「お耳に合いましたら。」第2話レビュー:まるでポッドキャスト版「映像研」? 「好き」は何よりも尊い(※ストーリーネタバレあり)

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テレビ東京が音楽ストリーミングサービス「Spotify」と共に、ポッドキャスト番組と連動させたオリジナルドラマ「お耳に合いましたら。」を2021年7月8日より放送する。

伊藤万理華演じる会社員の高村美園が、とあることをきっかけにポッドキャストを始め、人気のパーソナリティ目指して奮闘する物語。

本記事では、第2話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

「お耳に合いましたら。」第2話レビュー

「好き」を前にした人は誰もが光り輝く。そして何よりも尊い。

伊藤万理華主演のドラマ「お耳に合いましたら。」がとてもいい。第2話は「チェンめし(チェーン店グルメ)」についてのポッドキャストを始めた高村美園(伊藤)が、同僚の亜里沙(井桁弘恵)と「音」マニアの会社の後輩・佐々木(鈴木仁)とともにマイクやヘッドフォンを買いに行くというお話。

自分のポッドキャストのために同僚と後輩が協力してくれるというシチュエーションに戸惑って、最初はぎこちなかった美園だが、やがて亜里沙も佐々木も「好き」で集まっていたことがわかっていく。音マニアの佐々木は高性能でお得なヘッドフォンやマイクを探すのが「好き」。亜里沙はどうやら美園のお世話をするのが「好き」。

美園も3人での行動が「好き」になり、買い物の終わりには大好きな「餃子の王将」で打ち上げをする。まだ何の屈託もなかった中学の頃、部活帰りに寄った思い出の「チェンめし」である。というわけで、今回のポッドキャスト「お耳に合いましたら。」のテーマは「餃子の王将」。単に店の説明に終始するのではなく、こうやって自分ごとを交えて話すと、聞いているほうもぐっと身近に感じる。

ちなみに佐々木のアドバイスに従って美園が揃えた機材は、ヘッドフォンがSONYの「h.ear on 2 MDR-H600A NC」(ペールゴールド)、マイクが「sE Electronics X1S」(ポップシールドを含むVocal Pack)、ミキサーがRoland の「GO:MIXER PRO」と思われる。美園たちは中古を探していたが、新品で揃えようとすると、なかなかの金額になる。なお、ドラマと同時にSpotifyで配信されている美園のポッドキャストが、この機材で収録されているかどうは謎(1本目とあまり音質の違いを感じなかった)。

美園、亜里沙、佐々木の3人のバランスを見ていると、まるで『映像研には手を出すな!』のようだと思えてくる(伊藤万理華の浅草みどり感もさることながら、井桁弘恵の金森さやか感がすごい)。そういえば、『映像研』も「好き」にまつわる物語だった。

「好き」といえば、美園の恋人の内山(井上想良)は「水源」が好きなようだ。美園は内山のフェイスラインが好きで、お互いにお互いの「好き」を温かく見守っている感じが良い。

第2話は、アルコ&ピースの平子祐希、オズワルドの伊藤俊介、レジェンドパーソナリティーとしてエレキコミックのやついいちろうが出演していて芸人濃度が高かったが、なかでもオズワルド伊藤のカリスマ社長っぷりがすごかった。決めゼリフは「お前も漬物にしてやろうか」。さすが漬物会社のポリシーを「NEW WORLD ORDER」にする男だ。

(文:大山くまお)

「お耳に合いましたら。」第2話ストーリー

高村美園(伊藤万理華)の楽しみは、お気に入りのポッドキャスト番組を聴くことと、週に何度かチェンメシ(チェーン店グルメ)を堪能すること。亜里沙(井桁弘恵)の勧めがきっかけで、好きなものを好きと伝えるために初めて自分自身でポッドキャスト配信をした美園。恥ずかしがりながらも、配信を聴いてくれた人が少しずつ増えることに喜びを感じていた。
そして、配信の音質を上げるため、亜里沙と、会社の後輩で音に詳しい佐々木(鈴木仁)と三人でマイクや機材の買い出しをすることに。

–{「お耳に合いましたら。」作品情報}–

「お耳に合いましたら。」作品情報

高村美園(伊藤万理華)は、とある漬物会社に勤める会社員。彼女の楽しみはお気に入りのポッドキャスト番組を聴き、会社帰りに“チェンメシ(チェーン店グルメ)”を買って、ひとり自宅で満喫すること。大勢の前で自らを表現することが苦手な美園であったが、「好きなこと」を語るときだけ熱量が溢れる美園の姿を見ていた同僚・亜里沙(井桁弘恵)に、ポッドキャスト配信をやってみることを勧められる。
そして美園はある夜、大好きなチェンメシを片手に、はじめてのポッドキャスト配信に挑戦することに。トークのルールもわからない美園であったが、その気持ち溢れる、実に“おいしそうな配信”が徐々に反響を呼んでいく。そして、会社の後輩で“音オタク”の佐々木(鈴木仁)もそこに加わり、美園は仲間とともに、番組「お耳に合いましたら。」の人気パーソナリティを目指して、成長していく。

出演:伊藤万理華/井桁弘恵/鈴木仁 ほか 

監督:松本壮史/杉山弘樹/松浦健志

脚本:家城啓之/大歳倫弘/灯敦生/松本壮史

原案・企画・プロデュース:畑中翔太(博報堂ケトル)

キャストコメント

伊藤万理華(高村美園 役)コメント 

主演ドラマ、というのがまったく聞き馴染まなくてドキドキしています。
ラジオレジェンドの大先輩の方々に見守られながら、撮影に奮闘しています。
Spotifyユーザーとして、このドラマを通してポッドキャストデビューできることがすごく嬉しいです!
私が演じる、高村美園の発する拙くも漏れ溢れ出るチェンメシ愛をどうかあたたかく聴き取って、
見守っていてください。木曜日のこの夜が明日のもうひとがんばりに繋がって、
それを終えてから食べるチェンメシはきっと最高に美味しいです。
美園と一緒にそんな楽しい習慣をつくっていきましょう。
お耳チーム一丸となって良い作品にしていきます!どうぞよろしくお願いします。

井桁弘恵(須藤亜里沙 役)コメント 

「音声コンテンツ」と「チェンメシ」どちらも身近で大好きな私にとってこのドラマはワクワクで楽しみでしかありません!
伊藤万理華さんが演じられる美園を亜里沙としてサポートしながら、私自身もこの作品を通して一緒に成長できたらいいなと思っています。
音声コンテンツとチェンメシのコラボはもちろん、美園と亜里沙、そして鈴木仁くん演じる佐々木とのほっこりするやりとりも楽しんでいただけると嬉しいです!

鈴木仁(佐々木涼平 役)コメント 

​佐々木涼平役を演じさせていただくことになりました。鈴木仁です。
後輩やオーディオマニア、他にも涼平の様々なキャラや武器をフル活用して作品の中に入り込んでいければと思います。
特に美園先輩、亜里沙先輩との掛け合いはこのドラマにおいて、重要になってきます。作品の空気感を大切にして、遊びも交えながら真剣に取り組んでいきます。よろしくお願いします。

スタッフコメント

〈原案・企画・プロデュース〉博報堂ケトル 畑中翔太

この企画は、自分自身が小学生の頃、CDコンポを並べてカセットテープに録音していた“自作のラジオ番組”がきっかけで生まれたものです。ポッドキャストなどの音声メディアの浸透とともに、今では「誰もがパーソナリティになれる時代」となりました。主人公の高村美園はごく普通の会社員ですが、ある日ポッドキャストとの出会いから、憧れだった“パーソナリティ”への道を歩んでいきます。それは今の時代、誰しもに起こるようなリアルストーリーだと思います。
そして主人公が配信するテーマ、それは牛丼、ハンバーガー、ラーメン、ピザ、お寿司などなど・・彼女が愛してやまない、魅惑のチェーン店グルメ・通称“チェンメシ”。
これから平日に疲れた木曜の深夜には、伊藤万理華さん演じる美園のほっこりするような「パーソナリティ成長記」と、テレ東ならではの「深夜グルメ」の“異色コラボ”をぜひお楽しみください。

〈プロデューサー〉テレビ東京 寺原洋平

キャンプ、サウナ、車中泊など今までライフスタイル系ドラマを作り出してきたテレビ東京が新しく挑戦するのは、最近まさに注目を浴びている“音声コンテンツ”!そこにテレビ東京が得意とするグルメエッセンスと、20代前半に誰もが経験する「大人の青春」を掛け合せたら、主演の伊藤万理華さん演じる美園がとても個性的でチャーミングなキャラクターに仕上がりました。今後、発表される絶対予想できないSpotifyさんとのメディア連動のパーソナリティ正体も併せて是非ご期待ください!

スポティファイ ジャパン株式会社  音声コンテンツ事業統括  西ちえこ

駆け出しのポッドキャストパーソナリティとして奮闘する女性を主人公にしたドラマというのは、これが初めてではないでしょうか。ポッドキャストはいつでもどこでも無料で楽しめる音声コンテンツで、毎日の生活の中で新しい世界や興味を広げてくれるだけでなく、専用アプリ「Anchor by Spotify」を使えば誰でも自分の考えや物語を簡単に世の中に届けることもできます。音声コンテンツは今かつてない盛り上がりを見せていますが、音声を介した表現方法は様々で、これからもフォーマットに縛られない新しい表現方法が日本のクリエイターによって生み出されていくことに期待しています。ドラマとこれに連動したSpotify上での展開を通じて、音声コンテンツの楽しさをより多くの方に知っていただければと願っています。