<ナイト・ドクター>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

国内ドラマ

波瑠主演のフジテレビの連続ドラマ「Night Doctor」が、2021年6月21日(月)より放送開始した。

“昼夜完全交代制”を試験的に導入した病院を舞台に、夜間救急専門の医師チーム「ナイト・ドクター」の奮闘を描く本作。“月9”ドラマ初出演となる波瑠が強い信念を持つ主人公・朝倉美月を演じ、好評を得ている。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・第11話ストーリー&レビュー

・「Night Doctor」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話ストーリー

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病院スタッフの働き方改革を目指す柏桜会グループが『あさひ海浜病院』に夜間勤務専門の救命医チーム“ナイト・ドクター”を立ち上げることになった。医師の朝倉美月(波瑠)は新たな就職先にナイト・ドクターを選ぶ。

ナイト・ドクターのスタート初日、スタッフステーションには美月のほかに、深澤新(岸優太)、成瀬暁人(田中圭)、桜庭瞬(北村匠海)、高岡幸保(岡崎紗絵)という5人の医師が集まる。美月を見た深澤は驚く。数日前、街で倒れたホームレスの診療に手間取った深澤に代わって、鮮やかに処置したのが美月だった。しかも、美月は深澤に「処置出来ないなら医者を名乗るな」と、言い放っていたのだ。

5人の指導医は本郷亭(沢村一樹)。本郷は自分の指導について来られる者だけついてこいと厳しい。そこに、ホットラインが鳴る。工事現場の崩落事故で3名の重症者が出たのだ。全員の受け入れを許可する本郷に美月はほっとする。

運び込まれた重症患者に、救命の現場を知らない深澤と桜庭は戸惑うばかり。本郷に応じるのは救命経験のある成瀬。美月と幸保は食らいついて行く。重傷者たちの処置を始めた矢先、崩落現場で新たな重症者が発見されたと連絡が。

すでに7件の病院に搬送を拒否されているという。使えない医師ばかりでは無理だと断ろうとする成瀬を本郷が制して受け入れを命令。本郷は先に運ばれた3名を早く安定させれば済む話だと無愛想に言い切る。しかし、新たに搬送された患者の足は重度の損傷を受けてクラッシュ症候群を起こしていた。本郷は美月に切断を指示するが…。

第1話のレビュー


「医者の世界にも働き方改革を!」
といった考えから、夜間専門の救急医師を育成するために新設されたナイトドクター。自ら志願(?)した5人の医師が集まった。波瑠演じる美月、田中圭演じる成瀬、北村匠海演じる桜庭、岸優太演じる深澤、岡崎紗絵演じる幸保。年齢は違うも同期の医師たちは、仕事に対する考え方の違いからお互いにぶつかり合うも、患者のために精一杯働く。

1話でフィーチャーされるのは、プライベートも仕事も関係なく急病人がいたら身体が動いてしまう美月と、研修医上がりで内科志望の深澤。仕事に対する向き合い方も、病人に対する姿勢も、根本的に考え方の違うふたりだ。

朝も夜も関係なく働く救急医を横目に「内科で良かった……」と胸を撫で下ろす深澤。血液系の持病を持つ妹がおり、医師という仕事にある程度の誇りはあるものの、そこまで熱量は感じられない。そんな深澤が、なぜナイトドクターに志願したのか? それは、小野武彦演じる八雲院長の圧力だった。妹が世話になっている以上、無下に断れなかったのである。

いざ急病人が運び込まれても、咄嗟のことに身体が動かない深澤。美月たちに”使えないヤツ認定”されてしまい、どんどん自信を失ってしまう。

彼は彼なりに患者を助けたいと思っているし、彼女へのプロポーズを控えた重傷患者のことを思い憤慨する気持ちもある。それでも、自信がないがゆえに身体が動かないのだ。「一般人でももう少し動けるのでは……?」と思ってしまうシーンの連発。あえてそういった演出にしているとしても、倒れてしまった妹の緊急搬送を拒否してしまったのにはさすがに驚いた。たとえ、自分の妹だと知らなかったとしてもだ。

いち早く深澤を戦力外認定する美月。彼女はたとえ休みの日でも、恋人とデート中だとしても、事故や急病人を見かけたら黙っていられない。必要とあらば自身の着ている服を切って包帯がわりにする。血を吐きかけられても顔色ひとつ変えない。救急医の鏡だ。

階段から落ちたホームレスの男性を助けた美月。「どうして助けたんだ、せっかく死ねるところだったのに」と吐き捨てられるも、一瞬思案する顔を見せただけで迅速に対処した。先述の、プロポーズを控えた重症患者を助けたときも、もう他の医師が諦めかけているのを物ともせず最後まで命が戻ってくることを信じていた。

美月がそこまで「人を助けること」にこだわるのは、自身の母にまつわる体験が関係している。リビングで倒れてしまった母を助けるため、すぐに救急車を呼ぶも受け入れ先が見つからない。たらい回しにされた挙句、母は手遅れで亡くなってしまった……。「受け入れ先が早く見つかれば」助かった命だったのだ。

「私の母も、たらい回しにされた」と深澤に打ち明ける美月。受け入れ先がなければ助からない命がある中で、たとえ受け入れられても腕の良い医者がいなければ同じく助けられない。「だから、深澤だけが悪いんじゃない」と美月なりに励ます。まるで必殺仕事人のように仕事に誇りを持つ美月だけれど、深澤にも彼なりの背景があるのだと想像できる思慮深さがあるのは、さすがだ。

そんな美月だけれど、仕事に集中するがあまりに恋人との時間が取れず、結果浮気されてしまう……と言った展開は想像できなかったのだろう。「人と違う時間に働く」ことが人生にどんな影響を及ぼすのか。仕事とプライベートの両立を主軸に進む5人の物語を、これから楽しみに追っていきたい。

※この記事は「ナイト・ドクター」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話ストーリー

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朝倉美月(波瑠)は佐野大輔(戸塚純貴)の浮気現場を目撃。いつもと違う美月の様子は、深澤新(岸優太)たちに見抜かれ、成瀬暁人(田中圭)には職場に私情を持ち込むなと言われてしまう。そんな夜、深澤と高岡幸保(岡崎紗絵)は本郷亭(沢村一樹)にウォークイン当番を命じられた。ナイト・ドクターは重症患者だけでなく、昼の診察に行けない外来患者も診る。だが、緊急性のない患者の多さに深澤たちは辟易。

美月もウォークインに入ると、帽子をかぶった男が来る。男が帽子をとると美月の父、哲郎(佐戸井けん太)だった。軽症者が気軽に来るなと父を叱る美月の声は隣の診察室にも届く。そこでは、深澤が鮎川希美(谷村美月)の子供、玲生を診察中。美月の声を聞いた希実は、そそくさと帰ってしまった。哲郎に声をかけた桜庭瞬(北村匠海)は父娘事情を知る。哲郎の妻が13年前に亡くなったと知った桜庭は…。一方、美月は舌を噛んだ斎藤篤男(赤ペン瀧川)を治療。

美月が心配な哲郎は寮に押しかけ、深澤の部屋に居候してしまった。そんな時、希実が再び玲生を連れて来た。深澤は玲生に異常を感じるが、この日のウォークインは美月。美月が玲生を診察していると斎藤が救急搬送されたと連絡が入り、そちらへ向かう。斎藤の治療を終え、抱いた不審点を話す美月に、深澤は玲生に黄疸が出ていなかったかと聞く。本郷から診察時の様子を思い出すよう言われた美月は希実の気になる仕草を思い出した。その頃、希実は玲生の診療について、夫の聡(笠原秀幸)ともめていて…

第2話のレビュー

2話のテーマは「コンビニ受診」「普通とは何か」

症状は大したことがなくとも、コンビニ感覚で病院へ受診しに来ることを「コンビニ受診」と呼ぶらしい。タクシー感覚で救急車を呼ぶのが社会問題になっていると聞いたことがあるが、それと同じ感覚だろうか。波瑠演じる美月も、夜遅くに受診に来た親子をコンビニ受診だと捉え「風邪でしょう」と言って返してしまう。

結果、風邪だと診断された赤ちゃんは、実は胆道拡張症だった。顔色に黄疸の症状が出ており、白い便が出ていたのだ。美月が違和感に気づいていたら、早めに対処できたかもしれない。深澤が黄疸の症状に気づいていたおかげで大事に至らずに済んだが、発見がもう少し遅れていたら命に関わるところだった。

救命救急という仕事に誇りを持ち、ストイックに臨んでいた美月にとって、この経験は少々痛手だったのではないか。自身の軽率な診断により、赤ちゃんを命の危険にさらすところだった。両親に直接謝罪しに行く美月に、医師としての誠実さを感じる。謝罪を受けた母親が言った言葉も、印象的だった。

「めんどくさいって思っちゃったんです」

育児をしながら仕事も家事もしていた母。パートナーの助けも満足に得られず、一人で何事もこなさなければと背負い込みすぎてしまった。子どもの異変に薄々気づいてはいたけれど、昼間に病院へ行くには仕事を休まなければならない。仕事を休むためには、上司や同僚に頭を下げなければならないーー頭を下げるのに疲れてしまった、めんどくさいと思ってしまったと心境を吐露する母親の言葉が、胸に迫って聞こえた。

「病院へ受診しに行く」と思ったら、やはりまだまだ日中に行くのが“普通”とされている。昔は外へ仕事に出る女性も少なかったため、日中でもある程度、時間の融通が効く場合が多かった名残でもあるだろう。しかし、現代は違う。仕事をしながら育児も家事もしている親も多い。そうなると、夜にも受診できるナイトドクターの存在は光明となり得る。

ここで、もうひとつのテーマが浮き上がってくる。「普通とは何か」。病院へは日中に行くのが普通、夜ではなく日中に仕事をするのが普通、女性として男性としての普通の幸せをーーナイトドクターとして、夜に働き昼に休む生活を選択したドクターたちは、「普通とは何か」、この命題と向き合うことになる。命を救うために働く彼らは、夜に動いているからといって“普通”から外れる存在なのだろうか?

命の大切さとともに、普通とは何か、その価値観についても考えさせられる。このドラマが描き出すのは、当たり前を当たり前と捉えない姿勢の大切さなのかもしれない。

※この記事は「ナイト・ドクター」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

「Night Doctor」第3話ストーリー



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朝倉美月(波瑠)が患者の斎藤篤男(赤ペン瀧川)に襲われた。桜庭瞬(北村匠海)は斎藤を突き飛ばすが、刃物で傷つけられる。幸い桜庭は軽症で、斎藤は成瀬暁人(田中圭)、深澤新(岸優太)に取り押さえられた。

事件は『あさひ海浜病院』などを束ねる『柏桜会』会長で、桜庭の母親、麗子(真矢ミキ)も知るところとなった。救命救急センターに現れた竜子は、息子の身を案じて桜庭にイギリス留学を言い渡す。救急医の初歩的な処置も満足に出来ないのでは、その方が良いと合意する本郷に桜庭はショックを隠せない。

美月にそれでも良いのかと促された桜庭は本郷に継続を頼むが、足手まといになるような者は必要ないと再び突き放されてしまう。さらに、主治医、宮本守(東根作寿英)の診察を受けた桜庭は、一週間ほど休みが取れないかと問われる。今休んだら救命から追い出されると桜庭は意気消沈。そんな桜庭に美月は暴漢から救ってくれたことを感謝して救急医療の参考書を渡し、応援していると励ます。

そんな時、急患が運び込まれ、美月たちの処置もむなしく亡くなってしまった。無保険なので早期治療を受けられなかったのだろうと推測する成瀬。本郷も医療だけでは救えない命もあると言う。

桜庭は患者の生まれながらの恵まれない境遇を思った。そして、桜庭は美月たちになぜ自分が救急医を目指すことにしたのかを話す。次の日、救命センターに出勤した庭は、次週の勤務シフト表から自分の名前が消えていることに気づく。麗子の指示だと言う本郷は、桜庭に転科届けを渡した。

「Night Doctor」第3話レビュー

北村匠海演じる桜庭瞬について、新たな事実が二つ分かった。

ひとつは、桜庭と本郷(演:沢村一樹)は昔からの知り合いだということ。桜庭が幼い頃から、いわば父親代わりとして一緒に水族館に行くなど交流があったようだ。

そしてもうひとつは、桜庭たちが働く病院の経営を取り仕切る「栢桜会」の会長・桜庭麗子(演:真矢ミキ)の実の息子が、桜庭瞬であること。生まれつき心臓に疾患を持つ息子の身を案じ、「もうこんなに危険な職場には置いておけない」と瞬に対しイギリス留学を言い渡す。

いくら大病院の息子で、これまで大切に育ててきたからといって、そう簡単に海外留学を提案して「はい行きます」とはならないと思うのだけど……。心臓疾患のせいで、幼い頃から「やりたいことを我慢してきた」桜庭にとって、ある意味、今回も思うようにいかないのかと歯痒い心境に陥ったことだろう。

前回2話の終盤、実は変質者だと分かった患者に襲いかかられた美月(演:波瑠)を、身を挺して守った桜庭。幸い、そこまで傷は深くなかった。しかし、事件のことを知った桜庭の母・麗子は黙っちゃいない。息子に対し、いきなりイギリス留学を言い渡したのもこの件があったからこそだが、桜庭からすると、心臓疾患に関係のない出来事のせいで大好きな職場を離れることになるなんて、納得いかない展開だろう。

そう、桜庭にとって、この病院で働くことは夢だった。憧れの本郷の元で働けることが何よりの喜びだったのだ。それは、桜庭が幼い頃に本郷とともに訪れた水族館での出来事が関わっている。

イルカショーを見ていた本郷と、幼い頃の桜庭。すると突然、客席が騒々しくなった。なんと、男の子が喉に食べ物を詰まらせ、窒息しかけている。慌てる母親を落ち着かせながら、その場にあるもので冷静に処置をする本郷。桜庭も、「そこにある箸を取ってくれ」と言われ手を貸す。

すべてが解決した後、本郷は桜庭に言う。「よくやった」ーーこの言葉を胸に、桜庭は医師に対しての憧れを強めるのだ。

「目の前で苦しんでる人を救えるってすごいことだよ。その人の未来を一瞬で変えられちゃうんだからさ」

憧れの対象である本郷の元で働く。夢が叶ったにも関わらず、またもや、生まれ持った心臓疾患のせいで道が断たれようとしている。やりたいことも夢も目標も、この病気のせいで何とか折り合いをつけ諦めるしかなかった。なかなか整理のつかない複雑な心境は、桜庭の心臓がドナーによって移植されたものであることも関係していた。

「僕の体は僕だけのものじゃない」
「僕の心臓は移植されたものだから」
「誰よりも清く正しく、自分の命を大切に生きなくちゃいけないんだ」

物語の終盤、桜庭にとってのドナーはおそらく、美月の母であることが仄めかされる。その事実を鑑みると、桜庭は確かに自分のためだけじゃない人生を生きるべきだとも思えてくる。けれど、本郷は言ってくれた。桜庭に対して直接の言葉ではないけれど。

「誰も君の人生の責任まではとってくれない」
「それがどんなに優秀で素晴らしい親であってもだ」
「だから君自身がどうしたいのか、君自身が決めろ」

桜庭は、自分の人生をどう生きたいのか、自分で決めてもいい。たとえ人からもらった心臓で生かされているのだとしても、何のために生きるかは自分で決めてもいいはずだ。直接もらった言葉ではないにしろ、憧れである本郷が言った言葉で確実に励まされただろう。

心臓の手術のために1週間の休みを余儀なくされた桜庭。しかし、努力を忘れない彼ならば、職場から弾き出されることはないーー少なくとも、今の仲間たちがいる環境ならば。

※この記事は「ナイト・ドクター」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

「Night Doctor」第4話ストーリー



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搬送された女性患者を朝倉美月(波瑠)と桜庭瞬(北村匠海)、高岡幸保(岡崎紗絵)が受け入れた。救急隊員に女性、花園詩織(松井愛莉)の恋人が付き添っていると聞いた幸保は驚く。幸保の恋人、青山北斗(竹財輝之助)ではないか。北斗は店の宣伝のためSNSで強力な宣伝力を持つ詩織を利用したが、交際していると思い込まれたと幸保に説明。会うのは最後にしようと言うと詩織が掴みかかったので、ふりほどいたら階段から落下してしまったと北斗は言うのだが幸保は納得出来ない。

目を覚ました詩織は北斗を頼りっきり。本郷亨(沢村一樹)は次々に運ばれる重症患者を美月たちに任せて、幸保には詩織の経過観察を指示した。わがまま放題で、付き添う北斗にこれ見よがしに甘える詩織に幸保のイライラは募る。

心美(原菜乃華)に頼まれた雑誌を内科病棟へ届けに行った美月は深澤新(岸優太)と会う。そこに岡本勇馬(宮世琉弥)が現れ、美月に挨拶。誰だと尋ねる深澤に、美月は心美の彼氏だと言う。だが、初耳の深澤は心美を思い、勇馬に彼女の入院理由を話してしまった。勝手に話したことを危ぶむ美月の不安通り、兄妹に亀裂が走る。

一方、ついに詩織とぶつかった幸保は本郷に早退を申し出た。帰ろうとする幸保を咎めた美月とも激しい言い合いになる。そんな時、ホットラインが鳴り、成瀬暁人(田中圭)が受けた。3名のガス中毒患者受け入れを本郷が承諾。桜庭も休みで幸保も帰ってしまったと人員を心配する深澤に、本郷はお前たちでカバーしろと言い放つ。

「Night Doctor」第4話レビュー

病院へ緊急搬送されてきた女性に付き添っていた男性は、高岡の彼・北斗だった。2〜3話めあたりで「この男は絶対に浮気するぞ……」と予感していたけれど、その通りになってしまった

北斗のために髪型も服装も変え、夜に働く彼のライフスタイルに合わせてナイトドクターになった高岡。ここまでして北斗に合わせてきたのに、まさか他に女を作っているなんて……。開いた口が塞がらないとはこういうことを言うんだな。高岡、ひたすら不憫すぎる。

そのまま入院することになった女性は、高岡に対しわがまま放題。お目覚めのコーヒーを買いに行かせたり、肩を揉めと言ったり。傍若無人な振る舞いに、次第に辟易してくる高岡ーーただでさえ自分の彼氏の浮気相手を素直に患者としてみられないのに、神経を逆撫でするようなことばかりされる。「仕事より自分の感情を優先したくなる時くらいあるでしょ」と高岡は言う。本当に、その通りだと思う。

けれど、美月はそんな高岡の態度に疑問を投げかける。あくまでも彼女は患者なんだよ、と。それでも高岡の暴走した感情は止まらない。北斗のために髪型も服装も変えて、働く環境まで変えて、すべて彼好みに合わせてきたのに……! そう主張する高岡に対し、美月はなおも言い募るのだ。

「北斗さんに合わせて職場決めたって、じゃあホントの自分は?」
「北斗さんにそこまでして依存して、本当の高岡はどこにいるの?」

両親が美容整形外科を運営している高岡。20歳の誕生日に「整形してあげようか?」と言われた高岡。そんな経験をしてきたからこそ、ありのままの自分を受け入れてくれる人なんていないと思い込んできた。相手に気に入られるには、相手に好きになってもらえるように努力しなければいけないのだ、と。そして少しずつ、依存体質になっていった。

「空っぽの自分が怖かった」ーーそんな高岡の気持ちが、よくわかる気がする。どれだけ頑張っても、どれだけ毎日を積み重ねても、何も変わっていないような気がする自分。何をしても空回りで終わるんじゃないかと思ってしまう恐怖。それでも、高岡には新しい仲間ができた。高岡幸保というひとりの人間を、そのまま認めてくれる仲間が。

高岡の真面目な性格のおかげで、患者を救うことができた。北斗の浮気相手に対しても、丁寧に診察を重ねて新たな改善点を見出した。深澤の言う通り、「真面目で勉強熱心な高岡がいたから救われた患者さんがいたわけで。そこまで一つのことをやり切れるって、すごいことだと思うよ」ーー高岡の持ち味は、本当の意味で患者さんのことを考えられる医者としての素質にある。

もう高岡は、自分のことを「空っぽだ」なんて思ったりしないだろう。ありのままの自分を楽しみ、何も持ってない自分のことさえ愛することができるだろう。ありのままの自分を好きになるために必要なことは、自分に自信をつけて、心からやりたいことを見つけようと動くことーーなのかもしれない。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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朝倉美月(波瑠)は、成瀬暁人(田中圭)が訴えられている事を知った。しかし、訴訟の詳細を成瀬が美月に話す事は無い。以降、成瀬の態度は以前にも増して美月に冷たくなる。患者の治療も、少しでも美月がもたついていると成瀬が奪ってしまう。美月だけでなく深澤新(岸優太)たちも成瀬の変化を感じていた。本郷亭(沢村一樹)は後輩を育てるつもりは無いのかと成瀬に聞くが、自分が処置した方が確実だと譲らない。

これでは救急医としての腕を磨けないと美月は焦る。そんな時、夜はキャバクラで働いているが昼は会社員をしているという患者の話を聞いた美月は、昼間の非常勤救急医の応募病院を調べ始めた。そこに、ホットラインが鳴り、母親の越川法子(紺野まひる)に付き添われた子供、日向(正垣湊都)が運び込まれる。美月と高岡幸保(岡崎紗絵)が処置に迷っていると、またも成瀬に奪われてしまった。日向は一命を取り留めたが、法子を安心させようと「絶対に助ける」と言った深澤にも、成瀬は患者や家族の前で二度とその言葉を口にするなと手厳しい。

美月は八雲徳人院長(小野武彦)に成瀬の訴訟について聞く。八雲は成瀬が手術を担当した子供の母親に訴えられているのだと美月に教えた。その母親、秋山真紀(山本未來)が病院を訪ねて来たため、成瀬が訴訟を抱えていることが病院スタッフに知れ渡ってしまう。一方、日向の疾患原因はなかなか判明しない。本郷は法子が記入した日向の問診票に疑問を持ち、美月と成瀬が法子から詳しく話を聞くことになった。

第5話のレビュー

深澤、美月、桜庭、高岡ときて、ついに成瀬のフィーチャー回。前回の終盤で成瀬が訴えられていることが判明し、どうなることやらと5話の放送が待ち遠しかった。どうやら成瀬は、過去に手術を担当した患者の家族から訴えを受けているようだ。

成瀬自身に非はなく、専門機関の調べによって医療ミスの事実はないことも確かめられている。手術を受けた患者は半身麻痺が残ったものの、一命を取り留めたーーそれなのに、なぜ家族は訴えを取り下げないのか?

家族の主張は「専門用語が羅列された手術同意書を見せられ、サインするよう求められた。医師は“必ず元気になる”と言ったからサインをした。半身麻痺が残ったのには納得いかない」といったもの。手術は難しいもので、深い知識と経験を持った成瀬だからこそ成功したと言えるだろう。家族として気持ちの整理がつかないのはわかるが、互いに落としどころが見つけられず泥沼にはまっている印象を受ける。

「患者は100%の医療を求める」ーーだからこそ、医師に失敗は許されない。患者の命を守るためにも、常に完璧な処置をしなければならない。成瀬に限らず、夜間の救急医療に携わるナイトドクターチームは全員が同じ気持ちだろう。だからこそ、患者に真意が伝わらないと憤りも倍増するのだ。

“完璧”とはなんだろう。“絶対”とはなんだろう。

成瀬を訴える患者家族は、成瀬の口にした「必ず元気になる」という言葉を信じて手術同意書にサインをしたのだ。命は守られたにもかかわらず(たとえ半身麻痺が残ってしまったとしても)、約束が守られなかった、裏切られたと感じるのは避けられないことかもしれない。成瀬は成瀬で、軽率に口にしてしまった“約束”がいつまでも自分の首を締める結果になってしまう。この葛藤が、ストイックすぎる今の成瀬を形作ったのだろう。

医者に限らず、どんな職業人も、仕事に対する姿勢を見直さねばならない。そう思わせられた。

成瀬を訴えていた患者家族は、成瀬が直々に謝罪したことで訴えを取り下げた。急を要する場面だったとは言え、不十分な説明だけで同意書にサインを求めたこと自体に対する、誠実な謝罪だった。自分がとるべき姿勢はなんなのかが分かっていること、そして、謝罪すべきときは潔く謝罪できることーー誠実な医師に求められることは、そう多くはないのかもしれない。

※この記事は「ナイト・ドクター」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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工場の事故で複数の傷病者が出たと『あさひ海浜病院』にドクターカーの出動要請が入る。本郷亭(沢村一樹)は朝倉美月(波瑠)、成瀬暁人(田中圭)、深澤新(岸優太)たちを現場に向かわせた。深澤が崩れた資材置場を見に行くと重傷を負った作業員がいる。

治療の自信がない深澤は美月を呼びに行き、処置を頼むことに。美月は作業員を助けるため資材の山を登るが、立ちくらみを起こして落下してしまった。しばらく意識を失った美月だが、深澤の呼びかけに目を覚まして作業員の処置を再開する。しかし、全ての傷病者の搬送を終えた時、美月の身体に再び異変が起こる。

本郷は成瀬と深澤に美月の事故原因を尋ねる。深澤は自分が傷病者の処置を任せきりにしたことを悔やみ、成瀬も美月を止める事が出来なかったと責任を感じていた。
美月が事故に遭ったことは病院内でも問題に。本郷は桜庭麗子(真矢ミキ)、八雲徳人(小野武彦)に全て自分の責任だと頭を下げた。

第6話のレビュー

働き方改革は、誰を救うのか?

人命救助のため災害現場に駆けつけた朝倉たち。他病院とも掛け持ちで仕事をしていた朝倉は、連日の疲れがたたり立ちくらみを起こしてしまう。ギリギリのところで患者を助けられたから結果的にはよかったものの、朝倉も肋骨を折り重傷を負ってしまったーー共にいながら何のサポートもできなかった深澤は責任を感じる。

朝倉がここまで身体を押して働きづめになったのは、ひたすらに医師としての技術を高めたいと思ったからだ。先輩である成瀬に早く近づき、もっと現場で力になりたいからという向上心もあったのだろう。その野心は評価されるべきものだし、頑張らずにほどほどにやれとも言えない。

医師の世界まで浸透した「働き方改革」により、労働時間を”不当に”削られスキルアップの機会さえ奪われていると感じていた朝倉。だからこそ他病院での副業を選択し、過労に繋がってしまった。働き方を改革しなければならないのに本末転倒だ。

結局、働き方改革とは何なのか。働き方改革は誰を救うのだろうか?

何とか一命を取り留め、現場に復帰した朝倉。生死の境を彷徨ったにも関わらず、以前と同じようにストイックに動こうとする彼女を、同僚たちが止める。

もっと自分の身体のことを考えろ。朝倉が患者を大事に思うように、俺たちだって朝倉のことを大事に思ってる。頑張るのは良いことだけど、あまりにも頑張りすぎている姿を見ると心配だ。見てる側の心が擦り減ることもあるーーさまざまな言葉が朝倉の意識を少しずつ変える。

筆者自身も、頑張ることは良いことだと信じてきた。努力は美徳だ。手を抜いたり怠けたりするよりも、よっぽど良いだろうと。

その価値観自体は今でも変わらないかもしれない。それでも、自分にとっても周囲の人たちにとっても負担にならないような”頑張り方の選択”もあると、このドラマに教えてもらった。

深澤のように、同僚から論文を借りたりオペ映像を借りたりしてもいい。成瀬のように、休日にセミナーを受けに行くのもいい。ただ自分の時間と労力を体当たりで消費するような頑張り方だけが、”頑張る”じゃないのだ。

自分に合う頑張り方を模索するのも仕事のうちだ。「働き方改革」とは、まさにそういうことなのだろう。

※この記事は「ナイト・ドクター」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

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朝倉美月(波瑠)は高岡幸保(岡崎紗絵)から合コンに誘われるが興味ないと断る。一方、成瀬暁人(田中圭)は医大の後輩で脳外科医の里中悟(古舘佑太郎)と病院内で出会い、ナイト・ドクターとして勤務していることに驚かれた。
幸保は益田舞子 (野呂佳代)と合コンへ。幸保が相手の赤松直人(佐伯大地)たちに自分たちの人数の少なさを謝っていると美月が現れる。美月はめげる事があって参加したのだ。だが、幸保が医師は敬遠されると赤松たちに看護師だと伝えていたことを知らない美月は、ナイト・ドクターだと言ってしまった。すると男性たち全員が看護師の舞子に注目。美月は幸保と揉めてしまう。

その夜、病院をたらい回しにされた患者が運び込まれた。患者を受け渡す救命士の星崎比呂(泉澤祐希)はホッとした様子。美月は患者の顔を見て理由を悟る。その患者は、かつて美月が救助したホームレス(神尾佑)だった。その場に居合わせた深澤新(岸優太)も気づく。美月は帰ろうとする星崎を呼び止め、かつて処置した時の記録が残っていたら身元確認になるかもしれないので調べて欲しいと頼む。

次に搬送されたのは風見まどか(藤嶋花音)。付き添いの父、信行(林泰文)にまどかの緊急手術を幸保が拒否されたことを桜庭瞬(北村匠海)が美月たちに報告。信行は夜間勤務の医師たちを信用していないようだ。本郷亭(沢村一樹)はそれがナイト・ドクターの現実だと美月たちに突きつける。そんな時、昼間の合コン相手の赤松が原因不明の発熱で外来にやって来た。

第7話のレビュー

合コンに出かけた美月たち。「医師であることがバレるとモテない」と考えていた高岡の思惑も虚しく、無邪気に自分たちの肩書きを明かしてしまった美月。案の定、男性たちの注目は看護師である益田に集まってしまった。

「やっぱり人は、肩書きや見てくれで相手をふるいにかける」と持論を強化した高岡。男性の医師はモテるが、女性の医師はモテない(結婚できない)レッテルを貼られるといった彼女の意見は、おおむね世間の見解とも一致するだろう。「女医」と聞くと忙しそうだし頭も良さそうだし、何なら稼いでもいそうだ。できることなら避けたい男性の方が多いイメージはある。

その後、次々と「人は肩書きや見てくれで相手をふるいにかける」と思わざるを得なくなる事案が発生する。10代の娘が強い腹痛を訴えているとして、父親とともに搬送されてきた。すぐに手術をしないと危険な状態だと父親に伝える高岡に、彼は無常にも「日勤の医師が来るまで手術は待ってほしい」と譲らない。

「夜勤の医師は、若い人や女性が多い。できれば力の確かな日勤の先生に手術してほしい」といった要望だ。それを聞いた高岡は脱力する。日勤も夜勤もやることは変わらないし、力の差だってあるわけがないにも関わらず、貼られてしまったレッテルを剥がすのには骨が折れる。

続けて、以前、美月が処置をしたことのあるホームレスの男性が再び搬送されてきた(第一話に登場)。今回も何とか一命を取り留めるも「せっかく死ねるところだったのに」と本人はつれない。治療費を払える目処も立たないゆえに、日勤の医師からは「目を覚ましたなら早く退院させろ」とまで言われてしまう。しっかり名前があるのに、彼はいつまでも「ホームレス」呼びのままだ。

人は、望んで現在の立場に在る場合と同様に、望まぬまま仕方なく今の環境を受け入れている場合もある。夜勤の医師だからって、公務員だからって、保育士だからって、ホームレスだからって、何がどう左右されるのだろうか。肩書きや見てくれが、どれだけ本人を形作る材料になるのだろうか。

女医のロールモデルになりたいと理想を掲げる高岡は、女性の医師でもパートナーを持ち、自分の望むように働けることを示したいと夢見る。だからこそ、安易に「女医だからこうだ」と決めつけられるのを嫌うのだろう。一時は「理想ばかり掲げていても何にもならない、私たちがこんな小さな病院でいくら頑張ったとしても状況は変わらない」と投げやりになってしまうが、見かねた本郷が言葉をかけた。

「自分が変わらなければ、周りも変わらないぞ」

本郷も美月も、ついつい正論を言いがちだと筆者は感じる。それが時には綺麗事にも聞こえるし、偽善だと受け取られても仕方ないのかもしれない。

それでも、自分を含め周りを変えていくのに、綺麗事や理想論は不可欠だとも思う。

変化には時間がかかるものだ。途方もないくらいに、気が遠くなりそうなほどの時間がかかるものなのだ。叶いそうもないくらいの「理想」であればあるほど、到達までの道のりが長く長く感じられるーーそれを乗り越える気力と体力のある先人たちが、これまでも数えきれないほどの「理想」を実現させてきた。

周りを変えるには、まず、自分から。

どれだけ綺麗事や理想論と受け取られようとも、何度だってここから始めないといけないのかもしれない。少なくとも、ナイトドクターという働き方を選んだ彼らは、それを覚悟してここにいる。

※この記事は「ナイト・ドクター」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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朝倉美月(波瑠)は成瀬暁人(田中圭)が里中悟(古舘佑太郎)から脳外科に移るよう誘われている姿を見てしまう。美月が話を聞くと、成瀬は素直に脳外科の高梨英樹部長(益岡徹)からも脳外科医を目指すよう勧められていると話した。だが、成瀬は八雲徳人院長(小野武彦)や本郷亨(沢村一樹)がナイト・ドクターとして受け入れてくれたことに恩を感じ、決めかねている。

高岡幸保(岡崎紗絵)と深澤新(岸優太)の部屋に行った美月は、成瀬の事情を話してしまう。すると幸保はナイト・ドクター制度存続の危機だと美月より慌てだす。美月に影響を受けた幸保は今の仕事にやり甲斐を感じていたのだ。その夜、勤務に就いた幸保は成瀬を気遣い始める。幸保は成瀬を引き留めようと懸命なのだ。

そんな時、くも膜下出血の患者が運び込まれた。成瀬は進んで執刀にあたるが、通常の動脈瘤ではないため手術を断念。手術の様子を見ていた深澤や桜庭瞬(北村匠海)はショックを受ける。何より諦めざるを得なかった成瀬の衝撃は大きい。桜庭はこれを機に成瀬が脳外科に移るのではないかと美月たちに話す。

成瀬は患者の手術を高梨に頼みに行く。だが、高梨は留守で、居合わせた里中が執刀することになった。帰ろうとする成瀬に、本郷は脳外科に行くことを迷っているなら自分は止める気もないし、背中を押す気もないと告げた。 休暇の美月は心美(原菜乃華)に誘われたダブルデートで、岡本勇馬(宮世琉弥)、深澤とキャンプに向かう。その頃、成瀬は転科を真剣に考え始めていた。

第8話のレビュー

私は医療従事者ではないけれど、救急医は専門性に乏しいため若い人は目指したがらないという話を聞いて思いがけずショックを受けてしまった。そうなのか、幅広い知識と技術を身につけ、どの分野よりも初期治療に適した医者を目指すことは若者には刺さらないのか……? 「専門性」と「普遍性」について考え出してしまう。

きっと成瀬も同じ思考の沼にハマっていたのかもしれない。ナイト・ドクターとして迎え入れられた恩義を感じつつも、元・脳外科医である成瀬は、自分に用意されていたもう一つの選択肢について考えざるを得なかった。脳外科医としての知識と技術を磨くことと、夜間の救急医を続けること。天秤を揺らしながら、どちらが自分にとってより大事なのかを模索する日々。

成瀬の葛藤がすごくよくわかる。筆者自身も、これまでいくつかの職を経験してきた。それぞれにやりがいがあり、極めていきたいと思える魅力があったけれどーー「このままでいいのだろうか」「もっと違う道があるんじゃないだろうか」と思考があっちこっちに行くのを止められない。自分の可能性を信じているというよりは、一つの道に決めてしまうのが怖いだけなのかもしれない。

悩む成瀬の背中を見ながら、これまで頼りなかった若手も確実に育っていた。緊急を要する患者が運ばれてきても手も足も出なかった深澤や桜庭が、人並みに動けるようになっている。もうお荷物だなんて言わせない、そんな気概が目に見えるようだ。できることが増えれば自信もつき、周りがよく見えるようにもなる。成瀬がどんな選択をするかで、自分たちの、ナイト・ドクターの未来も変わってくる。

結果、成瀬はナイト・ドクターを続けることを選んだ。

脳外科医の道を諦めたわけではなく、どちらも自分なりの方法で模索することにしたのだ。少し前までは一つの道を極めることが美徳とされていたけれど、近年はそうとも限らない。

やりたいことを一つに絞る必要なんかないのだ。夜間の救急医をしながら脳外科の知識をつけることはできる。自分が潰れない方法で働き方を工夫し、両立を目指せばいい。それが「多様性」として受け入れられる、良い時代になったのだから。

医者は、人の命を背負う仕事だ。だからこそ責任も重圧も重い。だからといって、自分を抑え続ける必要なんかないだろう。やりたいことは突き詰めればいい。自分にとっての幸せや、心地よいと感じる働き方を探すことは、医者だからこそ求められることかもしれない。

それぞれの道を模索し、前に進みつつあるナイト・ドクターたち。次週以降、深澤の妹である心美の容体が急変する。この一件をきっかけに、また一悶着起こりそうだ。

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–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話ストーリー

朝倉美月(波瑠)は、深澤新(岸優太)と彼の妹で病院の外出許可を得た心美(原菜乃華)、岡本勇馬(宮世琉弥)とキャンプを楽しんだ。しかし、病院に戻った心美の容態が急変。緊急手術で安定はしたが、間もなく退院も望めそうな時に起きた心美の異変に深澤は衝撃を受ける。

数日後、美月が高岡幸保(岡崎紗絵)、桜庭瞬(北村匠海)たちと心美の心配をしていると、本郷亨(沢村一樹)が深澤の休職を告げる。深澤は心美の面倒をみなければいけないので仕方がないと言う成瀬暁人(田中圭)に幸保と桜庭は賛同。美月は深澤の看病疲れを心配し、仲間たちに心美の見舞いに行くことを提案する。

次の日、美月たちが心美の見舞い行くと何やら深澤と揉めている。心美が臓器提供ドナーの登録がしたいと深澤に同意を頼んで揉めていたのだ。深澤は心美のドナー登録に大反対。さらに揉める兄妹だが、成瀬は二人が話し合って決める事だと美月たちと病室を出る。目の前で繰り広げられたドナー提供問題に美月と桜庭の心境は複雑だ。

そんな夜、病院近くで総合格闘技の試合があり、負傷した選手たちが次々に運び込まれるため美月たちは大忙し。美月と幸保がようやく休憩していると深澤が来た。そして、深澤は美月に心美を説得して欲しいと頼む。だが、美月は母親がドナーだったことを話して断った。仕事に戻った美月たちと入れ替わりに桜庭が来る。桜庭にも心美のことを話す深澤。心美の死を待っている人がいると思うとゾッとすると言う深澤に、桜庭は思わずつかみかかってしまった。

第9話レビュー

楽しいキャンプデート後、容体が急変してしまった心美。いったん看病に専念するため、心美の兄である深澤はナイトドクターを休職する選択をした。医者である自分よりも、妹の身体を思ってのことだったが……当の心美は快く思っていない様子だ。

深澤には医者としての仕事を全うしてほしいと考えている心美。妹である自分のことを最優先にするよりも、医者として多くの人の命と向き合ってほしいと願う彼女の考えは立派だ。

そんな矢先、万が一のことがあったらドナーになりたい旨を深澤に相談する心美。「冗談じゃない!」と聞く耳を持たない深澤は、心美の考えが理解できないと悩む。

しっかり治療をすれば、また元気になって高校にも通えるようになる。万が一のことなんて考えず、もっと前向きになってほしいと主張する深澤。対して、心美は「堂々と生きるためにドナーになりたい」と考えていた。

物心ついた頃から病気がちで、人の手を借りながらじゃないと生きてこられなかった彼女。自信が持てず、自分のことも好きになれない人生。しかし、それならもう命を閉じてしまおうと後ろ向きに考えているわけではなく、あくまでも自分のために、堂々と生きるためにドナーになりたいと心美は考えているのだ。

当初は理解できなかった深澤だが、しっかり心美と向き合って話をしたことで、ようやく歩み寄ることができたようだ。個人的には、頭ごなしに否定する前に、まずは妹の話を最後まで聞いてやってほしい……と思ってしまった。しかし、結果オーライだ。

深澤が、心美の話をしっかり聞こうと思えたのには、共に働くナイトドクター達の働きかけがあった。

ドナーからの臓器提供を受けている桜庭にとって、今回の深澤兄妹の話は決して他人事では済まされなかっただろう。「臓器提供を求めている人なんてどうでもいい」「心美が死ぬのを待ってる人たちがいると思うとゾッとする」とまで言った深澤に対し、桜庭は自身の思いを訴えた。レシピエントである事実はこれまで隠していたのに、必死の思いで打ち明けた背景には、どれほど葛藤があっただろう。

お互いの思いをぶつけ合うあまりに衝突してしまった深澤と桜庭。しかし、桜庭が「ちゃんと心美ちゃんの話も聞いてやれ」と促したことにより、兄妹は和解できた。このドラマを見ていると、人の話を最後まで聞くだけで解決できることはたくさんあるな……とつくづく思い知らされる。

どれだけ理解が難しそうな話であっても、せめて最後まで聞く努力は惜しまずにいようと、あらためて思えるようになった。大切な人を傷つけないためにも

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–{第10話ストーリー&レビュー}–

第10話ストーリー&レビュー

第10話ストーリー

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“どんな患者も受け入れる”。そんな『あさひ海浜病院』の、朝倉美月(波瑠)の理念が崩れる。その日、美月が受けたホットラインは、星崎比呂(泉澤祐希)からの胸部大動脈解離が疑われる男性の収容依頼。男性は発症から2時間以上経過していると星崎は訴えるが、本郷亨(沢村一樹)は美月に断るよう告げた。星崎が連絡している場所からでは搬送中に患者の命がなくなってしまう。本郷の判断に美月も従わざるを得ない。

次に美月が応じたのは高所転落による女性の受け入れ。女性はすでに予断が許さなれない状態だ。深澤新(岸優太)や高岡幸保(岡崎紗絵)は病院まで保たないと思うのだが、本郷は15分以内に運べるかと美月に促す。美月が救急隊員に尋ねると可能と答えたため、本郷は受け入れを許可。しかし、女性は搬送時間をオーバーして病院に到着。本郷は珍しく救急隊員を怒鳴りつける。美月、成瀬暁人(田中圭)たちが総力で治療にあたるのが、女性の命を取り留めることは出来なかった。一人は受け入れられず、一人は間に合わず…立て続けに思い知らされた虚しさに、美月は幸保の腕の中で涙を流す。

勤務明け、本郷は桜庭麗子(真矢ミキ)、八雲徳人(小野武彦)に呼び出される。麗子はナイト・ドクター制度が救急救命センターの収益を上げていないなどと話し、理事会で決定したナイト・ドクター制度の今後の方針を本郷に告げた。

次の夜、美月はシフト通りの休日。深澤たちはいつものように患者を受け入れている。そんな時、雷雨で『あさひ海浜病院』一帯が大規模停電になってしまった。

第10話レビュー

ナイトドクター解散の危機。夜間に受け入れる患者から医療費を回収できないケースが続いており、売上が赤字になっているという。このままだとナイトドクター制度は廃止、つまりは解散の危機……! 人の命と経済が同列に語られると、こうも違和感を覚えてしまうのは何故なのだろうか。本来は、どちらも大事なことのはずなのに。

どんな患者も受け入れることがモットーだったはずのあさひ海浜病院。ナイトドクター制度廃止の危機に瀕している最中、一人の患者は受け入れ拒否をせざるを得ず、もう一人の患者はギリギリのところで受け入れるも助けられなかった。立て続けに理念に反してしまったナイトドクターのメンバー、特に美月はやるせなさを隠せない。

美月は、自身の母親が亡くなってしまった過去を反芻したのではないだろうか。直接的な原因ではないかもしれないが、病院への受け入れを拒否され続けたせいで、美月の母親は長らく処置してもらえなかった。こんなに悲しい思いをする人をひとりでも減らしたいと願いながら、ナイトドクターに志願した美月。彼女にとって、患者を助けられないことがどれだけ堪えたことだろう。

高岡とともに抱き合いながら泣いていたシーンが、胸にせまる。

かと思えば、ナイトドクターチームにさらなる試練が。なんと悪天候により院内が停電になってしまった。予備電源でなんとか持ちこたえようとするも、近隣の病院などから次々と舞い込む受け入れ要請……。一気に10人以上の患者を受け入れてもらえないか打診が来たときは、思わず筆者も「無理だよ〜!」と言ってしまった。

ただでさえ停電は怖くて厄介なのに、それが病院でとなると、恐ろしすぎる……。桜庭とお医者さんごっこをしながら暗い中をやり過ごす少年、内心はとても怖かっただろうに、母親が来るまで我慢できて偉かったなあ。桜庭がそばについてくれていたからだろうけど。見ていてほっこりするシーンだった。

今回一番見どころだと感じたのは、長い夜が明け、日勤の医師たちとシフトを交代する引き継ぎのシーン。あまりにも大勢の患者を受け入れたナイトドクターチームは、そのまま勤務を続けようとした。日勤の医師だけでは人手が足りないだろうと判断したためだ。

それを、いつも嫌味たらたらな嘉島が止めたのだ。

「舐めてもらっちゃ困る、日勤の医師だけで十分だ、ナイトドクターはさっさと帰って休んでくれるかな?」

素直じゃないな〜! と思いつつ、少しずつでも夜勤の医師に対する信頼を深めてくれているのかと思うと、またもやほっこりできた。

そんなほっこり気分も、最後の最後で吹っ飛んでしまった。本郷からナイトドクターチームに告げられたのは、なんと今月いっぱいでナイトドクター制度が廃止され、解散になってしまう事実。予想はしていたけど、やっぱりか……。

次回最終回。ナイトドクターたちの行く末は、いかに。

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–{第11話ストーリー&レビュー}–

第11話ストーリー&レビュー

第11話ストーリー

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朝倉美月(波瑠)、成瀬暁人(田中圭)、深澤新(岸優太)、高岡幸保(岡崎紗絵)、桜庭瞬(北村匠海)たちは、本郷亨(沢村一樹)から『あさひ海浜病院』のナイト・ドクターチームの解散を言い渡される。すでに柏桜会理事会の決定事項で会長の麗子(真矢ミキ)から本郷に通達された案件だった。突然の知らせに、美月たちナイト・ドクターは衝撃を受ける。しかし、本郷はこの解散を喜んでいると言うのだ。その真意とは…。

解散が通達された夜、3件の事故が同時に発生し、ナイト・ドクターたちはそれぞれの現場に向かう。本郷の指示で現場に向かったのは、美月、深澤、幸保の3人。美月は電車の車両基地、深澤はゴミ処理場、幸保は高層オフィスビルで発生した事故だった。自分が出動しなかった事に疑問を持つ成瀬に、本郷は救命センターの指揮を任せる。桜庭は麗子にナイト・ドクターチーム解散の事情を聞こうと電話するのだが繋がらない。そんな時、桜庭はトイレで倒れている患者を発見。急を要する患者の病状に、桜庭は自ら治療することを決意する。

成瀬は自らも運び込まれた患者の処置をしながら、美月たち現場や桜庭の状況を確認していた。事故現場で、それぞれに治療の判断を迫られる美月、深澤、幸保。病院のICUでは、桜庭も成瀬や本郷の手を借りずに患者のオペを進めようとしている。そして、ナイト・ドクターたちそれぞれが現場で治療にあたる医師は自分一人という厳しい夜を過ごす中、目の前にいる重症者に対して、大きな決断を迫られようとしていた。美月たちは長く、孤独な暗闇に立ち向かっていく。

第11話レビュー

ナイトドクターチームの解散が決定した。赤字続きで採算がとれないのが理由のひとつのようだ。

メンバー5人にチーム解散を言い渡した本郷は「解散を歓迎している」という。その理由は、ナイトドクター制度をよりたくさんの病院へ広めるきっかけになるから。5人にそれぞれ提携病院へ行ってもらい、各地でナイトドクター制度の普及に努めてほしい、ということらしい。

「こっち側の都合はお構いなしですか」と苦言を呈する成瀬。もちろん選択するのはお前たちだ、と本郷は返す。「お前たちの人生だ。お前たち一人一人が向き合って答えを出せ」ーーその命題は、そっくりそのまま5人それぞれの医療に対する姿勢を問われているようだ。

その後、将来を暗示するように、バラバラの現場へ配置される深澤、美月、高岡。深澤が処置を担当した男性は足を機材に挟まれてしまっており、切断しなければ命を助けられない事態に陥ってしまっていた。

近くで患者の男性を見守る仲間たちが、処置を担当する深澤に頻繁に声をかける。「先生、絶対に助けてくれ」「またコイツと一緒に仕事がしたいんだ」ーー苦渋の決断で足の切断に踏み切る深澤を見るにつけ、さらにヒートアップする仲間たち。

「コイツの身体は物じゃないんだぞ!」
「なんとかならないのか、他に方法はないのか?」

このシーンで、声を荒げる深澤の姿が印象的だった。「僕は、生きたくても生きられない人をたくさん見てきました」「でも鳥山さんは、今なら助けられます」「彼に生きてほしいと思うなら、黙っていてください!」ーーかつては自分で何も選択できず、簡単な処置にも及び腰だった深澤。5人でたくさんの修羅場をくぐり抜けてきたからこそ、ここまで強くなれたのだ、きっと。

同じく美月も高岡も、難しい現場に立ち会っていた。電車の点検中に、車輪と線路の間に挟まれた男性。エスカレーターの故障中に事故に遭った女性。持ち前の胆力とこれまでの経験により、なんとか切り抜けた二人。

桜庭も成瀬も、それぞれの持ち場で各々にできることを全力でやっている。ナイトドクター結成時は方向性が異なっていた5人だけれど、経験が彼らの団結力を強めた。

処置が一息ついた段階で、5人はまた病院の屋上に集まる。

ナイトドクター結成時からこれまでを振り返り、それぞれの考え方の変遷を辿る5人。決して平坦な道ではなかった。価値観の違いからぶつかり合うこともあった。それでも彼らは、当たり前にくるはずの朝を守るために働いてきたし、これからもそれは変わらない。

結果的に5人はナイトドクターチームの解散を受け入れ、それぞれに当てがわれた配属病院で働くことになった(深澤だけは元の病院に残留になったけれど)。5人が離ればなれになってしまったのは個人的にはとても寂しいけれど、またともに働ける未来もあると信じたい。あわよくば、続編を、ぜひ……!

医療従事者はもちろんのこと、夜間に働くことでたくさんの人の暮らしや命を守る職は多く存在する。彼らへの尊敬と感謝を忘れたくない。改めて、そう思わせてくれるドラマだった。

※この記事は「ナイト・ドクター」の各話を1つにまとめたものです。

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(文:シネマズ編集部)

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–{「Night Doctor」作品情報}–

「Night Doctor」作品情報

2024年度から施行される医師の働き方改革が、医療界を悩ませています。「原則960時間」までの時間外労働の上限が勤務医に適用され、深刻な人手不足が叫ばれる日本の救急医療。数年後に迫った改革ですが、革新的な対応策は未だ見つかっていません。本作では“昼夜完全交代制”を試験的に導入した病院を舞台に、夜間救急専門の医師「ナイト・ドクター」たちにスポットを当てて物語を描いていきます。

柏桜会あさひ海浜病院では、“365日24時間、どんな患者も断らない”医療を目指し、崩壊寸前の救急医療を立て直すべく、新たな働き方として夜間救急専門のチーム「ナイト・ドクター」を設立することに。夜間救急は慢性的な医師不足、救急車難民、コンビニ受診など問題が山積みですが、昼も夜も救うべき命があることに変わりはありません。そこで“夜の病院を守る”という重要な使命を果たすため、5人の若き医師たちが集められます。強い志を持つ者、自分の意志とは裏腹にやってきた者…訳ありの5人の医師たちが時にぶつかり、時に励まし合いながら、命に真摯(しんし)に向き合っていきます。一方、医師も仕事を終えればひとりの人間として、家族や恋人、そして自分自身の悩みや問題に直面。ナイト・ドクターの5人が、誰よりも長い時間を共に過ごしながら、絆を深め合い、医師として人として成長していく姿をリアルかつユーモラスに描く完全オリジナル作品です。果たして、ナイト・ドクターたちは、すでに崩壊寸前の現代の救急医療を救う一筋の光となるのでしょうか!?

放送日時
2021年6月21日(月)スタート。毎週月曜21時~21時54分
※初回30分拡大

出演
波瑠
田中圭
岸優太(King&Prince)
岡崎紗絵
北村匠海
一ノ瀬 颯
野呂佳代
櫻井海音
梶原 善
真矢ミキ
小野武彦
沢村一樹

脚本
大北はるか

音楽
得田真裕

プロデュース
野田悠介

演出
関野宗紀
澤田鎌作

制作著作
フジテレビ

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