4月期の連続ドラマが開始となる前に、2週連続の前後編ドラマとして放送されている「殴り愛、炎」。
2021年4月2日23:15よりテレビ朝日系で放送され、後編は4月9日同じく23:15より放送されます。
ドロキュン劇場の名手である鈴木おさむが新たに放つ強烈作で、ミュージカル界のプリンス・山崎育三郎が壊れたと話題沸騰。
今回の記事では、本作を視聴した筆者の率直な思いを文章にぶつけていきます。
もくじ
前編あらすじ&感想
前編のあらすじ
この手は人の命を救うためにある――そう心から信じ、一生人は殴らない…と心に誓っていた凄腕心臓外科医・明田光男(山崎育三郎)。
彼は同じ病院に勤める看護師・豊田秀実(瀧本美織)との結婚式を1カ月後に控え、幸せの絶頂にいた。そんなある日、光男は心臓発作を起こした急患・緒川信彦(市原隼人)の手術を担当。生死の境をさまよう信彦の命を、鮮やかなオペで救う。ところが…。
信彦に、担当看護師として秀実を紹介した瞬間、運命の歯車はあらぬ方向へとめまぐるしく回りだす。なんと、信彦は秀実の高校時代の先輩だったのだ! 秀実が光男と結婚すると聞き、心から祝福する信彦。だが、そのまま何事も起こらないほど、人生は甘くなかった…。
なんと、光男に想いを寄せる幼馴染・徳重家子(酒井若菜)が、その会話を盗み聞き! さらには味方の顔をして秀実にすり寄り、信彦に告白するもフラれた過去を聞き出すことに成功してしまったのだ!!
この状況を利用し、一気に光男を奪おうと画策した家子は、こっそり信彦に「秀実が光男のDVに悩んでいる」というデマを流したばかりか、焚きつけるように「秀実はまだ信彦のことが好きだ」と吹聴。一方、光男はふと、秀実が信彦のことを好きだったのではないかと勘ぐりはじめ…!
そんな中、退院の日を迎えた信彦は、病室で2人きりになった秀実を思わず抱きしめてしまう。しかもあろうことか、そこへ光男が姿を現し…!?
前編の感想
まずは森の中でバードウォッチングする光男(山崎育三郎)と秀実(瀧本美織)。
光男はなぜかYEN TOWN BANDのSwallowtail Butterfly~あいのうたを口ずさんでいる。名曲だけど25年前の曲だからわからない人いそう……!
双眼鏡をかけ、バードウォッチングカウンターをカチカチする光男。
「おしどり夫婦かなぁ?」
「毎年相手は違うらしいよ。でも白鳥は死ぬまで相手を変えない」
「私たちはどっち?」
「決まってるでしょ」
なんだこいつら……
看護師として働く秀実の同僚にりんごちゃんと鳥居みゆき。光男の異母兄・倫太(永井大)の悪口を本人に聞こえる大きさで言っていて、大丈夫かこの職場。倫太が振り向くと「シーッ!」ってやってるけどそりゃ聞こえるだろ。
明らかに表情も声もおかしい女・家子(酒井若菜)。光男と幼なじみで、光男の父にも周囲にも光男と結婚するのは彼女だと思われていたらしい。りんごちゃんと鳥居みゆきが「元モデルでお金持ち、さらに今を時めくインフルエンサー。素敵~!」
どう見ても地雷女にしか見えないし、そもそも設定雑じゃない……?
病院の跡取り息子であり、日本でも有数の腕を持つ心臓外科医の光男。秀実はそこで働く看護師。看護師(瀧本美織)が「だーれだ?」の目隠しをしてイチャイチャしている。職場だぞ。患者を気遣って遅くまで仕事するという秀実に「じゃあ今日の夕飯は僕が作るよ。結婚するんだからいろいろシェアしたいし」と言う光男。
ここまではめっちゃいい未来の夫! 仲睦まじいカップルなのに……。
一方光男の異母兄の倫太なんだけど、この人髪型大丈夫???
ブラックジャックみたいだけど……前見づらくない?
父親から金をもらい小言まで言われるが、
「あいつがうちのエースとしてやってられるのは俺のおかげなんだから」
意味深!!
急患として運ばれてきて、光男が命を救った陶芸家・緒川信彦(市原隼人)は、秀実の高校時代の先輩で、秀実に告白されて断った過去がある人だった。光男の前で再会を喜ぶ二人だったが……?
ここで余計なことをするのが家子。
顔も声も怖い。
鈴木おさむのドラマで恋色のリップつけてる女はやばい(ex.奪い合い、夏)。
秀実に昔信彦のことが好きだったけどふられた、と聞き出し、信彦に秀実が信彦のことを今も好きだと思う、秀実は光男にDVされていると嘘をつく。光男に昔秀実が信彦を好きだったとばらし、秀実の腕に傷をつけてDVを匂わせる。
「お口チャーック」じゃねぇよ。
あと秀実の腕に爪を立てるとき、
「今も好きだったりしてええええええああああああ(高音)!」
今ヤギいた??? こっっっわ!
秀実のところに来た時梅干しみたいな顔してるし、こんな怪しい女にベラベラ話したり言ってること真に受ける信彦も何なん……? ここまでは、信彦は純粋でいい人なんだなと思っていた。
そう、ここまでは。
家子からお肉をもらった光男と秀実、朝からお肉を食べる。
朝から?? 胃粘膜が強靭だ。
光男に昔信彦のこと好きだったんだって? と聞かれ、同様でフォークを落とし、ごまかす秀実。
いや同様しすぎじゃない? 昔のことなんだから普通に言っても良くない?
明日退院の信彦のところに来て「体拭きますね」と言う秀実。
明日退院なら拭く必要なくない?
上半身裸になる信彦。何なんだこの無駄なサービスシーン。
「もうあの事みたいな身体じゃないけど……」
「何言ってるんですか鍛えてるじゃないですか」
「偽物だよ」
「どの筋肉が言ってるんですか」
なんかさ、相手が自分に気があると知った途端(家子の嘘なんだけど)しゃべり方とか態度変わってない?
あと、秀実の腕を見てDVを確信して、心配するまではともかく抱きつくのはやばくない(しかも裸だしキスしようとしてるし)?
何だこの男。
そこに現れる光男。
カーテン開けた瞬間別のところ向いてるの怖っ!
信彦の退院後、たまたま街を歩いていて信彦の働くギャラリーを見つける秀実。
そんな偶然ある?????????
作品に感動するのはわかるんだけど、大声で「すごいすごいすごーい!」とオーバーリアクション気味の秀実。
白鳥が寄り添うお皿を見て「これが一番好き」「俺もこれが一番好きなんだ」と会話し写真を撮らせてもらう秀実。
個人的な感想だけど、このお皿が結構ダサい。
別の商品を割ってしまい、お詫びに工房に手伝いへ行くと強引に言う秀実。
この女頭おかしくないか?
ちなみに器が割れたときの信彦は「いいよ、所詮元は土なんだから」と言ってて笑った。いや確かにそうなんだけどさぁ。
秀実の携帯を盗み見て信彦のギャラリーに行ったことを知り、自分も行って例の皿を買ってくる光男。
「このお皿いいですね」
「俺もそれが一番好きなんです」
「秀実も好きそうだ」
そうだね写真に撮ってたもんね。
帰って秀実に見せて「秀実これ好きでしょ?」って言う。狂ってる。
飾られるお皿を見て「あ、この皿後で割られるんだろうな」と察する視聴者であった。
光男に隠れて信彦の工房に行く秀実。狂ってる。
それをチクる家子。怒りで皿を壁に叩きつけて割る光男。
皿割るの早っ!!!
出張で3日家を空けるという光男。
これは完全に「ここにいるよ~!!!」フラグじゃん。
案の定、家に一人でいる時に発作? が起きた信彦から電話がかかってくる。
急いで駆けつける秀実。「心音を聞きます」と言ってベンチに寝ている信彦の胸に顔を乗せて耳を当て、なんかうっとりして目を閉じる。
何を見せられているんだ……?
「せっかくだから少し(陶芸)やってく?」
「うん」
何で???
ちなみに何で信彦は身体弱いのにいつもタンクトップなの?秀実は長袖なのに……。
うまくろくろが回せない秀実の後ろから補助する信彦。
「映画のゴーストみたいだね」と言う秀実。
多分秀実の世代の人その映画知らない気がする(私もタイトルしか知らない)。
そのまま手を握りキスしようとする。
いやこいつ助けてくれた人に対して何なんだよ。
そこへ光男から電話。今おうちと嘘をつく。
すぐにバレる嘘をつくなーーーーー!
家に帰ろうとする秀実を止め、抱きついてキスする信彦。
いやもうこいつ性犯罪者だろ……
「帰るね」と扉を開けると、そこには双眼鏡を掲げた光男。来たーーー
悲鳴を上げる秀実。
「(息声で)ここにいるよーーーーーーー!」
ニヤリと笑う
「見てたよ、ずっと見てた。11回、11回キスしてた」
バードウォッチカウンターの「11」という数字を見せる光男(狂ってる)
「試したんだよ。僕が3日いないと言ったらこのどうしようもない雄鳥が、僕の大事な秀実に奪いに来るんじゃないかと思って」
「やっぱりやっぱりやっぱりやっぱりやっぱり」
とカウンターを11回カチカチしながら信彦に迫る。
「違うの」という秀実に
「違わないよ〜〜~!!!!!!!!」と言って信彦を殴る光男。
「僕の手は人を殴るためにあるはずじゃなかったんだ」と言ってる。
「お前でめきん(秀実のあだ名)のこと殴ってたんだろ?(※家子の嘘)」
と格ゲー張りのアッパーカットをキメる信彦。
本当は光男(山崎育三郎)の壊れっぷりを恐れ楽しむドラマだと思うのだけど…。信彦(市原隼人)女が自分に気があると聞いて猛プッシュする変態タンクトップにしか見えないし、そんな信彦にときめいちゃってる秀実(瀧本美織)も理解できないし、家子(酒井若菜)はすべてがおかしいし、他のおかしさに気を取られちゃって光男が相対的にマシに感じてしまってキレ演技に集中できないのがちょっと残念でした。
これ以上どんな展開になるのか……後編も見逃せない!
後編は、2021年4月9日23:15よりテレビ朝日系にて放送です。
–{後編あらすじ&感想}–
後編あらすじ&感想
後編のあらすじ
最愛の婚約者・豊田秀実(瀧本美織)が高校時代に想いを寄せていた陶芸家・緒川信彦(市原隼人)と熱いキスを交わす現場を盗み見してしまった凄腕心臓外科医・明田光男(山崎育三郎)。
歯止めの効かない嫉妬の炎はかつてないほど燃え上がり、光男はついに人生初の拳を信彦に向けて振りかざした!
愛する秀実がほかの男に惹かれてゆく現実を認められず、信彦が秀実を洗脳したと言い張る光男。
もはやまともな精神状態ではない光男は「僕が解放してあげるよ」と不気味にささやき、怯える秀実を連れ帰る。
後編の感想
秀実に「君は何も悪くないんだよ、悪いのはこの泥棒陶芸家なんだよ」と囁く光男
いや、秀実もわりと悪いだろう。
ただ「秀実は悪くない」と言い張るところ以外は光男の言い分は正しい。信彦がおおむね悪い。
あと秀実も何で目の前で言われてるのにDV否定しないの? 光男かわいそうじゃない?
帰宅後、秀実と信彦のキスを録画した映像を大画面で見せてくる光男、悲鳴を上げる秀実。
え……いつ撮ってたの? これは怖い。
「ごめんなさい、光男さんを裏切って」と言う秀実に
「裏切ってなんかナッスィングだよ」と言う光男。
なぜ突然の英語……。
おびえる秀実に「スマーイル」と微笑む光男(怖い)。
バードウォッチングに出かけた光男と秀実
光男の「ここにいるよーーーーーーー!」を思い出して怯える秀実。
病院から緊急の連絡がきて席を外さねばならない光男、「またあの泥棒陶芸家が奪いに来るかもしれないからここで待ってて」と汚い倉庫もしくはロッカー的なものに閉じ込める。ええ~。
電話してきたのは光男の母(石野真子)。緊急回線私用で使っちゃ駄目だろ。
一方秀実が「出して!!」と叫んでいると、「どうした!」と開けてくれる知らないおじさん登場。めっちゃ都合よく通りかかったな。
出してもらった秀実はその足で信彦のもとへ。何で前回から一番行っちゃいけないところに行くのこの女。状況悪化するぞ。
そして信彦に抱きつき、告白。信彦も「俺も好きだ」と答え、抱き合う二人。
何なんだよこいつら。
前編から秀実がどのタイミングでどの理由で光男より信彦を好きになったかが見えないので1ミリも共感できない。
そして二人は愛の逃避行へ。どうしても寄りたいと言って花屋に寄りペチュニアの花束を買う秀実(ペチュニア、植えられてるのはよく見るけど花束初めて見た)。花言葉を伝えて信彦に告白する秀実。いや頭おかしいだろこの女。
「素敵な花言葉だな」と感動する信彦。
いやもう何なんだよこの二人。無理。
次の瞬間人にぶつかられて地面に落ち、自転車に轢かれる花束。そんなことある?
(ちなみに花の形状のせいか見た目にはそこまでダメージ負って見えない)
「これでも私は元モデルの人気インフルエンサーですことよ~」と秀実の写真をTwitterに載せて目撃情報を集める家子(酒井若菜)。肖像権とか大丈夫? 見た目も言動もやばすぎて元モデルの人気インフルエンサー(10万フォロワーいる)という設定が全然しっくりこない。あと自分で「人気インフルエンサー」って名乗る人いる?
どっかの海辺にやってきた秀実と信彦。「ここまでくれば大丈夫だ」という信彦だったが、即到着する光男と家子。全然大丈夫じゃない。
家子の視力(?)で発見され、追いかけっこが始まる。
「こんなこともあろうかと友達から借りてきた」と元警察犬を連れてくる。
ん? これ奪い合いで見たぞ?
結局犬は違う方向に行き(出オチ)逃げようとした二人の前に、双眼鏡を構えた光男が。
その距離で双眼鏡は必要ないと思う。
信彦を庇おうとする秀実に「わかってるから。全部悪いのはこの泥棒陶芸家だから」と言う光男に「悪いのは俺です。殴ってくれないなら自分で殴ります」と、自分の頬を全力で何度も殴り、口から血を流しながら自分を殴り続ける信彦。
え、なんで? 何を見せられてるの?
それを見て「光男さんのところに帰ります。私を幸せにしてくれるのは光男さんです」
と言う秀実。抱き合いながら泣く秀実。
なんだこれは。
「泥棒陶芸家か……畜生」と一人家? で涙する信彦。いや、情緒。
そこにやってきた家子は「あんたが中途半端なせいで! 秀実を奪いなさいよおおおお」と言いながら光男の焼いた器を割りまくる。器物破損なんだが。金払えよ……と思って見ていたら、札束を突き付けた。あ、払うんだ、と思ったら札束を跳ねのけた信彦が「割れてもあんたには売らねえよ」と言い、キー!となる家子。宙を舞う一万円札。何だこれ。
光男と秀実は光男の実家で同居することになり、「下品な色」とそうでもない服をその場で脱がされハサミで切られたり、片付けろと言われた物置に大きな信彦の写真があってカッターでズタズタにさせられたり(踏み絵かよ)といういびりをうけ、後者は父親も一緒になってやらせてたのでこのドラマまともな人一人も出てこないなと思った。
信彦が忘れられないことに気づかれ、光男の兄・倫太(永井大)の持つ記憶を無くすマシーンで記憶を消されそうになる秀実。
家子に知らされて(そんな大事な情報家子にしゃべるなよ)明田家に来る光男。城のような外壁を持つ家は飛び越えられない(普通に不法侵入だし)。近くにあった棒を見つけた信彦は、陸上をやっていた高校当時、そして応援してくれた当時の秀実を思い出し、棒高跳びの要領で外壁を飛び越えるのであった。そして落ちて痛がっている。不法侵入だが。
一連の侵入劇、面白すぎて爆笑した。
やってくる信彦、秀実を幸せにできるのは俺だと殴り合う光男と信彦。他の家族止めろよ。
激しい殴り合いの末、お互いの拳がお互いの頬にめり込む。
あ、なんかこれ少年漫画とかですっごく見たことある。
倒れたのは光男だった。
秀実を連れて出ていこうとする信彦の前に立ちはだかる父親だったが(もっと早く出て来いよ)「僕をこれ以上みじめにしないでよ、僕は負けたんだよ」という光男。
光男すごいかわいそう。ひたすらかわいそう。
明田家を出たところで発作を起こし倒れる光男。次に大きな発作を起こしたら命はないと言われていたらしい。よくそれで棒高跳びしたな。
オペが始まったが、助かる確率0%と語る倫太。ブラックジャックみたいな髪型してるんだしあんた治せよ……。そこへ現れた光男が手術を成功させ「好きな人が一番喜ぶことをしたい、かっこいい僕を見せて別れたい」と言う光男。一部の変態的なところ以外はだいたいかっこよかったよ光男……。
数年後。家子が赤ん坊を抱き、「目は俺似だろ?」と嬉しそうに言う倫太。
え、何で?
占いで愛称ぴったりだった占い婚だそうです。
あれだけ光男に執着してたの何だったの? それならもっと前に占っとけばよかったんじゃ。
一方信彦の工房では、小さな子と一緒にいる信彦とお腹の大きい秀実の姿が。
そして光男は今日も患者を救いまくるのだった。病院の屋上からつがいの鳥を見つけて優しく微笑む。
え? 何これハッピーエンドってことなの?
次の瞬間。マンションのベランダから望遠鏡で何かを覗く光男の姿。
望遠鏡で見ている先はなんと信彦と秀実。眺めながら嬉しそうにバードウォッチカウンターをカタカタ押すのだった。
え、何なの? つがいの鳥を見るのが好きみたいなオチなの??
よくわからないけど変態っぽく終わった。何だったんだまじで。
何というか今のところ今年イチの迷ドラマでした。面白かった。
–{『殴り愛、炎』作品情報}–
『殴り愛、炎』作品情報
ミュージカル界のプリンス・山崎育三郎が壊れる!?
<ドロキュン劇場の名手・鈴木おさむが新たに放つ強烈作>
どいつもこいつも…マジでどうかしてる!
2週連続で秒速超展開!
《いびつな純愛》と《愛の拳》が止まらない…
《底なしクレイジー恋愛ドラマ》、この春開演!!
放送日時
2021年4月2日スタート 毎週金曜深夜0時52分~1時23分
放送局
テレビ東京テレビ大阪 ほか
出演
山崎育三郎
ナレーター
大塚明夫
脚本
鈴木おさむ
ゼネラルプロデューサー
横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー
川島誠史(テレビ朝日)
菊池 誠(アズバーズ)
演出
樹下直美
制作協力
アズバーズ
制作著作
テレビ朝日
キャスト/スタッフコメント
山崎育三郎(明田光男役) コメント
鈴木おさむさんの作品はたくさん拝見しており、いつかご一緒させていただきたいと思っていたので、今回はすごく嬉しかったです。僕が演じるのは“壊れていく役どころ”であり、物語自体もすべてのエンタメが詰まった“ありそうでない作品”。台本を頂いた瞬間から「やりきろう!」と、ワクワクしました。
とにかく、光男は壊れ方がスゴいキャラクター。前後編合わせてトータル2時間という時間制限の中、怒涛の展開で壊れていきますが、その感覚自体はすごく丁寧に作っていくことができました。コミカルさと苦悩…いろんな振り幅が見せられる役なので、今までにない山崎育三郎を見ていただけるかもしれないです。実際、僕自身も新しい自分を発見できて、面白かったです! 市原隼人さん演じる信彦と殴り合うシーンも、喉がガラガラになるくらい叫ぶなど、思いっきり臨めました。
撮影中は思わず笑ってしまうことの連続でした。なにせ瀧本美織さんが、ちょっとしたことですぐ笑うんですよ! そこに釣られて僕も笑っちゃう…なんてことも多々ありました。また、市原さんの間の取り方や、表情もすごく面白くて! とにかく一個一個のシーンが面白く、一人一人がみんなおかしい!
今回は役者みんなが心から「ウソでしょ!?」という展開を楽しみ、「これは面白くなる!」と言いながら作るという、貴重な経験ができた作品。劇中では僕が歌うシーンもあるのですが、今回は“光男としての歌唱”という部分でのバランスも考え、歌いました。実は物語の中でキーポイントとなってくる歌ですので、そこも楽しみにしていただきたいです。
瀧本美織(豊田秀実・役) コメント
実は私、『奪い愛』シリーズにハマっていたんです。なので、鈴木おさむさんの作品に出られることが決まったときは、「うわ~っ、ありがとうございます!」と。本当にうれしかったです。私は皆さんに比べたら意外と正統派の役で、一見そこまでおかしくならないとはいえ、ヘンなことはいろいろしちゃう役でして…(笑)。撮影中は今までに言ったことのないようなセリフや、山崎育三郎さんや市原隼人さんのお芝居に刺激を受けると同時に、笑いが止まりませんでした! 本番でも育三郎さんがセリフの語尾を伸ばしている最中についつい吹き出してしまったり…と、多大なご迷惑をおかけしてしまったんですけど、これはもう仕方ないんですよ(笑)。だって、現実ではありえないことが、この作品の中ではありえちゃうんですから。おかしな人ばっかり出てきますし、そのパワーたるやものスゴいんです!
特に印象的だったのは、光男さんと信彦さんの殴り合いのシーンでした。秀実を取り合っているというよりも、お2人が愛し合ってるんじゃないかと思っちゃうくらいの熱量で…(笑)。時折、私のことは忘れられてるんじゃないかなって思うくらいの迫力だったので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
今回は、私自身これまであまり縁のなかった“一見おかしい世界観”の中にどっぷりと浸かれたからこそ、逆にリアルな人間の感情をそのまま出せた気がしますし、少し女優としての殻を破れたかもしれません。その一方で、まだまだやり足りない気持ちや、秀実として気が済まない部分もあって…。ぜひ続編を作っていただきたいです。そのときは私も殴りたいです(笑)! これを機に何でも挑戦し、お芝居をもっともっと開拓していきたいと更に刺激を受けた作品になりました。
市原隼人(緒川信彦・役) コメント
単発ドラマには“挑戦的なイメージ”を持っていましたが、今回は、まさにそのイメージをそのまま絵に書いたような作品です。台本を読みながらも、暴走するジェットコースターのような展開に「シリアスに向き合えば向き合うほど、度を越した刺激の振り幅が増し面白くなる愛の物語」だと感じ、その想いを持って早く現場に入りたい一心でした。
いざ撮影が始まると、開けてはいけないパンドラの箱を何度も開けてしまうシチュエーションに耐えきれず、こんなにも本番中に笑ってしまった現場は初めてです(笑)。基本的にはシリアスな感情を軸に演じました。ただ、「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」というチャップリンの名言にある様に、今作品は各登場人物が分別を失うほどに感情に左右され、主観に入り欲に溺れる滑稽な姿が、見てはいけない他人の性を手で顔を覆いながらも隙間から見てしまいたくなる様に面白いんです。実を言うと、僕は一時期いろんな作品を断り続けた結果、「あれもやっておけば、もう少し自分の感性の何かが広がったんじゃないか…」と考える時期がありました。今は「様々な作品に挑戦し自分を試してみたい」という好奇心に駆られているのですが、今回は「ここまで自分を楽しめるようになったのか!」と驚くほど、出演作の振り幅を感じる凄まじい作品となりました。温かい共演者とスタッフに恵まれ、お客様が見たいであろう刺激的な禁断のエンターテインメントを目指しました。“殴り愛”というタイトル通り、画面からしっとり雫がこぼれるような愛情表現、豪快な感情と肉体のぶつかり合いを、ぜひお見逃しなくお楽しみ下さい。