綾瀬はるか、清野菜名、土屋太鳳、動ける女優のアクション映画15選と8人のキーパーソン

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ドラマ「天国と地獄」より ©TBS

綾瀬はるか、清野菜名、土屋太鳳…。こういった名前を挙げたときどちらかというと正統派ヒロインを演じる人というイメージがついて回りそうです。

しかし、彼女たちにはキレのいい動きを見せるアクション俳優と言う一面もあります。そこでそんな一面を堪能できる作品を俳優ごとにご紹介。さらに現代日本映画のアクションシーンを支えるキーパーソンに触れていきます。 

綾瀬はるかの『劇場版 奥様は取り扱い注意』『ICHI』


(C)2020映画「奥様は、取り扱い注意」製作委員会

綾瀬はるかの高い身体能力を前提にして作られたのがドラマ「奥様は取り扱い注意」。本作では見事なアクション毎回披露しました。

2021年3月公開の『劇場版 奥様は取り扱い注意』でも圧巻のアクションを披露しています。

他にも異色の時代劇『ICHI』やNHKの大河ファンタジーの「精霊の守り人」でも見事なアクションを披露。ジャパンアクションアワードも受賞しています。

土屋太鳳の『るろうに剣心』シリーズ(『京都大火編』『伝説の最期編』『最終章The Final』)

©和月伸宏/集英社 ©2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会
 

ドラマ作品のイメージが強い土屋太鳳ですが、現役の体育大学生でもあり、運動神経は抜群。『るろうに剣心』では通称“ドニー・イェンキック”と呼ばれる開脚飛び蹴りを披露。

一度に二人の相手を吹き飛ばしています迫力ある演技を見せてくれます。シリーズ最新作『るろうに剣心 最終章』でも出演が決まっているので、どんなアクションを見せてくれるか楽しみです。

清野菜名の『今日から俺は!!劇場版』『TOKYO TRIBE』


©西森博之/小学館 ©2020「今日から俺は!!劇場版」製作委員会

『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチに憧れて女優、特にアクション女優を目指したというだけあって、武田梨奈と共にジャパンアクションアワードの常連でもある清野菜名。

全くアクションを見せない演技も最近ではお馴染みになりましたが、「今日から俺は!!」シリーズなどや劇団☆新感線の舞台なので見事なアクション・殺陣を披露。若手アクション女優の筆頭格と言える存在でしょう。 

–{山本舞香、秋元才加、 武田梨奈、山崎紘菜…}–

山本舞香の『東京喰種トーキョーグール【S】』

©石田スイ/集英社 ©2019「東京喰種【S】」製作委員会 

『今日から俺は!!劇場版』から参加した山本舞香。劇中では見事な竹刀アクションを披露しています。清野菜名とのやり取りなども見ごたえのあるアクションシーンとなっています。

また、ヒロインを演じた『東京喰種トーキョーグール【S】』でも見事なアクションを披露しています。こちらは特撮&CGとの融合した複雑なアクションシーンが続いていますが、動ける俳優として知られている窪田正孝と並んでも遜色無い存在感です。

秋元才加の『媚空-ビクウ-』『山猫は眠らない8』


(C)2015「媚空」雨宮慶太/東北新社

大人の特撮として独特の地位を築いている『牙狼<GARO>』シリーズ。本作でのアクションは非常に高いレベルのものが展開されています。そのテレビシリーズに登場後、スピンオフ映画『眉空-ビクウ-』に主演したのが元AKB48の秋元才加。

ミュージカルや舞台でも躍動する姿を多く見せている彼女ですが、渋い人気を誇るスナイパーアクションシリーズ『山猫は眠らない』の第8弾でハリウッドデビューを飾っています。本作ではガンアクションだけでなく見応えある近接格闘も披露しています。

 武田梨奈の『ハイキック・ガール!」『KGカラテガール」『ヌイグルマーZ」

(C)2009ハイキック・ガール!パートナーズ

積み重ねられた瓦を頭突きで割るCMで強烈なインパクトを残した武田梨奈。

「ワカコ酒」シリーズなどのドラマで知られますが、アクション俳優としてジャッキー・チェンを目標にしているほどの本格派です。

『マッハ!!!!!!!!』のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督や『ザ・レイド』のギャレス・エヴァンス、『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督など彼女のファンを公言する海外の巨匠も多くいます。

ちなみに『ヌイグマーZ』では清野菜名が武田梨奈のスタントダブルを担当したというトリビアがあります。

山崎紘菜の『ブレイブ-群青戦記-」『モンスターハンター」

(C)2021「ブレイブ 群青戦記」製作委員会 (C)笠原真樹/集英社

東宝シンデレラオーディション出身の山崎紘菜。2021年3月に連続で公開される『ブレイブ-群青戦記-』で弓道部員を演じたほか、ハリウッドデビュー作となった『モンスターハンター』ではミラ・ジョヴォヴィッチ、トニー・ジャーらと共演し、クライマックスの大掛かりな“狩り”の場面にも参加してます。

 他、動ける女優の元祖志穂美悦子や水野美紀、さらに『無限の住人』の戸田恵梨香や杉咲花、ドラマ「絶対零度」本田翼もアクションシーンで注目を浴びた女優で、今後もっとこのジャンルでの活躍に期待したい存在です。

前述のミラ・ジョボビッチだけでなくシャーリズ・セロン(『マッド・マックス 怒りのデスロード」『アトミック・ブロンド」)やブリー・ラーソン(『キャプテン・マーベル」)、ジェニファー・ローレンス(『ハンガー・ゲーム」シリーズ『X-MEN」シリーズ)などアカデミー賞女優ですらバリバリにアクションをこなす時代になっていて、この流れが日本でも定着するといいなと思います。

ドラマでは落ち着いた演技を見せていても、舞台などではキレのある動きやダイナミックな動きを見せている人も沢山いるので、ぜひそれをアクション映画という枠で活かして欲しいところですね。

2000年代に入って一気に花開いた感のある日本のアクション映画ですが、それを支えるアクションコーディネーター、アクション監督を務める日本のアクションを支えるキーパーソンを8人をご紹介します。これまでに紹介した女優とこのスタッフの名前が並んだときはアクションシーンに期待していいと言えるでしょう。

–{日本のアクションシーンを支えるキーパーソン8人}–

日本のアクションシーンを支えるキーパーソン8人

谷垣健治

まずはなんと言っても『るろうに剣心』シリーズを支える谷垣健治。日本映画におけるアクションのあり方を大きく変えた人物です。国際的なアクションスターのジャッキー・チェンのチームに入ったり、ドニー・イェンの片腕としても知られ香港映画界でも名前が通じる存在です。2021年正月に日本公開されたドニー主演の『燃えよデブゴンTOKYOMISSON」では本編監督も手掛けています。またハリウッド大作『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』でもアクション監督を務めています。

坂本浩一

早くからアメリカに渡りハリウッド流のアクションを身に着け、日本の特撮現場に持ち込んだ第一人者。スーパー戦隊、仮面ライダー、ウルトラマンなど日本を代表する特撮ヒーローをことごとく手掛けています。本編監督とアクション監督を兼任することも多く、バイクアクションやカーアクションもふんだんに取り込む、日本の現在の変身ヒーローを支える人物です。

大内貴仁

『SP』劇場版2部作でアクション監督を務めた大内は谷垣健治と共にドニー・イェンのチームに参加することもあり、谷垣と共に『るろうに剣心』にも参加しています。

彼の名前を一躍広めたのが『HIGH&LOW』シリーズ。ほぼ全てのシリーズでアクション監督を務めた大内は、今までの邦画にはなかなか無かったダイナミックな集団格闘シーンを演出し、シリーズのカラーを決定付けました。

坂口拓

アクション俳優としても知られる坂口拓(TAK∴)。『狂武蔵』では77分ノンストップ・ワンシーンワンカットの殺陣を披露して健在をアピールしました。

匠馬敏郎名義も含めてアクションデザイン、アクション監督としてのキャリアも豊富で園子温監督作品の多くに参加してます。清野菜名や吉本実憂、篠田麻里子など彼の元でアクションのトレーニングに励む俳優も少なくありません。

 下村勇二

上記の坂口拓の盟友と言えるのが下村勇二。多くの坂口出演作品でアクション監督、本編監督を務めています。『図書館戦争』シリーズでは岡田准一と共にハイレベルなアクションシーンの数々を創り上げ、月9ドラマ「ラッキーセブン」などのテレビ作品も手掛けています。NETFLIXオリジナルドラマとして国内外で大ヒットした「今際の国のアリス」のアクション監督も彼です。

 辻井啓伺

スーパー戦隊のスーツアクターからキャリアをスタートさせた辻井啓伺。映画では三池崇史監督作品の多くに参加『妖怪大戦争』から『クローズZERO』シリーズ、『十三人の刺客』などのアクションをコーディネート。最近では福田雄一監督の『新解釈・三國志』にも参加しています。小柄な体格と言うことでスーツアクター時代は女性キャラクターを演じることもあったとか。

金城一紀

窪塚洋介主演で映画化もされた「GO」で直木賞作家となった金城ですが、アクション映画・ドラマの仕掛け人としても知られています。岡田准一主演で映画化もされた「SP警視庁警備部警護課四係」や小栗旬主演の「BORDER警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係」「CRISIS公安機動捜査隊特捜班」で原案・脚本を担当しています。「奥様は取り扱い注意」のテレビシリーズではアクション設計まで担当しています。

 諸鍜治裕太

80年代から映画・ドラマで活躍『あずみ』『探偵はBARにいる』や『太陽は動かない』までバラエティー豊かな作品を手掛けています。

舞台「Endless SHOK」や「滝沢演舞城」「滝沢歌舞伎」、宝塚歌劇などのライブアクションも手掛けています。AKB48の「フライングゲット」のアクション監督を務めたもの彼です。

 他にも俳優等してNHK大河ドラマやトム・クルーズ主演の『ラストサムライ』に出演し、綾瀬はるかの「精霊の守り人」シリーズではアクション監督を務めた舟山弘一。俳優とアクションコーディネーター両面で活躍する横山誠などの名前は覚えておくと映画の楽しみ方にアクセントが加わるのではないでしょうか?もはやアイドルというよりトップ俳優と言った方がいい岡田准一も最近ではアクション設計をすることが多く『ザ・ファブル』『燃えよ剣』などではアクション担当(ファイトコレオグラファー、殺陣設計)としてクレジットされています。

 特撮やCGの技術のアップと安価化に伴い、多くの作品の中にアクションシーンがふんだんに盛り込まれるようになりました。また専業化、分業化が進みアクション監督(スタント・アクションコーディネーター)という人たちの地位も向上、ジャパンアクションアワードが制定されたりと日本でもドラマと濃密に絡むアクションを味わう映画が増えてきていますね。

(文:村松健太郎)