Netflix「バイオハザード:インフィニット ダークネス」最速レビュー | 誕生25周年「バイオハザード」初の連続CGドラマシリーズ!

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ゲームから始まり実写映画、小説、舞台、体感ゲーム、長編アニメーション映画と幅広く、メディア展開され、海外でも「Resident Evil」のタイトルで知られる「バイオハザード」。

その初の連続CGドラマシリーズとなる「バイオハザード:インフィニット ダークネス」(「BIOHAZARD:Infinite Darkness」)が2021年7月8日よりNetflixで全世界独占配信されます。

2017年に公開された長編アニメーション『バイオハザード:ヴェンデッタ』では『呪怨』シリーズの清水崇監督が製作総指揮を担当したことでも話題になりましたが、今回の「バイオハザード:インフィニット ダークネス」でも実写映画に実績のある羽住英一郎監督が監督・脚本としてクレジットされています。

これまで『海猿』シリーズや『劇場版MOZU』『太陽は動かない』といったスケール感のある大作アクションサスペンスを手掛け続けてきた羽住英一郎監督が、今回の「バイオハザード:インフィニット ダークネス」では初めてCGドラマを手掛けたことにも話題を呼んでいます。
 

あらすじ

2000年。内戦中のペナムスタンへ軍事介入していた米軍の特殊部隊のヘリが墜落。

同作戦地域にいた米軍のマッドドッグス隊は、司令室からの待機命令に背く形で生存者の救助に向かうがすでに特殊部隊は壊滅していた。
隊長ジェイソンが率いるマッドドッグス隊にも危機が迫り、命からがら脱出することになる。
そこで、ジェイソンらマッドドッグス隊のメンバーが現場で見たものは、死んだはずの特殊部隊が不気味に動き出す姿だった・・・。

それから6年後。ホワイトハウスの極秘ファイルへの不正アクセス事件が発生。

その捜査のため大統領の下に召集されたレオン・S・ケネディ、ペナムスタンの英雄ジェイソンを含むエージェント4名は、突如停電したホワイトハウス内で正体不明のゾンビ達と遭遇、レオンたちはSWATと共にそれらを制圧する。

その後、極秘ファイルは上海の生物科学研究所に関するものだとわかり、手がかりを求めレオンら3名のエージェントが捜査に向かうことに。

最新鋭の潜水艦で上海へ向かう途中、突如として現れた集団で襲ってくるネズミ型B.O.Wの襲撃を受け、窮地に立たされてしまう。

 一方、テラセイブの職員クレア・レッドフィールドは難民支援のためペナムスタンに在留中、失語症の少年が描いた奇妙な絵と出会う。
ウィルス感染者を描いたと思われるその絵をきっかけに独自の捜査を進めるクレアはペナムスタン内戦時に実施された、ある恐ろしい実験に辿り着く。

思いがけぬ真実、そしてペナムスタンに端を発した事件の真相に近づくレオンとクレア。 更に、平和を脅かす恐怖の発露が迫っていることが発覚する・・・。

–{オリジンと新たな風}–

オリジンと新たな風

ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督による6本の実写映画シリーズ、そして過去の長編アニメーション『バイオハザード ディジェネレーション』『バイオハザード ダムネーション』『バイオハザード:ヴェンデッタ』などでもバイオハザードによるパニック&アクションとその裏にある陰謀・策謀が交じり合ったストーリーが展開されてきました。

今回の「バイオハザード:インフィニット ダークネス」では「MOZU」シリーズや『太陽は動かない』などを手掛けた羽住英一郎監督(脚本も兼任)が手掛けことともあって、過去作と比較してよりポリティカルサスペンスの要素が強い一作になっています。何せ、メインストーリーの発端の場がホワイトハウスという驚きのチョイスですから。

羽住監督は長い歴史と多くのファンがいる作品に関われることに対してプレッシャー以上に大きな喜びを感じたと語っています。
監督としては初のフルCGアニメーションへの挑戦(アニメ演出自体が初)でしたが、これまでの実写で培ったダイナミックなアングルや演出を今作でも見せてくれています。

もともと世界的に通用するタイトルの「バイオハザード」ですが、今回の「バイオハザード:インフィニット ダークネス」はNetflixでの全世界同時配信という、大前提があるために物語の普遍性や規模感の確保が必要でした。

そういう意味でも羽住監督の登板は間違いない選択だったと言えるでしょう。

『踊る大捜査線』の現場でノウハウを学び『海猿』で長編デビューしたのちは、海外ロケも行った「MOZU」『太陽は動かない』と言った邦画離れしたスケール感のある作品で知られる羽住監督の持つ視点が「バイオハザード」の世界観に新たな風を吹き込み、全世界同時配信というスケールの大きな発信方法に耐えうるクオリティの作品を創り上げました。

こういった“羽住カラー”がしっかりと感じられる「バイオハザード:インフィニット ダークネス」ですが、その一方で製作・原作監修には、数々の「バイオハザード」シリーズを世に送り出してきたカプコンの小林裕幸プロデューサーが参加。制作プロデュースには、様々なアニメ作品を生み出しているトムス・エンタテインメント、『バイオハザード:ヴェンデッタ』で制作プロデューサーを務めた、宮本佳率いるQuebicoがフル3DCGアニメーション制作を担当するなど、羽住監督を支える体制がしっかりと担保されていることも安心材料と言えるでしょう。

羽住監督という新たな風と「バイオハザード」とアニメーションに通じたスタッフの合流で「バイオハザード:インフィニット ダークネス」は“しっかりとしたバイオハザード”であると同時に“全く新しいバイオハザード”と言えるでしょう。

拡がる「バイオハザード」の世界

「バイオハザード」のメディアミックスとしては「バイオハザード:インフィニット ダークネス」(「BIOHAZARD:Infinite Darkness」)が2021年7月8日にNetflixで全世界独占配信されますが、これに加えて同じくNetflixでオリジナルドラマシリーズの「バイオハザード」全8話の制作も発表されています。

こちらはT-ウィルス発見から約30年後の物語となることで、ランス・レディックがキーパーソンのアルバート・ウェスカー役を演じるほか、エラ・バリンズ、タマラ・スマート、アデライン・ルドルフ、シエナ・アグドン、パオラ・ニュニェスなどのキャスティングが発表されました。

また、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演シリーズの印象が残っている中で、新たにリブート版の映画企画も進んでいて、こちらは独自路線を行った過去の映画シリーズとは違ってゲームの「バイオハザード」の世界観に寄り添った内容になり、ゲームの人気キャラクターも総登場するとのことです。

何よりゲームの「バイオハザード」が世界的に通用する、大ヒットタイトルであるという強みがあるので、今後も様々な媒体で、形態での展開が見られることでしょう。

Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/biohazard_anime

(文:村松健太郎)

–{『バイオハザード:インフィニット ダークネス』作品情報}–

『バイオハザード:インフィニット ダークネス』作品情報

【あらすじ】
6年前(2000年)、内戦中のペナムスタンへ軍事介入していた米軍の「特殊部隊」のヘリが墜落した。
同作戦地域にいた米軍の「マッドドッグス」隊は、司令室の待機命令に背く形で生存者の救助に向かうがすでに「特殊部隊」は壊滅。隊長ジェイソンが率いる「マッドドッグス」隊も命からがら脱出することになる。
しかし、ジェイソンらが現場で見たものは、死んだはずの「特殊部隊」が不気味に動き出す様子だった・・・。

現在(2006年)、ホワイトハウスの極秘ファイルへの不正アクセス事件が発生する。その捜査のため召集されたレオン・S・ケネディ、ペナムスタンの英雄ジェイソンを含むエージェント4名は、突如停電したホワイトハウス内で正体不明のゾンビ達と遭遇。SWATと共にそれらを制圧する。
その後、極秘ファイルは上海の生物科学研究所に関するものだとわかり、手がかりを求めレオンら3名のエージェントが捜査に向かうことに。最新鋭の潜水艦で上海へ向かう途中、突如として現れた集団で襲ってくるネズミ型B.O.Wの襲撃を受け、窮地に立たされてしまう。

一方、テラセイブの職員クレア・レッドフィールドは難民支援のためペナムスタンに在留中、失語症の少年が描いた奇妙な絵と出会う。ウィルス感染者を描いたと思われるその絵をきっかけに独自の捜査を進めるクレア。
そしてペナムスタン内戦時に実施された、ある恐ろしい実験に辿り着く。
思いがけぬ真実、そしてペナムスタンに端を発した事件の真相に近づくレオンとクレア。
更に、平和を覆す恐怖の発露が迫っていることが発覚する・・・。

【予告編】

【基本情報】
原作・製作・監修:株式会社カプコン

監督:羽住英一郎

脚本:武藤将吾、羽住英一郎

エグゼクティブプロデューサー:小林裕幸(カプコン)

出演:森川智之/甲斐田裕子/立木文彦/潘めぐみ/野島健児/井上和彦/田原アルノ/小形満