「FEEL YOUNG」(祥伝社)で連載中のためこう原作の人気コミックが待望のドラマ化!ドラマ「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。」が、2021年4月1日より読売テレビ・日本テレビ系全国ネットで放送スタート。
美しいものが大好きだけれど、仕事に熱中しすぎて自身の見た目に無関心なマンガ編集者・和子(わこ)と、モデルの仕事をしていて、女性と見まがう美しいジェンダーレス男子・周(めぐる)の恋を描くラブコメディー。
連続テレビ小説『おちょやん』に出演し、ディズニー映画『ラーヤと龍の王国』では主人公の声を担当した吉川愛と『仮面ライダージオウ』や映画『約束のネバーランド』で注目を集めた板垣李光人がW主演を務める。
もくじ
・[]カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。』作品情報
第1話あらすじ&感想
第1話のあらすじ
漫画誌の編集者・和子(吉川愛)は、美しいものが大好き。その一方、仕事や“推し”のことに全力で自分自身のことは二の次になってしまいがちだった。仕事ができて周囲への気遣いを忘れない編集長のあさひ(水野美紀)に憧れている。
ある日、和子は同期のファッション誌編集者・玲 (中川大輔)から撮影を手伝ってほしいと頼まれる。撮影現場へ行くと、
人気モデルのキラ(桐山漣)が現れる。和子は、キラの美しさに見とれる。その時、キラを追ってやってくる男性がいた。女性と見間違われるほど美しい彼は、和子の高校時代の後輩・周(板垣李光人)。周は、キラのスタイリストをしていた。思いがけない再会に、和子はビックリ。周は和子のことを「僕のずっと好きな人です」と宣言し、いきなり抱きしめる。「ええええ―――!?」ますますビックリして動揺する和子….。
仕事を終えた和子が会社を出ると、周が待っていた。和子と周は、お茶をすることに。周は、上京してファッションショップで働きながらキラのスタイリングを担当していた。和子は、美しくなった周をまぶしく感じる。
「頑張れたのは、和子ちゃんに会いたかったからだよ」
周は、和子を追いかけて東京に出てきたのだった。
キラを起用した企画がしばらく続くことになり、和子は再び取材を手伝う。キラはわがまま放題で、和子たちは振り回される。あせった 玲が起こしたミスでキラは機嫌を損ね、「帰る」と言い出す。このピンチに、和子がとった行動とは――! ?
第1話の感想:そっと背中を押してくれる“今っぽい”ドラマがスタート!
「おじさんはカワイイものがお好き。」のスタッフが再集結!ということで、個人的にとても楽しみにしていたドラマがスタートした。
ともにドラマ初主演となる吉川愛と板垣李光人を囲むのは、カラコンをして中性的なファッションに身を包んだ人気モデル・キラを演じる桐山漣、“鉄の女”・鉄村役の水野美紀。さらにはおいでやす小田が、KOUGU維新がいる。一見、ドタバタ劇なのかな?と思いきや、あたたかなメッセージ性のある作品だった。
美しいものが大好きだけれど、自分のことには構わないマンガ編集者の和子と、古着屋でアルバイトをしながらスタイリストもこなす美しすぎる周。高校の先輩後輩だった2人は、5年後、運命的な再会を果たす。そして、美少年・周が和子のことをこう言うのだ。「僕のずっと好きだった人です」と…。
ほとんど妄信的なのでは?とすら感じる恋心の理由は、その後の回想シーンで明らかになる。男なのに髪が長い、女子生徒用のネクタイをしている…そんな理由で上級生からいちゃもんをつけられていた周。それを見つけた和子は、「こんな田舎で…どこの遺伝子経由で…君、最高にかわいいじゃん!」と周に詰め寄る。そして、「笑って、自信持って」「かわいい!」という和子のストレートな賞賛に、周はどんどんと自信をつけていく。ここ、見ていて思わず微笑んでしまった。心の底からじんわり元気が湧いてくる。そうか、周はこの和子の言葉によって、ありのままの自分として生きる勇気を与えられたのか。ちょっと重いかもしれないが、そんな風に感じられた。
そして、和子が口にしたその言葉は周自身の言葉となり、今度は5年後の和子を救う。“女子”という価値観や、“普遍的なもの”にがんじがらめになっていた和子が解放されていく。スランプに陥った作家への「いろんな人がいて、いろんな考え方や、好きがある。それが私たちが生きている今だから」という言葉は、同時に和子自身にも向けられた、この作品の大きなテーマだろう。そのままでいいんだよ、とそっと背中を押してもらえた気分だ。そして、自分の“好き”を伝えることは相手の勇気になるものなのだと、改めて気づかされた。
…なんて、ちょっと真面目に考えすぎてしまったけれど、1話ラストでは“お試し期間”に入った2人。キラと鉄村にも恋の予感がプンプンする(キラが「おもしれぇ女…」と呟いたときには、思わずテレビの前で叫んでしまった)。それぞれがどんな恋愛模様を描いていくのか、今後の展開に期待したい。
–{第2話あらすじ&感想}–
第2話あらすじ&感想
第2話のあらすじ
再会してすぐ周(板垣李光人)から告白された和子(吉川愛)は、「周君のことをもっと知りたい」とお試しで付き合うことに。周は「僕の全部、絶対好きにさせるから」と宣言。一緒にカフェで朝食を食べたり、少しずつ恋人らしいことをしていく和子と周。
一方、あさひ(水野美紀)は、キラ(桐山漣)に「俺の女にしてやるよ」と告げられたものの、まったく相手にしない。自分に落とせない女性はいないと思い込んでいたキラは、あさひの反応に戸惑う。
そんな中、漫画誌『F』でキラの連載が決定。連載内容はキラのグラビアと、彼を主役にした漫画。和子はこの連載の担当を任されるがアイデアが浮かばず、気分もなんとなくすぐれない。それは、生理が来る1週間前の予兆だった。
和子は、周と話していても涙が出てきたり、気持ちが不安定になっていた。異変を感じた周は「何か嫌なことあった?」と気遣うが、和子は理由を打ち明けることができない。
あさひが一人で寿司屋を堪能していると、キラが現れる。あれこれと理由を付けて口説こうとするキラに、あさひは「私、誰とも恋愛したくないので」と言い放つ。キラは、ますます混乱するのだった。
そんな中、キラの連載の撮影が行われる。和子とあさひが立ち会い、周もスタイリストとして参加。その最中、和子がめまいを起こす。顔色の悪い和子を心配して病院へ行こうと言う周に、和子は思わず「やめて、ただの生理だから!」と言ってしまう。どうしていいか分からない周は、ある行動に出る。
第2話の感想:キラ推し爆誕必至! ピュア炸裂の第2話
第1話は“めぐわこ”の恋の進展を軸に描かれていたけれど、今週はあさひとキラの恋愛模様がメインか?と思わせるような冒頭からスタート。
和子が推しに言われたいセリフ第1位、「俺の女にならないか?」を壁ドンされながら言われたにもかかわらず、あさひはずっと冷静だ。キラが駄々っ子のようにあさひを呼んでも羽ばたいても、「業務時間は終わっていますので」の一点張り。結構ばっさり拒絶をされていると思うのだが、キラは「あまりの喜びに混乱しているようだな」などとのたまう。キラさん、もう振られていますよ…と思わず教えてあげたくなるほど、絶望的にスーパーポジティブ! でも、それが痛快だ。
ただ今回はっきり分かったことがある。それは、傍若無人で俺様なキラが実はめちゃくちゃピュアだということ。あのキラが、あさひと手が触れ合っただけで奇声を発して逃亡してしまったのだ。まるで中学生かのように。深夜だったが、声を出して笑ってしまった。ありがとう、キラ。そして、彼はそのピュアさゆえ、あさひに対して「頑ななのが、私が私でいるってことなのか?」「俺にはお前が鉄には見えない。いつも心が動いているじゃないか」という言葉が出た。そういう、人の本性みたいなものがしっかり見えているのだ。見えていて、かつ伝えることを恥ずかしいともお節介とも思っていない。一気にキラ推しになった瞬間だった。
一方の“めぐわこ”にはちょっと不穏な空気が…。生理というテーマを取り上げるところもまた“今っぽい”。いいなと思ったのは、生理の辛さが例え女性同士であっても理解されない描写があったことだ。「辛いよね、分かる分かる」じゃない。現実はそんなに甘くないから。さらに、あさひが吸水ショーツの使用や婦人科の受診を勧めるのもいい。あんな風に自分の経験をもとに情報を共有するのは、結構重要だと思う。極めつけは、「会社っていうのは支え合いだから」…同性の先輩としても上司としても、最高すぎやしないか。
もちろん、周の対応だって素晴らしかった。「僕には分からないことだから」と打ち明け、困惑したことは示しつつも、そこで終わりにはせずに店員さんに相談しながら薬を買い、寄り添ってくれる。最初こそちょっと照れ臭くもなるだろうけれど、何とか理解しようとしてくれる姿勢はうれしいし、話してみようと思えるはずだ。「だから、話そ」と、周も言ってくれているし。
見た後にそっと背中を押してもらえるドラマの空気感が、やっぱりずっと心地いい。来週がますます楽しみだ。
–{第3話あらすじ&感想}–
第3話あらすじ&感想
第3話のあらすじ
和子(吉川愛)と周(板垣李光人)は、キラ(桐山漣)とタレント・ゆうたんの対談に立ち会う。かわいらしいファッションと不思議なキャラクターで人気になったゆうたんは、歌のお兄さんとして子供番組に出演していた。「世界はカラフル♡うさぎさんも、ぞうさんも、みんな違ってマルー!!」と決めゼリフを言うゆうたん。そんなゆうたんの姿に、周も共感するのだった。
対談後、周はキラのマネージャー・高林からスカウトをされる。高林は以前から周の美貌に目を付け、芸能界に誘っていた。和子は大興奮するものの、周はあまり乗り気ではない。
ゆうたんが出演している子供番組にキラのゲスト出演が決まり、和子とあさひ(水野美紀)は収録の様子を取材に行く。子供の扱い方が分からないキラが子供たちを泣かせてしまい、現場は大混乱。子供たちは機嫌を損ねて、収録が止まってしまう。スタッフが右往左往する中、周が子供たちを慰めて落ち着かせる。その様子を見ていた監督に気に入られた周は、キラに代わって番組に出演することに。かわいい衣装を着た周を見て、和子はまたもや大興奮。周は子供の心をつかんで、収録は順調に進む。そんな様子にゆうたんは嫉妬心を燃やし…。
第3話の感想:初の闇キャラ登場で、多様性の意味に向き合う
自分の中にモヤモヤを抱えた登場人物こそいるけれど、これまで他者を攻撃するタイプは存在しなかった「カラフラブル」の世界。ところが、第3話にしてついに現れた。それが、永田崇人演じる歌のお兄さん・ゆうたんだ。
ゆうたんは、子供たちから大人気で、監督から「美少年」と呼ばれる周にメラメラと嫉妬の炎を燃やす。ゆうたんとしてカメラ前に立った時の表情と、周を見つめる冷めた視線のあまりの違いに深い闇を見た気分になった。だが、そんなゆうたんにも周は臆することなく気持ちを伝える。「エゴサはやめた方がいい」「ゆうたんはゆうたんでしょ」…あぁ、これでゆうたんの心も溶かしちゃうのか、やっぱり周はすごいなと思ったのも束の間、なんとゆうたんは周をロッカーに閉じ込めてしまう。あまりにも幼稚でお粗末な行動ではあるけれど、一筋縄ではいかない感じが、やっぱりこのドラマのいいところだ。
周とゆうたん、ともに“人と違うこと”が原因で学生時代にイジメを受けていた。では、なぜ今の性格や考え方がこんなにも違うのか? それは、閉じ込められたロッカーから救い出してくれた存在があったかどうかだ。周のそばに和子がいたということが、どれほど周を救ったか思い知らされる場面だった。周が「世界はカラフル」という言葉を、屈託なく言えるようになったのは和子が周の多様性を認めたからこそ。だが、ゆうたんはそれに対してもさらに否定の言葉を紡ぐ。
「多様性を認めるということは、僕たちを嫌いっていう思いも受け止めるってことじゃないの」
「だから、世界がカラフルなんて安易に教えない方がいい」
たしかに多様性を認める以上、誰かが誰かを苦手だなと思う感情だって否定はできない。もちろんその感情を攻撃という形で表出させていいかというのは別の問題だ。だけど、“違いを受け入れる=全部好き”ではないのだという、とても大事なことを教えてくれた。この言葉に周は苦しむが、今後、これに対する彼らなりの答えを出すのか期待したい。
さて、話は変わって第2話ですっかりキラ推しになってしまったわたし。今回もたくさん素敵なところが出ていて歓喜した。ネイリストさんとの会話を経て、「ドキドキか~」とにやけるキラには嫌な予感しかなく、それは見事的中することになるのだが、キラの行動が、どれもこれも“自分をよく見せること”ではなく、“あさひのため”が念頭にあるようでとても微笑ましい。さらに、周がいなくなってしまった時の、「あいつは任された仕事を放り出すような奴じゃない」というセリフもまた最高! やっぱりこの人は、周囲の人をしっかり見ている。そしてそのことが、ちゃんとあさひにも伝わっている。人との繋がりを通して、明らかに変わっていくキラがますます愛おしくなった。
次回は、泣いていた周に思わずキスをしてしまった和子の混乱から幕が開きそう。周と和子、キラとあさひの関係がどうなっていくのか、早く続きが見たい!
–{第4話あらすじ&感想}–
第4話あらすじ&感想
第4話のあらすじ
和子は、周にキスしたことで、「これはもう、セクハラなのでは!?」と激しく動揺する。一方、周は、ぎこちない態度の和子に戸惑う。
キラ(桐山漣)は、あさひ(水野美紀)のことばかり考えていた。彼は明らかにあさひに恋しているのだが、周から「いい加減に認めなよ」と言われても、頑なに拒む。
キスのことが頭から離れず、仕事中もぼんやりしてしまう和子。彼女は、境(おいでやす小田)が甘地(遠藤健慎)を叱っているところに遭遇する。境は、ビジネスマナーを知らない甘地がミスを犯したと激怒。しかし、和子が甘地に話を聞くと、彼の言い分にも理があった。20歳以上の年齢差がある境と甘地の世代間ギャップは、簡単に埋まりそうもない。
和子と周めぐるは、キラの連載ページの撮影で顔を合わせる。和子はどうしていいか分からず…。
そんな中、境の娘・乙姫が編集部を訪ねてくる。乙姫は、しっかり者の小学生。“お父さん、お母さんの働いている所を見てみよう”という学校の課題で、境の仕事を見学に来たのだった。その約束をすっかり忘れていた境は、大慌て。境は妻と離婚し、乙姫を1人で育てていた。
和子は境から、キラの撮影に参加させてほしいと頼まれる。乙姫がキラのファンなので、境は彼女に撮影を見学させてやりたいという。
「父親は、子供のヒーローにならなあかんねん!」
父として乙姫にカッコいいところを見せたいと意気込む境。和子は、彼の頼みを引き受ける。キラの撮影は順調に進み、境も乙姫にバリバリ働く仕事ぶりを見せていたのだが…。
第4話の感想|カテゴライズは本質を見えづらくするという話
第4話は、周に思わずキスをしてしまった和子の、「何いきなりキスしてんねーーーん!」というセルフツッコミでスタート。この叫びが、おいでやす小田演じる境メイン回の合図だ。
描かれたのは、キレキャラの堅物おじさん vs 今時の無気力な若者というありがちな対比構造。編集部でデスクを務める境は、新入社員・甘地(遠藤健慎)が来客を下座に座らせていたことでキレ散らかす。社会人経験も年数を重ねると、新人くん、やっちゃったね、なんて気持ちにもなったし、ともすれば境と一緒になって最近の若者は…なんて言いたくもなるが、実は彼にも彼なりの言い分があった。「1番奥の席、冷房直撃なんですよ」「プロジェクターをいじるから、僕が1番奥に座った方が効率がいい」…なんとも思いやりに満ちた理由だ。ただ、そこまで人のことを考えられる彼も「境さんはおじさんだから分からない」と、壁を作ってしまっていた。どうせ理解されないだろうと思ってしまうと、気力なんて簡単に奪われるよね、分かる!
そんな折、境の娘・乙姫が社会科見学で会社にやってくる。娘の来訪を忘れていたこともリマインドしなかった自分が悪い、と言ってしまうくらいしっかり者の娘だ。そしてここで、境がシングルファーザーとしてすでに1年もの間、男手ひとつで娘を育てていたことが発覚する。よく会社に言わずに両立をしてきたものだなと感心すると同時に、この人はこの人の世界の中で、大変さを抱えていたんだなと気付かされる。そんな健気な父としての姿を見せられたら、「父親は子どものヒーローにならなあかんねん!」という言葉も応援してあげたくなってしまうだろう。
ところが、境のためにと腕を回す和子に、周はあまり気乗りしない様子。いいところを見せようと必死にヒーローを演じていた境だったが、娘の前で甘地にキレてしまった。周の不安が的中…かと思いきや、彼は嘘がバレることを懸念していたわけではなく、取り繕った姿を見せることに違和感を抱いていたのだ。これって同じようだけど全然違う。1本取られた気分になった。
そのことは、乙姫もよく分かっていた。父に内緒でお誕生日パーティーの用意をし、手作りクッキーとともに贈った言葉からも、それが見て取れる。
「父が父だから好きです。全部好きです。なので、あんまり頑張らないでください。2人でいれば何とかなると思っていますので」
こんなことを伝えられる子どもっているんだろうか。普通、子どもから親への手紙って「お仕事頑張ってね」になってしまうだろうに、と自分の幼少期を思い出して少し恥ずかしくなった。
これをきっかけに境と甘地も和解。互いが互いを“堅物のおじさん”と、“無気力な若者”というカテゴリーでしか見ていなかったことを認め合い、謝罪する。この人はこういう人、というカテゴライズが、いかに判断を邪魔し、本当のものを見えなくするのかという教訓だろう。
ところで、今回はキラのいろんな表情が見えた回だった。個人的にはケーキの着ぐるみを着たキラがイチ押し! ケーキになったことで、美しさが際立っていたように思う。…普通じゃありえない。さらに、周とぎくしゃくしていた和子に対して「周のところへ行け!」と…ついにキラが本物のキューピッドに見えてきた。
そんなキューピッドも、意中の相手・あさひをデートに誘っていたし、こちらの進展もますます楽しみだ。
–{第5話あらすじ&感想}–
第5話あらすじ&感想
第5話のあらすじ
正式に付き合い始めた漫画編集者の和子(吉川愛)とスタイリスト 周 (板垣李光人)は同じベッドで目を覚まし、一緒に朝食を作るというラブラブな朝を迎える。
「好きだよ、周くん」「僕も大好きだよ、和子ちゃん」大好きな人と思いが通じ合う幸せをかみしめる2人…。
一方、編集長あさひ(水野美紀)は、モデルのキラ(桐山漣)からのデートの誘いをキッパリ断ったものの、心が揺れる。キラは、あさひにフラれて落ち込んでいた。そんな中、キラにドラマ出演のオファーが舞い込む。ただし、役柄に合わせて髪を切らなければならないという。キラは自分の“襟足”を非常に大切に思っており、絶対に切りたくないと拒絶。マネージャーの高林(吉日ウーロン太)は、新しい挑戦をする良い機会を逃してしまうのではないかと頭を抱える。
周は高林から、タレント活動を真剣に考えてほしいと持ち掛けられる。子供番組に出演して以来、周は注目されるようになっていた。タレントになることに興味がなかった周だが「新しい価値観を打ち出していこう」と高林に言われ、興味を持ち始める。
和子の出版社では、同期でファッション誌編集者の玲(中川大輔)が、キラを起用した漫画誌とのコラボ企画をファッション誌で行いたいと、あさひに提案する。企画のコンセプトは“新しいキラ”。キラのイメージを変えようとする大胆な玲のアイデアは、キラの事務所側からも承諾を得る。その企画に沿って、撮影が行われることになるが…。
第5話の感想|恋をすると世界も人も、変わる
晴れて同棲生活をスタートさせた“めぐわこ”カップル。朝の支度で、メイクを手伝ってくれる周(板垣李光人)…わたしの家にもほしい。この2人は順調そのものといった感じで安心して見ていられる。非常に微笑ましい。
問題なのは、わたしの推しであるキラ(桐山漣)とあさひ(水野美紀)の方だ。前回、キラが意を決してデートのお誘いをしたにもかかわらず、「業務時間は終了していますので」と事務的に断られてしまった。のみならず、そのお誘いすらあさひは「聞かなかったことにする」と突っぱねてしまう。さらに、赤い絨毯と大きなバラの花束を用意してあさひを迎えるキラも、夜道でジャケットを掛けてくれるキラも、あさひは拒絶する。あまりにも頑ななあさひに、だんだん切なくなってくる。
ただ、あさひも何も感情が動いていないわけではない。腕時計に内蔵された脈拍計は、キラのことを考えるたびに数値が倍近く跳ね上がる。めっちゃドキドキしてるじゃん、あさひ! かわいいぞ、あさひ‼ と思うのも束の間、彼女はそれをかき消そうとしているようだった。理由はおそらく、「私らしくない」から。キラのことを考えてドキドキし、冷静でいられなくなってしまう自分が耐えられないようだ。しかし、なぜあさひはここまで自分の“らしさ”に囚われているんだろう…?
そして、もちろんこの拒絶にはキラもしっかりと傷ついていた。「キラは天使のように美しいが、キューピッドになりたいわけじゃない」…前回の感想で、がっつり“本物のキューピッドに見える”と書いてしまって申し訳ない気持ちになった。いや、美しさを表現したかっただけなのだが、それでも。
しかし、キラはまだまだめげない。「キラの命の泉」というほど大事にしていた襟足を、撮影のために切ってくれると言い出した。和子(吉川愛)が土下座をしたことで企画の本気度が伝わったというのもあろうが、「新しいキラを見るとあさひが笑うから」。恋をすると人は変わる。さらに強くなった周と和子。そしてあさひのために試行錯誤し柔軟に自分を変えていくキラ。さて、次に変わるのはあさひ。固まりきった“らしさ”からの解放は…?
–{第6話あらすじ&感想}–
第6話あらすじ&感想
第6話のあらすじ
和子(吉川愛)は、タレントデビューを決意した周(板垣李光人)を応援する。 周はデビューするにあたって、ユニットを組むことに。周のパートナーになるのは、SNSですでに注目を集めているささめ(草川拓弥)だった。
周は、ささめに挨拶に行く。すると、ささめが「ふざけんじゃねえー!」と激怒していた。リボンがついたフリフリの服を着せられてグラビア撮影中のささめは、自分の衣装が気に入らない様子。周のことも、鋭く睨みつける。
事務所社長の奥田(塩野瑛久)は、周とささめを見て、性別を超えた新しい魅力を持つ新時代のユニットにすると宣言。宣伝用写真のイメージについて「綿菓子のようなふんわりと夢のような空間を作ろう!」と意気込む。 周は、独特の感性でまくしたてる奥田に戸惑う。ささめは一転して「最高です、社長!」とご機嫌を取るが、奥田が去っていくとすぐ仏頂面に戻る。
キラ(桐山漣)の告白を拒絶したあさひ(水野美紀)は、キラの連載担当から外れたいと申し出る。キラとの関わりを断とうとするあさひだったが、彼のことが頭から離れない。一方、キラは失恋の痛手を引きずり、仕事にも身が入らない。次回の撮影について説明しても上の空のキラを見て、和子は心配になる。
周は、かわいらしいコンセプトで売り出されることに不満げなささめに「僕とユニット組むの嫌だったら、そう言おうよ」と告げる。ささめは、ワイルドなイメージで知られるミュージシャン AKI(黒木啓司)、通称“兄貴”の大ファンで、自分もAKIのようになりたいと願っていた。普段からメイクをしたり、フェミニンな周のセンスが理解できないささめは「俺、ナヨナヨしたヤツ嫌いだから」と言い放つ。2人のユニットは、前途多難で…。
第6話の感想|芸能界編は泥沼の予感…!?
周がユニットを組む、芸能界編が開幕した。相方であるささめ、なんだか表情が暗い。また闇がある人が出てきたかと思ったが、ちょっと前に恐怖を与えられたゆうたんとは違いそう。言葉の端々から、その空気が伝わってくる。どうやらささめは“漢”になりたいらしい。「アニキ」と呼ぶ、憧れている理想像もあるようだ。
ただ、彼は周りに求められるものと自分の理想に大きなギャップがあった。これ、多かれ少なかれ誰しも経験があるのではないだろうか。本来の自分をちょっと偽ったり、与えられた役割を演じてしまったり。個人的に、周のしなやかな強さに憧れはするものの、正直言って感情移入という意味ではささめの方がよりしやすい。
話を聞いてみれば歌手デビューをするという夢のために、ささめは無理をしていた。でも、その無理も、周はひょいと超えてしまう。憧れの「アニキ」に迎合するだけではない、ささめのかっこよさを提案する。まぁ、ある意味妥協点を見出したわけだけど、バランスをとる柔軟性は大事だなと気付かせてくれる。よかったのは、ささめがめちゃくちゃ純粋だったこと。素直は自らを救う。
ところが、ここで敵が現れる。周とささめ、そしてキラが所属する事務所の社長だ。登場からあまりにもキャラが濃すぎて呼吸困難になりそうだったけど、「その煌めきには時間制限があるからね」とキラに言ってみたり、コンセプトに反した周とささめの撮影を止めてしまったり、かなりやばそうな雰囲気。一旦はキラが周らのプロデューサーに名乗りを上げたことで場は収まったけど、最後に吐き捨てた「似たような子はいっぱいいるし」という言葉に悲しくなった。本当の敵は社長だったのか。芸能界編、こんなに分かりやすくハードモードになってしまうとは…。
きっと、ここからキラの役割がさらに大事になるんじゃないかと思う。プロデューサーとしての手腕もだが、本人がメラメラと燃えている“新しいキラ”の今後が楽しみだ。「あいつ(周)は前に進んでるんだな。さみしくないのか?」と和子を気遣うともとれるキラの発言には萌えたが、「周くんが1歩前に進んだら、わたしも前に進むだけ」という和子の返答に触発されたようだったのがなんとも頼もしい。
動き出したユニコーンボーイズ、そしてプロデューサー・キラが見せてくれる世界に期待したい。
–{第7話あらすじ&感想}–
第7話あらすじ&感想
第7話のあらすじ
周 (板垣李光人)は、子供番組のお兄さん・ゆうたん(永田崇人)と再会。周とささめ(草川拓弥)のユニット・ユニコーンボーイズの初仕事が、ゆうたんと3人でのトークショーに決まったのだ。ゆうたんは、以前周が番組にゲスト出演した際、本音でぶつかりながらも分かり合えなかった因縁の相手。トークショーの話を聞いた和子(吉川愛)は、周が再びゆうたんに傷付けられるのではないかと心配し、出演しない方がいいと止める。
一方、あさひ(水野美紀)の前に、「はじめまして」とキラ(桐山漣)が現れる。モデルではなくユニコーンボーイズのプロデューサーとしてあいさつに来たのだと言い、トークショーの招待状を手渡すキラ。キラと距離を置く決意をしていたあさひは冷たくあしらおうとするが、キラはあきらめない。あさひとキラの関係は、新しい展開を迎える!?
トークショーの準備が進む中、周は、ゆうたんと話し合おうとする。しかし、ゆうたんは拒絶。ささめは、ゆうたんと会ってから周の様子がおかしいと気付き心配する。
周 とゆうたんの溝は埋まらないまま、トークショー当日を迎える。そのトークショーの場に、ある人物が現れ…。
第7話の感想|グラデーションも、カラフルのひとつ
ユニコーンボーイズのトークライブ、対談相手として久々に降臨したゆうたん。なんだか前よりパワーアップしている気がする。キラにゆうたん、そして社長…ちょっとキャラ渋滞が発生しているのが心配だ。
ただ、今回、そんな社長にも見せ場が。いわく、「ささめは太陽、周は月、そしてゆうたんは闇」。この時点では、“月はいつか闇に飲み込まれてしまう”という警告か皮肉を言っているのかと思ったが、周が「人の心は1色じゃない」と言語化するきっかけを与えたようにも見えた。
この、「1色じゃない」というのが、今回和子にも与えられた気付き。ゆうたんと共演することを過剰に心配してしまい、周とちょっとした口論に。思い悩んでいた和子に、「白黒はっきりつけられない。グラデーションだもん」とあさひが言う。人の心は1色じゃなくて、グラデーション。そしてこれもある意味、カラフルだ。個性という様々な色がカラフルに点在するけど、そこにいる個人の心はそれぞれにグラデーションを帯びている。だから、この人はこう、という決めつけはナンセンスなのだというメッセージに感じられた。
これはトークライブの司会者がしきりにユニコーンボーイズやゆうたんを「新しい男子像」と表現していた違和感への回答にも通じる。だから、周がきっぱりと「好きでやっているだけ」と明言した時には心がスッとした。別に周たちは新しい男子像を作りたいわけでも、世界を大きく変えたいわけでもない(「野望は?」というのも、もしかしたらそんな言葉を引き出したいための質問だったのかも)。周は周としてそこにいる、ただそれだけのことだから。
だからこそ、学生時代にゆうたんがいじめられるきっかけを作ってしまった同級生との会話ののち、涙を流したゆうたんの姿は忘れてはいけない。しがらみに縛られて苦しんでいたゆうたんの心の闇=病みが、完全ではないにしろゆっくりとほどけていった瞬間だろう。ただ、当時の彼女に悪意があったのか、ただ善意からくる行動だったのかというのは知りたかったなと思う。
そして今回から始動したプロデューサー・キラだが…表立った活動は特になかったものの、トークライブで緊張しているユニコーンボーイズを見て「失敗したらそれはそれだ。また何かやってみるだけだ」と寛容な姿勢だったのが実にプロデューサーっぽかった。個人的にはまだ社長のことを信頼していないので、周たちが窮地に立たされないよう、キラには頑張ってもらいたいところだ。
–{第8話あらすじ&感想}–
第8話あらすじ&感想
第8話のあらすじ
和子(吉川愛)と周(板垣李光人)の休日の朝。和子は起きてすぐ周の顔を見て大満足して二度寝しようとするが、周は、せっかく2人とも休みなんだから出かけようと言う。休日の過ごし方をめぐって、朝からわちゃわちゃする2人。テレビでは、ゆうたん(永田崇人)が出演する番組「カラフルカワイイ」で、ゆうたんが子どもたちに言葉の意味を教えている。テーマは、“余談”…。今回は、「カラフラブル」に登場する3組の名コンビにまつわる楽しいストーリーが繰り広げられる。
①「キラとイメージと恋バナと」
あさひ(水野美紀)が、漫画家と打合せをしている。そこに、キラ(桐山漣)が通りかかる。あさひと漫画家の話に聞き耳を立てるキラは、あさひが恋バナをしていると勘違いして取り乱し….。
②「境と甘地の重大任務」
境(おいでやす小田)と甘地(遠藤健慎)は、大御所の漫画家に連載を依頼するというミッションをあさひから課される。大きな仕事を前に緊張する境に対し、相変わらずマイペースな甘地。甘地のやることなすことに境はツッコミを入れるが、思わぬ結果が待ち受けていて…….。
③「和子と周の断捨離デー」
ようやく目を覚ました和子は、周 と一緒にKOUGU維新のDVDを見ようとするが、周はその前に部屋を片付けようと言い出す。和子の物の多さに、さすがの周も黙っていられなくなったのだ。和子は仕方なく、周と断捨離を始めることにするが……。
第8話の感想|“ムダ”な部分こそ面白い
ゆうたんが出演する子ども向け番組「カラフルかわいい」のコーナーに見立てた3つの話で展開した今回。なんだか上質なコントを見ているような気になりつつ、境と甘地、キラとあさひ、そして周と和子の関係性や人となりへの理解を深めるありがたい回だった。
まずはキラとあさひ。漫画家とあさひが作品のストーリー展開の相談をしているところを立ち聞きしたキラは、剣で“突き合う”を“付き合う”だと勘違いしてしまう。「突き合ったら、もっと可愛くなります」というあさひの発言を受けてのキラの妄想力がたくましくて、面白い。ロリータ風のファッションをしっかり着こなすあさひ、もとい水野美紀はさすが。それにしても、“可愛くなる”でキラが連想するイメージがああいう感じだったなんて意外だなと思ったのはわたしだけだろうか…?
続いては境と甘地。大御所の作家さんへのご挨拶にまつわるやりとり。2人の掛け合いがとても軽快で、気持ちがいい。甘地の屁理屈ともとれる反論も、理由を聞けば「…一理あるな」と認めてくれる境。さらに、結果的に甘地のファインプレーで作家さんとの話がまとまった後、ボソボソと「あんがと」という境。いや、いちいち全部可愛すぎやろぉ‼ と、おいでやす・小田風に叫びそうになった。あんな一面を持った上司だったら、普段オフィスで怒鳴り散らしていても許せてしまいそうだ。
そして、周と和子の休日へ。ごろごろしたい和子と、せっかく休みが合ったのだからテーマを決めたい周。どっちの気持ちも分からなくない…が、周が「荷物が多いから」と言って断捨離を始めようとするのは、ありがたくはあるけどちょっと嫌だなと思った。あくまでももとは和子の部屋なのに、そこの片付けを始めるとは何事!? …でも、結局はファッションショーが始まったり、思い出話に花が咲いちゃったり。エンドレスに脱線していく様は共感しかない。
“余談”の説明として紹介された3エピソード、一見箸休め回かに思われたが、どれもこれも“ムダ”な部分こそ面白いと教えてくれるお話だった。
–{第9話あらすじ&感想}–
第9話あらすじ&感想
第9話のあらすじ
和子(吉川愛)は、子会社の社長に抜擢されたあさひ(水野美紀)の異動に驚く。編集部の要であるあさひの異動で、動揺する和子たち編集部員。しかし周(板垣李光人)は和子に、自立する良いチャンスだと言い、和子も前向きに。
周とささめ(草川拓弥)のユニット・ユニコーンボーイズがキラ(桐山漣)の連載に登場することになり、和子とあさひは、彼らの所属事務所を訪ねる。和子にとって、あさひとの最後の仕事になる。和子は、あさひから学んでおこうと張り切る。
打合せには、和子とあさひ、周とささめ、キラ、社長の奥田(塩野瑛久)、マネージャーの高林(吉田ウーロン太)が顔を揃える。あさひは、その席で異動を伝える。キラは、あさひが自分の連載に関わることがなくなると知り、ショックを受ける。
あさひとキラは、2人きりで話をする。あさひとの距離を縮めようとするキラ。そんな彼にあさひは、結婚より仕事を選んで婚約破棄した過去を打ち明けるのだった。
奥田は、ユニコーンボーイズを次世代のスターとして育てるために計画を練る。その一方で、これまで事務所を支えてきたキラを切り捨てようとする――。
周は、芸能活動に、やりがいを感じるようになっていた。和子も、あさひがいなくなった後も仕事をしっかりやっていく決意をする。和子と 周は、お互いに支え合って仕事と恋を両立させようと誓い合うが…。
第9話の感想|○〇目線と両立の話
子会社の社長への栄転を、あさひはどうやら承諾したらしい。実はこの話は断ってしまうんじゃないかと思っていたけど、仕事に生きるあさひはそんなことはしなかった。同じく1人の社会人として、その決断力を尊敬する。ただ、社長就任にあたって登場してきた“偉い人”たちの言葉が引っかかる。「重要ポストを任された女性がいない」「女性としての目線、期待してるよ」…なんかちょっと気になる。キラの連載の打ち合わせに和子とあさひが出向けば、今度は事務所の社長が言う。「今回の企画には女性目線が4つある」と。これはもう気になって仕方ない。
もしかしたら言ってる側にはそんな気はないのかもしれないけど、“女性だから”お仕事がもらえてるんだよ、と聞こえてしまう。だけど和子もあさひも、そういう理由でここにいるわけじゃない。相応の努力をしてきたからこそここにいる。頑張ってきたことを、“女性目線”という言葉で片付けられる複雑な気持ちは、きっと誰しも経験があることじゃないかと思う。だから、「女性目線ではなく、それぞれの目線で」とはっきり断言してくれたあさひに救われた気持ちになった。そこにいるのは女性代表のあさひではなく、ただの鉄本あさひであって、伝えるべきことを形にするのだという強い意志が感じられた。
と、ここまでが「目線」のお話。今回はそこに、「両立」に関するお話もテーマになっていた。
あさひが編集長職から離れるにあたって、境は次期編集長の誘いを受ける。だけど、境は中学受験をしたいという娘と少しでも一緒にいられる時間を増やすため、これをはっきり断った。仕事は頑張りたい、でも娘も大事、そのジレンマを背負う覚悟をした背中は、それでもやっぱりどこか寂しそうだった。
そんな中、キラがあさひに思いを伝えようとする。しかし、そこであさひは婚約破棄の過去を語り出す。ちゃんと彼のことも好きだったはず、でも自分の仕事を優先した…「だから、もう人とは深く関わらない」。やっぱりあさひの頑なさは変わらなかった。でも、明らかにあさひは嘘が下手になった。というより、きっともう嘘なんてつけなくなっていた。それに、そこで泣くのはずるい。さらに、「そんなあさひが大好きだ」というキラはもっとずるい。これ以上あさひの心を揺り動かさないで、とも、もっと溶かしてあげて、とも思った。
そしてダメ押しのキラの愛の告白。「あさひはあさひのまま、俺の隣で笑ったり怒ったりしててくれ」なんて、当初は手が触れるだけで奇声を発していたキラからは考えられない進歩ぶり。キラさん、アップデートにもほどがある…! ああ、でも本当に、あさひがまた仕事と恋を天秤にかけずに済んでよかった。
「どっちも素敵で選べないなら、ワガママになるしかない」という周の言葉がじわじわ染み渡っていたのも束の間、周はユニコーンボーイズの歌手デビューのため、和子と別れることを条件とされてしまう。両立することを誓い合っていた2人だったのに。2人が最後に出す答えに注目したい。
–{第10話あらすじ&感想}–
第10話あらすじ&感想
第10話のあらすじ
周 (板垣李光人)は芸能事務所社長の奥田(塩野瑛久)から、ささめ(草川拓弥)とのユニット・ユニコーンボーイズでデビューするなら和子(吉川愛)と別れるようにと命じられる。ささめは、和子と別れるのかと周を問い詰める。周は、和子と別れるつもりはなく、ユニコーンボーイズも続けたいと正直な思いを話す。しかし、両立させるにはどうすればい
いか、周にもまったく分からなかった。
和子は、子会社の社長に就任するあさひ(水野美紀)から、一緒に来て新雑誌を立ち上げる仕事をしてほしいと頼まれる。和子には抱えている仕事があり、あさひがいなくなった後の漫画誌編集部を守りたいという思いもあった。和子は、どちらを選ぶか、よく考えてから返事をするとあさひに約束する。
あさひもまた、和子に子会社に来てほしいと言ったものの、自分がいなくなった後の編集部を支えてほしいとも考えていた。矛盾した思いを抱えて悩むあさひを、キラ(桐山漣)温かく見守る。
和子は周に、あさひからの申し出を受けるかどうか迷っていると打ち明ける。「和子ちゃんがどっちを選んでも、僕はそばにいるよ」と和子を励ます周。しかし彼は、自分も難しい選択に迫られていることを話せない。
ユニコーンボーイズのインタビュー取材が行われることになった。取材の準備をしていた和子は、ささめから「別れちゃダメっすよ!」と言われ、周が事務所から別れるように命じられていることを知る。「どうして話してくれなかったの?」と尋ねる和子に、周は「ずっとそばにいるって約束したでしょ」と変わらぬ思いを伝えるのだった。
ユニコーンボーイズはデビューを前に“次世代ユニット”として注目を集め、大々的なお披露目イベントが近付く。
そんな中、和子は「いざ、参らん!」と、周のために、ある決断をする…!
第10話の感想|後味すっきり、最終回も少しの勇気をもらった
ついに最終回が来てしまった。周と和子は、それぞれの「両立」に答えが出せるのか…?
その前に。前回、仕事と家庭の両立ができないことを理由に次期編集長への誘いを拒んだ境だったが、あさひは人事部にも境のことを推薦する。「無理や」「できない」と境は言い続けるが、ここで甘地が、「フォローしますから」と登場。編集部も一丸となって、境をバックアップすることを誓う。
仕事にしろプライベートにしろ、やりたいことのためにワガママになったっていいし、そのために周りの力を借りたっていい。境はそのための人望や信頼といったものを、十分に編集部で築き上げてきたのだし、編集長の役割は決まっているだろうけど、その範囲の中でのやり方はそれぞれでいいのだ。あさひはあさひ、境は境のやり方で。これもまた、カラフルなんだなと気付かされる。
残すはシングルファーザーを責任ある立場に置きたくない人事部の説得。「家庭と仕事の2足の草鞋は無理」と一見物分かりがいいようなことを言うけど、なかなか女性の社会進出が進まなかったことの一因は、根底にこの考え方があったからなんじゃないか。「社会の方を変えていきましょう」と言える境に、部下がついてこないわけはない。あさひが作った編集部は、優しくて強い。
そして。ここで境は、「ワガママに生きや」と、和子の本音を問いただす。この一言で、異動についての気持ちに変化が生じた。さらに、ユニコーンボーイズのデビューを守るため、周と別れることも考えていた和子のもとに、キラから「自分の気持ちに言い訳するな」と電話がくる。
もうこれは、走るしかない。
ユニコーンボーイズのトークイベント会場。登場した周は「僕には、大好きな彼女がいます」と切り出す。ざわつく会場にこちらも緊張感が高まるが、最終的には温かい拍手に包まれた。
ユニコーンボーイズが目指す“新しいアイコン”とは、僕たちみたいな子もいるんだよ、ということの周知だった。可愛くて、メイクやネイルをしていて、大事な人がいることを公表する。たしかに既定の路線とは少し違った存在かもしれないけど、それはそれでいい。なんていうか、こちらも飾らずに応援できそうな気がする。
そしてこの芸能界編で彗星のごとく現れた敵・奥田社長は、「デビューは白紙だ」「もうメディアには出られなくなるぞ」と脅してくる。この人はずっと石器時代にいるな、というのはさて置いて、芸能界って本当にこんなところなんだろうかと不安になった。
結局、ユニコーンボーイズの2人だけでなく、キラもマネージャーの高林までもが三行半を突き付けるような形でごそっと独立。やり方はいろいろあるということを、彼らもまた行動で示してくれた。新しい出発を迎えた彼らの顔は、本当に晴れやかだった。
後味がすっきり、見るたびに少し勇気づけられてきたドラマは、まさにぴったりの終幕を迎えた。
最後に。個人的に推し続けたあさひとキラ。関係が落ち着いてすっかり大人のカップル感。あさひも素直になり、一緒の時間を共有する姿が微笑ましい。願わくばスピンオフも見たい。
–{「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。」作品情報}–
「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。」作品情報
「きみといれば、世界はカラフル」
生懸命働くあまり自分自身には手を抜きがちな新米漫画編集者「わこ」。そんな彼女が出会うのは、メイクもファッションも完璧!な美しすぎる男「めぐる」。
吉川愛×板垣李光人 ともにドラマ初主演となる人気急上昇中の2人がお互いのありのままを受け入れ合い、ふたりで一緒に成長していく、新時代の理想のカップルに!
さらに、天上天下唯我独尊なイケメンモデル「キラ」 常に冷静、通称“鉄の女”なバリキャリ編集長「あさひ」など 個性豊かすぎるキャラクターたちの〝恋愛群像劇〟にも注目!
人気コミックを原作に、それぞれに悩み葛藤し、時にぶつかり、時に互いの背中を押しあいながら、自分らしく自由に生きられる道を見つけていく…そんな姿をドラマならではのオリジナル・ストーリーとして描きます!
“みんなと同じ”じゃなくたっていい
まわりに期待される「〇〇らしさ」から外れてたっていい
ちょっと変わった自分も、ダメな自分も、ありのまま愛していい
明日から 生きるのが少し楽になる。 世界をカラフルに彩る ラブコメディをお届けします!
出演
吉川愛
板垣李光人
桐山漣
水野美紀
おいでやす小田
中川大輔
五島百花
遠藤健慎
寒川綾奈
脚本
坪田文
監督
熊坂出
湯浅弘章
松浦健志
音楽
眞鍋昭大
原作
ためこう「ジェンダーレス男子に愛されています。」
(『FEEL YOUNG』連載中/祥伝社/原作編集:株式会社シュークリーム)
チーフプロデューサー
前西和成(読売テレビ)
プロデューサー
小島祥子(読売テレビ)
熊谷理恵(大映テレビ)
塙太志(大映テレビ)
制作協力
大映テレビ
制作著作
読売テレビ
主題歌
Amberʼs 「Question」
公式HP
カラフラブル|読売テレビ
公式Twitter
ドラマ『カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜』公式さん (@colorfulovele) / Twitter
公式Instagram
ドラマ『カラフラブル』【公式】吉川愛×板垣李光人(@colorfulovele_drama) • Instagram写真と動画