月曜公開という異例事態にもかかわらず、初日8億円という興行収入を叩き出した「シンエヴァ」こと『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。10日前に急きょ“シン(新)公開日”が決まったにも関わらず、劇場には多くの人が押し寄せていたと分かる。世の中の大人たちはどうやって休みをもぎ取ったのだろうか。
かくいう私も、仕事とか確定申告とか“逃げちゃだめ”なことはわりとたんまりあるのだが、とりあえず翌日以降の自分に全期待を寄せて公開2日目に観にいった。
そもそもエヴァンゲリオンシリーズについては用語や世界観が難しく、解説や考察をしているブログとかも見てきたのだが、それでも完全には理解しきれずに雰囲気で楽しんでいた節がある。それでも観にいかねばと思わせる力が、エヴァにはあった。
で、シンエヴァだ。
何を書いてもネタバレになる可能性があるので、何も書かないというライターとしてあるまじき暴挙に出ようと思う。
ただ公式が発表しているので、宇多田ヒカルが『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のために書きおろした主題歌「One Last Kiss」、エンディングにだけは触れるのをお許しいただきたい。
予告編で聴いた私は、「これラストに流れたら、絶対浸れるやつじゃん」と思っていた。しかしいざ劇場で観たら、浸れなかったのだ。
その理由はエンドロールクレジットに名を連ねるクリエイターと制作会社が、すっっっっっっっっっっっっっっっっっっっごかったからだ。
アニメ業界支えてきた人も今をときめく人も勢ぞろい、「そうそうたる」という言葉の具現化を見た気がする。
(個人的には総作画監督に錦織敦史さん、メカ作画監督補佐に亀田祥倫さん、第二原画にYostar Picturesを見つけて興奮した)
またエンドロールで下から上へただただ流れていく「そうそうたる」人と会社の文字を見て「作り手も『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開を心から待っていたんだろうなあ」とも感じた。
アニメ業界では、会社を越えた制作協力は当たり前だ。またフリーランスで活動する人も多い。だからといって、人にも会社にも余裕があるわけではない。昨今のアニメ業界は、年々増える制作本数に対して作り手が足りないなんてニュースを目にするくらい、人も会社も多忙と言われている。だからこそこれだけのクリエイターと制作会社が名を連なっていることが、作り手の完結への期待や想いそのもののような気がしたのだ。
ただ次こそは「One Last Kiss」を聴きながら映画の世界に浸りたい。だから映画を観たその足で券売機に向かい翌日の席も購入した。さて、あと何回劇場に足を運ぶことになるだろうか。
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(文:クリス)
–{『シン・エヴァンゲリオン劇場版』作品情報}–
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』作品情報
基本情報
総監督:庵野秀明
監督:鶴巻和哉/中山勝一/前田真宏
製作国:日本
公開日:2021年3月8日
上映時間:155分
配給:東宝=東映=カラー
予告編
スタッフリスト
企画・原作・脚本:庵野秀明
総作画監督:錦織敦史
作画監督:井関修一/金世俊/浅野直之/田中将賀/新井浩一
副監督:谷田部透湖/小松田大全
デザインワークス:山下いくと/渭原敏明/コヤマシゲト/安野モヨコ/高倉武史/渡部隆
CGIアートディレクター:小林浩康
2DCGIディレクター:座間香代子
CGI監督:鬼塚大輔
CGIアニメーションディレクター:松井祐亮
CGIモデリングディレクター:小林学
CGIテクニカルディレクター:鈴木貴志
CGIルックデヴディレクター:岩里昌則
動画検査:村田康人
色彩設計:菊地和子(Wish)
美術監督:串田達也(でほぎゃらりー)
撮影監督:福士享(T2 studio)
特技監督:山田豊徳
編集:辻田恵美
テーマソング:「One Last Kiss」宇多田ヒカル(ソニー・ミュージックレーベルズ)
音楽:鷺巣詩郎
音響効果:野口透
録音:住谷真
台詞演出:山田陽(サウンドチーム・ドンファン)
総監督助手:轟木一騎
制作統括プロデューサー:岡島隆敏
アニメーションプロデューサー:杉谷勇樹
設定制作:田中隼人
プリヴィズ制作:川島正規
制作:スタジオカラー
配給:東宝、東映、カラー
宣伝:カラー、東映
製作:カラー
エグゼクティブ・プロデューサー:庵野秀明/緒方智幸
コンセプトアートディレクター:前田真宏
監督:鶴巻和哉/中山勝一/前田真宏
総監督:庵野秀明