竹野内豊が11年ぶりに“月9”主演をつとめるドラマ「イチケイのカラス」が、2021年4月5日に放映スタートする。
浅見理都原作の「モーニング」(講談社)で連載されていた同名コミックをドラマ化した本作は、東京地方裁判所第3支部第1刑事部<通称:イチケイ>を舞台にしたリーガルエンタテイメント。自由奔放で型破りな刑事裁判管・入間みちお(竹野内豊)とエリート裁判官・坂間千鶴(黒木華)ら同僚たちの活躍を描く。
もくじ
第1話あらすじ&感想
第1話のあらすじ
入間みちお(竹野内豊)は、東京地方裁判所第3支部第1刑事部<通称:イチケイ>の刑事裁判官。元弁護士という異色の経歴を持つみちおは、ヒゲを生やし、服装はカジュアル、とぼけた発言もしばしばという、お堅い裁判官のイメージとはほど遠いゆるい空気をまとった男だが、先入観に一切とらわれない自由な観察眼と、徹底的に調べ上げる探究心を持ち、弁護士団や検察官の双方から恐れられているクセ者だ。
そんなみちおを見守っているのは、イチケイの部長で、有罪率99.9%といわれる日本の刑事裁判において30件あまりの無罪判決に関わっている伝説の裁判官・駒沢義男(小日向文世)と、元傍聴マニアで、みちおのファンを公言している裁判所書記官の石倉文太(新田真剣佑)。また、お人よしの主任書記官・川添博司(中村梅雀)、3つ子の母でもある姉御肌の裁判所書記官・浜谷澪(桜井ユキ)、物おじしない新人の裁判所事務官・一ノ瀬糸子(水谷果穂)も、しばしばみちおに振り回されつつ、イチケイを支えているメンバーだ。
そのイチケイに、若くして特例判事補になったエリート・坂間千鶴(黒木華)が赴任することになった。東大法学部出身の坂間は、冗談が全く通じない堅物タイプで、裁判官が的確かつ速やかに事件を処理することで日本の治安が維持されている、と強烈に自負している。坂間がイチケイに異動してきた目的は、事件の処理件数が信じられないほど少なく、会社なら倒産レベルの“赤字”状態であるイチケイを立て直すためだった。
駒沢は、さっそく坂間にみちおと組むよう指示する。みちおを裁判長に、坂間と駒沢の3人で審議する合議制で取り組むことになった起訴案件は、大学生の長岡誠(萩原利久)が、代議士の江波和義(勝村政信)に全治1ヵ月のケガを負わせた傷害事件だった。実は誠は、江波の秘書だった洋一郎の息子。洋一郎は、2ヵ月前、不正献金疑惑で東京地検特捜部がマークし始めた矢先に、電車に飛び込んで自殺を図っていた。
検察側から、みちおのお目付け役として東京地検第3支部に異動してきた井出伊織(山崎育三郎)と、上司の主任検事・城島怜治(升毅)が出廷した第1回公判。誠は江波の方から先に殴ってきたと証言し、父は自殺ではないと主張した。するとみちおは、傷害事件のもとになった洋一郎の死の真相を確かめる必要があるとして、捜査権を発動し現場検証を行うと言い出して坂間や井出たちを驚かせる。
第1話の感想:「恥を知りなさいっ!」法廷に響く、黒木華の怒号がかっこよかった初回。竹野内豊のラフな裁判官姿も好感度UP!
月9に俳優の竹野内豊が11年ぶりに帰ってきた!
木村拓哉主演の「HERO」、堺雅人主演の「リーガル・ハイ」に続き、フジテレビと相性のいい法廷ドラマ「イチケイのカラス」(原作は同名漫画)がスタート。
東京地裁第3支部第1刑事部(通称・イチケイ)の刑事裁判官が主人公の同ドラマは初回の放送から裁判シーンも多く、法廷ドラマ好きを中心に話題となっている。
主演の竹野内豊演じる入間みちおは、自由な発想の持ち主で一見、裁判官とは思えぬちょっと抜けた感じの雰囲気がある。
一方で黒木華の役どころは東大法学部卒の坂間千鶴。柔軟性はまるでなく、きっちり仕事をこなすエリート特例判事補だ。
入間と千鶴、この対極した二人は当然ながら初めて顔を合わせた時から気が合わない。そんな二人を部長裁判官の駒沢義男(小日向 文世)はバディを組むように命じる。
第1話は、みちおと千鶴、駒沢の3人が代議士の江波和義(勝村政信)が大学生の長岡誠(萩原利久)に負わされた傷害事件を受け持つことに。調べていくうちに単なる傷害事件ではなく、もっと根深い背景が……。実は加害者の大学生はかつて江波の秘書の息子だった。
法廷中、被害者であることを盾にあまりにも理不尽な発言を繰り返す江波に憤慨した千鶴は思わず「恥を知りなさいっ!」と怒鳴ってしまう。
その直後、千鶴の心の声として『なんで今、私、叫んだとやろ。恥ずかしかーっ。バカバカバカバカバカ』と長崎弁で吐露した千鶴。
このシーンでは
「黒木華ちゃんの長崎弁、めちゃくちゃかわいい」
「冷酷人間だと思っていたけれど、人間味もあってほっとした」
などと黒木華の演技も話題に。
判決が決まったあとに事件を振り返った千鶴は、「話を聞いて聞いて、聞きまくって悩んで悩んで悩みまくって一番いい答えを決めること」という裁判官にとって大事なことを入間に教わった気がしていた。
本来なら堅苦しくなりがちな法廷ドラマだが、ときおりコミカルなセリフもあり、好感度は高く、わかりやすい。
竹野内と黒木のバディもこれからどのように展開していくのか楽しみだ。
–{第2話あらすじ&感想}–
第2話あらすじ&感想
第2話のあらすじ
みちお(竹野内豊)たち地裁チームと、甲子園出場経験もある井出(山崎育三郎)を擁する地検チームによる、恒例の草野球試合が行われた。坂間(黒木華)は、2打席連続ランニングホームランの井出を迎えた投手のみちおに対し、敬遠すべきだと主張する。しかし、みちおは、0.1%でも可能性があるなら勝負がしたいと言い出して……。
その夜、坂間は、最高裁判所判事で、司法研修所時代の上席教官でもある日高(草刈民代)から呼び出され、あるパーティーに出席する。そこで坂間は、最高裁事務総局の事務総長・香田健一郎を紹介される。健一郎は、坂間が東京地裁第3支部の立て直しを任されていることを承知しており、人事局でもみちおの存在が問題視されつつあることを彼女に告げる。それを受けて日高は、みちおの問題行動に対して処分が必要だと判断した場合は人事局にあげてほしい、と坂間に指示する。
そんな折、イチケイの部長・駒沢(小日向文世)は、合議制で扱いたい案件があるとみちおたちに告げる。それは、1審で有罪判決が下された、人気料理研究家・深瀬瑤子(前田敦子)による幼児虐待事件だった。瑤子は、当時1歳半の長女が泣き止まないことに苛立ち、激しく揺さぶるなどしてケガを負わせたことにより、傷害罪で2年6ヵ月の有罪判決を受けていた。だが瑤子は判決を不服として控訴。それを受けて高裁は、審理内容を精査し、地裁に差し戻したのだ。しかし、実はこの案件、第1審の裁判長を健一郎の息子・隆久が務めた“取り扱い要注意”案件だった……。
第2話の感想:背筋が凍った前田敦子の鬼女の微笑みVS黒木華の怒号再び!2人の演技にシビレた第2話
サラリーマン以上にサラリーマンなのが裁判官の世界—。
第2話は、裁判所という組織の中でイチケイ(第1刑事部の略)の裁判官、入間みちお(竹野内豊)と、坂間千鶴(黒木華)が対峙した。
第2話のゲストは、「元AKB48」の肩書がすっかり外れた女優の前田敦子。
人気料理研究家で自身の娘を虐待した疑いがかけられている深瀬瑤子という役を演じた。
傷害罪で有罪判決を受けたものの、無罪を主張した瑤子は判決を不服として控訴。
移送されるときに瑤子がカメラに向かって笑っていたことから「鬼女の微笑み」と連日、ワイドショーなどで話題になってしまっていた。
そして高裁は、最高裁事務総長の息子、香田隆久(馬場徹)が裁判長を務めた事件とあって自らの保身のために、入間らがいる東京地方裁判所、第3支部に差し戻し。
いわゆる、取扱要注意案件というわけだ。
今回も法廷で入間独自の持論を展開。入間みちお劇場だ。
ハラハラとしながら隣で見守る千鶴だったが、その表情はほとんど飽きれた様子。
最高裁事務総長から将来を期待されている千鶴は、自分も保身のためにこの事件から身を引きたい一心だった。
しかし、入間からやんわりと拒否されると微妙なチームワークのままなんとか真相に向けて調査を進めていく。
前述したとおり今回のゲスト、前田敦子がとてもいい演技をみせてくれた。
自身も子育て中ということもあるかもしれないが、幼い母を育てる母の葛藤と身に覚えのない罪を負わせられた人間の繊細な心の内を目の表情だけで魅せてくれた。
入間の調査の甲斐あって、瑤子は無罪に。
数年ぶりに再会した娘に泣きながら抱き着く瑤子の表情は、優しい母のそのもの顔だった。
一件終えた入間と千鶴、部長の駒沢(小日向文世)のところに最高裁事務総長の息子、香田が要求通りの判決を出さなかった3人を罵倒しにやってきた。
今回の一連の流れから、なんとなく入間に対しての見方が少し変わった千鶴は
「あなたにとやかく言われる筋合いはありません!」
と一蹴。
第1話の「恥を知りなさいっ!」に続き、今回の千鶴の言葉はまたもや見る側をスッキリさせてくれる。
きっぷのいい黒木華の姿は実にかっこいい!
千鶴の司法研修所時代の上席教官でもある日高(草刈民代)は過去に入間となにやら問題があった様子。
その事実はこれから明らかになるようだが、日高は明らかに入間に対して嫌悪感を抱いてる。
その日高から「入間みちおに感化されないで」と言われた千鶴。
今後どのようにして日高、そして入間と向き合っていくのだろうか。
1話完結の法廷劇と入間の過去、そして千鶴の心の変化に今後も注目だ。
–{第3話あらすじ&感想}–
第3話あらすじ&感想
第3話のあらすじ
「どうしたらなれるか、アインシュタインに」。ある日みちお(竹野内豊)は、坂間(黒木華)たちイチケイメンバーにそう質問する。ヒントは、裁判官にも大事なことだとみちおは言うが……。
そのとき、起訴状を読んでいた部長の駒沢(小日向文世)は、合議制で扱いたい案件がある、とみちおたちに告げる。案件は重過失致死及び死体損壊の事件で、被告人はガラス工房で働く藤代省吾(岡田義徳)、被害者は市役所職員の野上哲司(成松修)だった。
その教室には野上の14歳になる娘・碧(渡邉心結)が通っていたが、迎えに来た碧の母で、笹原警察署の警察官でもある奈緒(佐津川愛美)に一方的に好意を抱いた藤代は、「野上哲司は浮気している」「夫と別れなければ罰を与える」等の監視や人格非難にあたる内容の手紙を差し出し人不明で送りつけていた。
それが藤代の仕業だと気づいた野上は、事件当夜、藤代と工房で会い、口論からつかみ合いになったという。藤代は工房にあった自転車に乗って逃げようとして野上と衝突。そのまま後ろに倒れた野上は、後頭部を強く打ち命を落としたらしい。犯行の露見を恐れた藤代は、野上の遺体を焼却炉で燃やしていた。
みちおが裁判長を務めた第1回公判、入廷してきた駒沢の姿を見た藤代は驚く。実は駒沢は、18年前に裁判長として藤代を裁いたことがあり……。
第3話の感想:毎週違う傍聴マニア役のお笑い芸人にも注目!
竹野内豊主演のドラマ「イチケイのカラス」が面白くなってきた。
原作は、講談社モーニングKC刊から発売されている同名の漫画。著者は、浅見理都だ。
個人的に好きなテイストの作品なので、原作漫画にも手を伸ばした。
主演の竹野内豊が演じる入間みちおは原作では小太りのおじさんで、竹野内とは対極のタイプだ。
黒木華が演じる坂間千鶴も、坂間真平という男性でドラマとはまるで違う。
原作が面白いのでドラマ化となったことは想像に容易い。
しかし、原作の主人公の坂間を女性の黒木に、そして入間を竹野内にキャスティングしたあたり、製作サイドのドラマにかける想いが感じられた。
単に原作をそのままオマージュしたものではなく、元の作品を知っている視聴者にも楽しんでもらいたいという意図があったのではないだろうか、と勝手に推測している。
また、竹野内の裁判官とは思えぬちょっと抜けた感じの雰囲気が、ドラマ全体を包み込んでおり、
安心して時間をゆだねられるのも特徴だ。
第3話は?
さて、第3話は結果的にはちょっと悲しいストーリーであった。
今回の被告人は、ガラス工房で働く藤代省吾(岡田義徳)。
イチケイの部長である駒沢(小日向文世)が18年前に裁判長として裁いた案件の被告人だった。
罪を償い、まっとうに生きていると思っていた藤代が重過失致死及び死体損壊の事件で、また自分の目の前にいることが信じられない様子。
入間らイチケイのメンバーたちで事件を一から捜査してみると、藤代はある人の罪をかばっているということがわかり……。
傍聴マニアにも注目
裁判シーンの多い同ドラマでは傍聴席にも注目をしてもらいたい。
第1話では、チョコレートプラネット。
第2話ではミルクボーイ。
そして、第3話には鬼越トマホークが傍聴マニアとして出演していた。
毎週違う人気芸人が出演するとあって、次回の傍聴マニア役を予想するのも楽しい。
毎回、気づきをくれるセリフが泣ける
第3話も気づきの多い回であった。
入間の「起きてしまったことは変えられない。でもこれからのことは変えられる」
駒沢の「いかなる理由であれ、罪を償うチャンスを奪ってはいけない」という言葉にぐっときた。
このドラマは判決のシーンで裁判官の入間が被告人にかける言葉にも毎回、注目をしてもらいたい。
1時間という時間のなかで、とても丁寧にまとまったストーリーを見せてくれる印象の「イチケイのカラス」。
自由すぎる入間と、東大法学部出身で将来を約束されたエリートの千鶴の関係性が今後、
どう変化していくかが楽しみだ。
–{第4話あらすじ&感想}–
第4話あらすじ&感想
第4話のあらすじ
みちお(竹野内豊)は、坂間(黒木華)を訪ねて裁判官官舎にやってきた彼女の妹・絵真(馬場ふみか)と出会う。絵真から、姉はどんな裁判官なのかと尋ねられたみちおは、裁判を傍聴してみてはどうかと言い出す。
その後絵真は、みちおと一緒に、坂間が裁判官を務めたいくつかの公判を傍聴することに。そんな中、イチケイの部長・駒沢義男(小日向文世)は、家庭裁判所から逆送されてきたある少年事件を合議制で扱いたい、とみちおたちに告げる。被告人は17歳の望月博人(田中偉登)。半年前に高校を中退した博人は、レジャー施設でアルバイトスタッフとして働いていたが、あるとき売上金5000万円を盗んで逃亡。警察に逮捕されそうになった際には、繁華街のビルの非常階段から盗んだ現金をばらまいていた。みちおは裁判長は坂間がいいのではないかと提案し、坂間も決意を表明する。
そして始まった第1回公判。博人は完全黙秘を貫き……。
第4話の感想:永野芽郁、広瀬アリスらが被告人!? 豪華すぎるゲストにネットがざわついた!
法廷イチのくせ者、裁判官の入間みちお(竹野内豊)が主人公の「イチケイのカラス」に被告人役として
永野芽郁、広瀬アリス、遠藤憲一が登場。
冒頭シーン、ほんの数分の出演ではあったが豪華すぎるゲストに驚きを隠せない人が続出した。
その内容も衝撃で永野芽郁は美人局の罪、広瀬アリスは銃刀法違反を犯した極妻、そして遠藤憲一は賽銭泥棒の常習犯と強烈な被告人を演じた。
また、黒木華が演じる坂間千鶴の妹、絵馬役に馬場ふみかも登場した。
第4話は?
第4話は、少しせつない結末をむかえてしまうストーリーだった。
アルバイト先のレジャー施設から5000万円を強奪した17歳の少年、望月博人(田中偉登)を裁くことになった千鶴。
なぜ少年はそんな大金を奪ったのか……。
千鶴にとって少年事件を扱うことは初めてで、戸惑うことばかり。
しかも、何かしらの事情があるのか、博人は完全黙秘を貫く姿勢をみせた。
そこで、千鶴は入間さながら「職権を発動します」を宣言。
これには傍聴マニア、「みちおを見守る会」(今回はお笑い芸人の空気階段)も千鶴が「入間った」と、
入間の影響を受けだしていることに驚いていた。
博人の生い立ちを調べていくと一緒に施設で育った未希(ついひじ杏奈)と陸(細田佳央太)の存在が明らかに。
1年前に起きた遊園地での事故が今回の現金強奪事件と関わっていた。
千鶴らの入念な捜査の結果、今回のことも過去の事件も共に明るみになったが、それは未希や陸、博人を苦しめる結果になってしまった。
法のもとに裁くべきか、彼らの切ない事情を組むべきか、苦悩する千鶴を入間はそっと見守っていた。
第4話も視聴率は2ケタ!
本作は裁判のシーンが多いものの、堅苦しさがなく、誰がみてもわかりやすく感情移入ができる。
また、出演者それぞれのキャラクターにも愛着がわく。
そんな理由もあってか? 第4話の視聴率も世帯平均視聴率が12.4%。
(数字は関東地区、ビデオリサーチ調べ)
ドラマ全体の親しみやすさが数字に繋がっているのかもしれない。
今後もどんなストーリーを展開するのか、またどんな出演者が表れるのか?
いろんな意味で楽しみなドラマだ。
–{第5話あらすじ&感想}–
第5話あらすじ&感想
第5話あらすじ
みちお(竹野内豊)たちの元へ、あるバレエ団で起きた傷害事件の起訴状が届く。被告人は、バレエ団代表で振付師の槇原楓(黒沢あすか)。被害者はそのバレエ団の元トレーナーの矢口雅也(松木研也)だった。2人は口論からつかみ合いになり、槇原は矢口を突き飛ばした。頭を強く打った矢口は一命を取り止めたものの、現在も意識不明の重体だった。その起訴状を見た石倉(新田真剣佑)は驚きを隠せなかった。このバレエ団には、海外からも注目されているバレリーナ・馬場恭子(生田絵梨花)が在籍していた。実は恭子は、石倉の中学・高校時代の同級生で、初恋の相手でもあった。
坂間(黒木華)が裁判長を務めた第1回公判。傍聴席には恭子だけでなく、何故か別の事件の公判を終えたばかりのみちおの姿もあった。冒頭陳述で、検察官の井出(山崎育三郎)は、トレーナーとしてバレエ団に在籍していた矢口が複数のダンサーに対してセクハラを行い、槇原に解雇されたことで一方的に恨みを抱いていたことなどを説明する。すると、『みちおを見守る会』の傍聴マニアから画用紙を借りたみちおが、「さっき、食い逃げの公判をやったんだよ。食い逃げとバレエ団、ふたつの裁判、ひとつにくっつけたいんだよ」と書いた紙を坂間に見せる。別々の事件であっても犯人が共通していたりする場合にまとめて審理する「併合審理」をしたいというのだ。坂間は、そんなみちおを退廷させるが……。
第5話感想:新田真剣佑と生田絵梨花が両想い!? まぶしすぎるツーショットに注目が集まる!
俳優の竹野内豊が刑事裁判官を演じる「イチケイのカラス」の第5話に生田絵梨花がバレリーナ役で出演。
書記官を演じる、新田真剣佑とのツーショットが美しすぎると話題になっている。
東京地方裁判所第3支部第1刑事部、通称イチケイ。
忙しそうではあるものの、刑事裁判官の入間みちお(竹野内豊)や裁判官の坂間千鶴(黒木華)らメンバーの雰囲気はいい。
ある日、とあるバレエ団で起きた傷害事件の起訴状が届く。
起訴状を見た書記官の石倉文太(新田真剣佑)は、初恋の相手の恭子(生田絵梨花)が在籍するバレエ団と気付いて驚く。
「大丈夫かな、恭子ちゃん……」と初恋相手が事件に関わっていないか、心配をする石倉。
そして、事件に書記官として関わるべきか、否か迷っていると入間が「Yってるね」と手でアルファベットの「Y」を作って石倉に問う。
右へいくか、左へいくか、まさに分岐点で使う言葉だと、入間が言うと
「Yってます、僕」と弱気をみせる。
しかし、石倉は書記官として事件を担当すると決意したのだった。
法廷で石倉と恭子が再会。
2人の高校時代の回想シーンが流れると
「マッケンと絵梨花ちゃんの制服姿、神々しいな」
「いくちゃんとマッケン。この2人、なんて素敵なの」
「これぞ美男美女!美しすぎる」
と、SNSでは2人の美しさに”ため息”がもれていた。
「併合審理」からの「職権発動」で見事に事件を解決したイチケイ。
しかし、石倉と恭子の恋心は交わることはなく幕を閉じたのだった。
高校時代も「Yって」いないで男らしく決断をしていれば、石倉の恋は成就していたかもしれない。
石倉という男は優柔不断すぎるが、自信なさげに迷う姿も悪くはない。
それにしても、新田と生田のシーンは美しすぎた。
そして、今回も入間と千鶴のコミカルなやり取りは最高だった。
子どものように「へへへ」と笑いながら千鶴にちょっかいを出す入間に対して、真剣に怒る千鶴。
法廷での厳格なシーンと、2人のゆるいシーンの温度差がこのドラマの魅力だ。
次回はどんな難事件を解決するのか、そして入間と千鶴の間に恋心は生まれるのか?
ドラマは早くも折り返したが、先は読めない。
後半の展開にも期待したい。
–{第6話あらすじ&感想}–
第6話あらすじ&感想
第6話あらすじ
草野球の試合を終えたみちお(竹野内豊)たちは、相手の井出(山崎育三郎)ら地検チームと一緒に石倉(新田真剣佑)の実家『そば処いしくら』に集まって飲んでいた。そこに、坂間(黒木華)が日高(草刈民代)を連れてやってくる。坂間は、女性裁判官の会に出席し、日高の最高裁長官内定のお祝いをしていたという。 するとみちおは、志摩総一郎(羽場裕一)という男の名前を出し、彼が被害に遭った窃盗事件を担当することになったと日高に告げる。志摩は、弁護士時代のみちおが最後に担当したある事件に関係する人物だった。
みちおが裁判長を務める窃盗事件とは、前科6犯の窃盗犯・岸田(バカリズム)が、会計事務所所長の志摩の自宅に忍び込み、現金113万円を盗んだ事件だった。岸田は犯行後、盗んだ自転車で逃走を図ったが、その途中で新聞配達員と自転車同士の衝突事故を起こして顔を見られたため自首していた。 第1回公判で、岸田はエリート人生から転落して窃盗を繰り返したという井出の言葉に反発し、泥棒がいかに魅力的な仕事であるか、どんな金庫も開けられる優れた耳を持つ自分がその個性を生かすためにいかに努力をしているかを力説し始める。また岸田には、金が余っている家しか狙わず、人は絶対に傷つけない、というポリシーがあるらしい。
みちおは、理路整然と話す岸田が、逃走時のことなるとあいまいな話をし始めることや、今回初めて自首してきたことが気になり、逃走経路周辺の防犯カメラを確認することにするが……。
第6話感想:竹野内豊演じる入間みちおと、被告人役のバカリズムの演技合戦が傑出していた第6話
10年前—
「あなたはどうして裁判官を志したのですか?」
入間みちお(竹野内豊)が弁護士から裁判官になった日に最高裁事事務局の判事、日高亜紀(草刈民代)に質問した言葉からはじまった第6話。
入間と日高はある裁判で戦った因縁の関係だ。
今回のゲストは、お笑い芸人のバカリズム。
このドラマは何かとお笑い芸人の活躍が目立つ。
しかも、出演するそれぞれがしっかり演じきっており、その演技も光っている。
同作品によって、新たな可能性を見出している芸人も多いように思う。
さて、第6話のストーリーはこうだ。
岸田茂(バカリズム)がオメガ会計事務所所長、志摩総一郎(羽場裕一)宅で現金113万円を盗んだ事件の公判を担当することになった入間。
被告人の岸田という男が、かなりの曲者で公判中もなにかと難癖をつけてくる。
それでも入間だけは岸田と真摯に向き合い、ちょっと楽しんでいるようにも見える。
理路整然と犯行当日のことを話す岸田だが、「正しい裁判を行う」をポリシーにしている入間は、少しでも不可解な点かあれば徹底的に調べあげようとした。
とくに入間がこの事件に真剣に向き合うのには理由があった。
なぜなら、被害者の志摩は入間が12年前に弁護士として担当した事件に関わっていたからだ。
「正しい裁判を行う」という入間の情熱に施された岸田は「あなたには勝てない」と言い、盗んだ現金は113万ではなく、2億だったことを白状した。
この2億は志摩が脱税によって得た金額だった。
今回の事件から12年前の事件の真相もうっすら見えてきたのだった。
そして、今話の最後には冒頭の質問、「あなたはどうして裁判官を志したのですか?」
の答えが明らかになった。
「裁判官は社会の医者だから」
これが日高の答えだったが、この言葉通り職務をまっとうしているとは思えない入間。
入間と日高の因縁の戦いは今後どのような展開をみせるのか……。
そして、12年前の因縁の事件の真相を明らかにするために、日高を尊敬する坂間千鶴(黒木華)も動き出した。
正義を貫き通す入間が正しいのか、それとも社会の渦に巻き込まれてしまった日高に軍配が上がるのか?
さらに面白くなってきた同ドラマ。
入間みちおという人物像にもどんどん引き込まれていく。
竹野内豊って最高だ!
–{第7話あらすじ&感想}–
第7話あらすじ&感想
第7話あらすじ
弁護士時代のみちお(竹野内豊)が最後に担当した12年前の東丸電機殺人事件。東丸電機の研究部主任だった被告人の仁科壮介(窪塚俊介)は、被害者である同社の経営戦略部部長・布施元治(中野剛)から研究部門の解体および製造部門への異動を命じられたことが原因で彼と度々トラブルを起こした挙句に撲殺した罪で、無期懲役を言い渡されていた。だが仁科は、判決後も無罪を主張し続け、獄中で命を絶ってしまう。仁科は、事件現場から逃げていく男を目撃したと主張していた。その男こそ、イチケイが扱った窃盗事件の被害者で、国税庁OBの志摩総一郎(羽場裕一)だった。この窃盗事件がきっかけで、志摩が所長を務めるオメガ会計事務所が、東丸電機を含む大手企業数社の脱税に関与していた疑いが浮上していた。
坂間(黒木華)は、仁科の妹・由貴(臼田あさ美)を訪ね、再審請求をすれば12年前の事件の真相を明らかに出来ると説得するが、断られてしまう。そんな坂間と入れ違いで由貴を訪ねたのが、みちおの元同僚でもある弁護士・青山(板谷由夏)だった。ふたりの説得が功を奏し、再審請求を決意する由貴。弁護人を務めることになった青山は、ただちに会見を開き、今回の再審請求について公開での審理を求めた。
再審を認める判決を受け、次長検事の中森(矢島健一)と検察官の小宮山(テイ龍進)は、期限の3日以内に「即時抗告申立書」を出すよう、城島(升毅)と井出(山崎育三郎)に命じる。「開かずの扉」と言われる再審請求――その扉は今回も開かないものと思われたが……。
第7話の感想:最終回と錯覚するほどの展開に!12年前の事件解決に向けて“開かずの扉”が開いた!
ある機関が調べた「ドラマ満足度ランキング」。
「イチケイのカラス」は、開始直後からほぼ上位を独走。
この結果には、納得だ。
やっぱり面白いものは面白い。
選ばれし出演者、興味深い脚本、映画音楽さながらの主題歌と効果音。
満足度が高い理由はよくわかる。
第7話では、12年前の東丸電機殺人事件が解決に向けて大きく展開した。
入間みちお(竹野内豊)、坂間千鶴(黒木華)らイチケイ、検事らのファインプレーによって「再審請求」という名の“開かずの扉”が開いたのだ。
そして、入間の長年の天敵、判事の日高亜紀(草刈民代)と法廷で対峙するシーンは、圧巻だった。
敗北したかと思ったイチケイだったが、日高の告白により真犯人が確定。
日高は責任をとって、職を辞したのだった。
第6話での事件がきっかけとなり、第7話にスムーズに移行し、
そこから事件が解決。
視聴者の「つっこみどころ」はなに一つなく、きれいにストーリーを展開してくれるので
満足度が高いのは納得だ。
主役の裁判官、入間みちおに「イラッ」とさせられそうなものの、
そこは竹野内豊が演じているからだろうか、まったくそんな気持ちにならないのも不思議。
同僚のエリート裁判官、千鶴を演じる黒木華も存在感がある。
地味だけれど、一本筋が通った千鶴という役は、もはや黒木しかいない。
黒木がはにかみながら長崎弁を話すシーンも好きだ。
事件解決と共に日高が姿を消したものの、入間と千鶴の戦いはまだまだこれから。
まだ姿を現していない「さらなる上の存在」と、どうやって戦っていくのだろうか。
最終回に向けてさらに期待をしてしまう。
–{第8話あらすじ&感想}–
第8話あらすじ&感想
第8話あらすじ
みちお(竹野内豊)たちが所属する『イチケイ』に、事務官から書記官になるための研修生として、前橋幸則(渡辺佑太朗)と磯崎由衣(夏目愛海)がやってくる。部長の駒沢(小日向文世)は、合議制で扱う案件があるから立ち会うよう、ふたりにも指示する。
案件は傷害事件だったが、その起訴状を見た坂間(黒木華)と浜谷(桜井ユキ)は驚く。被告人の潮川恵子(真凛)は、坂間が裁判長、浜谷が書記官を務めている窃盗事件の被告人だった。
万引きの前科があった恵子は、再びスーパーマーケットで万引きをして保安員に捕まっていた。恵子の万引きを目撃し、店側に伝えたのは、山寺史絵(朝加真由美)という女性だった。恵子には6歳になる娘がおり、商社マンの夫は海外単身赴任中。恵子は、育児と義母の介護の疲れから軽いうつ状態で服薬していた。そんな恵子と話した浜谷は、子どもを預ける当てがない彼女は罪を認めて逃亡の恐れもないことから、在宅からの審理がいいのではないかと坂間に進言したという。ところが恵子は、その間に史絵に暴行を加え、加療約1年のケガをさせていた。
窃盗事件と傷害事件が併合されて開かれた第2回公判。恵子は、被害者の史絵が小学校時代の恩師だったことに触れ、4ヵ月前に万引きで逮捕されたときのことは恨んでいないと証言する。史絵にケガをさせてしまったのは、実は彼女が万引きをしたところを目撃し、それを止めようとした際に襲われて抵抗したからだと言うのだ。恵子は取り調べの段階からそう主張していたが、虚偽の発言として取り上げてもらえずにいた。一方、検察の井出(山崎育三郎)は、史絵が万引きをしたという証拠がないこと、そして恵子から暴行を受けた後、市会議員をしている夫の信吾(大谷亮介)に電話し、逆恨みで元教え子に襲われたと助けを求めていることを指摘するが……。
第8話の感想:イチケイの愉快な仲間たち、正直もはやLOVE!
入間みちお(竹野内豊)が弁護士時代に担当した12年前の東丸電機殺人事件。
前回、無事に解決し、第8話からはどんなストーリーを展開するのかとワクワクしていた。
今回は、どうやら裁判所、書記官主任、川添(中村梅雀)が主役のようだ。
型破りの裁判官である入間に毎日振り回され、ストレスマックスの川添。
「今の切なる願いはただ一つ、滞りなく定年を迎えること」
と哀愁漂う中村梅雀の演技がじつに面白い。
そして、中村を取り巻くイチケイの仲間たちとのやり取りもにコミカルだ。
入間にイジられ、小声で悪口を言うシーンは最高の喜劇だ。
同ドラマは、張りつめた雰囲気のときと、そうでないときの緩急がはっきりとつけられていて、
視聴者を飽きさせない。
これが人気の理由なのかもしれない。
第8話は、書記官になるための研修生も2人加わり、イチケイメンバーはある万引きが引き金となった
傷害事件を担当することに。
事件を深堀していくと、被害者も加害者と同様に万引きの常習犯であることがわかった。
しかも、2人とも窃盗や万引きを止められず、繰り返してしまう「クレプトマニア」という病気ということも。
法廷では、万引きを繰り返してしまう被害者と加害者に向かって
「勇気をもって助けてと言ってみてはどうでしょうか? 言葉にしないとわからないこともあります」
と、入間らしい人間味のある言葉がかけられた。
やはり、前回が最終回だったのでは?
と、思うほど見応えのある回だったので、少し拍子抜けしてしまったところはあるが、
入間やイチケイの仲間たちの愛情に満ちた微笑ましい回であった。
来週は、どんなストーリーか今から楽しみだ。
–{第9話あらすじ&感想}–
第9話あらすじ&感想
第9話あらすじ
みちお(竹野内豊)や坂間(黒木華)たち“イチケイ”が扱うことになった「世田谷家政婦殺人事件」が、裁判員裁判で審理されることになった。書記官の川添(中村梅雀)を中心にさっそく裁判員の選任手続きが行われ、その結果、塾講師の大前正一(山崎銀之丞)、結婚相談所勤務の落合清美(池津祥子)、土木作業員の田部公平(山口森広)、主婦の立原理沙子(太田順子)、証券マンの西園寺勝則(永田崇人)、大学生の小中渚(羽瀬川なぎ)の6名が選ばれる。補充裁判員として選ばれたのは、派遣社員の新村早苗(行平あい佳)、「みちおを見守る会」メンバーでもある自由業の富樫浩二(明樂哲典)だった。
事件の被告人は高見梓(春木みさよ)、被害者は桐島優香(八木さおり)。梓は家政婦として桐島家で働いていたが、ある時、柵が破損していることを知りながら3階のバルコニーで優香と争い、突き飛ばして転落させたという。梓は、転落後もまだ息があった優香をそのまま放置。たまたまやってきて異変に気づいた配達員が救急車を呼んだが、優香は命を落としていた。また優香は、梓に多額の遺産を残すことを1年前に弁護士に書面で伝えていたという。
優香の娘・希美(松風理咲)も見守る中で行われた第1回公判で、梓は、自分は殺していない、あれは事故だと主張。遺産の件も知らないと証言する。実は梓は、5年前に火災事故で夫と娘を亡くし、譲り受けた夫の会社を売却して多額の資産を得ており……。
第9話の感想:入間と千鶴は恋愛に発展するのか?緊迫した裁判シーンも見応え有りの第9話
裁判員裁判—
聞き馴染みのある言葉とはなったが、大半の人が経験ないだろう。
第9話は、世田谷で発生した「家政婦殺人事件」を裁判員裁判で審理されることになった。
非常にデリケートな題材ではあったが、竹野内豊が演じる入間みちおら、イチケイのメンバーが選任された6名を判決まで導いていった。
今回の事件は、桐島優香(八木さおり)宅で働いていた家政婦の高見梓(春木みさよ)が3階のバルコニーで優香と争い、転落。転落後も意識がある優香をすぐには助けず、放置した疑いで梓は逮捕された。優香は配達員によって救急車で運ばれたものの死亡。加害者の梓は「あれは事故だった……」というが。
いったい事件なのか、事故なのか。
人の人生を左右する大事な裁判であった。
これまで裁判員裁判を題材にしたドラマや映画は多く存在するが、“月9”で扱うのは珍しいのではないだろうか。
1時間というドラマの中で、裁判員たちの迷いや葛藤、事件の真相が丁寧に描かれており、非常に興味深い内容であった。
とはいえ、しっかり入間と坂間千鶴(黒木華)のコミカルなやり取りは忘れず、ドラマの筋からは脱線していない。
終盤には、過去の事件の被害者に襲われそうになった千鶴を入間が体を張って救う場面も。
いつもは憎まれ口を叩き合っている2人だが、気落ちしている千鶴の姿を見て入間は優しい笑顔で「ご飯食べに行こうよ」と誘った。
千鶴もこの日は素直に「はい」と応じ、視聴者を温かい気持ちにさせていた。
見応えのある裁判シーンが話題の同ドラマだが、入間と千鶴の恋の行方も気になる。
残り2話。
どんな展開で最終回を迎えるのだろうか。
–{第10話あらすじ&感想}–
第10話あらすじ&感想
第10話あらすじ
みちお(竹野内豊)は、弁護士時代の同僚でもある青山(板谷由夏)と、彼女の母親の多恵(銀粉蝶)に会いに行く。愛犬みちこの弟妹が生まれたからだった。帰り道、青山は、独立して事務所を立ち上げるにあたって、得意の企業法務だけでなく国選弁護もやっていくつもりだとみちおに告げる。青山は、その国選弁護である案件を担当するため、またイチケイに通うことになる、と続けた。
あくる日、駒沢(小日向文世)は、レアケースの案件が上がってきたので合議制で審理する、とみちおや坂間(黒木華)たちに伝える。それは傷害事件だったが、被告人が『名無しの権兵衛』なのだという。青山が弁護人を引き受けた案件だった。
第1回公判。どこか飄々とした雰囲気を持つ被告人(板尾創路)は、名前はもちろん、自らの素性を明かすことを拒む。事件は、当時17歳だった被害者の朝倉純(小野寺晃良)の胸部を工具で殴打し、ケガをさせたというものだ。この事件の背景にあるのは、路上生活者に対する少年たちの投石事件だった。河川敷で路上生活者仲間とバーベキューをしていた被告人は、被害者の純を含む5名の少年たちから石を投げつけられた。少年たちを追いかけた被告人は、純を捕まえて注意をした。すると、そのことに腹を立てた少年たちは再び投石行為に及び、路上生活者のひとりにケガをさせてしまう。純を探し出した被告人は、もみ合いになった際に彼が持っていたスパナを奪って殴りつけたという。純は肋骨が折れるほどの大ケガだった。だが、みちおから、起訴事実について間違いはないか、と問われた被告人は、間違っている、嘘だと答えた。そして、自分は嘘が嫌いだ、と言い放ち……。
第10話の感想:被告人役も秀逸な役者揃いの同ドラマ。第10話も板尾創路が謎だらけの被告人を熱演!
第9話までの視聴率が2桁キープと快進撃の「イチケイのカラス」。
竹野内豊が11年ぶりに月9に出演すると話題になっていたが、どうやら竹野内と月9の相性は良かったといえる。
最終回前の第10話では、名無しの権兵衛の被告人役に板尾創路が登場。
入間みちお(竹野内豊)の弁護士時代の同僚である青山瑞希(板谷由夏)が弁護人を務めた。
ある日、河川敷で路上生活者たちがバーベキューをしていると、そこへ複数の少年たちが石をなげつけてきた。
少年たちに注意をするとまた、別の日にも同じように石を投げつけてきた。
運悪く、一人の路上生活者の頭に当たり、負傷するとその行為に憤りを感じた名無しの被告人が少年たちを追いかけ、一人の少年にけがを負わせてしまったという。
しかし、法廷ではケガなど負わせていないという被告人。
さらに、この名無しの被告人はどうやら青山弁護士と何か関係があるようで……。
名前も名乗らない、不思議な被告人と入間の対峙がはじまった。
板尾の態度や表情から極悪非道さを感じたため、『名無しの被告人が本当は少年に危害を加えていたんでしょ!』と思い込んでしまっていたが、蓋を開けてみるとまるで違うものであった。
さらに、被告人と青山弁護士に繋がる過去のストーリーも展開され、とても中身の濃い1時間であった。
また、終盤では入間の生い立ちにも触れるシーンがあり最終回へ繋がる伏線もバッチリ。
主演の竹野内に脇を固める黒木華や小日向文世、新田真剣佑などメインの出演者も秀逸だが、被告人を演じる役者の演技に毎回、引き込まれる。
これまで被告人を演じたバカリズムや黒沢あすか、前田敦子、今回の板尾に加え、無名に近い役者の演技が非常に光っているのも同ドラマの魅力かもしれない。
早くも来週、最終回を迎える同ドラマ。
最終回はどんな展開を見せてくれるのか。
今から続編を期待しているのは私だけではないはず!
–{第11話あらすじ&感想}–
第11話あらすじ&感想
第11話あらすじ
裁判官であるみちお(竹野内豊)が、元同僚の弁護士・青山(板谷由夏)と癒着し、無罪判決を出しているという告発記事が週刊誌に掲載された。そんな折、みちおを呼び出した日高(草刈民代)は、「地裁の裁判官の任期は10年。任期満了後にはほとんどが再任される。問題のある裁判官以外は――」と告げて……。
坂間(黒木華)は、日高がみちおを呼び出した理由を知ろうとした。しかしみちおは、カレー店を開くという話だけだったと嘘をつく。みちおの任期終了まであと3週間。再任は、最高裁裁判官会議の指名により内閣が任命するが、実質的にはみちおと因縁のある相手、香田健一郎(石丸謙二郎)が事務総長を務める最高裁事務総局の決定によるものだった。坂間や駒沢(小日向文世)は、ゴシップ記事の裏で何か大きな力が働いていると考え、みちおが職権発動している重過失致傷事件を検証し直すことに。
事件の被告人は大学生の笹岡庸介(菅原健)。自転車競技部に所属する笹岡は、大会に向けて深夜に自主練習をしていた際に、かなりのスピードを出していた上、左側通行を守らず、旅行から自宅へ帰ろうとしていた家族連れと衝突事故を起こす。その事故で、7歳の向井愛が意識不明の重体となっていた。笹岡は、左側通行を守っていたが、角を曲がる際にライトで視界を遮られ、さらに工事用のガードフェンスがあったために右側を走るしかなかったと主張していた。だが、検察の調べによれば、深夜に工事を行っていた記録は一切ないという。坂間は、大きな力で真実を捻じ曲げるなら司法はそれを許さない、と言ってみちおへの協力を申し出る。みちおは、そんな坂間に「この案件が最後になろうとも、僕はいつも通りやるよ」と返すが……。
第11話の感想:劇中の佐々木蔵之介の台詞「入間みちお、またいつか会うことになるかも」が続編を期待させる最終回だった!
東京地方裁判所第3支部第1刑事部、通称イチケイを舞台にしたドラマ、「イチケイのカラス」の最終回は、世帯平均視聴率は13.9%。今クールは苦戦を強いられている作品が多い中、 “大ヒット”といってもいい結果で幕を閉じた。
小日向文世や新田真剣佑など脇を固める素晴らしい役者陣に加え、毎回出演する豪華なゲスト。
また、裁判官・入間みちお(竹野内豊)を見守る会に、チョコレープラネットやミルクボーイ、最終回にはミキと多くの人気芸人も出演し、話題であった。
映画の音楽のような主題歌と効果音も、ドラマの一端を担っていたように思う。
最終回のストーリーは、自転車に乗った大学生と少女の衝突事故の背景には、国家レベルの案件が大きく関わっていたというものだった。最終的には、みちおをはじめ坂間千鶴(黒木華)らイチケイのメンバーは、衆議院議員の安斎(佐々木蔵之介)と対峙。
また、みちおが裁判官を続けられるかどうかも大きな鍵となっている展開で、最終回は30分拡大で放送し、非常に満足度の高い内容であった。
同ドラマは、ネット上では「こんな裁判官、実際はいない」や「現実ではありえない展開」など、ネガティブな声もちらほらあった。
しかし、主演の竹野内豊の安定感が勝っていたためか、法律に詳しくない視聴者にそこまで違和感を抱かせることはなかったのではないだろうか。
個人的な意見にすぎないが、最近の竹野内は4月に亡くなった名優、田村正和に近い存在のような気がしている。
黒木華にとっても千鶴という役は当たり役であったように思う。
鈍感だけど信念があり、筋の通った性格の千鶴。
昼間は黒のパンツスーツに髪型はオールバックと東大卒のエリート裁判官をピシッと演じた。
たまに見せるスッピンにパジャマ姿も妙に自然体でとても魅力的であった。
今後のみちおと千鶴の恋の行方も気になるが、そこまで恋愛模様がなかったのも勝因だったのかもしれない。
また、不思議なことに見終わったあとに優しい気持ちになれる稀有な作品でもあった。
劇中の最後に佐々木蔵之介のセリフに
「入間みちお、またいつか会うことになるかもしれないな、その時が楽しみです」
とあった。
これは、視聴者も同じ気持ち。
また、入間みちおと坂間千鶴に会えることを楽しみにしたいと思う。
–{「イチケイのカラス」作品情報}–
「イチケイのカラス」作品情報
竹野内豊主演の月9ドラマ「イチケイのカラス」。冷たいエリートと思われがちな裁判官と裁判所書記官の人間臭く温かみのある活躍に光を当てた本作。東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称:イチケイ)の自由奔放で型破りな刑事裁判官・入間(いるま)みちおと、みちおに振り回されながらも真実をつかもうと奔走するイチケイメンバーの活躍をコミカル&ビターに描く。
放送
4月5日(月)スタート
毎週月曜21時~21時54分放送
※初回30分拡大
フジテレビ系にて
出演
竹野内豊
黒木華
新田真剣佑
山崎育三郎
桜井ユキ
水谷果穂
中村梅雀
升毅
草刈民代
小日向文世
山崎育三郎
升毅
原作
浅見理都「イチケイのカラス」(講談社モーニングKC刊)
脚本
浜田秀哉
音楽
服部隆之
裁判所監修
水野智幸(法政大学法科大学院)
プロデュース
後藤博幸、有賀聡(ケイファクトリー)
橋爪駿輝
編成企画
高田雄貴
演出
田中亮
星野和成
森脇智延
並木道子
制作協力
ケイファクトリー
制作・著作
フジテレビ第一制作室
公式HP
イチケイのカラス – フジテレビ
配信サイト
イチケイのカラス | フジテレビの人気ドラマ・アニメ・映画が見放題<FOD>
キャスト/スタッフ コメント
竹野内豊 コメント
台本を読んだ感想をお願いします。 今まで、裁判官の方にはお会いしたこともなければ、刑事裁判官という職業に焦点が当たった連ドラも今まで無かったので、台本を読んで、勉強になりました。イチケイメンバーの会話のテンポも良く、一人一人のキャラクターが生きているので、これは面白い作品になるだろうなと思いました。
法服を着てみての感想は?
袖が広がっていて、手を広げると本当にカラスのようです
現場の雰囲気は?
とてもいい方たちばかりです(笑)。まだ、発表できていないイチケイメンバーの方たちも個性的で、 イチケイメンバーがそろった時のオフの会話が本当に面白く、笑いの絶えない現場です。
黒木華さんの印象は?
変幻自在に役を演じられる日本で貴重な女優さんで、いつか共演してみたい方でしたので、今回ご一緒できてうれしかったです。
演じるうえで心がけたいことは?
人の今後の人生を左右する職業なので、型破りな役ですが、そこは丁寧に演じていかなければと思っています。
視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。
刑事裁判官に焦点を当てた連続ドラマは初めてとなります。裁判官も、ご覧になってくださる視聴者の皆様と同じ一人の人間だと思うので、“人を裁く”ということがいかに難しいかということを、一緒に考えていけるような作品が作れたらすてきだなと思います。
黒木華 コメント
台本を読んだ感想をお願いします。 イチケイの皆が個性的で、面白いなと思いました。裁判官という中々取り上げられていない仕事にフォーカスがあてられているのも興味深かったです。
法服を着てみての感想は?
袖を通すとやはり気が引き締まります。中々着る機会がないと思うので、ありがたいです。
現場の雰囲気は?
撮影が始まってまだ数日ですが、和気藹々(あいあい)としています。
竹野内豊さんの印象は?
今回初めてご一緒させていただきましたが、みちおさんを独特な雰囲気や、間で、魅力的に演じてらっしゃってすごく楽しいです。
演じるうえで心がけたいことは?
ただ堅いだけでなく、正義に対して熱い坂間を人間らしく演じられたらと思います。
視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。
個性的なイチケイの皆と、普段あまり触れることの少ない裁判官という仕事を楽しみつつ見ていただけたらと思います。
新田真剣佑 コメント
出演にあたって
今まであまり見たことのない裁判官目線のお話なので、とても興味深く台本を読ませていただきました。撮影現場では、いつも竹野内さん、黒木さんたちと一緒で、とても楽しくやらせていただいています。
竹野内豊さん、黒木華さんについて
竹野内さんとは子供の頃にお会いしており、それ以来ぶりにお会いでき、こうして共演させていただけることをうれしく思っています。黒木さんとも初めてご一緒させていただくのですが、一度舞台を見させていただき、とても感動したので、今回も勉強させていただけたらと思っています。
視聴者へのメッセージ
長い期間をかけて皆で大切に撮影しています。放送をぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。そして、石倉が若手ながら頑張っている姿を、同世代の方にも伝えられたらと思っています。
小日向文世 コメント
刑事裁判官と書記官がメーンのドラマは今までにない新しい試みだと思いました。駒沢は柔らかい人柄で、裏表なく、真実に対してとにかく真面目に向き合っている人です。自分が裁判官の道に引っ張ったみちおと、イチケイに新しく入ってきた坂間の2人を、まるで自分の子供かのようにほほえましく見守っている、そんな温かい存在でありたいと心がけています。竹野内さんは自分のペースをしっかりお持ちで、いつも柔らかい空気感をまとった方です。一方、黒木さんはしっかり者のすてきな女優さんです。マイペースでほわっとしているみちおと、常にピシッとしている坂間。そして、ニコニコしながらそれを見ている駒沢。いいチームワークだと思います。少し堅い話かなと思われるかもしれませんが、今までに見たことがない世界を知ることができる内容になっていますし、魅力的な俳優陣がそろっていて面白いです!ぜひご覧ください。
草刈民代 コメント
米連邦最高裁判事だったルース・ベイダー・ギンズバーグさんのドキュメンタリー番組を見て、“なんてカッコいい人だろう”と思っていました。それが、まさか自分が最高裁判事を演じることになるなんて。日本に15人しかいない特別な存在です。イチケイの個性豊かな裁判官とはまた違うタイプの裁判官の姿をお見せできればいいなと思っています。
中村梅雀 コメント
法廷もののドラマとしては見たことのない展開で、“こういうことがあるのか!”と目からうろこでした。挑戦的ですし、非常におもしろいと感じました。川添はいつも振り回される立場であたふたしていますが、決してみちおのことを嫌いなわけではなく、むしろ好きであるからこそ文句を言いながらも仕事をしている、というところを大事にしています。竹野内さんとは今回初めての共演ですが、真摯(しんし)な姿勢でナチュラルに演じていてすばらしいですね。まさにみちおにぴったりです。見れば必ず引き込まれる作品になっているので、法廷ものだと身構えずに、ぜひご覧ください。
桜井ユキ コメント
最初に台本を読ませていただいた時、テンポの良さがとても印象的でした。自然と物語が馴染(なじ)んでいき、読み進めることができました。浜谷は三つ子の母でもあるので、母ゆえの強さや明るさを出せたらと思っています。撮影では、皆さんのセリフの掛け合いがとにかく楽しくて。“これが繋がって一本のドラマになったらどうなるんだろう”と、今からすごく楽しみです。何より、みちおと坂間の温度差のある掛け合いは本当に見応えがあるので、竹野内さんと黒木さんならではの絶妙なやり取りを是非見ていただきたいです。裁判官視点で繰り広げられていくドラマですが、ゲストの方々含め毎話違った見所がたくさん登場します。難しく考えず、楽しんでいただけたらと思います。
水谷果穂 コメント
台本を読んで、個性的なイチケイメンバーがチームとして合わさったときの雰囲気がすてきだと思いました。私は皆さんと一緒にいるシーンがかなり多いので、その関係性を楽しみながら、糸子の“あっけらかんとした感じ”を表現することを意識して演じています。竹野内さんと黒木さんとは、別の作品でそれぞれご一緒させていただいたことがあるので、すごく安心感がありますし、いつも憧れの存在です。糸子は新人事務官ということもあって、裁判の専門用語を質問するシーンもあり、視聴者の皆さんに近い目線にいるキャラクターです。私も一緒に勉強するような気持ちで日々取り組んでいるので、そんな糸子にも注目してご覧いただきたいです。
山崎育三郎 コメント
台本を読み終わった後の爽快感が印象的でした。井出の検事としての葛藤や、イチケイの皆さんとの関係性の中で生まれる絆がとても魅力的に描かれていると思います。井出は冒頭陳述などで事件の概要を説明していく役割でもあるので、セリフ量の多いシーンでもテンポの良さを意識しながら演じています。今回、コンビのような間柄である升さんですが、お互い野球好きということもあって、撮影の合間はずっと野球の話をしています(笑)。みちお役の竹野内さんはいつも穏やかな雰囲気で、座長としてまわりのことをよく見てくださっているのですごく信頼しています。今までになかった刑事裁判官をメインとした作品で、笑いあり、涙あり、家族みんなで楽しめるような内容になっています。1週間の始まりである月曜の夜にぜひ楽しんでご覧いただきたいです。
升 毅 コメント
裁判については一般的な知識しかなかったのですが、台本を読んでいて、新しい知識が分かりやすく、テンポ良く入ってくるので面白いと思いました。“被告人に判決を下す裁判官もまた、人間なんだ”という気づきもありましたね。裁判官と検察官は、本来なら一線を画す存在ではあるのですが、現場ではみんなとても仲良く、1つのチームのような雰囲気で撮影しています。竹野内さんは常に自然体で唯一無二の存在感ですし、黒木さんはとても気さくで気立ての良い女性です。山崎さんもクールで優秀な検事である井出にぴったりはまっています。“裁判劇”と聞くと堅苦しいイメージやサスペンスを想像されると思うのですが、このドラマはコメディー要素とシリアスな部分のメリハリがついています。裁判に対するイメージも変わると思うので、そこにも期待してご覧いただけたらうれしいです。
原作者 浅見理都 コメント
ドラマ化、大変うれしいです!ドラマで再び「イチケイのカラス」のキャラクターに会えるのを、今から楽しみにしています。馴染(なじ)みのない裁判官という仕事に、興味をもってもらえたらうれしいです!
プロデュース 後藤博幸(フジテレビ第一制作室) コメント 「有罪率99.9%-そこに関わる検事や弁護士がドラマで描かれることはよくありますが、その判決を下す刑事裁判官にスポットライトがあたることは意外とありませんでした。今回は、正しい判決をするために奮闘する裁判官たちのその様を、笑いあり、涙あり、サスペンスありでテンポよく描きます。法廷には魅力的なキャラクターが多数登場しますが、中でも、竹野内豊さん演じるみちおの、常識を覆してでも真実を追い求める超マイペースな様、黒木華さん演じる坂間の、冗談の全く通じない堅物エリートっぷりは要注目です!ぜひご家族の皆さんでご覧いただき、元気になっていただいて、この先1週間の糧にしていただければうれしいです」