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2017年に週刊少年マガジンで連載が開始され、コミックの累計発行部数2000万部を突破した和久井健の「東京リベンジャーズ」。
4月から放送中のアニメーションもヒットしており、コミックとの相乗効果で大きな盛り上がりを見せています。
そして、負け犬フリーターのタケミチが運命を変えるために、タイムリープを繰り返すというヤンキーバトルにSF的要素を交えた異色の作品が、若手豪華キャストを終結させて実写映画化されました。
新型コロナウィルス感染拡大による撮影遅延・公開延期を乗り越えて、7月9日に満を持しての公開。延期は映画にとっては痛い出来事でしたが、アニメの大ヒットという追い風を受けることができ、結果的に最良のタイミングでの公開となりました。
映画『東京リベンジャーズ』
この大ヒットコミックスの映画化に挑んだのは、『映画 賭ケグルイ』シリーズ、『映像研には手を出すな!』『ぐらんぶる』とぶっ飛んだコミック原作の映画化に定評のある英勉。
原作が未完結の中で、「東京リベンジャーズ」の持つエッセンスを巧みに取捨選択して、見事に脚色、2時間の枠内に見事の納め、この夏必見の一本に仕上げました。
映画化もされた『MOZU』シリーズや『探偵はBARにいる』シリーズ、『太陽は動かない』などのアクションを担当し、『あさひなぐ』『映像研には手を出すん!』で英勉監督と組んできた諸鍜治裕太が一対一、一対多数、多数対多数といったバラエティに富んだアクションシーンを設計、迫力満点のエンタメアクションを展開しています。
主演には原作ファンであり、主人公のタケミチのファンであることを公言している北村匠海。
カギの握る暴走族集団・東京卍會(トーマン)のトップであり、圧倒的な喧嘩の強さを見せるマイキーに吉沢亮、トーマンのナンバー2で高いカリスマ性を魅せるドラケンに山田裕貴がキャスティングされ、さらに眞栄田郷敦や鈴木伸之がトーマンのメンバーとして登場します。
そんなトーマンと対立する愛美愛主(メビウス)のハンマを清水尋也、両陣営の間で暗躍するキサキを間宮祥太朗が演じています。
また、タケミチの親友・アッくんに磯村優斗、タケミチのタイムリープを使って、過去と未来を変えようとする警官の直人に杉野遥亮。
そして、タケミチが過去に唯一、付き合った相手であり、直人の姉で、ハングレ集団と化したトーマンによって命を落とすヒナタを今田美桜が演じます。
–{圧倒的な人気キャラクターをモノにした山田裕貴}–
圧倒的な人気キャラクターをモノにした山田裕貴
原作の中でも1,2を争う人気を誇るのがトーマンのナンバー2でタケミチ、そしてトーマンのトップ・マイキーにも強い影響力を持つドラケンこと龍宮寺堅です。
喧嘩の腕はもちろん、カリスマ性と人間性を併せ持つこのドラケンを演じたのが山田裕貴。
2010年の映画『私の優しくない先輩』で俳優デビューし、翌年のスーパー戦隊シリーズの「海賊戦隊ゴーカイジャー」のゴーカイブルー役で注目を浴び、その後『HIGH&LOW』シリーズや、朝の連続ドラマ小説「なつぞら」や大河ドラマ「おんな城主 直虎」などに出演。
ドラマで40タイトル、映画では50タイトルを超え、配信系作品や舞台作品を含めるとこの10年間で100タイトル以上の出演作品を誇るいま、一番勢いのある売れっ子若手俳優の一人となっています。
2021年だけでも連続ドラマでは「ここは今から倫理です。」に主演したほか、「青のSP-学校警察・嶋田隆平-」「監察医 朝顔」「特捜9」「川のほとりで」「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」と切れ目なく出演しています。
これに加えて映画では、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』『東京リベンジャーズ』『燃えよ剣』と3作品が公開されます。
『東京リベンジャーズ』では、もともとプライベートでも進行のあったマイキーを演じる吉沢亮から原作を勧められたというドラケンを演じるべくして演じたことになります。
原作のドラケンがまさに美味しく、魅力的な役どころであるのですが、その魅力をしっかりと体現した山田裕貴は北村匠海演じるタケミチ、吉沢亮演じるマイキーと共に”作品の顔”として映画を引っ張り続けています。
もともと揃った若手俳優たちに、プライベートで交流がある人たちが多いこともあって、息の合った演技合戦で楽しませてくれます。
その中でも、山田裕貴演じるドラケンは、魅力たっぷりのキャラクターになっています。
武闘派の不良で暴走族集団のトーマンのナンバー2である一方で、一般人に害が及んだときに”下げる頭”を持っているトーマンの良心でもあるドラケンは、映画『東京リベンジャーズ』の中でも素晴らしい存在感でした。”
はっきり言って、山田裕貴のカリスマ性あふれるドラケンを見るだけでも『東京リベンジャーズ』は一見の価値があると言っていいでしょう。
飛び込んできた嬉しいニュース
最後に、直近に飛び込んできた驚き&歓喜のニュースの話を一つ。
山田裕貴のブレイク作品となった「海賊戦隊ゴーカイジャー」の10周年記念・Vシネクスト『テン・ゴーカイジャー』の製作が発表され、なんと!山田裕貴の出演もアナウンスされたのです。
スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズは、今や若手俳優の登竜門と言え、スーパー戦隊からは玉山鉄二、志尊淳、横浜流星、千葉雄大が、仮面ライダーシリーズからはオダギリジョー、佐藤健、菅田将暉、竹内涼真、福士蒼汰などなど錚々たる面々が並んでいます。
ちなみに、『東京リベンジャーズ』組の吉沢亮と磯村勇斗も仮面ライダー出身者です。
特撮モノのブランド力が上がっていることもあって、彼らがもともとライダーだったこと、戦隊ヒーローであったこと意図的に隠すことはありませんが、そうは言っても10年も経ってシリーズ最新作に出演してくれるとは思いませんでした。
今回の山田裕貴の『テン・ゴーカイジャー』への出演は、佐藤健が『平成仮面ライダー20周年記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』に10年ぶりに仮面ライダー電王/野上良太郎役で出演したことに匹敵するほどのサプライズといっていいでしょう。
「山田君に演じて欲しい」という役は、基本的に(役の大小にこだわらず)出演し、役を生きることにこだわり続けるという山田裕貴は現在30歳。俳優としても人間としても、これからますます厚みが増すばかりの時期ですので、これからもまだまだ我々を楽しませてくれることでしょう。
(文:村松健太郎)
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–{『東京リベンジャーズ』作品情報}–
『東京リベンジャーズ』作品情報
ストーリー
ボロアパート暮らしの花垣タケミチ(北村匠海)は、バイト先でも年下の店長からバカ扱いされるどん底人生真っ只中のダメフリーター。ある日、ヤンキーだった学生時代に付き合っていた人生唯一の彼女・橘ヒナタとその弟・ナオトが、関東最凶の組織“東京卍曾”に殺されたことをニュースで知る。その翌日、駅のホームにいたタケミチは何者かに背中を押され、線路に転落。死を覚悟した瞬間、タケミチは不良学生だった10年前にタイムスリップしてしまうのだった……。そこでタケミチは、ナオト(杉野遥亮)に遭遇、「10年後にヒナタは殺される」と伝えたことで、未来が変化する。ヒナタを救うことはできなかったが、ナオトは10年後、刑事になっていた。現代に戻ったタケミチは、刑事のナオトから「10年前に戻り、東京卍曾を潰せばヒナタを助けられる。力を貸して欲しい」と言われる。タイムリープする方法は、現代あるいは過去にいるナオトと握手すること。ヒナタを救うため、そして逃げ続けた人生を変えるため、タケミチは不良軍団・東京卍曾に立ち向かうことを決意する……。
予告編
基本情報
出演:北村匠海/山田裕貴/杉野遥亮/今田美桜/鈴木伸之/眞栄田郷敦/清水尋也/磯村勇斗/間宮祥太朗/吉沢亮
監督:英勉
公開日:2021年7月9日(金)
製作国:日本