2021年3月より日生劇場にて上演中の「ウェイトレス」に主演している高畑充希。
実は昨年5月より「ミス・サイゴン」に主演する予定だったものの、コロナ禍の影響で中止となった悔しさをバネにした名演を披露してくれるものと、ファンの期待は高まるばかりです。
今年は既にTVドラマ「にじいろカルテ」が先ごろ好評のうちに終了し、5月28日からは菅野美穂、尾野真千子らと共演する映画『明日の食卓』も公開と、波に乗る彼女が輝いている映画を選んでみました!
記念すべき初主演映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(16)
『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』は、有川浩の同名恋愛小説を原作にした、高畑充希の初主演映画。
何をやっても上手くいかないOLさやか(高畑充希)が、ある日マンションの前で行き倒れになっていた青年イツキ(岩田剛典)を“拾い”、共に生活するようになっていきます。
野草に詳しいイツキにどんどん魅せられていくさやか。しかし、あるとき突然彼は「ごめん、またいつか」と置手紙を残して消えてしまいます……。
原作のカップルは有川浩ファンの間でも特に人気の高いとのことで、そのふたりを高畑充希と岩田剛典がさわやか&切なく好演し、結果として両者ともに日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するに至りました。
ちなみに本作が公開された2016年、高畑充希はNHK朝のテレビ小説「とと姉ちゃん」に主演し、国民的人気を得るようになったのでした。
この世とあの世の狭間で大事件!?『DESTINY 鎌倉ものがたり』(17)
『DESTINY 鎌倉ものがたり』は、『アルキメデスの大戦』などの山崎貴監督が、出世作『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの原作者・西岸良平のもうひとつの代表作を映画化した、あの世とこの世の狭間を曖昧にしたファンタジック・ラブストーリー。
鎌倉に住むミステリー作家の一色正和(堺雅人)と結婚した亜紀子(高畑充希)が、妖怪や幽霊と人間が仲良く暮らす鎌倉の街(!?)にだんだんなじんでいきながらも、やがて大変な事件に巻き込まれていくさまが、山崎監督作品ならではの華やかで楽しいCGショットを駆使しながら描かれていきます。
ちょっと天然が入っている新妻ヒロインを高畑充希が実に愛らしく演じているのもファン垂涎ではあることでしょう。
–{『旅猫レポート』『こんな夜更けにバナナかよ』『ヲタクに恋は難しい』}–
高畑充希が猫の声でしゃべる『旅猫レポート』(18)
『旅猫レポート』は、『植物図鑑』の三木康一郎監督が、同じ有川浩の人気小説を映画化したロード・ムービーです。
有川浩が大の猫好きであることはファンにとって周知の事実ではありますが、この作品もとある事情で愛猫ナナを手放さなければならなくなった青年(福士蒼汰)が、新たな飼い主を探す旅に出ます。
有川浩は本作で脚本も担当していることから、かなり想いの強い作品であったことも容易に想像できることでしょう。
そして彼女が紡ぐナナの台詞=心の声を担っているのが高畑充希なのでした!
結果として『植物図鑑』原作&監督&主演トリオの再結成ともなった本作、動物と人との愛情描写はもとより、意外なドラマ展開の妙などにも驚かされる逸品となっています。
大泉洋、三浦春馬と共演!『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(18)
『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』は、進行性筋ジストロフィーという難病を抱えつつも入院を拒否し、自立生活を続ける鹿野靖明(大泉洋)のハチャメチャな日常を描いた実話の映画化。
とにもかくにもこの鹿野氏、わがままで女好きで、周囲のボランティアを困らせてばかりなのです。
そして、彼の新たな標的(?)となってしまうのが、新米ボランティアの久(三浦春馬)の彼女、美咲(高畑充希)!
気丈な美咲も負けず劣らず、鹿野を堂々と叱咤するものの、そんな彼女に鹿野は惚れてしまう!?
大泉洋と高畑充希のドタバタ・コンビネーションも楽しいヒューマン映画で、双方に挟まれる三浦春馬も良い味出してくれていました。
ちなみに監督の前田哲は、高畑充希の本格映画デビュー作『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ』(07)を手掛けています。
ミュージカル仕立てで贈るラブコメ『ヲタクに恋は難しい』(20)
『ヲタクに恋は難しい』は、ふじた原作の人気漫画、通称「ヲタ恋」を実写映画化。
隠れ腐女子の成海(高畑充希)と重度のゲームヲタク宏嵩(山﨑賢人)の不器用な恋模様が、愉しくも切なく綴られていきます。
監督はある意味特撮ヒーロー映画の極みたる(!?)『女子ーズ』(14)でも高畑充希と組んでいるオバカ・コメディ映画の達人・福田雄一ですが、ここではそちらのテイストは控え目に、あくまでも基本はロマンティックなラブ・コメディ。
そして何とこの映画、ミュージカル仕立て!
これぞ、同ジャンルに精通した高畑充希の魅力を映画の中で倍増させる、実に頼もしきフックにも成り得ているのでした!
(文:増當竜也)