映画館で流れるCMのたびにペンライトの幻覚が見えるのは『プロメア』のせい

映画コラム

映画館で流れるCM。皆さんは真剣に観ているだろうか。

筆者にとって映画館で流れるCMは、スマホの電源が落ちているかを再確認し、フードをできる限り食べ終わるための時間だった。

ところが、その時間の使い方が覆される事案が起こる。

そう、『プロメア』でだ。

以前筆者はシネマズプラスで、映画『プロメア』で「タイトルロゴになる」貴重な体験をしたと書いた。これだけでも「お前は何を言っているんだ」と感じる人が大多数だと思うのだが、もう1つなかなかない体験をして、今もなおその名残が自分の中にあるのだ。

「こんなCM、映画館で観たことない」
そう思われても仕方がない。おそらくこの「駅前不動産」のCMは、福岡、広げても九州エリアくらいでしか流れていないだろう。福岡で筆者が一番利用している「T・ジョイ博多」では、新型コロナウイルス感染拡大前はこの駅前不動産と天神愛眼、もち吉、名門大洋フェリーのCMが鉄板だった。

さて話を戻そう。福岡の精華女子高等学校ダンス部の子たちが久留米駅前で軽快に踊るこのCMに合わせて、『プロメア』で何が起こったのか。

コロナ前の映画館では、声出し、光り物OKの「応援上映」が当たり前の光景となっていた。

堺雅人の声で「滅殺開墾ビーム」なんてセリフが出てくるプロメアだ。応援上映が盛り上がらないわけがない。全国各地の劇場で応炎(援)上映が開催された。

本編で数々の名台詞に合わせて声をあげる人がいるのは想像できる。推しキャラへの愛を叫ぶ人がいても、なんらおかしくない。キャラに合わせたペンライトが光る景色も想定内だ。

ただまさか、駅前不動産の軽快なミュージックとダンスに合わせて黄色のペンライトが揺れるなんて光景を、誰が思い描いただろうか。

おかげさまで他の作品を映画館に観に行くたび、黄色のペンライトの幻覚が見えるようになってしまった。

あと、もち吉のCMでも「おいしそ~!!」という合いの手の幻聴までするようになった。もち吉のいなりあげもちは、間違いなくおいしい。

筆者がTwitterで見てきた限りプロメポリスの民たちの中には、かなりの回数「応炎(援)上映」に通った猛者がいると存じあげている。

さあ、プロメポリスの民たちよ。今もなお幻覚、幻聴を引き起こしている映画館のCMについて語り合おうではないか。

(文:クリス)

–{『プロメア』作品情報}–

『プロメア』作品情報

ストーリー
30年前、突然変異で誕生した炎を操る人種<バーニッシュ>が出現し、世界が大炎上、その半分が焼失した……。そしていま、攻撃的な一部の面々が<マッドバーニッシュ>を名乗り、再び世界に襲いかかってくる。対バーニッシュ用の高機動救命消防隊バーニングレスキューの新人隊員・ガロ・ティモス(声:松山ケンイチ)は、昔ながらの“マトイ”を担ぎ、マッドバーニッシュのリーダー、リオ・フォーティア(声:早乙女太一)に立ち向かっていく。熱き魂がぶつかりあう二人のバトルの結末は……。 

基本情報

声の出演:松山ケンイチ/早乙女太一/堺雅人/佐倉綾音/吉野裕行/稲田徹/新谷真弓 ほか

監督:今石洋之

製作国:日本

製作年:2019

公開年月日:2019年5月24日

上映時間:111分

製作会社:XFLAG(アニメーション制作:TRIGGER)

配給:東宝映像事業部