「できるかできないかじゃない。やるか、やらないかだ」
最高に弱くて最高に腰が引けている、おそらく日本一弱いヒーローがここにいる。北村匠海演じる主人公・花垣武道は、地獄の高校時代を機に「一生謝り続ける人生」を送ることになった。このままパッとしない人生を歩むんだと思っていたところ、なんと何者かに線路へと突き落とされーー
気づいたら、10年前にタイムスリップしていた!?
大切な仲間を、大切な彼女を、自分の手で守り抜くんだと覚悟を決める、一人のヒーローの物語『東京リベンジャーズ』。2021年7月9日公開予定の本作、きっと観なければ夏の幕は上がらないはずだ。
10年前の高校時代にタイムスリップ!?新感覚ヤンキーもの
ヤンキー仲間とワイワイ盛り上がり、彼女もいた高校時代。武道は確かにイケイケな高校生だった。風向きが変わったのは、とあるヤンキー集団と喧嘩になり負けてしまった、あの時から……。
鈴木伸之演じるキヨマサに目をつけられ、まるで奴隷のような扱いを受ける日々。あれから10年ーー謝ってばかりの人生を送ることになったのはキヨマサのせいだと恨みを募らせる武道。そんなとき、当時付き合っていた彼女とその弟が、半グレ集団の抗争に巻き込まれて亡くなってしまったことを知る。
意気消沈していた矢先に、なぜか武道は何者かから線路に突き落とされてしまいーー気づいたら、10年前の高校時代にタイムスリップしていたのだ。
大切な仲間、大切な彼女を守るために、過去に戻ってできることは何なのか?
その真相を探るため、武道は動き出す。どれだけ殴られても、どれだけ力で押さえつけられても、武道は諦めない。醜く這いつくばりながら、「大切な人を救いたい」その一点だけを見つめる。その姿に、否応なく心動かされるのだ。
弱くてもいい、心が折れたっていい。弱さを受け入れる方法を教えてくれる
武道は弱い。決して、強くはない。何度も殴られては心が折れて、「俺には無理だ」「できるわけない」と繰り返す。
だけど、この物語は「弱くてもいいんだ」ってことを教えてくれる。強くなろうと頑張らなくてもいい。自分が弱いと思うならその弱さを認めて、だからこそできることを考えればいい。すべては、大切な人を守るために。
武道が何度も過去に戻り、これまでの人生をやり直す様を見せつけられて、観客はどうしようもなく「人生はやり直せないのだ」という事実を知ることになるだろう。だからこそ私たちは、行動するなら今しかないと覚悟を決められる。今できることはなんだろう、と前向きに考えを巡らせられる。
弱虫のヒーローは、弱虫だったからこそ、大切な人を守り抜く覚悟を決められた。この夏、私たちもひとりのヒーローから勇気をもらうだろう。閉塞的な世を生き抜く勇気、大切な人を守り抜き寄り添う覚悟、そして、弱さを弱さとして見せる潔さも。
(文:北村有)
–{『東京リベンジャーズ』作品情報}–
『東京リベンジャーズ』作品情報
【あらすじ】
ボロアパート暮らしの花垣タケミチ(北村匠海)は、バイト先でも年下の店長からバカ扱いされるどん底人生真っ只中のダメフリーター。ある日、ヤンキーだった学生時代に付き合っていた人生唯一の彼女・橘ヒナタとその弟・ナオトが、関東最凶の組織“東京卍曾”に殺されたことをニュースで知る。その翌日、駅のホームにいたタケミチは何者かに背中を押され、線路に転落。死を覚悟した瞬間、タケミチは不良学生だった10年前にタイムスリップしてしまうのだった……。そこでタケミチは、ナオト(杉野遥亮)に遭遇、「10年後にヒナタは殺される」と伝えたことで、未来が変化する。ヒナタを救うことはできなかったが、ナオトは10年後、刑事になっていた。現代に戻ったタケミチは、刑事のナオトから「10年前に戻り、東京卍曾を潰せばヒナタを助けられる。力を貸して欲しい」と言われる。タイムリープする方法は、現代あるいは過去にいるナオトと握手すること。ヒナタを救うため、そして逃げ続けた人生を変えるため、タケミチは不良軍団・東京卍曾に立ち向かうことを決意する……。
【予告編】
【基本情報】
原作:和久井健『東京卍リベンジャーズ』(講談社『週刊少年マガジン』連載中)
監督:英勉
脚本:髙橋泉
出演:北村匠海/山田裕貴/杉野遥亮/今田美桜/鈴木伸之/眞栄田郷敦/清水尋也/磯村勇斗/間宮祥太朗/吉沢亮
主題歌:SUPER BEAVER「名前を呼ぶよ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
配給:ワーナー・ブラザース映画
コピーライト:©和久井健/講談社 ©2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会