金曜ドラマ枠では、2021年7月9日より放送開始した「#家族募集します」。主演は重岡大毅(ジャニーズWEST)、ヒロインに木村文乃、共演に仲野太賀、岸井ゆきのという豪華実力派俳優陣を迎え、性格も価値観も違う男女4人+子ども3人が一つ屋根の下で暮らす新時代のホームドラマを展開する。
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
ーーー
「cinemas PLUS+」コミュニティメンバー募集中!
もっとラフに好きな映画やドラマについて語りたい皆さま、お待ちしてます。
会員機能の登録はこちら↓
もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
主人公の赤城俊平(重岡大毅)は、ある事情で3か月前にシングルファーザーになったばかり。5歳の息子・陽(佐藤遙灯)を育てながら、児童図書を扱う小さな出版社「エッグプラント」に勤め、育児と仕事に追われる日々を過ごしていた。
そんな中、幼馴染の小山内蒼介(仲野太賀)と偶然再会。ワンオペ育児に悩む俊平の事情を知った蒼介は、SNSで家族を募集し、子育てをシェアして一緒に暮らそうと突飛な提案をする。そんな募集に誰も乗るわけがないと呆れる俊平だったが、その夜、蒼介の携帯に1本の電話が…。かけてきたのは、5歳の娘・雫(宮崎莉里沙)を育てるシングルマザーの教師・桃田礼(木村文乃)だった。さらに、夢を追い続ける子持ちシンガーソングライター・横瀬めいく(岸井ゆきの)も6歳の息子・大地(三浦綺羅)と共に転がり込んできて…。
第1話のレビュー
初回から号泣してしまった。
妻を3ヶ月前に亡くし、息子の陽と2人で暮らす俊平。児童図書を扱う小さな出版社「エッグプラント」で働きながら、育児と家事に追われていた。そんな時にたまたま再会したのが幼馴染の蒼介。ルームシェアできる人間を探していた蒼介は、俊平の事情を知り、一緒に暮らして子育てをシェアしようと言い出す。
まともに取り合わない俊平だったが、蒼介は大真面目。「#家族募集します」のハッシュタグをつけてSNSに投稿してしまう。すると本当に蒼介のもとに電話がかかってきて……。
お弁当を食べながらウトウトとしてしまうぐらいに疲れているのに、俊平は息子の陽の前ではいつもニコニコしている。ただ、俊平は陽に母が亡くなったことを言えずにいた。少しずつ重ねていく嘘。その懺悔もできずに、申し訳なさが俊平の中に積み重なっていく。
ひとりで頑張らなければ、と思っているのは蒼介に「子どもを預かってほしい」と電話をかけてきた礼も一緒だった。蒼介がまた利用してほしいと言っても「人に甘えるとクセになるから」と頑なだ。まあ……パッと見、蒼介怪しげだし、というところはある……。
でも、子どもを見ていると、俊平も礼も本当に、ものすごくがんばっているのが分かる。七夕に「ママともっと遊びたい」と願う礼の娘、雫。ママのこと大好きなんだなあ。
保育園に迎えに来た俊平のもとに笑顔で駆け寄ってくる陽。
ああ、自分ががんばれる以上にがんばって、子どもたちがハッピーに暮らせるようにと日々を過ごしているんだな、と。
がんばっているからこそ、自分の中にいろんな感情が積み重なっていく。それが吐露できたことで俊平は少し救われたんじゃないだろうか。笑顔から泣き崩れていく表情に観ているこちら側も涙腺が決壊した。
何より、蒼介の適当な感じと場当たり的な行動力、思い込みの激しさ、でも無邪気に優しいところが俊平にそうさせたんだろう。再会してくれてありがとう、蒼介……。
そしてこういう役をやるとめちゃくちゃハマるのが仲野太賀なのである……。なんだろう、あの「しょうがないな~」と意味もなく思わされる感じ。あと、たまに無邪気すぎて相手をムッとさせるのも本当に絶妙。
礼役の木村文乃さんとは「コントが始まる」では姉弟役だったが、今回はどのような絡みを見せてくれるか楽しみだ。
シングルマザー、シングルファザーのみならず、小さい子どもを持つ親が周りに頼りづらいというのはやはり社会における課題のひとつのように思う。だけど誰かを頼ると、それに伴って気持ちをすり減らす部分もあるわけで……。そういった部分にどのように切り込んでいくのかも興味深い。
個人的に役者・重岡大毅を初めて観たのが2014年の「ごめんね青春!」。高校生役を演じていた彼がパパかあ……とついしみじみとしてしまった。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
蒼介(仲野太賀)がSNSに投稿した「#家族募集」を見てにじやにシングルマザーの横瀬めいく(岸井ゆきの)とその息子の大地(三浦綺羅)が転がり込んできた。早速の同居者登場に慌てた蒼介は、俊平(重岡大毅)と礼(木村文乃)をにじやに緊急招集!みんなで一緒に夕食を食べることに。
しかし、シンガーソングライターを目指しているというめいくは、超自由奔放!あまりにマイペースな態度に蒼介はイライラが止まらない。俊平は、「ここに来たのには何か事情があるのでは」と蒼介をなだめるが、蒼介のめいくに対する不信感は募るばかり…
そんな中、めいくが大地をにじやに残し、突然の失踪!?銀治(石橋蓮司)によると、ギターケースを担いでひとり出かけて行ったという……しばらくしても戻らないめいくに対し、蒼介は「子どもを捨てた!」と怒りを露わにする。俊平は、いつになく苛立っている蒼介と、何か訳ありな様子のめいくが気になって……
第2話のレビュー
あかん、これ毎週泣かされるやつ!
「にじや」で一緒に暮らすまではいかないけれど、少し心の壁が下がった俊平と礼。
そんな「にじや」に「#家族募集」を見てシングルマザーのめいくとの息子・大地がやってくる。
マイペースなめいくに蒼介はワタワタ。さっそく俊平と礼を呼び出して相談を持ち掛けるが、自由奔放なめいくに蒼介は苛立ちを隠せない。さらに翌日、めいくはギターケースを担いで店を出て行ってしまう。蒼介は「子どもを捨てた!」と怒るが……。
蒼介がめいくに苛立っていたのは、かつて自分を置いて出て行った母親と重なったから。だからあんなに早くからイライラしていたのか……(とは言え、大地の前で騒ぐのは大丈夫かしら、と思ってしまうが)一方、俊平と礼は意外と落ち着いている。根拠はないけれど、2人は心のどこかでめいくに対して「置いて出ていくはずがない」と信じていた。
親としての俊平と礼。母親に置いていかれた子どものころの自分がまだ残っている蒼介。
俊平と礼だって、子どもを置いてふいっといなくなるなんてありえないというのはわかっている。自分だったらそんなことはしない。けど、俊平と礼は、何もかも忘れてひとりになりたい、という気持ちもわかるのだ。礼は実行には移さないけれど、思ったことがあるのは認めていた。だから、めいくの気持ちが分かったし、戻ってくる、と信じていた。
俊平がめいくを迎えに行ったのは、陽に背中を押されたこともあるだろう。それだけじゃなくて、自分が信じたことを確かめたかったのかもしれない。だからめいくが「離れてなくても離れられたくない」と言ったときにホッとしたような笑顔を見せた。怒りもしなかった。
そして礼も、「にじや」に戻ってきためいくを怒らなかった。ただハグをして「おかえりなさい」。もしかしたら、礼もそんなふうに誰かにハグしてもらいたい、言葉にせずとも、「大丈夫だよ」「一緒にいるよ」というメッセージを欲しかった日があるのかもしれない。そう思うと無性に泣けてくる。大変な日、辛い日、腹立たしい日。そんな日々を礼はどれだけひとりで飲み込んできたのだろう。
めいくの路上ライブでのシーンもすごく良かった。ただ、King Gnuの井口理さんがいるのすっっっごく気になる……! どんなライブをするのかちゃんと聴かせてくりよ、頼む!!
しっかり、2週続けて泣かされてしまった『#家族募集します』。
次回はついに俊平が陽に母が亡くなった真実を伝えるようだ。ああもう絶対に泣いてしまう……。と、早くもソワソワしていたら、3週お休み!! そんな!! 第3話は8月13日だそうです!
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
めいく(岸井ゆきの)と大地(三浦綺羅)親子が暮らし始めて賑やかになった“にじや”。 なんだかんだ言いつつも、俊平(重岡大毅)と礼(木村文乃)も頻繁ににじやに顔を出すようになっていた。蒼介(仲野太賀)は、俊平と礼に、改めて「ここで一緒に暮らそう」と提案!しかし、礼は「誰にも頼りたくない」と蒼介の申し出をあっさり却下。一方の俊平も、みどりと一緒に住んでいた家を引き払う気にはなれず、にじやに住むことをためらっていた。
俊平は妻・みどり(山本美月)が亡くなったという事実を、息子・陽(佐藤遙灯)に伝えることができず、思い悩んでいた。そんな俊平の思いを汲み取ったにじやの面々は、お節介な蒼介を筆頭に、それぞれの方法で俊平に寄り添うことに。
“家族”の優しさに背中を押され、俊平は陽に向き合おうと心に決めるが……
第3話のレビュー
3週間ぶりに泣かされた。
めいくと大地親子が暮らすようになり、ますますにぎやかになっている「にじや」。
そんな中で俊平はいまだ陽に妻・みどりが亡くなったと言えずにいた。みどりの母親からも、職場の上司からも、そして蒼介にも「陽に真実を告げたほうがいいのではないか」と言われてしまう。
もちろん、俊平も分かっている。しかし、これは自分が決意しなければならないこと。周りが相談に乗るという言葉にも、きっかけを作ろうか、という申し出も断る。
「ひとりで考えるから」
この言葉は周りからすると寂しいものだ。必要ない、と言われているようなものなのだから。
それでも、「にじや」の面々に背中を押されて決意を固める。礼は、自分だったら踏み込まれるのは嫌だから、とアドバイスもしないし、相談にものらない。でも、児童心理学の専門書などをまとめていた。
「曖昧な言い方をせずに、真実を伝えたほうがいい」
ただ感情的だったり、「こうしたほうがいい」という常識的な行動を勧められても気持ちは動きにくいもの。誰かが自分のために調べてくれたことも、それが専門家の推奨することならば。最終的に礼の行動が俊平の心を動かした。
陽もずっとかえってこない母親に対して、なんとなく予感はしていたのだと思う。子どもは親が思っているよりもずっと敏感だ。抱き合って「これからはたくさんママの話をしよう」と誓い合う俊平と陽。最後、大人たちに肩車をされていた子どもたちが、月に向かって「おーい!」と呼びかけるシーンには目頭が熱くなる。
礼の娘・雫が蒼介を「家族」と言ったように、きっとそれぞれがかけがえのない存在になっていくのだろう。
陽へ真実を打ち明けた俊平。しかし、俊平の感情が爆発したのはひとりきりの自宅でだった。みどりとの写真を抱きしめ、声を上げて泣く俊平。
もしかしたら、陽に伝えることで、俊平もみどりの死を受け入れなければならなくなってしまったのかもしれない。自宅にはまだみどりがいるような気がする、と言っていた。陽にみどりが亡くなったことを伝えなければ、もしかしたらひょっこり帰ってくるのではないか。わかっている。大人だから、みどりが帰ってこないことを。でも、陽に告げたことで受け入れざるを得なくなった。もしかしたら、俊平は初めてちゃんと、さよならができたのかもしれない。本当の意味で乗り越えられるのはまだ少し先かもしれないけれど。
そして、俊平と共に礼親子も「にじや」に引っ越すことを決意。にぎやかになるであろう「にじや」でこれからどんなことが起きるのだろうか。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
ついに正式に俊平(重岡大毅)と礼(木村文乃)も「にじや」で暮らし始め、大人4人と子ども3人の和気あいあいとした暮らしがスタート!
蒼介(仲野太賀)は「にじや」に活気を取り戻すため店内を改装。めいく(岸井ゆきの)はバイトを始めたりと、それぞれが新しい一歩を踏み出していた。
そんな順風満帆な「にじや」に大事件が勃発!?
蒼介がそのままにしていた「#家族募集します」の投稿を見て、強面で威圧的な黒崎徹(橋本じゅん)と8歳の娘・いつき(板垣樹)が突然「今日から入居したい」とやって来たのだ! しかし、すでに「にじや」は満員で、新たな同居人を受け入れるスペースがなく…。
高圧的に迫る黒崎に毅然と反論する礼。一方で、いつきの寂しそうな表情が気になる俊平たち。ちょっとした意見の食い違いから、礼と俊平たちの間に小さな亀裂が生まれてしまう…。
そんな気まずさをどうにか修復しようと、俊平は礼とコミュニケーションを取ろうと奮闘! すると、礼には思わぬ秘密があることが発覚して…!?
第4話のレビュー
次から次へと!
「にじや」で暮らしはじめた俊平親子と、礼親子。同居においてのルールを決めたり、交代でそれぞれのお弁当を作ったり。順調に同居生活がスタートしたと思っていたら、そこには新に入居希望者が現れる。
とは言え、すでに「にじや」は満員御礼。単純に蒼介が家族募集の投稿を消し忘れていたゆえに起きたミスである……蒼介、本当にそういうところ!
しかし、訪れた親子は何やら意味ありげだ。娘のいつきが家族募集の投稿を見つけ、行きたいと言ったようだった。父親の黒崎はシングルになってから3ヶ月程度。しかし、込み入った事情があって、と詳しい話はしない。
込み入った事情があるのは礼も同じだった。今回、礼はまだ離婚していないことが明らかになった。つまり、別居状態ということだ。離婚に踏み切れないのは自分の判断が正解なのかどうか、迷っているから。
さらに、黒崎親子の加入を巡って、めいくと話をしているうちに悩みが深まる。すべての判断は自分のワガママによるものなのかもしれない……?
そんな礼に寄り添おうとするのが俊平だ。真面目で真っすぐな俊平の態度に礼の心もほぐれ、普段は見せないような笑顔をこぼす。それを見て、ニヤニヤするのが蒼介とめいくだ。もしかしたら、俊平と礼がいい雰囲気だと思っているのかも……?
子どもがいるけれど、他人から見たら、男女がひとつ屋根の下で生活しているということになる。周りから訝しがられる可能性も大いにある。たしかに難しい形だ。下宿でもないし、ルームシェアというには距離が近すぎる。しっくりくるのがやはり、「家族」なのだが……。
俊平にもし、礼でなくても別に好きな女性ができるのはよいことかもしれない。ただ、俊平はまだ心の整理がついていないようにも見えて少し心配だ。「にじや」での生活が楽しいと感じれば感じるほど、親子3人で暮らしていた部屋が懐かしくなる。恋しくなる。3人で過ごしていた時間はまだあまりにも鮮明なのだ。もしかしたら、「にじや」での生活のほうが彼にとっては非日常的なのかもしれない。みんなで助け合っていることで、心身的に負担は減っているだろう。それでも、俊平の心の根っこの部分を考えると、どうしても心配になってしまう。
第5話のラストではいつきが家出をして「にじや」へやってくる。父親である黒崎がいつきの面倒を見ないというよりは、いつきのほうが黒崎に対して塩対応な気もする。この親子には一体どのような問題があるのか……。ちゃんと互いに話ができない人同士には、周りのおせっかいがやっぱり必要なのかもしれない。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
「この家の家族にしてください!」と、突然一人で「にじや」にやってきた黒崎(橋本じゅん)の娘・いつき(板垣樹)。家出には何か理由があるはず…と察した俊平(重岡大毅)は、一晩だけいつきを預かりたいと、黒崎に直談判をすることに!すると黒崎親子が抱えた複雑な事情が見えてきて……?
一方、蒼介(仲野太賀)は、「にじや」を盛り上げるため、礼(木村文乃)とめいく(岸井ゆきの)ら総動員で、「にじやフェス」なる1日限りのお祭りを開催する計画を立てていた。それを聞いた俊平は、黒崎親子の仲を取り持つための、ある秘策を思いつく!
そして「にじやフェス」当日、俊平は作戦を実行!
予想外のゲストが現れ、「にじやフェス」は意外な展開を迎えることに……!?
第5話のレビュー
橋本じゅんさんの真顔、迫力があるなあ、とドキドキの第5話。
ひとりで「にじや」にやってきて家出してきたといういつき。一晩だけ預かれないかと俊平はいつきの父親・黒崎の元を訪れる。
俊平は回を追うごとにおせっかい度が増しているように思う。まるで、自分が関わった人たちは幸せになってほしい! とちょっと意地になっているようにも見える。
黒崎の元を訪れると、いつきの母親が海外へ行っていること。そのため、離婚して長く会っていなかったいつきを預かることになったことがわかる。
黒崎はいつきが嫌い、というわけではなく、単純にどう接したらいいのかわからないのだろう。いつきからしてみても、ずっと会っていなかった父親と暮らすとなっても困るだろう。自分は父親にも母親にも愛されていないんだと思ってしまっても仕方がないのかもしれない。
そんな事情を察した俊平は、「にじや」を盛り上げるための「にじやフェス」に黒崎を招待する。最初は気まずそうにしながらも、いつきと一緒にフェスの手伝いをはじめる。黒崎も全否定ではない。いつきとわかり合える機会があれば、逃したくないのだ。職場での黒崎の様子も描かれているが、「優しくする」という行為が苦手なのだろう(職場では完全にパワハラでは? と心配になるが)。
それでも、いつきが笑顔でみんなと楽しんでいるのを見て笑みがこぼれる。その瞬間を写真に収める蒼介(ファインプレー!)。この写真が父と娘の和解のきっかけになるのだった。
さらに「にじやフェス」には礼の夫・芳樹も。人当たりのよい芳樹だが、礼と俊平がイイ感じだと思っていた蒼介とめいくのほうが動揺する。やっぱり俊平には、まだそういった気持ちはないと思うんだが……。礼と芳樹、娘の雫が仲睦まじい様子を見て、俊平は自分たちの過去に思いを馳せているのでは? 人の気持ちって簡単なようでいてめんどくさいものだ。もし、礼に惹かれる気持ちが今後出てきたとしても、俊平が受け入れられるのだろうか? というところも気になる。
一方、礼は「にじや」で過ごすうちに、頑なだった心がほぐれてきたようだ。ついに、芳樹との正式な離婚を決意。礼のほうは俊平に惹かれていない、わけではない……?
そんな礼の新しいスタートに触発されたのがめいく。次回はめいくが「恋がしたい!」と言い出し、また波乱の予感? そしてKing Gnuの井口理氏が再登板で個人的にはワクワクが止まらない!
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
正式に離婚を決意したことを、俊平(重岡大毅)や蒼介(仲野太賀)ら、にじやの家族に報告した礼(木村文乃)。すると、思わぬ余波が……なんとめいく(岸井ゆきの)が、礼の新しいスタートに触発され、「恋がしたい!」と言い出したのだ!
さらに、早速“恋のお相手候補”として、音楽仲間のナオト(井口理)をにじやに連れてきたため、俊平たちは大混乱!ナオトを囲む和やかな食事会のはずが、黒崎(橋本じゅん)や銀治(石橋蓮司)まで参戦して、まるで家族面談のような緊迫した雰囲気になってしまい…!?
一方、みどり(山本美月)が海外で取材の際に使っていたボイスレコーダーとスケッチブックを見つけた俊平は、亡き妻に思いを馳せていた。ボイスレコーダーでみどりの生き生きとした声を繰り返し聴いているうちに、俊平はみどりが遺した思いに気付き──。
第6話のレビュー
「にじや」がどんどん、家族らしくなっている気がする。
離婚を決意した礼。夫も礼の気持ちを尊重し、離婚が成立する。
それを知っためいくからなんと「恋がしたい」宣言が。離婚する=自由の身=誰とでも恋ができる! ということらしい。礼にも「誰と恋したっていいんだよ」と言っていた。
礼や俊平はそう簡単に恋をする方へ気持ちが向くわけではないが、めいくは違う。さっそく、恋のお相手候補として音楽仲間のナオトに白羽の矢を立てる。1日に2回、偶然会ってしまったからなんだろうけれど、「恋がしたい」からすぐに「あの人いいかも! 好きになっちゃうかも!」という気持ちは分からなくない気もする。若いときにはそんな恋の始まり方もある。
めいくはさっそく、ナオトをジャッジしてもらうために「にじや」に連れていく。「にじや」の面々はナオトを「めいくの恋の相手」として見ているので質問が鋭い。「子どもは好きですか?」なんて質問はかわいいほうで、「収入は?」「将来の展望は?」とそんな突っ込んだことを初対面の相手に聞かないでほしい……。
ただ、めいくとしては、恋がしたいというよりは息子の大地に父親がいてほしいという気持ちが強かったらしい。父親がいないからできないこともある。しなくてもいい苦労もあるだろう。めいくなりに、大地のことをいろいろと考えていたのだ。大地はどちらかというとクールで無口なタイプなので母親にもなかなか気持ちが伝わりづらいのだろう。ナオトの登場によって、大地がちゃんと自分の気持ちを伝えられたのはよかったのかも。
それにしたって不憫なのはナオトである。突然「にじや」に連れてこられて、保護者たちからの面接というより、尋問。黒崎と銀治に睨まれたら言わなくていい過去の罪を白状してしまいそうである……。
あと、黒崎が「にじや」になじんできているのがほほえましい。この調子で娘のいつきとの距離も縮まっていくといいんだけれど。
一方、俊平は妻・みどりが取材のときに使っていたボイスレコーダーとスケッチを発見。ボイスレコーダーで聞くみどりの声に涙をこぼす。どうやら、それらは次の絵本の構想メモだったようだ。
ボイスレコーダーの最後に残っていたのは、たくさんの「さよなら」。しかし、「さよなら」は別れの意味ではなく、「再会の約束」なのではないか。俊平はみどりの想いを形にすることを決意する。
ところで、ボイスレコーダーの音声はバックアップ取っていますか……ハラハラする……。
–{第7話ストーリー&レビュー」}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
妻・みどりの思いを胸に、新しい絵本を作ることに決めた俊平(重岡大毅)。みどり(山本美月)が残したボイスメモからアイデアの欠片を集め、新しい絵本の構想に思いを巡らせていた。
一方、にじやは子供たちの夏休み真っ只中!
黒崎(橋本じゅん)がみんなで旅行に行こうと提案するも、蒼介(仲野太賀)はお店、めいく(岸井ゆきの)はバイトがあるため、全員での旅行はやむなく断念…。
すると、なんといつき(板垣樹)が「お父さんと2人で行きたい」と言い出し、黒崎は戸惑いながらも初めての父娘二人きりの旅行へ行くことに!
さらに、俊平と陽(佐藤遙灯)、礼(木村文乃)と雫(宮崎莉里沙)も4人で海に出かけることが決まり、それぞれの“家族旅行”へ出発!
一方、お留守番の大地(三浦綺羅)も、秘密の夏休み計画を立てていて…?
しかし、それぞれが夏の思い出作りを楽しむ中、思いがけないトラブルが発生。
特別な1日は思わぬ方向へ──。
第7話のレビュー
幸せな団らんにまた泣いてしまった。
夏休み中の「にじや」の子どもたち。子どもたちとしては「にじや」で過ごしているだけでも特別な時間だが、黒崎は旅行を提案。
(そういえば、先週も黒崎は「みなさんでどこかへ出かけないんですか」と聞いていた)
そんな中、娘のいつきは「お父さんと2人で行きたい」と言い出す。こういうときにどんな顔をすればよいのかわからない黒崎パパがいとおしい。
そして、俊平親子、礼親子も4人で海に出かけることに。めいく親子と蒼介は留守番だが、めいくの息子、大地は何か楽しい企みをしているよう。
海に到着した俊平たちはさっそく大はしゃぎ。一番はしゃいでいるのは俊平である。
一緒に暮らしているのもあって、礼親子と4人でいると本物の家族みたいだ。礼も笑顔が増えた。
離婚を決意し、吹っ切れたのもあるだろうが、俊平の前では特に笑顔が多い。頑なだった心をほぐしてくれたのが俊平だったからだろうか。
そんな4人の前に現れたのは、黒崎親子。もちろん偶然ではない。黒崎があらかじめ俊平に行先を聞いていたのだ。いつきと2人きりだということに、不安がいっぱいだったのだろう。不器用な人である。
いつきのほうがなんだか大人だ。おかげでだんだん黒崎の表情がほぐれてくる。
6人で写真を撮ろうとしたときも、大地が寂しがるかもしれないから、と別々に撮ることを提案していた。もしかしたら、こんなふうにどこででも気を遣って過ごしているのかもしれない。そういえば、「にじや」に初めて来たときも、ささやかなプレゼントを持ってきていた。
そういう優しさに、黒崎パパがもう気づいてくれているといいのだけれど。
一方、「にじや」に残った大地は銀治をひとり占め。お散歩いったり、銭湯に行ったり、お店の手伝いをしたり……楽しそうだけれど、大地はもちろん、銀治の穏やかな表情になんだか切なくなってしまう。
そして、蒼介とめいくも、大地を銀治に預けて、カラオケへと繰り出す。
それぞれで満喫する夏休み。みんなで一緒にいられないのは少し寂しい。でも、そんな寂しさも家族になった証拠だ。大人たちには、生きていれば辛いこと、悲しいことが少なからずある。そんな傷も、「にじや」にいることで癒しているようにも見える。
なんだか、ずっとは続かない、「にじや」が「人生の休憩所」のように見えるのは、夏の終わりの物悲しさがそうさせるのだろうか。
楽しい1日が終わろうとしていたころ、俊平のもとに大地から電話がかかってくる。
それは、銀治が倒れたという知らせだった。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
旅行中の俊平(重岡大毅)と礼(木村文乃)の元に、大地(三浦綺羅)からの電話が。それは、銀治(石橋蓮司)が倒れたという知らせだった──
ちょうど出かけていた蒼介(仲野太賀)とめいく(岸井ゆきの)に代わり、電話で大地に指示を出す俊平と礼。そしてふたりは、急いで東京に戻ることに。
帰宅した蒼介たちと、知らせを受けた黒崎親子も駆けつけ、病院に集まったにじやの“家族”。俊平たちは、銀治の“本当の家族”に連絡を入れるべきではないかと思案する。しかし、銀治は今まで家族について頑なに口を閉ざしていたため、全く情報がなく連絡先もわからない…そこで俊平たちは、SNSを使って銀治の家族を探すことを思いつく……!
すると、「銀治の家族だ」と名乗る女性(ヒコロヒー)が突然にじやにやって来て──。
第8話のレビュー
シンプルに、「家族ってなんだろうなあ」と考えさせられる。
銀治が心筋梗塞で倒れた。旅先で大地から連絡をもらった俊平と礼は、事情を聞きながら救急車を呼ぶ。そしてそのまま岐路へ。
同じく旅行中の黒崎にも連絡をする俊平。礼は、遅い時間だから、と一度は俊平を止める。が、俊平は「家族だから」と言ってメッセージを送った。旅先での親子水入らずの時間も大事だ。でも、すぐに知らされなかったら、きっと辛い。
銀治はしばらく入院。蒼介を中心にみんなで「にじや」を切り盛りすることになる。そうだ、大人たちも夏休み中だった。「にじや」はランチタイムも盛況。俊平や礼、何より黒崎が一番楽しそうだ。初登場時のピリピリした空気が嘘のよう。一度「威厳のあるオトナ」になってしまうと、素直とか無邪気になるのは難しい。そんな頑なな心をほぐしたのも「にじや」という場所なんだろう。
しかし、気になるのはやはり銀治と、銀治の家族のこと。銀治にもしものことがあったら。家族について話そうとしない銀治に、蒼介たちは、SNSで家族を探すことに。それは……このご時勢になかなか危険では? と思うが、投稿を見た銀治の家族だと名乗る女性が店にやってくる。
明かされたのは、蒼介も知らなかった銀治と家族の過去。絶縁状態の息子夫婦。息子が銀治に輪をかけて頑固なせいで、きっかけをつかめないまま時間が過ぎてしまった(石橋蓮司さんの息子役に宇野祥平さんってナイスキャスティングでは……)。でも、できればまた一緒に暮らして「にじや」をやっていきたいという思いはある。
蒼介は、俊平たちに銀治の家族がやってきたことを言えない。銀治には家族を取り戻してほしい。でも、それは今の家族の解散を意味する。互いをわかり合い、子どもたちの仲も深まりつつある。ひとり親同士の俊平たちにとって、今の状態は心身ともに余裕が持てるとてもよい状況だ。
何より、蒼介はやっと手に入れた自分の家族だ。
自分が黙っていれば、俊平たちも知らないまま、銀治の家族の関係修復に進展もないだろう。ただ、蒼介はその事実を黙っていられるほど、冷たい人間ではないのだ。
ただキャベツを切っているだけのシーンが蒼介の苦悩を深く描いていた。当然、ほかの3人も蒼介の異変に気がつく。
さらに、黒崎の元妻で、いつきの母親が予定を早めて帰国するとの連絡が入る。もともと黒崎といつきが一緒にいる時間は限られていた。このまま、「にじや」での家族の時間は終わるのか。
新しい家族の形と、これまでの家族の形。どちらを選んだとしても、間違いではない。優先されるのはそれぞれの幸せだ。
–{第9話ストーリー&レビュー}–
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
突然涙をこぼした蒼介(仲野太賀)。蒼介がひとりで何かを抱えていることを察した俊平(重岡大毅)は「今度は自分が話を聞く番だ」と屋上で蒼介に語りかける。すると蒼介は、銀治(石橋蓮司)の見舞いに一緒に来てほしいと言う。2人が病院へ向かうと、そこには銀治の息子の妻・久実子(ヒコロヒー)の姿が。銀治と家族が疎遠になった事情を知り、蒼介がそのために思い悩んでいたことを理解した俊平。銀治の家族の問題を解決したい思いはあれど、それは同時に銀治の家族がにじやに戻ってくることを意味していた。そうなれば、礼(木村文乃)やめいく(岸井ゆきの)、黒崎(橋本じゅん)とのにじやでの暮らしは終わってしまうのだ……
にじやに戻り、“家族”たちに全てを打ち明ける俊平と蒼介。礼とめいくは戸惑いを隠せない。それぞれの思いが交錯する中、ついに銀治の息子の達也(宇野祥平)と久実子がにじやにやって来る。さらに、黒崎の元妻・黛倫子(平原綾香)もいつきを引き取りに現れて…!?
突然の来訪者たちに困惑しながらも、それを機に、それぞれが自分たちの問題と向き合うにじやの“家族”たち。そして彼らは、未来のためにある選択をすることに──
SNSの「#家族募集」から始まった“家族”が、最後に選ぶ答えとは……?
第9話のレビュー
「にじや」はやっぱり人生の休憩所だったのかもしれない。
銀治が倒れたことをきっかけに、蒼介は息子の妻・久実子と会う。また銀治と一緒に暮らしたいこと、「にじや」をやっていきたいこと。銀治の家族の仲を修復したいが、それは自分たちの家族の解散を意味し、蒼介は悩む。
でも、話をすれば、みんなの意見は一致するのだ。
「にじや」で過ごした時間に気づけたもの、手に入れたもの。
とくに俊平と礼は「がんばらなければ」と張り詰めていた糸が緩んだことで、少し心に余裕ができた。なにより、いざというときに頼れる場所、帰れる場所ができた。それが2人にとって大きいのだ。
大きな決断が迫られていた中、現れたのがいつきの母で黒崎の元妻・黛倫子。急きょ、帰国を早めたという倫子にいつきも黒崎も戸惑う。母の帰国は父と娘の夏休みが終わるということだから。
あんなにぎくしゃくしていた2人が別れを惜しむ。「もう会えないの?」といつきが涙ぐむ。こんなシーンを見せられたら泣くに決まっているじゃないか。むしろ、この物語は黒崎といつきが絆を取り戻すためのものだったんじゃないか、と思ってしまう。
そもそも、離婚の一因は黒崎の仏頂面もあるだろう。いつもピリピリしていて頑固。素直になれずに衝突。倫子もおとなしく引き下がるタイプにも見えない。いいですね、戦っていきましょ。……とやっていた結果、離婚につながったようにも見えるが、もしかしたら、これからいつきの存在がふたりの関係を変えていくことになるのかもしれない。
いつきが変えたのは自分の両親の運命だけではない。倫子にめいくの歌を聴いてほしいとねだり、今度は親子3人の帰り道でめいくの歌を歌ってみて、とねだる(めいくの歌に「にじや」での時間が詰まっているからアーティストの倫子に伝えるには十分である)。その様子を黒崎に動画に撮らせてネットのアップ。めいく自身が歌った動画もバズッてレコーディングへ……って最高の流れでは?
「にじや」は解散したけれど、それぞれの絆は変わらない。
蒼介は再びカメラマンの道へ、礼は教育の新しい形を模索し始める。俊平は妻・みどりの2作目の絵本を完成させる。そして会社で大きなプロジェクト専門だった黒崎は住宅部門へ。「新しい住宅を作ってみたくなったんだ」ってカッコよすぎでは……?
家、家族がテーマであると同時に、「帰る場所」が大きなキーワードだった本作。家や家族が帰る場所になるとは限らない。でも、「帰る場所」を作ることはできる。そんなシンプルなことを教えてくれたような気がする。
そしてそれぞれの今後も見てみたい気がする……できれば子どもたちが成長して、思春期ぐらいをベースのお話も観たい! きっと4人は特別な絆で結ばれたはずだから。
→目次へ戻る
(文:シネマズ編集部)
ーーー
「cinemas PLUS+」コミュニティメンバー募集中!
もっとラフに好きな映画やドラマについて語りたい皆さま、お待ちしてます。
会員機能の登録はこちら↓
–{「#家族募集します」作品情報}–
「#家族募集します」作品情報
TBSでは、7月期の金曜ドラマ枠(毎週金曜よる10時)で、オリジナルストーリーの『#家族募集します』を放送する。
主演に重岡大毅(ジャニーズWEST)、ヒロインに木村文乃、共演に仲野太賀、岸井ゆきのという豪華実力派俳優陣を迎えて送る本作。それぞれに悩みや秘密を抱えるシングルファーザー&マザーたちが、ひとつ屋根の下で子育てをしながら共に過ごし“家族”になっていく姿を描く、新時代のホームドラマが誕生する。
主人公の赤城俊平(重岡大毅)は、ある事情で3か月前にシングルファーザーになったばかり。5歳のひとり息子の子育てに苦戦する中、偶然再会した幼馴染の小山内蒼介(仲野太賀)がお節介な思いつきでSNSに投稿した「#家族募集します」という突飛な募集に巻き込まれてしまう。蒼介は自身が働く古びたお好み焼き屋「にじや」を立て直すため、「にじや」の2階の空き物件で共同生活をして家賃収入を得ようと考えていたのだ。そんな募集に誰も乗るわけがないと呆れる俊平だったが、「#家族募集します」のSNS投稿をきっかけに、ちょっと堅物な小学校教師のシングルマザー・桃田礼(木村文乃)と、夢を追い続ける子持ちシンガーソングライター・横瀬めいく(岸井ゆきの)と出会い、大人4人+子ども3人でひとつ屋根の下で暮らすことに。
性格も価値観もバラバラな7人がどのようにして“家族”になっていくのか。一風変わった同居生活を通して、新しい“家族のカタチ”をお届けする。
脚本は、ドラマ『山田太郎ものがたり』(2007年)、『カンナさーん!』(2017年)などを手掛けたマギー。オリジナル脚本で、“家族とは何か”“家族といる時間の大切さ”をハートフルに描く。
出演:重岡大毅/木村文乃/仲野太賀/岸井ゆきの/金子大地/小松和重/福山翔大/丸山礼/佐藤遙灯/宮崎莉里沙/三浦綺羅/山本美月(特別出演)/石橋蓮司
脚本:マギー
音楽:河野 伸
主題歌:ジャニーズWEST「でっかい愛」(Johnny’s Entertainment Record)
プロデューサー:佐久間晃嗣、岩崎愛奈・那須田 淳
演出:福田亮介、村尾嘉昭
製作:TBSスパークル、TBS