藤原竜也主演が熱い映画5選!『太陽は動かない』でも熱きタフガイを熱演!

金曜映画ナビ

3月5日公開の『太陽は動かない』は、24時間ごとに本部に連絡しないと心臓の起爆装置が発動して爆死してしまう「AN通信」エージェントたちの決死のミッションを描いたスパイ・アクション映画。

藤原竜也と竹内涼真が世界中を駆けまわる、日本映画離れしたスケールの大きな作品に仕上がっています。

これまでも熱く熱く熱すぎるほどの存在感をもってさまざまなタフガイを演じてきた藤原竜也は今回も絶好調!

そこで今回は藤原竜也が熱かったこれまでの映画をご紹介!

藤原竜也の映画の原点『バトル・ロワイアル』

1982年5月15日、埼玉県生まれの藤原竜也は、1997年の蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」主役オーディションでグランプリを受賞し、俳優デビュー。

この時点で既に「天才新人俳優現る!」とも謳われた彼は、2000年に『仮面学園』で映画デビュー。

そして同年の暮れに公開された深作欣二監督『バトル・ロワイアル』でその存在感を決定的に銀幕にたたきつけることになりました。

少年犯罪や校内暴力が横行する新たな世紀のある国がBR法を制定。

かくして、中学生1クラスの生徒たちを無人島に閉じ込めて、最後のひとりになるまで殺し合いをさせるという、無慈悲な環境に追いやられた思春期の子供たちの決死のサバイバルが描かれていきます。

高見広春の原作小説が発表された段階から激しい賛否両論を呼んだ問題作を、深作欣二監督はあたかも『仁義なき戦い』思春期版ともいえる意欲をもって、子どもたちの悲痛な青春群像劇として熱く熱く描いていきました。

こうした深作監督のエネルギッシュな演出に生徒のひとり七原秋也を演じた若き日の藤原竜也は大いに刺激を受け、その影響を受けることになっていきます。

この『バトル・ロワイアル』、劇場公開版の後、青春色を強めた特別編(01)に3D版(10)、また続編『バトル・ロワイアルⅡ【鎮魂歌】』(03/深作監督の遺作で、息子の深作健太が後を継いで完成)も作られています。

–{藤原竜也、闇の魅力が開花『デスノート』2部作}–

藤原竜也、闇の魅力が開花『デスノート』2部作

大場つぐみ&小畑健の同名漫画を原作に、金子修介監督メガホンを握ったダークなサスペンス・ファンタジー。

『デスノート』(06)と『デスノートthe last name』(06)の前後編2部作として発表されました。

ノートに名前を書かれた人間が確実に死ぬ「デスノート」を手に入れた夜神月(ヤガミ・ライト/藤原竜也)が、ノートの力で犯罪者や汚職政治家など悪人を次々と葬り始めていきます。

やがて彼の存在は「キラ」として、SNSなどを通じて人々の間で神と崇められていき……。

一方で警察はキラの行動を連続殺人とみなし、密かに世界的名探偵L(松山ケンイチ)を通じて捜査を開始していきます。

イジメや理不尽な犯罪などがまかり通る現代社会の中、「もし自分がデスノートを手に入れたとしたら?」といった悪意の魅惑をもって若年層のみならず老若男女の観客の支持を受けて本作は大ヒット。

キラVSL、天才同士の頭脳対決はそのまま藤原竜也VS松山ケンイチの熱い演技対決とも直結し、見る側をさらにスリリングな情緒へ持っていかせてくれました。

–{アンチヒーロー藤原竜也誕生『カイジ』シリーズ}–

アンチヒーロー藤原竜也誕生『カイジ』シリーズ

福本伸行の漫画「賭博黙示録カイジ」を原作に、佐藤東弥監督が取り組んだギャンブル・サスペンス・シリーズ。

自堕落な日々を過ごしていた若者カイジ(藤原竜也)が、うっかり友人の保証人になってしまったことから多額の借金を背負うことになり、それをきっかけに命知らずの地獄ギャンブルの数々に身を投じていきます。

現在のところ『カイジ 人生逆転ゲーム』(09)『カイジ 人生奪還ゲーム』(11)『カイジ ファイナルゲーム』(20)の3部作として発表。

原作でも話題になった「ざわ…ざわざわ」といった心の中の胸騒ぎともいえる擬音を巧みに体現していく藤原竜也の、堕落しながらもアンチ・ヒーローとして屹立していく存在感、ここに極まれり!

まさに「カイジ」こそは彼の代名詞かもしれません。

また藤原竜也はTV&映画版『ST 赤と白の捜査ファイル』シリーズ(14~)でも佐藤監督とコンビを組んでいますが、ここでも彼は元対人恐怖症で女性恐怖症ながらも人を惹きつけてやまない異色のSTリーダー赤座左門役を好演しています。

–{熱く爽やかな藤原竜也『おかえり、はやぶさ』}–

熱く爽やかな藤原竜也『おかえり、はやぶさ』

熱量のベクトルそのものは他作品と同じながらも、その方向性が爽やかなプラス面へと突き進んでいくという、藤原竜也のキャリアの中ではある意味異色作!?

日本の小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクト、その奇跡の経緯を本木克英監督が描いていく実話を基にした科学サクセス・ストーリーです。

実はこの時期、「はやぶさ」を題材にした映画が3本ほぼ同時期に作られて話題になりましたが、その中で本作は父(三浦友和)と子(藤原竜也)の科学技術者同士の葛藤や絆といったファミリー群像劇としての要素に軸足を乗せながら、他作品とは印象を大いに異にしたものとなっています。

また本作は3D映画として撮影され、その技術的飛躍も話題になりました。

音楽は世界的名匠の冨田勲が担当し(これが最後の映画音楽)、クライマックスのはやぶさ地球帰還のシーンではリヒャルト・ワグナーの「トリスタンとイゾルデ」を富田氏の意向で採用し、壮大なる宇宙と地球、機械と人間とのコラボレーションが見事に表現。

そうした画と音の連なりの中、藤原竜也はプロジェクトに意欲を燃やす若者の姿を真摯に演じ、陰と陽で言えば珍しいまでの「陽」の魅力を際立たせています。

藤原竜也を語る上で、決して見逃してはいけない作品です。

[2020.3.5現在、下記で配信中]
→dTV
→U-NEXT
→Hulu
→ひかりTV
→TSUTAYATV
→Amazonビデオ
→J:COM
→TELASA
→RakutenTV
→iTunes
→Google

–{藤原竜也、闇の描出極まれり『藁の楯』}–

藤原竜也、闇の描出極まれり『藁の楯』

こちらは藤原竜也の「陰」の要素をこれでもかと際立たせた犯罪サスペンス映画。

「ビーバップハイスクール」シリーズで有名な漫画家きうちかずひろが、本名の木内一裕・名義で発表した犯罪警察小説を三池崇監督のメガホンで映画化。

孫娘を清丸国秀(藤原竜也)に殺害された経済界の大物が、何と彼を殺した者に10億円の懸賞金を出すと発表。

恐れをなした清丸は警察に自首し、福岡から東京まで護送されることになり、銘苅(大沢たかお)と白岩篤子(松嶋菜々子)らSPがその任にあたります。

しかし道中、次から次へと清丸の命を狙う者が続出し……。

ここでは大金に目がくらんだ者たちと、それを嘲笑う凶悪犯、そんな彼を護らなくてはならない警察側の苦悩など、さまざまな人間の負の要素と、それに伴うサスペンス・アクションの数々が見事に融合。

作品スケール的に安全保障の理由で日本国内での撮影許可が下りず、台湾で多くのサクション・シーンを撮影敢行し、従来の日本映画界の制限を突破した作品でもあります。

特筆すべきはやはり藤原竜也演じる清丸で、一見おとなしそうでいて、その実とてつもない鬼畜サイコ野郎としての脅威を見事に体現。

こうした闇を描出し得る彼の資質は、後の『るろうに剣心京都大火編』&『同 伝説の最期編』(14)や『22年目の告白 私が犯人です』(17)などでも全面開花されています。

新作『太陽は動かない』の藤原竜也は、スパイとしての非情な職務に加えて、日毎の生命の危機といった恐怖と不安を忍ばせた主人公をこれでもかというくらいに熱く演じ切っていますが、それにはこれまでのキャリアの積み重ねが大きくものを言っていると言っても過言ではないでしょう。

(文:増當竜也)