた証だと痛感した川合は、少しずつ自分の中で整理をつけていったのだろう。聖子に対する思いを。

場所は変わり、銃を手に抵抗する被疑者を前に、同じく銃を構えながら相手と対峙する聖子。川合・源・山田を背に、「不安を感じている市民の人たちと、大事なペアっ子の命、私の残りの人生を賭けるにはこれで十分」と啖呵を切るシーン、カッコ良すぎた……!

身を挺して川合を守った聖子。ようやく自分の言葉で、桜巡査にまつわるすべてのことを話した。ひき逃げ犯についての資料が詰められた箱のこと。たまたま見かけた川合にピンときて、犯人を捕まえる目的で町山交番に異動を希望したこと。川合にとって、事前に宮原から聞いていたことではあるけれど……本人の口からしっかり聞かされると、また込み上げてくるものがあるに違いない。

川合は言う。聖子がそれに対し申し訳なく思うなら、その倍以上に「ペアになって良かった」と思ってもらえるような警察官になる、と。

きっと川合と聖子は、お互いが思っている以上にもう立派な「ペア」だ。聖子にとって、川合は「趣味:川合」と言われるくらいに常に思いやっている部下だし、川合にとっても聖子はなくてはならない存在になっている。

ひき逃げ犯を捕まえるため。二人が出会うきっかけになった事件はいつまでも消えないけれど、二人の関係性はこれからもどんどん更新される。仲間たちが犯人逮捕のため一丸となった今、目的が果たされる日も近いかもしれない。守護天使は、案外すぐ近くにいるかもしれないのだから。

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第9話ストーリー&レビュー

第9話ストーリー

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川合(永野芽郁)が作成した似顔絵によって再び動き出した桜(徳永えり)ひき逃げ事件の捜査。とはいえ、簡単に進展があるはずもなく、一週間が経過する。
 
そんな中、鑑識検定上級の資格を持つ藤(戸田恵梨香)と源(三浦翔平)は、車上荒らしの被害車両の鑑識作業にあたる。川合にわかりやすく教えるため、ベテラン鑑識長と新任巡査になりきる藤と源。次第に謎の鑑識コントがツボにハマる川合と伊賀崎(ムロツヨシ)だが……。
 
そんな矢先、隣の村川署から、守護天使の似顔絵に似た男が現れたという情報が!果たして守護天使の正体とは…!?3年越しの事件の核心に迫る最終話!

第9話レビュー

聖子と源の鑑識コントシーン。普段なら単純に面白く見られるのだけど、今回で最終回だと思うと妙に感慨深くなってしまうから不思議だ……。こういう茶番を急に始めても息ぴったりであること、同じ資格を取得していることから考えても、なんだかんだ仲が良いんだよなあ、このふたり。

そんなこんなしていたら、ついに守護天使の正体が浮かび上がってきた。

桜巡査がひき逃げされてから数年。長い間なにも進展がなかった事件が、川合の似顔絵で再び動き出した。改めて、川合の似顔絵捜査官の手腕はすごい……!

この機を逃してはならないと、捜査に奔走する川合たち。川合はまた源とコンビを組み、ひき逃げに使われたと思われる軽トラの所有者・清水農園へと向かう。

清水農園の長と話していると、何やら要領を得ない。言っていることが二転三転する。よくよく深掘りしてみると、廃車にしたと思われていた例の軽トラはまだ現存しているとのこと。車の処理は木村さん(=守護天使)にすべて任せてしまったらしい。

少しずつ核心に近づいていく川合たち。緊張感も増していく。ついにあの守護天使に、ひき逃げ犯である可能性の高い木村という男の元に行き着いたーー普通の刑事ドラマだったらもっと緊迫感が漂ったのかもしれないが、そこはハコヅメクオリティ。源のTシャツ姿といい、川合の天然な居住まいといい、絶妙にコメディチックである。

とうとう木村を追い詰めた! と思えたシーンで、なんとギリギリのところで逃してしまう川合と源。後から現場へ急行していた聖子・山田は焦り出すが、同乗していた伊賀崎の冷静な一言で木村の逃げ場所を突き止めた。伊賀崎は、この近くで自殺の名所とされている場所を知っていたのだ。

「申し訳ないことをした、死んで詫びます」と主張し、橋から飛び降りようとする木村に対し、伊賀崎は言う。また逃げるのか。家族から逃げ、借金からも逃げ、そして今度は死んで逃げようとするのか……と。

「逃がさないよ。あんたには、生きて償ってもらうから」と冷静に告げた伊賀崎の目。桜巡査に対する思いの強さ、やっとここまで来た感慨、さまざまな感情を受け取れる佇まいだった。

逮捕後、木村は全面的に容疑を認めた。桜巡査がずっと希望していた「髪を伸ばしてスカートを履いて集まる同期女子会」も実現! 治療もひと段落し、現在は週一のリハビリのみになっているという。木村逮捕をきっかけに、すべてが丸く収まろうとしていた。

しかし、桜巡査は今後、警察官には戻らないという。

退官願を出しに警察署までやってきた桜巡査。決心は固いようだ。止めなくてもいいのか、せめて一目会わなくてもいいのかと焦る川合を尻目に、聖子は「これから公務だから」と、とりつく島もない。川合、いったいどうするのかと思いきや……なんと、桜巡査が待つ部屋の扉前に立ち、聖子の悪口を言い始めた!?

予告で見た「このマウンテンメスゴリラ〜!」はこれだったのか!

川合はどうしてこんなことしてるんだ??? とギリギリまで意図が掴めなかった。しかし、聖子への悪口に腹を立てた桜巡査は、思わず扉を開け廊下へ飛び出してくる。たまたま居合わせた聖子とはちあわせ、あれよあれよという間に桜巡査はなんと警察官を辞めることを撤回したのだ。

「女性警察官なら大切な人からの励ましとかより、同性の後輩への怒りの方が強い原動力かなって」

川合の粋な計らいにより、桜巡査は再び警察官として戻ってくることになった。いつになるかはわからないけれど、待ってくれている仲間がいることが、彼女にとっての力になるのではないだろうか。

まさに笑いあり涙あり。肩の力を抜いて見られる絶妙な交番コメディだった。

もう川合&聖子ペアのやりとりを見られないのか……と思うと寂しいが、今日もどこかで町の治安を守ってくれてるのだと思うと、笑顔になれる。ありがとうハコヅメ!

※この記事は「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」の各話を1つにまとめたものです。

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(文:シネマズ編集部)

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–{「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」作品情報}–

「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」作品情報

出演:戸田恵梨香、永野芽郁、三浦翔平、山田裕貴、西野七瀬、平山祐介、千原せいじ、渕野右登、ムロツヨシ

脚本:根本ノンジ

チーフプロデューサー:加藤正俊

プロデューサー:藤森真実、田上リサ(AX-ON)

協力プロデューサー:大平太

演出:南雲聖一、丸谷俊平、伊藤彰記

制作協力:AX-ON

製作著作:日本テレビ

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