テレビ朝日の木曜ドラマ枠にて、玉木宏が主演をつとめる「桜の塔」が2021年4月15日、放映スタートした。
「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」などで知られる武藤将吾が脚本を担当する本作は、警視総監のポストをめぐる権力争いを軸に、組織内部の人間ドラマを描き出す異色の刑事ドラマ。
警視総監の座を狙い、“野望の階段”を駆け上がる主人公を演じるのは、玉木宏。さらに、広末涼子、仲里依紗、岡田健史、森崎ウィン、橋本じゅん、高岡早紀、光石研、吉田鋼太郎、椎名桔平ら豪華キャスト陣が集結している。
もくじ
第1話あらすじ&感想
第1話のあらすじ
2016年――東京都内の銀行で、一般市民を人質に取った立てこもり強盗事件が発生した!警視庁刑事部捜査一課の主任・水樹爽(広末涼子)は部下の富樫遊馬(岡田健史)らを率い、事件現場を包囲。現場からの連絡を受け、地方大学出身の「外様派」刑事部長・千堂大善(椎名桔平)は警備部所属の特殊急襲部隊「SAT」の出動を要請する。だが、彼と共に次期警視総監の座を争う「薩摩派」警備部長・権藤秀夫(吉田鋼太郎)と「東大派」警務部長・吉永晴樹(光石研)――警視庁のスリートップが繰り広げる“それぞれの思惑をはらんだ話し合い”は決裂…。そうこうしているうちに、覆面をかぶった犯人が人質の一人に発砲し、まんまと裏口から逃走するという大失態を招いてしまう!
上層部による話し合いの詳細については知る由もないが、明らかに“防げたはずの事件”を防げなかったことに、激しい怒りに震える爽。だが、ずば抜けたプロファイリング能力を誇る警視庁捜査共助課の理事官・上條漣(玉木宏)は極めて冷静だった。彼は隙のない理論でSATを出動させなかった理由を説明して見せたばかりか、現場の刑事たちが見抜けなかった“犯人特定の手がかり”をも提示したのだ!しかもその矢先、千堂が“ある事情”から自らの娘・優愛(仲里依紗)の婚約者で、捜査の陣頭指揮をとっていた捜査共助課課長・佐久間義孝(少路勇介)を外し、漣を代理として引き上げる。そんな状況を冷ややかに見守る権藤と吉永。彼らの派閥に属するキャリア組も一斉に捜査から手を引いてしまい…。
一方、漣は幼馴染でもある爽に、強盗犯は誰だと思うか尋ねる。犯人が使ったのは最新の3Dプリンターで作製した改造銃だという漣の見立てを元に絞り込んだ容疑者の中から、爽は刑事の勘で蒲生兼人(森崎ウィン)がホンボシだと推測。そんな爽に、漣は“とんでもない指示”を出し…!?
第1話の感想:まるで「警察版 半沢直樹」、結末が楽しみだ
まるで「警察版!半沢直樹」のような印象を持った。キャリア組とノンキャリア組で火花をバチバチと鳴らし合っている傍ら、キャリア組はキャリア組で互いを蹴落とし合っている警察内部の混乱と衝突。最後に誰が土下座をすることになるのか、思わず予想してしまう。
そんな下々の巻き起こす喧騒はどこ吹く風、玉木宏演じる主人公・上条漣は常に涼しい顔だ。少々辛辣な物言いをするものの、警視としての仕事をまっとうしている。幼馴染同士でもある警部補・水樹(演:広末涼子)との連携や掛け合いも良い。事件に関する殺伐としたシーンに、適度に挿入される和やかなやり取りに心がホッとする。
上条は、出世争いなんて眼中になく、あくまで警察としての正義をまっとうする”静かな”熱血漢……なのかと思いきや。無理やり証拠を捏造して犯人を釣り、自白させるという少々荒っぽい仕事をするようだ。相手が真犯人ならまだしも、冤罪に繋がってしまったら目もあてられない。幼馴染らしく「目を覚まして!」と説得する水樹の声が届いてくれるかどうか。このままじゃ支持者のいないダークヒーローになってしまう。
犯人さえ捕まれば、使った証拠が本物だろうが偽物だろうが、どちらでも構わないのか。確実に犯人だと分かっている相手だとしても、嘘や偽りのない証拠が出てこない限り捕まえることは許されないのか。
警察内の出世争いと、警察としての正義や誇りと。最終的に上条がどんな姿勢を見せてくれるのか、楽しみだ。
–{第2話あらすじ&感想}–
第2話あらすじ&感想
第2話のあらすじ
銀行強盗事件で手柄を立てた警視庁捜査共助課の理事官・上條漣(玉木宏)は、1日おきに女性たちが矢で襲われるも負傷者はゼロ…という奇妙な連続通り魔事件の捜査指揮を担当。
さらに、同期である警備部所属の新垣広海(馬場徹)と警務部所属の馳道忠(渡辺大知)と共に、警視正への昇進候補者にも選ばれる。だが、警視正のポストの空きは2人分…。漣の上司である刑事部長・千堂大善(椎名桔平)と、警備部長・権藤秀夫(吉田鋼太郎)、警務部長・吉永晴樹(光石研)は、警視総監・荒牧雄彦(段田安則)に推薦すべき人物を絞るため会議を開くが、いつしか派閥同士の小競り合いに発展し、話し合いは難航…。
すると、荒牧が「1週間後に投票で決めよう」と、前代未聞の提案をしてきた!しかし投票者の半数は、吉永率いる「東大派」と権藤率いる「薩摩派」の2派閥に属する者で占められている。言わずもがな、「外様派」である千堂の下にいる漣には極めて不利な状況だった…。それでも野心をたぎらせる漣。彼は連続通り魔事件が社会的に大きな反響を呼べば、捜査指揮をとる自分の評価も上がるとにらみ、静かなる闘志を燃やす。
そんな中、動画サイトでは芸人・Mr.予言者(渡部豪太)が、5件目の通り魔事件を予測し、犯行現場に遭遇するところまで配信したことで、ふたたび世間の注目を集める。しかしこれは、すでに犯人および事件の法則を分析し終えていた漣が、裏で仕組んだパフォーマンスだった!
そうとは知らず、警視庁刑事部捜査一課の主任・水樹爽(広末涼子)は捜査を続行。一方、犯人に殺意がないと確信する漣は、自らの野望を優先し、さらに世間の反響を大きくしようと画策。犯人を泳がせながら、Mr.予言者を利用し続けることに。ところがその矢先、まったく想定外だった“事件”が起きてしまい…!
第2話の感想:最後に土下座するのは、誰だ?
上条がここまで出世にこだわる理由が明らかになった。父親の無念の死、その恨みを晴らすため……ってこれはもう、本当にいよいよ「半沢直樹」の香りがしてくるじゃないか……。腐った警察幹部を根本から正すため、まずは自分がトップに上り詰め刷新をはかろうというところか。大和田ポジションは荒牧警視総監か(演:段田安則)、それとも千堂警視監か(演:椎名桔平)……。
わざわざ証拠を捏造したり、犯罪者を煽ったりする手荒な方法を辞めさせようと、引き続き水樹が動く。幼馴染である上条を、元の正義感あふれる一介の警察官に戻そうと躍起になる姿は健気だ。柔道場でのシーンや食事のシーンなど、このふたりがテンポの良い掛け合いを始めるとホッとする。父親の敵を討つためとはいえ、暴走しかける自分を身を呈して止めようとする幼馴染を見て、上条は心が動かないのだろうか?
千堂警視監の娘である優愛(演:仲里依紗)と結婚を前提にした付き合いを始めたのも、何か裏があるのではと勘ぐってしまう。警視監とより近しい関係になり、出世争いで有利な位置に着くためか?すべての非人道的ともいえる行動の源が、父親への愛なのだと思うと泣けてくる。水樹には引き続き頑張ってほしい……!
果たして最終回に誰が土下座することになるのか見ものだが、あえてここで言及しておきたいのが小林優仁くんの存在だ。上条の幼少期を演じているのだが、目がくりっとしていて何とも可愛いのである。大河ドラマ「青天を衝け」では吉沢亮の幼少期を演じていた。できれば毎話ごとに幼き日の回想シーンを入れてほしいと望むばかりだ。
–{第3話あらすじ&感想}–
第3話あらすじ&感想
第3話のあらすじ
警視庁捜査共助課の理事官としての手腕が評価され、警視正に昇進した上條漣(玉木宏)は、警務部へ異動。
警務部長・吉永晴樹(光石研)から、警察内の不正を取り締まる“警察の中の警察”=監察官のポストを与えられ、警視庁捜査一課の主任・水樹爽(広末涼子)らが半月前に暴力団から押収した拳銃を横流しした主犯を秘密裏に探るよう命じられる。
「東大派」派閥を率いる吉永が、「外様派」の刑事部長・千堂大善(椎名桔平)の息がかかった漣を抜擢した裏には、何かよからぬ思惑が潜んでいるはず…。だが同時に、警察官の身辺を隅々まで把握できる警務部には、上層部の弱みを探し出すまたとないチャンスが転がっているのも事実だ。
密かに警視総監の座を狙う漣は、吉永の信頼を得て警務部の中枢に入り込むため、まずは横流し事件の調査で成果を上げようと決意。千堂は「今のお前さんに監察官の仕事は手に余る」と言い、あまりのめり込まないよう忠告するが、その言葉の真意は不透明で…!?
拳銃を横流しした主犯は水樹班の中にいる可能性が高い――そう推察した漣は、爽に押収当時の流れをヒアリング。押収品保管倉庫に拳銃を届けた高杉賢剛(長谷川朝晴)と轟啓一(駒木根隆介)のどちらかが怪しいとにらむ。だが、下手に動いて主犯に勘ぐられるのは得策ではない。漣は確実に現行犯で捕まえるため、爽の協力を得て“罠”を仕掛けるが、なぜか読みどおりには事が進まず…。
横流し事件の根底には“隠された何か”があると考えた漣は、警務部に所属する同期・馳道忠(渡辺大知)に、事件に関連する資料の精査を依頼。警視正への昇進を見送られて以来、精神のバランスを崩していた馳は、なんとか平静を装って確認作業に取り掛かる。ところが…。やがて“警視庁を揺るがす闇深き真実”が発覚!常に冷静な漣が激しく取り乱す事態にまで発展してしまう――。
第3話の感想:悪い光石研が、光る!
今作で吉永警務部長を演じている光石研、悪さが光りに光っている……! 前クールで放送されていたドラマ「にじいろカルテ」では人の良い村長を演じていた分、ギャップがすごい。
上條を監査官に任命した裏には、この吉永が企てた策略が渦を巻いていた。監査官初の仕事として拳銃の横流し事件を追う傍ら、浮かび上がってきた内通者の存在(高杉警部補に情報を流していたという警察OB)、そして上條の父親の死が関連している可能性も出てくる。父親の恨みを晴らすために警察トップを狙う上條としては、いろいろと弊害はありつつも、吉永の策略に上手く乗りこなせたといっていいのかもしれない。
今回はとくに名バイプレイヤーたちの演技が印象的だった。岡田健史演じる富樫は、幼馴染である上條&水樹の間柄が気になり、要所で顔を出してくる。コミカルな演技は前クール水曜ドラマ「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」から健在だ。渡辺大知演じる馳に関しても、板挟みで苦しい胸の内を吐露するシーンに心打たれた方も多いのではないだろうか。自殺未遂に追い込まれ入院することになってしまったが、無念を晴らすためにも復帰してほしいところだ。
そしてなんといっても、仲里依紗! 上條と水樹の間に疑いの目を向ける様など、さすがに上手い。警察内部のいざこざとは遠い距離にいる彼女だが、これから確実に何かをやらかしてくれるだろう。
–{第4話あらすじ&感想}–
第4話あらすじ&感想
第4話あらすじ
昇進に伴う異動で、警視庁警務部の監察官となった上條漣(玉木宏)は、借金返済のために押収品を横流しして依願退職処分となった元警視庁捜査一課の刑事・高杉賢剛(長谷川朝晴)を裏で操っていた人物を突き止める。その人物とは…漣の父親代わりであり、情報屋としても暗躍する元警察官・刈谷銀次郎(橋本じゅん)だった!
刈谷はどんな目的があって、高杉に横流しのノウハウを教え、事件を起こさせたのか――。
理由を問いただす漣に、刈谷は警察官だった漣の父・勇仁(岡部たかし)が派出所で“自殺”した23年前の事件を警視庁の上層部に思い出させるためだ、と告白。勇仁は“自殺”ではなく、派出所を訪れた何者かに首を括るよう強要されたのだ、と衝撃の言葉を続ける。しかも勇仁は死ぬ直前まで、当時後輩だった小宮志歩(高岡早紀)が嗅ぎつけた、今回と同じ手口の押収品横流し事件の真相を追っていたというのだ!
刈谷と志歩から、すべては警視庁内で幅を利かせる「薩摩派」派閥によって仕組まれた可能性が高いと聞いた漣は、必ずや父を死に追いやった犯人を突き止めることを決意。幼馴染でもある捜査一課主任・水樹爽(広末涼子)に協力を仰ぐことに。漣を囲っている「外様派」の刑事部長・千堂大善(椎名桔平)は自らの派閥への悪影響を危惧し、復讐をやめさせようとするが、漣は聞く耳を持たず…。
第4話の感想
上條の父親を自殺に追い込んだ黒幕が発覚! まさか、彼だったなんて……。
明らかに怪しいからこそ推理から外していたけれど、なんだかこの件以外にも次々と悪事に手を染めていそうな予感。もしかしたら、裏で指示している悪党がほかにいるのかも。そうすると断然怪しく見えてくるのは荒牧警視総監なのだけれど、真相はいかに。
状況が大きく動き始めている。父親の死について大きな手がかりを得た上條にとって、千堂の娘である優愛と結婚を前提に付き合っている現状は凶と出るか吉と出るか。優愛本人も決して大人しくとどまっている性質ではない。上條・水樹の仲を疑い、何やら行動を開始しようとしている。上條の目指す復讐をジャマしない形になればいいが……いや、この場合はジャマしてくれたほうがいいのだろうか?
そしてなんといっても、今後の富樫の動きに注目したい。
上條から依頼され、薩摩派のスパイとして偵察に動くこととなった。最初は頑なに固辞していたが、水樹とのデートをちらつかせられると一言で快諾。やっぱり富樫は水樹のことが好きらしい。このドラマにおいて恋愛要素に大きくフィーチャーがあたることはないだろうが、富樫の気持ちは少しでもいいから報われてほしいと思ってしまう。
次回、第一部閉幕。飄々と逃げ続ける黒幕を追い、新たな事件の捜査へと動く上條。彼が目指すのは最初から変わらず、父親の無念を晴らすことだ。
–{第5話あらすじ&感想}–
第5話あらすじ&感想
第5話あらすじ
今から23年前に、警視庁で幅を利かせる「薩摩派」派閥の幹部が中心となり、組織ぐるみで行っていた押収品の横流し事件――。その真相を告発しようとしていた警察官の父・勇仁(岡部たかし)を“自殺”に追い込んだのが、自らが所属する「外様派」派閥のトップである刑事部長・千堂大善(椎名桔平)だと知った警視庁キャリア組の警察官・上條漣(玉木宏)。
追及された千堂は、勇仁に告発させないよう卑怯な脅しをかけ、“自殺”へ誘導したことを認める。だが、唯一の証拠である防犯カメラのビデオテープは画像が粗く、たとえ科捜研でも居合わせたのが千堂本人だと特定するのは不可能…。千堂は不気味なまでの自信をにじませながら、「俺はお前ごときが倒せる相手じゃないんだよ」と言い放つ。
前途を絶たれ、怒りと悔しさに身を震わせる漣。だが、彼は諦めなかった。狡猾な千堂のことだから、ほかの事件でも不正や汚職に手を染めているはずだ。――そう考えた漣は、殺された父の復讐を心に誓う!
漣は告発材料をあぶり出すため、千堂らと次期警視総監の座を争っている「東大派」派閥の警務部長・吉永晴樹(光石研)に相談。千堂の失脚を望みつつも、漣と手を組むのは危険だと判断した吉永は協力を拒否するが、ふと独り言のように「5年前の傷害事件でなぜ犯人が捕まらないのか不思議でならない」と漏らし…!?
これは何かのヒントだと察した漣は、幼馴染でもある捜査一課主任・水樹爽(広末涼子)と共に、傷害事件の資料を精査。千堂が事件捜査の指揮をとっていたことを知る。そんな中、漣は婚約者である千堂の娘・優愛(仲里依紗)の何気ない話が引っかかり…。
第5話の感想
千堂は一筋縄ではいかない……!
父親の死に大きく絡んでいるとわかった千堂に対し、さまざまな手で失脚させようと企てる上條。しかし、どんな手も敵の前では歯が立たなかった。クラブのママでさえ手駒にされていたのだ。病気の母を盾にされたら、どれだけ分別のある人でも悪の片棒を担がないわけにはいかないだろう。今回は、観ていてつらくなるシーンがとくに多かった。
上條にとって、父親の無念を晴らすために警察のトップへ上り詰めることは、人生と命を丸ごと賭けた悲願だったはずだ。自分の力では何をどうすることもできず、崩れ落ちた様子には目を覆いたくなった。ふらふらになりながらも辿り着いたのは水樹の店。やはり救いを求めたくなるのは、結婚を決めた相手ではなく、長く行動をともにした幼馴染なのか。
上條には、多少なりとも心を許した友人もいたはずだ。馳や新垣はなにかあるたびに気にかけてくれ、指針となる言葉をくれた。出世争いの場ではライバル同士となる間柄でも、ふと心を開ける時間がもてるのは、上條にとっても安らぎの瞬間だったのではないだろうか。それでも、彼はふたりのライバルからの言葉では信念を曲げなかった。いや、曲げられなかったのだ。
今回で第一章が完結し、次回から第二章が始まる。なんと時は5年進み、上條は優愛と結婚、そして水樹は富樫と恋人同士になっているようだ。確実にエリートコースを進み続ける上條、5年の時が経ったからといって、千堂に対する恨みが晴れたわけではないだろう。副総監まで上り詰めた千堂に対し、次はどんな手をぶつけるのか?
–{第6話あらすじ&感想}–
第6話あらすじ&感想
第6話あらすじ
警視庁の押収品横流し事件を追っていた父を“自殺”へ追いやった千堂大善(椎名桔平)――自らが所属する「外様派」のトップであり、恩人でもあった彼を失脚させるため、決死のクーデターを企てるも、完膚無きまでの失敗に終わり、千堂の娘・優愛(仲里依紗)と結婚式を挙げて5年…。
悪魔に魂を売ってでも、このままでは終わらせないと誓った上條漣(玉木宏)は、警視庁刑事部捜査二課の課長に着任し、順調にエリートコースを歩んでいた。一方、今や副総監となり、警視庁において一介の派閥にすぎなかった「外様派」を一大派閥「千堂派」へと押し上げた千堂を必ずや倒すべく、獰猛な牙をひた隠しながら“その時”を待ち続けていた。
そんな折、漣は国会議員・加森沙代里(中田有紀)の受託収賄罪の証拠をつかむ。だが、千堂から立件許可が下りず、手をこまねく日々…。業を煮やした漣は千堂に直接詰め寄り、立件すべきだと強く進言する。もちろん、千堂が己の決断を覆すはずもない。2人の間にはあわや一触即発の空気が漂うが、捜査二課へ異動し漣の部下となったキャリア組警察官・富樫遊馬(岡田健史)が咄嗟に場を取り持ち、事なきを得ることに。元同僚で現在は恋人でもある富樫から一部始終を聞いた捜査一課主任・水樹爽(広末涼子)は、幼馴染である漣の今後を心配するが…!?
その矢先、加森議員の立件になくてはならない証拠データが根こそぎ消えてしまった!さらに、千堂が再び漣に対し、立件見送りを念押し。証拠をすべて奪われた漣は、千堂が確実に裏で糸を引いていることは察知しつつも、なすすべがなく…。
やがて、この5年間息をひそめ、好機をうかがっていた人物たちが次々と旗揚げ!義理の親子であるからこそ、絶対に負けられない…《正義》と《野望》が真っ向から火花を散らす《第2の派閥バトル》が、ついに幕を明ける――。
第6話の感想
今回から第二章のスタート!
前回から5年の時が経ち、上條と優愛は結婚、水樹と富樫は結婚前提の付き合いをしていて、千堂は副総監になっている。千堂への復讐を確かなものにするために、優愛とのつながりを残しておくところが上條らしい。反面、水樹と富樫が付き合ってるのはなんだか意外だった。なんだかんだ言いつつ、水樹は上條のことを幼馴染以上に想っているのではないかと予想していたので……。
富樫、なんだか5年前よりもいけ好かない男になってしまっていて、ちょっと残念。水樹の後をくっついて歩いているくらいが可愛くてちょうどよかったのに。今ではもう立派なキャリア組として、そして千堂派の一員として、見事に飼い慣らされてしまっている。
富樫が上條に対し「僕からは、あなたが飼い犬に見えます」と言うシーンがあるが、視聴者からすると、富樫も立派な飼い犬。千堂のために、表に出したくない証拠を消して回ってるじゃないか……! いつどんなタイミングで、こんなに人が変わってしまったのだろう?
上條は、淡々とタイミングをうかがっている。千堂への恨みを忘れたわけではないだろう。その証拠に、千堂から「決して表沙汰にはするな」と釘を刺されていた案件について、徹底的に外堀を埋めた状態で逮捕へと踏み切った。少しずつ牙を磨き、尖らせ続けている。
第二章は始まったばかり。これからどうやって、上條→千堂に対する復讐劇が始まるのか? 早く千堂が土下座する姿を見たくてたまらない。
–{第7話のあらすじ&感想}–
第7話のあらすじ&感想
第7話のあらすじ
私利私欲のために権力を求める“サッチョウ(=警察庁)の悪魔”・千堂大善(椎名桔平)に、警視庁のトップである警視総監の座を渡すわけにはいかない――。悪魔に魂を売ってまでも…“本来あるべき警察の姿”を取り戻すため、副総監にまで上り詰めた千堂と戦う覚悟を決めた上條漣(玉木宏)。彼は「薩摩穏健派」派閥に所属する現・内閣情報官の権藤秀夫(吉田鋼太郎)を後見人に据え、同期の新垣広海(馬場徹)や馳道忠(渡辺大知)ら、計13名の同志と共に新派閥「改革派」を旗揚げ。千堂の怒りを買った漣は捜査二課の課長から、古巣である捜査共助課の課長へ…事実上の降格処分を受ける。
一方、千堂自身も厳しい状況下にあった。次期警視総監の選出会議まで、残り1週間足らず…。漣が国会議員の汚職を暴いたことを受け、警視総監の任命権を有する内閣府特命担当大臣・若槻有造(浜田晃)との関係が悪化した千堂は、今や背水の陣だった。とはいえ、簡単に白旗を上げる千堂ではない。そんな中、漣の幼馴染でもある捜査一課主任・水樹爽(広末涼子)は、漣が新派閥を立ち上げた真意に“ある疑問”を抱くことに。かたや、漣の妻で、千堂の娘でもある優愛(仲里依紗)は、漣の日記を盗み見してしまい…!?
その矢先、若槻が街頭演説中、何者かに狙撃される事件が発生してしまう!漣は千堂が仕組んだ事件だとにらむが、狙撃犯を特定する手がかり自体が皆無の状態…。すると、現在「千堂派」と警視庁内の勢力を二分する「東大派」のトップで、警視総監の座を長年狙い続ける警備局長・吉永晴樹(光石研)が、漣に接近。狙撃犯を特定する重要な情報を提供し…!
吉永の情報をもとに、千堂が黒幕であることを証明しようとする漣。だが、そこには触れることは禁忌とされてきた“警視庁の黒歴史”が潜んでいた――。
第7話の感想
話を増すごとに、千堂のイカれっぷりが露わになっていくような気がする……。
元はと言えば、千堂が上條の父親をわざと自殺に追い込んだ事件が事の発端だった。その恨みを晴らそうとすべく上條が動けば動くほど、これまで千堂がやってきたアンダーグラウンドな企みが明るみに出る。まさか、部下の警察官ふたりを辞めさせてまで、暴力団に潜入捜査させていたとは……。
「解決したら警察に戻してやる」という約束を信じ、暴力団に乗り込んでいく方もどうかと思ってしまうけれど。結果的に、乗り込んだうちのひとりは覚醒剤に手を出して、まさに”ミイラ取りがミイラになる”状態になってしまった。残されたひとり・刈谷も警察に戻ることはできず、八方塞がりに。思っていたよりも、千堂はたくさんの人間に恨みを買われているようだ。
千堂派を潰そうとすべく、上條は新しい派閥である改革派を立ち上げる。千堂派には富樫が入っており、敵対する形になってしまったのが見ていて心苦しい。あの優しくてお調子者な富樫はどこに行ってしまったの……と悲しくなるが、それも水樹をしっかり支えていくためなのだと思うと、やるせなくも思う。
改革派を立ち上げたはいいものの、どうやって上條は千堂を潰すつもりなのか……? そう考えている間に、演説中の大臣が撃たれる事件が発生した。大臣がいると結果的に警視総監になれないと踏んだ千堂の差金だと考えた上條が動き出す。刈谷の協力で決定的な証拠も手に入れ、ついに千堂を追い込めると思ったが……。
富樫が変にでしゃばったおかげで、水樹を人質に取られてしまった形になり、結果、千堂派に証拠を取り上げられてしまった。なかなか簡単には落ちてくれない。ここまで来た以上、千堂も警視総監になるためだったらなんでもやるだろう。
もはや、千堂にとって一番邪魔な存在は上條となりつつある。愛娘・優愛と結婚していることで直接手は下されずに済んでいるが、今後もその保証があるかと言えば怪しい……。千堂の土下座はいつになることやら、果たして実現するのだろうか?
–{第8話のあらすじ&感想}–
第8話のあらすじ&感想
第8話のあらすじ
警視総監の任命権を有する内閣府特命担当大臣との関係が悪化し、次期警視総監への道が危うくなった副総監・千堂大善(椎名桔平)。彼こそが大臣狙撃事件の黒幕だったことを、上條漣(玉木宏)ら「改革派」派閥が暴こうと蜂起するも、あまりにも手痛い返り討ちに遭った日の夜――千堂が元警察官・刈谷銀次郎(橋本じゅん)に刺された!
刈谷が漣の父親代わりで、情報屋として彼のために暗躍していたことを知る千堂は、漣が裏で糸を引いたと推測。しかしこの5年間、漣は“ある事情”から刈谷を遠ざけていた。その理由のひとつに、漣が独自に突き止めた“刈谷と意外な人物とのつながり”があり…!?
その矢先、逃亡していた刈谷が何者かに射殺されてしまう!漣の幼馴染・水樹爽(広末涼子)ら捜査一課の面々は刈谷の自宅を家宅捜索するが、まもなくキャリア組の警察官たちが先乗りして何かを探していたことが判明。と同時に、刈谷がかつて、爽の実家の中華料理店で働いている元銀行強盗犯・蒲生兼人(森崎ウィン)から改造銃を購入していた事実も明らかになる!
一方、漣たちに協力して千堂に反旗を翻した刑事・富樫遊馬(岡田健史)は、恋人である爽を守るため大臣狙撃事件の重要証拠を千堂サイドに手渡すも、「千堂派」から総スカンを食らい、孤立していた。そんな富樫に千堂がふたたび接近!不審な封筒を指定場所に埋めるよう命令し…!?
時を同じくして、漣は「クラブS」のママ・小宮志歩(高岡早紀)から、刈谷が生き別れの娘にあげるつもりで大事にしていたぬいぐるみを渡される。だが、そのぬいぐるみを見た瞬間、違和感を覚え…。
まもなく漣は千堂、そして警視総監の座を長年狙い続ける「東大派」派閥の警備局長・吉永晴樹(光石研)、「改革派」の後見人である内閣情報官・権藤秀夫(吉田鋼太郎)を会議室に招集。新たに見えてきた、この5年間に起こったさまざまな事件の“真の黒幕”を白日のもとに晒そうとする。しかしその行く手には、想像を絶する展開がいくつも待ち受けていて…!!
第8話の感想
千堂が、刈谷に刺されたーー刈谷銀次郎は、上條の父親の元同僚。父親を自殺に追いやった事件に関連していることがわかり、上條が恨みを募らせている相手だ。しかし、そんなことはつゆ知らずな千堂は、上條が指示して刈谷に自分を襲わせたのだと予測する。
5年間、忠実な千堂の飼い犬を演じ続けた上條。その5年の時をもってしても、千堂の疑いを晴らせなかった。これまで数々の非人道的な行いをしてきたであろう千堂は、各方面から恨みを買っていることだろう。もう、どんな相手に対しても信頼を向けることなんてできないのかもしれない。
そんな千堂に刃向かった人間のひとり、富樫は孤立していた。
水樹のことを思い、さまざまなことを犠牲にするも、水樹の気持ちは上條に向いていると思い込んでしまっている。私から見ると、水樹は上條のことを気にかけてはいるが、それは”幼馴染のよしみ”という範疇を出ない。幼馴染は幼馴染、恋人は恋人、としっかり区分けしているように見える。富樫は、目の前にいる水樹としっかり向き合うことを避けているのではないか。
そんな矢先、富樫は千堂からあることを依頼された。改造銃を埋めてこい、という依頼ーーつまり、証拠の捏造に加担しろという誘いだ。組織内から孤立してしまっている富樫は、この誘いに乗れば一度の過ちがチャラになるのではと揺れてしまう。そもそも、見ている側はこんなことで人をシカトする幼稚な組織体制に呆れてしまうのだが……。
それでも、富樫は踏みとどまった。彼はギリギリのところで自制し、渡された改造銃を千堂の元へと返したのだ。しかし、それはまた違う誰かの手によって埋められることになる。改造中に蒲生兼人の指紋がついていることがわかり、再び終われる蒲生。
改造銃で人を傷つけた容疑で前科がある蒲生は、更生して水樹の実家である中華料理店で働いていた。「もうそんなことはしない、何かの間違いだ」と繰り返し、逃亡を図る蒲生。自分じゃないなら変に逃げちゃダメだ、罪が重くなるぞ……! と思ってしまったが、前科がある以上、そう簡単にかけられた容疑は晴れない。そのことを本人も痛感していたのだろう。
結局、蒲生はSATの手によって撃たれてしまった。それも千堂の差金だと思われるが、真相はまだ明かされていない。上條はいつ動くのか、5年も大人しくしていた理由は……?
次回、最終回が待たれる。
–{第9話の感想&あらすじ}–
第9話の感想&あらすじ
第9話のあらすじ
次期警視総監の座を狙う副総監・千堂大善(椎名桔平)を失脚させると誓って5年――。
息をひそめ機会を狙い続けてきた上條漣(玉木宏)は、新派閥「改革派」を立ち上げ、千堂にふたたび宣戦布告。そんな中、千堂を襲った元警察官で、漣の父親代わりでもあった刈谷銀次郎(橋本じゅん)を殺害した犯人に仕立て上げられ、廃校の屋上へ逃げ込んだ元銀行強盗犯・蒲生兼人(森崎ウィン)が、SATの狙撃をかわそうとして転落。意識不明の重体に陥った!
そもそもは千堂が、蒲生を射殺して被疑者死亡で事件を終わらせようとしたのだろう…。そう確信した漣は、千堂に「また得意の妄想か」と一蹴されるも、一分も怯むことなく「あなたを倒すため悪魔に魂を売った…。なぜ5年間も沈黙を続けたのか、その答えがもうすぐ明らかになる」と宣告。私利私欲のために権力を求め、入庁以来“サッチョウ(=警察庁)の悪魔”と呼ばれてきた千堂。そして、“本来あるべき警察の姿”を取り戻すために“サッチョウの悪魔”となった漣――2人の“最後の闘い”がついに始まった!
ところがその矢先、よもやの事態が起こる。秘密裏に刈谷殺しの捜査が行われる中、ある意外な人物が自首したのだ!
混乱を極める警視庁。漣の幼馴染である警視庁捜査一課主任・水樹爽(広末涼子)は、裏で漣が一枚噛んでいるのではないかと疑い、真実を解き明かすため、取り調べを開始する。
5年の歳月を経て明かされる、漣が沈黙し続けた理由、そしてこれまでに起こった全事件の真相。さらに、最後に警視総監レースを制する人物とは一体……!?
登場人物それぞれの“正義”がしのぎを削る中、次々と押し寄せる驚天動地の新展開。前代未聞の警察ドラマ『桜の塔』、ついに完結!
第9話の感想
上條の復讐が、終わった。上條が優愛に何を告げ、どんな行動をさせたのか分からずじまいだったが、最終回で明らかになった。
優愛は上條の書いた日記を読み、夫が刈谷を心底憎んでいることを知る。殺害計画に加担すべく、墓の隣に埋められた改造銃を掘り返したり、刈谷が来るとされている埠頭までひとり出かけていったり……。いくら上條のことが好きで、信頼しどこまでもついていくと決めたとしても、ここまで協力できるものだろうか……? 優愛は優愛なりに、父親がしてしまったことの償いをしたいと思い詰めていたのだろう。
優愛は、気づいていた。自分の夫が、自分を操ろうとしていることを。わざと自分に刈谷を殺させようと動いている事実を。それでも彼女は手を染めた。「愛」や「信頼」がどういうものなのか、彼女の行動で教えてもらったような気がする。
これは上條にとって、5年越しの計画だった。優愛に近づき、結婚したことまで含めて、千堂を落とすための長い長い計画だったのだ。結果、千堂は地方へ飛ばされ、警視総監の席に座ることになったのは権藤。上條の周年により千堂派は壊滅、改革派が一大勢力となったのだった。
千堂の土下座姿を見られなかったのは残念だが、床に転げ落ちる姿は拝めたのでよしとしよう。続編が期待できるようなオチでもあったことだし、数年後にまた彼らに会うことができるかもしれない。
それにしても、優愛はその後どうなったのだろうか……? 権藤が千堂に対し「お前の悪事を揉み消すのにどれだけ苦労したか……」と言っていたが、優愛のことも不問になったのだろうか? 彼女だけが割りを食っている気がしてならない。
–{「桜の塔」作品情報}–
「桜の塔」作品情報
“必ず警察の頂点(トップ)まで昇りつめる…”
「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」で圧倒的支持を集めた脚本家・武藤将吾×主演・玉木宏
新たな警察エンタテインメントドラマが誕生!!
裏切り・罠・騙しあい……
警視総監の座を巡る
出世バトルがこの春、開幕―!!
放送日時
4月15日(木)スタート。毎週木曜21時~
放送局
テレビ朝日
出演
玉木宏
広末涼子
岡田健史
森崎ウィン
渡辺大知
馬場徹
井本彩花
岡部たかし
小松和重
長谷川朝晴
駒木根隆介
関智一
小林優仁
仲里依紗
橋本じゅん
高岡早紀
段田安則
光石研
吉田鋼太郎
椎名桔平
脚本
武藤将吾
演出
田村直己(テレビ朝日)
星野和成
片山修(テレビ朝日)
エグゼクティブプロデューサー
内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー
中川慎子(テレビ朝日)
中沢晋(オフィスクレッシェンド)
音楽
村松崇継
主題歌
宮本浩次『sha・la・la・la』(ユニバーサル シグマ)
制作協力
オフィスクレッシェンド
制作著作
テレビ朝日
公式HP
木曜ドラマ『桜の塔』|テレビ朝日
キャスト/スタッフコメント
玉木宏 コメント
出演オファーをいただいた時点で、一筋縄ではいかない警察ドラマだと聞き、「どんな内容になるのだろう!?」と楽しみになりました。実際に台本を読んだら、警察組織内の権力争いに焦点を当てた物語だけあって、主人公のみならず各派閥の上層部のキャラクター像もみんなカラーが違い、すごく面白い! 広末涼子さん演じる水樹ら現場の刑事など、いろんな立場の人間の温度差がテーマの一つになってくると思いました。
そんな中で、漣はきっと熱い部分を持っているのだけれど、それを悟られないようにコントロールしている男。周りには本心が見えにくく、何を考えているのか分からない人物像になっていると思います。冷静に見せるということは、ともすればフラットな演技に見えがちなので、そうならないようにどうしようか…と考えているところです。誰といるかによって、漣の中にある温度差も表れてくるような気がしますので、皆さんと一緒にお芝居をするのが待ち遠しいです。警察上層部の先輩方がどんなお芝居をされるのか、また、それを受けて現場で漣を作り上げることが、楽しみで仕方ありません。
漣のような“高みを目指していく強さ”は僕自身も持ちたいと思いますが、彼が権力を握ったときに何をしたいのかまではまだ分からないので、そういう意味では僕もハラハラしながら彼の動向を見守っています。彼の最終的な目的も、回を重ねるごとに見えてくるかもしれませんので、そこも楽しみです。
『桜の塔』は皆さんが見たことのない“人間ドラマに重きを置いた警察ドラマ”。登場する人間一人一人をじっくり見ていただけると、物語がより一層面白くなると思います。ぜひご覧ください。
広末涼子 コメント
武藤将吾さんの脚本ドラマにまた出演させていただけること、玉木宏さんと初めて共演させていただけることが、うれしくて「楽しみだ!」と思いました。今回の脚本もやっぱり面白かったです!警察組織内のダークな部分や、同時進行する事件解決に向けての問題提起、それに加えてドラマの中心となる主人公・漣の生い立ちや闇――。とにかく気になることだらけで、次が読みたくなります!視聴者の方にも「次が見たい!」と思っていただけるように頑張ります。
爽は正義感が強く、真っ直ぐな女性。漣とは対照的なピュアさで、彼を傷つけてしまうこともあるのではないかと感じました。けれど、爽の信じる正義と漣を思う気持ちをしっかり貫ける女性として演じきれるように、心掛けたいと思います。
岡田健史 コメント
オファーをいただいた瞬間、「昨年出演させていただいた『MIU404』での刑事役を僕自身も世間も引きずってしまうんだろうなぁ…。そういう状況に対し、僕はどうすればいいのかなぁ」と思い、今回は「どう差別化して演じるか」が課題だと感じました。刑事役も今回で3回目ということもあり、逆にまったく新しい役に挑むよりも難しいと思っています。ただ、今回の『桜の塔』は、刑事ドラマの“強み”でもある事件解決というサイクルだけではなく、組織内の権力争いに焦点を当てた作品。よくよく考えると、国民を守る警察といえども、組織の中にいるのは“人間”ですし、いろんな人間ドラマが起こるのは当然のことだと思います。僕も登場人物の一人として、そういったリアルな部分を描いていけたらいいな、と思っています。
また、今回はベテランの大先輩方に囲まれてお芝居をする環境。僕自身の思わぬ引き出しを開けてくださるんじゃないかと楽しみにしています。錚々たる方々と共演させていただけることを本当に光栄に思っています。ただ、爪痕を残そうと力むと、空回りしてしまうタイプなので(笑)、とにかく自分のキャラをどう確立するかを考え、果たすべき責任をまっとうする――それが今の僕にできることだと考えています。
ふたを開けてみないと、僕自身もどうなるか分からない。だからこそ本当に楽しみです。最終話まで、全力を尽くします!その結果をぜひご覧ください。どんな評価も受け入れる覚悟です。
森崎ウィン コメント
『桜の塔』に出演できて、純粋にとてもうれしいです。2018年のドラマ『ハゲタカ』でお世話になったスタッフの皆さんとまたご一緒できるのも、本当にありがたいですし、感謝しかないです。
また、今回は数々のヒット作品を生み出している武藤将吾さんの世界に入り込めるのも、とてもうれしいです。第1話の台本を読んで、最後やられましたね。伏線の回収にとてもワクワクしました。とにかく面白いです。刑事・警察ドラマで、警察組織内の権力争いに焦点を当てていて、とても挑戦的な作品だと感じました。今、世界各地でもリアルタイムで起きているであろうこの“権力争い”。この時代に問いかける作品になる気がしています。“権力争い”の果ては、どうなっていくのか、とても楽しみに次の話の台本を待っているところです。
仲里依紗 コメント
今回は警察が舞台ということで、ここまで大きな組織を描いた作品は経験したことがないな、と思いました。お話をいただいたときは「私も警察側なのかな?」と思いましたが、違いました(笑)。私が演じる優愛は、世間知らずで苦労をしたことがない、わがままな子なのかなと思いました。でも、親の愛情を受けて育っていると思うので、品良く演じていきたいです。
武藤将吾さんが書かれた台本からは、「人」に対してのスリルを感じ、楽しく拝見させていただきました。オリジナルの作品は、先々を想像しながら読めるので楽しいです。今後の展開が気になります。
橋本じゅん コメント
去年コメディードラマ(『極主夫道』)で共演させていただき、最高にクールでラブリーに役を演じられた玉木宏さんがメインという情報だけを最初に伺って、即「ぜひどんな役でも少しでもやりたい!」と思いました。そんな中、武藤将吾さんが書かれた脚本を読んだら、もう面白い!次が気になりました!
今回は警察組織内の権力争いをテーマにした作品。キャスト表を見ずに台本を読んだ後、配役を見たので、今はパワーバランスがどう表現されるのか非常にワクワクしています。上から目線みたいですが、違います。誤解ですから(笑)。シンプルに、ゾクゾクなメンバーの競演にワクワクしてます。
僕が演じる刈谷は、いびつなカタチかも知れませんが、何をしてもすべてが、彼なりの愛情表現オンリーの…「え?それが?」と言われても「はい、愛情です」と。そんな謎なキャラクターになると思います(笑)。
高岡早紀 コメント
主演の玉木宏さんとは初共演になるので、とても楽しみです。また、脚本を読んで、今何が起こっているのか、今後何が起きるのか、そして過去に何があったのか…というスリル感が、とても面白いと感じました。今回は警察組織内の権力争いをテーマにした作品ということで、さまざまな人たちの思惑が複雑に絡み合い、何が悪で何が善なのかを考えさせられる物語。最終的にどこに着地するのか、とても楽しみです。私が演じる志歩は「元警察官の高級クラブのママ」という、複雑味にあふれた役です。どのように漣を見守っていけるか、模索していきたいと思います。
光石研 コメント
出演のお話を頂いたとき、なんとも意味深な題名である上に、警察内部のヒューマンドラマだと聞き、ワクワクしました。今回は警察組織内の権力争いという、アンタッチャブルな題材に果敢に攻める作品。どんどん登場人物の糸も絡み合っていく物語になっているので、その絡まった糸が今後もつれるのか切れるのか、はたまた綺麗に解けるのか…。先の展開が楽しみです。
僕が演じる吉永はインテリで切れ者、隙がない男でしょう。頑張って、クールにやりたいと思います。しかし、そんな男がつまずいた時の不恰好さ――そんなシーンがあれば面白いですね。
吉田鋼太郎 コメント
テレビ朝日の刑事ドラマが大好きなので、毎年恒例の『刑事7人』に続いて、また刑事モノに出させていただけて光栄です。主演の玉木宏くんとも、僕が初めて出演した連続ドラマ『ギルティ 悪魔と契約した女』(2010年)でご一緒して以来の再共演ですし、うれしいこと尽くめです!
今回は警察組織内の権力争いに焦点を当てるという、一風変わった視点のドラマで、すごく興味が湧きます。僕も権力争いの一端にいるわけですけど、争う相手が椎名桔平さんに光石研さん…と、一癖も二癖もある方ばかりで争い甲斐がありますし、ぜひ勝ちに行きたいと思っております(笑)。また、権藤は無骨かつ豪快で、人情味があると同時に、腹黒さや権謀術数も持つ男。さらにチャーミングな面もあったり…と、いろいろ相反するキャラクターが混在しているように見えればいいな、と思います。 とにかく今回は、皆さんがこれまで見たことのないドロドロした世界がご覧になれると思いますので、ぜひご期待ください。豪華出演陣、特におじさんたちにご注目ください(笑)。
椎名桔平 コメント
骨太な人間ドラマが少ない現在、連続ドラマで濃厚な警察エンターテイメントと聞いて、「よし!待ってたぞ!!」という気持ちになりました。武藤将吾さんの脚本はとてもしっかりしていて、オリジナリティーを強く感じます。気骨のある台詞と、ウイットの効いた台詞のバランスが、私は大好きですね。“事件解決モノ”は面白くないわけではありませんが、あまりにたくさん作られてきたため、刑事ドラマの主流になった感じがありますよね。ですが、私はやはり“人間”を捉えた作品が好きなので、今作では警察組織を題材に、人間の心の機微を表現することが楽しみです。
まだすべての台本があるわけではないのですが、千堂はとても魅力的な人物に思えます。ただし、そこにある種の共感性をどう持ち込むか…。そこは現場で悩みながら作っていこうと思っています(笑)。
脚本・武藤将吾 コメント
最高のキャストと最強のスタッフに囲まれて、テレビ朝日の木曜21時という伝統の枠で、渾身のエンターテイメントを描ける望外の喜びに、珍しく高揚しております。
階級社会に生きる警察官僚の熱き闘いをぜひご覧ください。