2021年7月4日から放送されるTBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」。鈴木亮平が主演を務め、中条あやみ、賀来賢人、菜々緒、小手伸也、佐野勇斗、石田ゆり子、要潤と豪華キャストが集結している。
「TOKYO MER」=「Mobile Emergency Room」で、文字通り動く救命救急室が描かれる。
本記事では、第3話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第3話レビュー
5日連続で東京都の新型コロナウイルス感染者が1000人を超えた7月18日。この日「TOKYO MER」では、今なお最前線で戦う医療従事者に敬意を払った内容が放送された。
看護師でシングルマザーの蔵前(菜々緒)が娘のあおい(北平妃璃愛)を保育園に送り届ける場面からスタートした第3話。これまで言及されていなかったが、今回のドラマはコロナ禍という設定のようで、医療従事者である蔵前が他の保護者からいわれなき差別を受けている様子が描かれた。
理不尽な扱いに顔をしかめるTOKYO MERのメンバーたち。そんな中、品川樹(川島潤哉)が6歳の娘・日葵(加藤柚凪)を人質に立てこもる事件が発生し、彼らは現場に直行する。そこには犯人に包丁で腹部を刺され、重傷を負った女性が。その女性は酷いDV夫だった品川から逃げてきた日葵の母だったのだ。
しかも、一型糖尿病を患っている日葵はインスリン注射を打った直後に食事を摂らないまま人質に取られ、低血糖で発作をおこしてしまった。ただでさえ、犯人が拳銃を所持している危険な現場に緊張感が走る。そんな状況で立ち上がったのが、娘を思う母の想いに共感した蔵前だった。
蔵前は一人で血糖値を上げるブドウ糖を持って、日葵の元へ。アレルギーであるアーモンドが含まれるチョコレートを与えられ、アナフィラキシーショックを引き起こしていた日葵は隙を見て突入した捜査一課特殊犯捜査係(SIT)に無事保護される。しかし、たまたまつけたテレビの報道でそのことを知った品川は逆上。SITのメンバーである中野(濱正悟)が撃たれ、再び蔵前が人質に取られるという最悪の状況に陥ってしまった。
警察上層部が自分たちの面子ばかりを守ろうとする中、蔵前の勇気ある行動に心動かされ、人命救助のために一体となっていく現場。映画並みのスケールで描かれるスリリングな展開に、手に汗握る。
そんな中、東京都知事・赤塚(石田ゆり子)が放った「職業、性別、年齢。そんなものは関係ありません。みんな同じ命です。全ての命を守るのがMERの使命です」という台詞にハッとさせられた。
人々の安全や命を守っている警察官や医療従事者たちにも一人ひとり、大切な人がいて、大切に思う人がいる。それでも今回のように、凶悪犯に立ち向かっていかなければならない時があるかもしれない。コロナウイルスだけでなく、いつ命を脅かされるような感染症にかかってしまうかもわからない。
そんな状況下で、彼らは日々戦っていることを私たちは忘れてはいけない。犯人確保後、SITのメンバーが蔵前に向けた敬礼はこのドラマから全ての医療従事者に送られたものだろう。
医療従事者の健闘、権力との対立、報道規制。日本が直面している数々の課題を1時間に詰め込み、うまく着地させた“日曜劇場”スタッフ・キャストの手腕に唸る回となった。
「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第3話ストーリー
凶悪犯が重病の少女を人質に立てこもる事件が発生!
繁華街に飛びかう銃弾…現場に急行したTOKYO MER・喜多見幸太(鈴木亮平)は、少女に薬を渡さないと命に危険があると主張するが、メンツを気にして口を出すなという警察と対立する。
発作の危機が迫る少女の命を守るため、看護師の蔵前夏梅(菜々緒)は自ら身代わりを志願する。娘を育てるシングルマザーの夏梅には、少女を救いたいという強い思いがあった。しかし、そんな中、犯人は夏梅に発砲する!激しい銃撃戦の極限状態の中で、命をあきらめない喜多見は最前線での緊急オペを決行する!
(文:苫とり子)
–{「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」作品情報}–
【作品情報】
コロナ禍という未曾有の恐怖の中、危険を顧みず命を救うために闘う医療従事者たちの“勇気”に人々は心を打たれ、胸を熱くした。
重大事故、災害、事件の現場に駆けつけ、命を救うために危険な現場に勇猛果敢に飛び込んでいく救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く物語!
主演・鈴木亮平が演じる主人公は、“TOKYO MER”のリーダーでスーパー救命救急医・喜多見幸太。「待っているだけじゃ、救えない命がある」ーー命を救うためなら命も懸ける使命感と強い信念を持つ医師。
大事故、大災害……かつてない超スケールで描く、命を巡る熱く胸躍るヒューマンドラマ!
出演:鈴木亮平/賀来賢人/中条あやみ/菜々緒/小手伸也/佐野勇斗/石田ゆりこ/要潤
【出演者放送前コメント】
鈴木亮平
僕が演じる喜多見幸太は、患者が搬送されてくるのを待っているのではなく、自ら事故や災害の現場に駆けつけ、いち早く命を救う救命救急チーム「TOKYO MER」のチーフドクターです。そして喜多見は、命懸けで危険な現場に飛び込み、勇敢に患者さんを救おうとする情熱を持っています。
また、この作品で注目してほしいのは、オペ室を完備した最新鋭の“ERカー”が登場することです。監修の救命救急医の方々から、「理想の医療」だという声もお聞きしました。
この作品が、今の大変な状況の中で働く医療従事者の方々へのエールになればうれしいですし、一つ一つの命の大切さを改めて伝えていけるようなドラマにできればと思っています。
“日曜劇場”らしく、熱く、スケールの大きなドラマをお届けしたいと思いますので、楽しみにしてください。
賀来賢人
台本を読んで、撮影がとにかく大変になるだろうなと思ったほど、スケールがとても大きい作品です。脚本家の黒岩勉さんの「TOKYO MERのメンバーがヒーローに見えるような作品にしたい」というイメージを聞いて、すごくワクワクしています。
私が演じる音羽は、厚生労働省の官僚であり医師でもあるという複雑な役です。鈴木さん演じる喜多見とは対照的な役柄ですが、音羽には音羽なりの正義があると考えています。クールなキャラクターですが、実際のところはどうなのか、放送を楽しみにしていただければと思います。放送を観て、また次の日も頑張ろうと思えるような作品になるよう頑張りますので、ぜひ皆様に観ていただければうれしいです。
中条あやみ
初めて日曜劇場に出演できる喜びを噛みしめつつも、これから闘いが始まるんだなと実感しています。これまでにも研修医役を演じたことはありましたが、本格的な医療ドラマは今回が初めてです。救命救急の医療指導も受けさせていただきましたが、難しい医療用語や器具の使い方など覚えることが多く、共演者の方々においていかれないか不安もありました。でも、練習を重ね、みんなで力を合わせて作品を作っていくんだと思うと、もっと頑張りたいというパワーが湧いてきます。
一人一人の命を救いたいという医療従事者の方々の熱い思いを大切に、素敵で熱いドラマを皆様にお届けできればと思います。
脚本・黒岩勉
コロナ禍におきまして、人間の一番キレイな部分といいますか、心を動かされる瞬間というのは、自己犠牲を払って他の誰かを助ける姿なのだなと改めて思いました。こんな時代だからこそ、誰かのために必死に戦うヒーローが見たい。最強のナイスガイ・鈴木亮平さんとその仲間たちがきっと叶えてくれます。
とても真剣な医療モノなのですが、とことん痛快な「アクションエンターテインメント」を目指して書かせていただいています。医療従事者だけではなく、その周りでサポートする人々も含め、危機的・絶望的な状況の中でも、冷静に、的確に、前向きに、ただひたすら命を助けようと奮闘する人たちのお話です。
これを見ると、自分の周りにいる人たちに感謝したくなる。ささくれ立っていた気持ちがちょっとだけ優しくなる。そんなテレビ番組になれれば最高に幸せです。
演出・松木彩
以前、救急医療やレスキューの現場を拝見する機会があり、見ず知らずの他人のためにこんなにも危険を顧みず人生を懸けている人たちがいるのかと大変衝撃を受けました。彼らの凄まじさと、その時感じた「この人たちがいればきっと大丈夫だ」という安心感を、喜多見とMERチームの姿を通して伝えていきたいです。
真夏の日曜夜にスカッと前向きになれる作品をお届けしたいと思いますので、どうぞご期待ください。