『モータルコンバット』レビュー | IMAX®シアター映えするハリウッド大作が久しぶりに登場

映画コラム

IMAX®映えに飢えていませんか?

IMAX®シアターで、大画面で、映える大作が見たくありませんか?

しかもハリウッドメジャーが大金をかけて、キャスト面でも贅を凝らし、CGも満載。
脚本やキャラクターの捻りで唸るのではなく、とにかく目の前で繰り広げられるド迫力バトルを浴びるような映画、そんな映画に飢えていませんか?

そんな飢えを癒してくれる映画が2021年6月18日にやっと我々の前にやって来てくれます。

それが『モータルコンバット』
人気対戦格闘ゲームの映画化で、真田広之や浅野忠信が出演し、とっても日本人に馴染みやすいハリウッド大作です。

大作映画が止まった一年

新型コロナウィルスの感染拡大はハリウッドを飲み込みました。あらゆる大作映画が公開延期に追いやられてしまいました。

大ヒットアクションシリーズの『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』、マーベル・アメコミ大作『ブラック・ウィドウ』、モンスターバースの最新作『ゴジラvsコング』、ダニエル・クレイグの“ラストボンド”『007ノー・タイム・トゥ・ダイ』などなど。

遂にはハリウッドメジャー会社の一角のMGMが経営が立ち行かなくなり、Amazonに買収されてしまう状況にまでになりました。確かに北米地区の主要都市部の映画館(約16,000スクリーン)が一年近く営業ができなかったので仕方がないとは言えますが・・・。

日本でも公開延期作品が続いていますが、ハリウッド映画となると北米地区だけではなく世界全体を市場にしていることもあって、その影響は大きなものとなります。 

ハリウッド大作の不在を実感するとき

日本でもハリウッド大作の公開延期作品が続きましたが、このことを実感するのがIMAX®シアターや4DX、MX4Dシアターで上映されている作品のタイトルを見たときです。

昨年2020年の春の映画館休業期間が明けてからというものIMAX®シアターではクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』『ダンケルク』『インセプション』『インターステラー』のリバイバル上映が続きました。これは秋に同監督の『TENET テネット』の公開が控えていたと言うこともあって、絶妙なプロモーション&映画ファンサービスとなりましたが、本来であれば夏休み期間中だったのでこのようなリバイバル企画ではなく新作がIMAX®シアターを占拠するはずでした。

しかし、ハリウッド全体が停滞したことで、ラージフォーマット向けの作品の日本への供給が止まり、リバイバル企画で枠を埋めざるを得ませんでした。

IMAX®シアターなどのラージフォーマットでの上映作品は『ワンダーウーマン1984』ぐらいしかハリウッド大作はなく、日本映画では『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』、劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』などが続きました。

現在ラージフォーマットの劇場では主に『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』が上映されています。
幸いにして(?)『るろうに剣心 最終章 The Final』は大画面映えするエンターテイメント大作と言うこともあってIMAX®シアターの高解像度の大画面と優れた音響設備という要素をフルに活かすことができています。

実際、私はマスコミ試写で『るろうに剣心 最終章 The Final』を見たときに「これは大画面でこそ見るべき映画だ」と思い、公開初日にTOHOシネマズ新宿のIMAX®シアターに駆け込みました。
2021年6月4日からは『るろうに剣心 最終章 The Beginning』も公開されているので、映画館によってはIMAX®シアターで『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』の”ハシゴ”ができる映画館もあります。 

–{ハリウッド大作がついにIMAX®に帰還!!『モータルコンバット』公開!!}–

ハリウッド大作がついにIMAX®に帰還!!『モータルコンバット』公開!! 

『るろうに剣心 最終章The Final』をIMAX®シアターで堪能した後に思ったことは、「やっぱり、IMAX®シアターでハリウッド大作が見たいな」と言うことでした。

前置きが長くなってしまいましたが、暗い話題を吹き飛ばしてくれるハリウッド大作が2021年6月18日に遂にIMAX®シアターに還ってきます。それが『モータルコンバット』です。

ゲーム原作の映画で、90年代にも映画化(『バイオハザード』『映画 モンスターハンター』のポール・W・S・アンダーソン監督作品でした)されていることもあって、タイトルはご存知の方もいるかもしれませんが、対戦格闘ゲームのヒットシリーズであると同時に非情にバイオレンスな描写が多いゲームであることでも知られています。

今回の映画『モータルコンバット』もR15指定の映画になっていますが、実際に見てみるとカリカチュアライズされた描写が多いので、そこまでグロかったり、血まみれであったりしないのでそのあたりは安心(?)していただければと思います。
ゲーム原作ですし、真田広之や浅野忠信がかなり重要な役どころで出ているので、日本人は親近感も抱きやすいのではないかと思います。

マーベル映画に出演したりとすっかり海外作品でもお馴染みの存在になりつつある浅野忠信の好演と、千葉真一の弟子であり、アクションスターとして一時代を築いたことを思い出させる真田広之の見事な殺陣を堪能することができます。

今回、私は機会に恵まれこの『モータルコンバット』のIMAX®シアターで一足先に体験してきました。

一言で感想を言えば「実に大画面映えする映画だ」と言うことになります。この前に一度、すでに試写室で『モータルコンバット』を見ていたのですが、劇場の大画面で見直して、改めてこの映画の良さを感じることができました。

キャスト面の認知度などで少し弱いところも無くはないのですが、キャラクター性重視のゲームの実写映画化ということで言えばあまりマイナスポイントにはならないでしょう。キャストは敵味方関係なく動けるメンバーが揃っているので様々なバリエーションのアクションを添加させています。

序盤こそ、魔界と人間界の間で覇権を争って開催される闘い“モータルコンバット”の人間側の代表者の証である”龍のアザ”を持つ者が集まるところ、彼らが秘めたる力を解き放つ修行の部分に割かれていて比較的映画としてはおとなしめです。しかし、中盤以降、いざバトル開始となると特殊な力を開花した人間側の戦士たちと魔界からの異形のモノたちとのド迫力のバトルシーンが展開されていきます。人間対人間の構図ではなく、どちらも特殊な能力を持った者同士の闘いといこともあって、それぞれ多種多様で、非情にに立体的なバトルシーンが繰り広げられ、大画面をところせましとキャラクターたちが躍動します。

久しぶりに”大画面映え”するハリウッドアクションを素直に楽しんだ気分になれました。

緊急事態宣言が延長されると決まり映画館の営業についてもまたもや休業か?とドキッとしましたが、時短・動員制限こそあるものの、6月からは何とか営業再開できることになりましたので、このタイミングでIMAX®シアターにやってくる『モータルコンバット』で、久しぶり大画面で大作を見るという経験をしてみてはいかがでしょうか?

IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation

(文:村松健太郎)

–{『モータルコンバット』作品情報}–

『モータルコンバット』作品情報

【あらすじ】
胸にドラゴンの形をしたアザを持つ総合格闘技選手コール・ヤング(ルイス・タン)は、自らの生い立ちを知らぬまま、金のために戦う日々を送っていた。そんなある日、コールは魔界の皇帝シャン・ツン(チン・ハン)が放った刺客サブ・ゼロ(ジョー・タスリム)に命を狙われる。家族の身を案じたコールは、特殊部隊少佐ジャックス(メッカド・ブルックス)に言われるがまま同じく特殊部隊所属のソニア・ブレイド(ジェシカ・マクナミー)という女性戦士と合流、地球の守護者であるライデン(浅野忠信)の寺院を訪れる。そこで太古より繰り広げられてきた世界の命運を懸けた格闘トーナメント“モータルコンバット”の存在を知るコール。さらに、自らが魔界の敵たちと戦うために選ばれた戦士であることを知るのだった。コールは新たな仲間たちとともに、秘められた力を解放し、家族、そして世界を救うバトルに身を投じていく……。

【予告編】

【基本情報】
出演:ルイス・タン/真田広之/浅野忠信/ジョー・タスリム

監督:サイモン・マッコイド

ジャンル:アクション