現在公開中の『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』で難しい役どころを演じている平手友梨奈。敵・ウツボ(堤真一)が雇う車いすの少女・ヒナコを演じている。過去にファブルが助けたものの、その際にケガをして車いすとなっていた(ファブルは覆面をしていたため、顔は見ていない)。ファブルとヒナコがひょんなことから再会し、物語は動いていく。
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「拡張型」な平手友梨奈の魅力
ヒナコ、何といっても目が強い。
これは平手友梨奈に関して100万回は言われていることだと思うが、それでも言わずにはいられないほど改めて印象に残ってしまった。
予告にもある過去のシーンでは涙を流して見開いた目が、再会後は車いすとなりながらも、目的のために前向きに努力する真剣な表情に惹かれる。またストーリーに深く関わるので詳しく言えないが、物語の終盤にも彼女の表情が際立つシーンがある。
また本作では堤真一演じるウツボとの関係性がひとつのカギとなってくるが、作中の中でどんどん明かされていき、驚きの連続でもある。ストーリーの進行に従ったヒナコの心境の変化にも注目してほしい。
平手は先日最終回を迎えたドラマ「ドラゴン桜」でも、東大専科で勉強する一人・岩崎楓を演じていた。全国で戦うバドミントンの選手として活躍していたがケガをし、桜木(阿部寛)との関わりをきっかけに東大を目指す。バドミントンの夢も諦めず、バドミントンのために東大を学びたい。強い意志を持った楓は、劇中で他の生徒がやる気をなくす場面でも、前向きに取り組んだり周りを勇気づけたりするシーンが多かったように思う。
これは個人的な感想だが、平手友梨奈はそれぞれの役をもちろん演じているし、それぞれの役の中に平手友梨奈を感じる。といっても「どの役も同じに見える」という意味では決してない。役によって全く違う人のようになる人を「憑依型俳優」と呼んだりするが、平手はそれぞれの役の中に自分に近い部分を見つけ、拡張して演じることができる「拡張型俳優」なのではないかなと思った。
思えば、彼女が欅坂46時代に歌い、踊って来た楽曲にもそんなところがあった。それぞれの曲の主人公の歌を歌っているが、一方で平手友梨奈の歌のようにも感じたのは、彼女が歌の主人公と自分の共通点を拡張して表現できる人だったからなのかもしれない。活動の中で培われていった部分ももちろんあると思うが、元から持っているものもあると思う。本当に観ていて飽きない人だ。
女優としての平手友梨奈のこれからも楽しみだし、歌やダンスでの表現もまだまだ見たい。ひとつの肩書きやカテゴリにとらわれない、「表現者・平手友梨奈」をずっと見ていたい。
『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』、平手友梨奈の演技が気になっている人は、迷わず劇場で観るべきだ。
(文:ぐみ)
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–{『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』作品情報}–
『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』作品情報
ストーリー
どんな相手も6秒以内に仕留める伝説の殺し屋“ファブル”(岡田准一)はある日、ボス(佐藤浩市)から「一年間、誰も殺すな。一般人として“普通”に生きろ」と命じられる。猫舌で変わり者の彼は、佐藤アキラという偽名で、相棒・ヨウコ(木村文乃)と普通の兄妹のフリをして暮らし始め、バイト先の社長(佐藤二朗)と同僚のミサキ(山本美月)と関わりながら、プロの普通を極めるため奮闘していた。一方、この街では、表向きは子供を守るNPO団体・子供たちを危険から守る会の代表だが、裏では緻密な計画で若者を殺す最狂の男・宇津帆(堤真一)が暗躍していた。彼は凄腕の殺し屋・鈴木(安藤政信)と共に、かつて弟を殺したファブルへの復讐に燃えていた。そのころアキラは、4年前のある事件で自分が救えなかった車椅子の少女・ヒナコ(平手友梨奈)と偶然再会するが、これが後に大騒動を引き起こすことに……。
予告編
基本情報
出演:岡田准一/木村文乃/堤真一/平手友梨奈/安藤政信/山本美月/佐藤二朗/井之脇海/安田顕/佐藤浩市/宮川大輔/橋本マナミ/黒瀬純(パンクブーブー)/好井まさお(井下好井)
監督:江口カン
公開日:2021年6月18日(金)
製作国:日本