米津玄師×TBSドラマ、奇跡の軌跡を辿る|新曲「Pale Blue」は「リコカツ」主題歌に

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2021年の4月のTBS金曜ドラマの主題歌が米津玄師の「Pale Blue」に決定しました。

「リコカツ」は、交際ゼロ日ですぐに結婚した夫婦が早い段階で離婚を決意し、“離婚に向けた活動”(=「リコカツ」)を開始するラブコメディ。北川景子と永山瑛太が主演します。

共演には高橋光臣、白洲迅、大野いと、平岩紙、宮崎美子、酒向芳、三石琴乃、佐野史郎といった豪華な面々が揃いました。第一話のゲストには武田玲奈の登場もあるとことです。脚本を担当するのは「大恋愛~僕を忘れるきみと」の泉澤陽子です。

米津玄師としては初めてラブストーリー作品に楽曲を書き下ろすことになり、その楽曲のタイトルが「Pale Blue」であることも明らかにされました。

さらに、楽曲はなんと「リコカツ」の第一話で世界初解禁・初オンエアというトップシークレットの形を取られることも発表され、早速大きな話題と憶測を呼んでいます。

 これまでの米津玄師のドラマ主題歌

たまたまの巡り合わせなのか、ある程度の意図があることなのか分かりませんが、これまで米津玄師の楽曲がドラマ主題歌として起用され、作品を盛り上げてきたのは全てTBSのドラマでした。そこで「リコカツ」と「Pale Blue」への期待値を高めながら、過去の米津玄師のドラマ主題歌を振り返ってみたいと思います。

「アンナチュラル」の「Lemon」

米津玄師×TBSドラマの第1弾は米津玄師の大ブレイクポイントとなった楽曲「Lemon」です。

この楽曲は石原さとみ主演、井浦新、窪田正孝、市川実日子が共演に並んだ2018年の1月期の金曜ドラマ「アンナチュラル」の主題歌として起用されました。法医学の観点から様々な事件を描くミステリーで、一話完結の形を採りつつも、全話を通じての大きな謎解きもあるというドラマでありました。

「Lemon」は毎回エンディングを中心にドラマのクライマックスで起用され、毎回違った顔を見せる楽曲となり、ドラマに深みを与えました。
楽曲「Lemon」はドラマ主題歌の枠組みを超える大ヒットとなり、YouTubeのMV再生回数が6億回を超え、この楽曲で米津玄師は紅白歌合戦にも出場しています。

「ノーサイド・ゲーム」の「馬と鹿」

米津玄師×TBSドラマの第2弾はTBSの看板枠の日曜劇場の「ノーサイド・ゲーム」の主題歌「馬と鹿」。

2019年の7月期に放映された「ノーサイド・ゲーム」は「半沢直樹」から「下町ロケット」「陸王」と続いてきた池井戸潤原作×TBS日曜劇場の6作目にあたる作品で、主演は大泉洋。実業団ラグビーの姿の奮闘を描いたドラマで、学生時代は名ラガーマンとして知られていた演出の福沢克雄によるリアルすぎるラグビーシーンは評判を呼びました。

本作に米津玄師は「馬と鹿」を提供。楽曲の存在はギリギリまで伏せて通すというプロモーションも期待値を高めました。また2019年といえば日本で“ラグビーワールドカップ2019”が開催された年で、このこともとも重なり相乗効果を生みこちらも1.5億回を超えるYouTubeの再生回数を記録しています。

「MIU404」の「感電」

米津玄師×TBSドラマ第3弾であり、米津玄師×TBS金曜ドラマの第2弾となったのが2020年の夏ドラマの「MIU404」。

星野源と綾野剛のW主演で共演に岡田健史、麻生久美子、菅田将暉らが並んだ機動捜査隊(=MIU“Mobile Investigative Unit”)を主人公にした刑事ドラマ。1話完結の形を採りながら全話を通じて描かれるエピソードもあるというドラマになっています。

脚本が「アンナチュラル」(他にも「逃げるは恥だが役に立つ」などなど)を手掛けた野木亜紀子ということもあったのでしょうが、「アンナチュラル」と同一の世界線の元で作られており「アンナチュラル」のレギュラーキャラクターも多数ゲストとして登場しました

米津玄師はこの「MIU404」に「感電」を提供。「アンナチュラル」の「Lemon」に続いてドラマの演出と深くシンクロした使われ方が強く印象に残っています。

–{そして「Pale Blue」}–

そして「Pale Blue」

そして、米津玄師×TBSドラマの第4弾であり米津玄師×金曜ドラマ第3弾となるのが2021年4月期のTBS「リコカツ」の主題歌「Pale Blue」です。



“離婚から始まる恋というコンセプトの中で、久しぶりにラブソングを作りました。どういうふうに響いていくのか、今からドラマの放送が楽しみです。”

と米津玄師自身が語っている通り、今まで以上にラブソングの要素が強い楽曲になっているようです。米津玄師の“ラブソング宣言”には期待値が高まりますね。

「リコカツ」のプロデューサーの植田博樹は「アンナチュラル」を手掛けていたこともあっての縁での起用ということのようですが、ドラマ「リコカツ」と米津玄師の「Pale Blue」がどのような相乗効果を生んでくれるのかが楽しみですね。

 まだまだあるぞ!米津玄師の主題歌、メインテーマタイアップ

米津玄師が初めて作品の主題歌を担当したのは2016年のNHKアニメ「3月のライオン」の第1期第2クールのエンディングテーマとなった「orion」です。

翌2017年には日本テレビ系アニメ「僕のヒーローアカデミア」の第2期第1クールのオープニングテーマとなった「ピースサイン」です。

どちらも「Lemon」(「アンナチュラル」)の直前期というべき時期の楽曲で米津玄師を遡っていくのにちょうどいい目印になるのではないでしょうか?

「Lemon」の記録的な大ヒットで米津玄師の立ち位置が大きく変わった中で主題歌を手掛けたのが長編アニメーション映画『海獣の子供』。

五十嵐大介の同題原作コミックを『鉄コン筋クリート』『えんとつ町のプペル』を手掛けるSTUDIO4℃が映画化した作品です。

米津玄師は10代の頃より原作を愛読していたこともあり、映像化の話を聞きつけると主題歌をやりたいと制作陣に手を挙げ、コラボレーションが成立「海と幽霊」を提供しました。原作者の五十嵐大介と米津玄師とはこの話の前から親交があったこともあって、起用につながったとのことです。

各楽曲ごとに全く違った顔を見せてくれる米津玄師。さらにドラマ・作品と楽曲の相性の良さもすでに“折り紙付き状態”と言うこともあるので、ドラマ「リコカツ」と主題歌「Pale Blue」の相乗効果にも大いに期待しましょう。

(文:村松健太郎)