SNSの誹謗中傷問題に対応するため警視庁に新設された“指殺人対策室”を舞台に、顔の見えない犯罪者=アノニマスを捜し出すクライムサスペンス「アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~」。香取慎吾が5年ぶりの民放ドラマ主演を務め、ミステリーを通して日本の社会問題も描く。
もくじ
「アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~」第1話あらすじ&感想
第1話のあらすじ
警視庁はSNS等の誹謗中傷の撲滅を目指し市民からの相談にのる専門部署「指殺人対策室」=指対(ゆびたい)を新設。
メンバーは万丞渉(香取慎吾)を始め、一癖も二癖もある変わり者ばかり…。
そんな折、誹謗中傷を苦に自殺したモデルの真田梢の両親が訪れ、匿名の人間たちの心ない言葉に娘は殺されたと涙ながらに訴える。
それを聞いた新人刑事の碓氷咲良(関水渚)は「絶対に犯人を逮捕してみせます!」と約束してしまうが…。
第1話感想
ドラマのタイトルを初めて見たときに思わず意味を検索した「アノニマス」という言葉。
「名前がない」「顔が見えない」という意味のギリシャ語が語源になっているようで例えるならば、〇ちゃんねるなどでよく見かける“名無しさん”のようなものだという。
なるほど、ネットでよく見かけるアレか……。
タイトルに「”指殺人”対策室」とあるので、昨今のインターネット社会の問題点を深堀した、骨太のドラマであることも事前に予想ができた。
個人的には、今クールドラマの中で注目をしている作品の一つだ。
なんといっても主演が香取慎吾さんというのも大きな魅力。民放ドラマに出演するのは5年ぶりとあって、ファンも初回の放送を心待ちにしていたのではないだろうか。
共演する顔ぶれにも注目が集まっている。
香取さんが演じる万丞渉(ばんじょう わたる)の相棒、碓氷咲良(うすい さくら)役には22歳の女優、関水渚さん。捜査一課の刑事、羽鳥賢三役は山本耕史さんが演じる。プライベートでも仲が良い香取さんと山本さんの共演もファンのテンションを上げる要素になっているかもしれない。
第一話は、誹謗中傷によって、自ら命を絶ってしまったモデルの両親の訴えからはじまる。彼女を死に追いやった“アノニマス”を万丞ら「指殺人対策室」のメンバーが追う。
終盤で万丞が語る「強い人間なんていない。人は誰でもこの指一本で傷ついてしまう。あなたが思っている以上に人はもろいものなのだ」というセリフには
「慎吾ちゃんが言うから説得力がハンパない」
「なんだか、胸が締め付けられる…」
などと、多くの視聴者が“指”で反応し、放送終了後もツイッターのトレンド入りをしていた。
たしかにこのセリフは、香取さん自身の言葉のようにも受け取れる。
これまで香取さんは、私たちが想像する以上に勝手な憶測や心無い言葉に傷つけられてきただろう。香取さんが発言するからこそ、さらにこの言葉の深みが増し視聴者の心に刺さったのかもしれない。
重いけれど現代社会には必要なテーマを扱った本作。
匿名大国である日本に、警鐘を鳴らすドラマになることは間違いなさそうだ。
とくにSNS世代には、ネット社会のネガティブな側面としっかり向き合うきっかけになるだろう。
放送を見終えて思うことは、香取さんの抜群の存在感と寡黙さがとても際立っていた。どことなく影があり、ミステリアスな雰囲気がドラマ全体をピリッとさせていた。
ワケあり捜査官、万丞が笑顔を見せる日は来るのか―。
早くも続きが気になる作品にまた出会えた。
–{第2話あらすじ&感想}–
第2話あらすじ&感想
第2話あらすじ
親友を死に追いやった犯人として、『裏K察』に名前を書き込まれた古賀有希は、追い詰められて重傷を負う。
投稿者の“アノニマス”は警察内部の人間かも…?
万丞渉(香取慎吾)ら指殺人対策室に疑念が渦巻く中、新たに芹沢亜里沙(深川麻衣)が相談に訪れる。
ネットで炎上中の店員を土下座させる動画の女性が、亜里沙だというデマが拡散しいているのだという。
顔写真や勤務先も晒され、世の中からひどい誹謗中傷を受けているという…。
第2話感想
元乃木坂46のメンバーの深川麻衣と元BOYS AND MENの田中俊介がゲスト出演した第2話。
何気ない日常を送っていたものの、デマにより誹謗中傷されてしまう芹沢亜里沙役を深川が、そしてその婚約者、日下部翔平役を田中が演じた。
初回に続き、第2話もネット犯罪の怖さを思い知らされる内容で、非常に見応えのある展開であった。
デマがどんどん拡散されてしまう中、香取慎吾が演じる万丞渉が「一度怪しいと思うと、すべてが証拠に思えてしまう」とつぶやいた言葉が非常に印象的。ついネットの情報を鵜呑みにしがちな私たちに、警鐘を鳴らしてくれているようであった。
そして今回は、関水渚が演じる万丞の相棒、碓氷咲良役にも過去にトラウマがあるような描写があり、今後は咲良の過去も気になるところ。(すでに万丞は咲良のことを察している?)
関水は演技力、知名度ともに成長過程ではあるものの、万丞の相棒を懸命に演じている姿に好感が持てる。過去のインタビューでも「繊細に丁寧に演じたい」と語っていたが、その情熱は演技に反映しているように思う。
ネット界隈では女優の広瀬すずに似ていると話題の関水。彼女の演技や表情に、引き続き注目をしたい。
容疑が晴れた亜里沙に「自分の過去は消せない。それでも未来はいくらでも書き足すことはできる」と諭した万丞。
往年の香取ファンとおぼしき視聴者らは「万丞の言葉って妙に刺さる!」、「慎吾ちゃんの言葉として受け止めた!」などとすっかり影響を受けている様子だった。
初回の放送では、トレンド1位(Twitter)を記録。また、テレビ東京の月曜22時枠のドラマとしては、歴代最高視聴率を獲得するなど、話題となっている「アノニマス 警視庁指殺人対策室」。
第3話以降はどんな社会問題に切り込んでいくのか?
月曜22時枠のテレ東が楽しみだ。
–{第3話あらすじ&感想}–
第3話あらすじ&感想
第3話あらすじ
高校生・片山蓮(青木柚)によるホームレス殺害事件…1カ月後、蓮の個人情報が特定、ネット上で晒されたことで大きな話題となっていた。
事実とは異なるひどい中傷も多く、蓮の父・遼太郎(戸田昌宏)は、「指殺人対策室」に最初に情報を晒した犯人を捕まえてほしいと依頼。
万丞渉(香取慎吾)と碓氷咲良(関水渚)は早速捜査にあたるが、交友関係を調べるうちに蓮の本性が浮き彫りになっていく。
第3話感想
香取慎吾が演じる万丞の回想シーンから始まった第3話。
元同僚の倉木(シム・ウンギョン)が、犯人とおぼしき人物と撃ち合いの末に万丞の目の前で倒れる。腹を撃たれた倉木は「アノニ…(マス?)」と言いながら、最後の力を振り絞って万丞にルアーを渡す。
このシーンにより、万丞がいつも大事に持っているルアーが倉木の置き土産だったということがわかる。
今後の展開にこのルアーはどんな意味をもたらすのだろうか—。
***
第3話は、ホームレスが公園で高校生の片山蓮(青木柚)により殺された事件がきっかけで“指殺人”対策室に依頼が入る。事件後、加害者の蓮はある者によりネット上で中傷をされ、被害者にもなっていた。今回の依頼主はその蓮の父親。ネットでの書き込みをしている者を特定してほしいという内容であった。
本編に触れる前にこれまでに「指殺人対策室」について思っていることを吐露したい。
メンバーがどうのよりも、「指殺人対策室」自体が必要以上に暗くないかい?
いくらなんでもちょっと雑居ビルもしくは、倉庫感がありありで不憫に思ってしまう。警視庁が専門部署として新設したのであれば、もう少し陽のあたる部屋をあてがって欲しい。
とはいえ、このもの寂しい部屋で佇む香取は、妙にかっこいいのだけれど♡
蓮の父親の依頼により、一人の同級生の名前が挙がったものの、他にもネットに中傷を繰り返す人物がいることがわかる。“指対”のメンバーは、その人物を特定するためにチーム一丸となって一人の男を検挙したのだった。
万丞の相棒である、咲良(関水渚)との関係性にも少しずつ変化がみえてきた。
万丞のことを冷たくて、取っつきにくいと感じていた咲良だったが、被害者や加害者に真摯に向き合う万丞の姿に変化が表れてきているように思う。
ホームレスを殺した蓮は、「ホームレスなんて、一人いなくなってもどうってことない」とふてぶてしい態度を見せていた。しかし、万丞は「お前が殺したのはホームレスではない、一人の人間だ」と血の通った言葉と、ありたっけの目力で蓮を諭していたのが印象的な回であった。
事件が終わり、また一人釣り堀で誰かを待っている万丞。
と、そこに1人の男が近づいてきて万丞に手紙を渡した。
果たしてこの男は誰なのか?
渡された手紙の内容は何を意味するのだろうかー。
1話完結ながらも、万丞の過去のストーリにも触れる構成がとても見応えがある。
来週以降の展開も非常に気になる。
–{第4話あらすじ&感想}–
第4話あらすじ&感想
第4話あらすじ
元アイドルの真壁澪(田中美里)が、夫の清二(小松和重)と共に「指殺人対策室」にやってくる。
既婚男性とのW不倫を報じられてしまった澪。世間から反感を買い批判が殺到、同時に誹謗中傷を伴う芸能人叩きの標的となってしまう。
不倫相手は何とマッチングアプリで出会った男だった。
『裏K察』という闇サイトでは次々と情報が晒され、さらには、かつて澪へのストーカー行為で逮捕された男が出所して澪をつけ回し出す…。
第4話感想
刑事ドラマといえば、犯人をひたすら追う熱血刑事ものが主流であったが最近では、鑑識課や警察学校が題材になるドラマも増えてきている。とにかく多くの刑事ドラマが制作されている。いわば、飽和状態といってもいいかもしれない。
そんな中、テレビ東京制作のオリジナルサスペンスドラマ「アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~」は異彩を放っている。その理由は、SNSでの誹謗中傷を行う“指殺人”に焦点を当てたこれまでにないドラマだからだ。有名人だけではなく、一般人の間でも問題になっているインターネットでの誹謗中傷。この新しい試みの主演を務めるのは、香取慎吾だ。SMAP解散以降、地上波ドラマに初登場した香取のことを多くのファンが待ち望んでいたことだろう。
第4話は、元アイドルの真壁澪(田中美里)がW不倫を週刊誌に報じられてしまったところからはじまった。誹謗中傷の的となってしまった澪だったが、ストーカーからも追われ、踏んだり蹴ったりな状態。そこに万丞(香取)ら、指殺人対策室のメンバーが田中を守りながらも、澪を恐怖に陥れている人物を特定するというストーリーだった。
第4話の内容にはいささか違和感があった。
「元アイドル」が田中美里だということ。田中といえば、朝ドラの「あぐり」の主演や、韓流ドラマの火付けとなった「冬のソナタ」のヨン様の恋人役、チェ・ジウの吹き替えを担当。正統派といえる女優だ。
その田中が“ねこねこにゃんにゃん”(グループ名)の「元アイドル」という設定なのだ。
これ、普通に「元女優」でよかったのではないだろうかと個人的には感じたが「元アイドル」がストーカーに追われるという設定を重視したいのならば、いたしかねないのか……。
内容はさておき、第4話ではドラマの途中で放送されるスポンサーの“提供読み”を香取が自ら行うというサプライズ演出があった。これには多く人が反応。「今の慎吾ちゃんの声だったよね?」「まさかの提供読みが万丞さん!」「最高のサプライズ」と絶賛。本編以外でも視聴者を楽しませてくれる粋な計らいは、今後も大歓迎だ。
今回も“指対”の見事なチームプレイで主犯を確保。
ストーカーや誹謗中傷から一人の女性が救われた。
一話完結タイプのドラマではあるが、万丞の過去にも毎回少しずつ焦点を当てている。
第4話の最後には万丞のかつての相棒、倉木(シム・ウンギョン)が登場。亡くなったと思われていた倉木が車椅子に座っているではないか!
この姿には私をはじめ、多くの視聴者が驚いただろう。
少しずつ明らかになってきた万丞の過去。
引き続き「アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~」には注目したい。
–{第5話あらすじ&感想}–
第5話あらすじ&感想
第5話あらすじ
指対室に、大人気動画配信者さわてぃ(橋本淳)から依頼が。SNSでの誹謗中傷が1カ月前に突然増加し、ついに「死んで詫びろ」という脅迫が届き怖くなったという。
その脅迫行為が晒されて大バッシングを浴びることになった星野秀一(萩原利久)は、現実世界はもちろん、ネットの世界でも居場所を失ってしまう。しかし、星野を知る司書の山名栞(鞘師里保)は星野のことをいい人だと言う。さわてぃも何かを隠しているようで…。
万丞(香取慎吾)と咲良(関水渚)は、星野の説得を試みるが最後の望みの綱も絶たれた星野は最悪の選択をとることに…。
第5話感想
これまでいくつものネット犯罪に関わってきた警視庁指殺人対策室、通称”指対”。
今回は、「さわてぃちゃんねる」で人気を博している、さわてぃ(橋本淳)がSNSで誹謗中傷に悩まされていると、万丞(香取慎吾)や碓氷(関水渚)らが所属する指対に相談するところからはじまった。
近年、有名人に対するSNSを介した誹謗中傷は社会問題になっている。
匿名という名の「盾」で言葉の「暴力」を行う加害者。
第5話でもオンラインサロンメンバーの一人、星野秀一(萩原利久)がさわてぃに向けて恐怖を感じさせるような言葉の刃を向けていた。
しかし、調べていくうちに、そもそもはさわてぃが星野に対していじめを行っていたことが判明。
星野は、加害者でもありながら被害者でもあった。
碓氷の単独行動により、さわてぃを怒らせてしまい星野の個人情報の漏洩や指対への誹謗中傷が始まってしまう。
「私のせいだ……」と落ち込む碓氷。
その姿を心配そうに見つめる万丞。
碓氷の過去も明らかに……。
職場で孤立していった友人が碓氷に助けを求めたが、それに応えることができなかった過去があった。
そして、その友人は、自分の目の前で自殺を図ったという。
今回の暴走は、その時に救えなかった気持ちが大きくなりすぎて、空回りしてしまったのだろう。
そんな碓氷に万丞は自分も過去に相棒を救えず、何度も自分を責めたと語った。
「俺もお前と同じだよ。二度と同じ思いをしたくはない」
碓氷を見つめる万丞。
笑顔こそないが、その瞳は優しさで溢れていた。
第5話では加害者の星野を演じた萩原利久と、図書館司書の山名栞を演じた鞘師里保がとてもよい演技を見せてくれた。
孤独で居場所がない青年とその青年を気にかける優しい女性。
みずみずしい二人の演技が視聴者をグッと強くストーリーに引き付けたように思う。
その後も星野の暴走は止まらず、さわてぃに凶器を向けてしまうことに。しかし、結果的には自殺を図ってしまった星野。一命を取り留めた星野に寄り添う山名の心配そうな表情がとても印象的だった。
毎話、碓氷にはハラハラ・イライラさせられるが彼女の存在が万丞に少しずつ変化をもたらせていることがわかる。これまで厳しい目つきが多かった万丞だったが、碓氷や指対のメンバーに対して心を開いてきている。
万丞と倉木。
万丞と碓氷。
万丞にとっては相棒の存在が大きく関わっている。
最終話まで万丞の心の変化にも注目だ。
–{第6話あらすじ&感想}–
第6話あらすじ&感想
第6話あらすじ
指対室の誰かとアノニマスが繋がっているとの噂が警察内部で広まり、中でも特に万丞渉(香取慎吾)が疑われる。
そんな指対室に匿名の中傷で悩む専門学生・末松香(川島鈴遥)がやって来る。メールの中身は恋人・椚総一郎(田中偉登)への中傷ばかりだという。
その相談の最中、総一郎が拉致され、監禁される生配信が始まった!「彼の全てを奪う」という脅しと共に…。
第6話感想
1話ごとに深刻な指殺人問題を取り上げている新感覚ドラマ「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」。
香取慎吾が演じるのは、指対室に所属する寡黙な万丞渉という刑事だ。
毎回、加害者や被害者に骨のある言葉を投げかけ話題となっている。
(※以下ネタばれがあります)
第6話は、指対室に末松香(川島鈴遥)がやって来たところからはじまる。香の恋人である椚総一郎(田中偉登)へのネット上の誹謗中傷の相談だった。そんなとき、総一郎は何者かに拉致され、その様子がネット配信されてしまう。指対室のメンバーが犯人を追っていくがその人物は香のかつての恋人、荒井慶太(岩上隼也)の弟の翔太(楽駆)だった。
過去に香は総一郎から性的暴行を加えられていた。それを知った慶太は総一郎に暴行。この暴行事件がネットで拡散されてしまい、慶太もまた誹謗中傷の餌食となり、そのショックから事故に合い、亡くなってしまった……。
今回、ゲスト出演した川島鈴遥は、香取と10年ぶりの再共演だという。
そんな川島が演じる香が後半、自らの命を絶とうとする場面では心を揺さぶられた。
ビルから身を投げ出そうとした瞬間、万丞の大きな体に支えられた香。
「おい、いい加減にしろ。何やってんだよ」と声を荒げる万丞。
そして、「無駄にしていい命なんてない」と優しく諭すと香の大きな瞳から涙が溢れていた。
同ドラマが始まったころは、インターネットでの誹謗中傷を切り口にしたストーリーはそれほどないのでは? と思っていた。
しかし、毎話、現代社会が抱える問題にメスをいれたストーリーをみせてくれるので、まったく飽きがこない。
ドラマも中盤を過ぎ、最終章へ。
警察が見過ごそうとしている事件を、世間に知らしめるアノニマスとはいったい誰なのか?
指対室のメンバーの誰かが関わっているのか?
まだまだ謎がいっぱいだ。
–{第7話あらすじ&感想}–
第7話あらすじ&感想
第7話あらすじ
社員をパワハラで自殺に追い込んだブラック企業だとの噂で大炎上したある食品会社。そのSNSに「罪を告白しないなら爆破する」という爆破予告が届く。
万丞渉(香取慎吾)らが突き止めた予告犯・小柳祐平(塩野瑛久)はアノニマスの信望者だった。するとアノニマスから裏K察に新たな動画が投稿される。「次に告発するのはこの国最大の巨悪・警察」。
同じ頃、万丞は刑事部長・城ケ崎明文(高橋克実)から、アノニマスの正体を突き止めるよう指示を受けた…。
第7話感想
アノニマスから裏K察に書き込みがあり、社員をパワハラで自殺に追いやった会社の存在が暴かれた。
しかし、その犯人はアノニマスの模倣犯だった。
今やアノニマスがネット上のダークヒーローと化しており、アノニマスの書き込みは正しいとされる風潮に。
そんな世間の風向きに万丞(香取慎吾)ら指対室のメンバーは、懸念を抱いていた。
最初はぎこちなかった指対室のメンバーもここにきて、チームワークがしっかりしてきたことがわかる。
アノニマスの暴走を許すべからずと万丞がメンバーに「力を貸して欲しい」と頭を下げるシーンでは彼の心の変化に驚いてしまった。
常に言葉数少なく、あんなにも馴染もうとしていなかった万丞がメンバーに頭を下げるなんて。
時間の経過と共にメンバーに心を許し、信頼していった結果だろう。
(以下ネタバレ含みます)
指対室メンバーの連携によってついにアノニマスの正体を暴くことに。
過去の事件のアノニマスは指対室の室長、越谷(勝村政信)だった。
越谷にたどり着くまでは意外とあっさりで拍子抜けではあったが、そこまで違和感はなかった。
それよりも越谷に詰め寄る万丞の険しく、そして哀しみを帯びた表情が印象的だった。
しかし、越谷を追求していくうちにアノニマスは二人いることが判明。
もう一人のアノニマスはなんと万丞のかつての相棒、倉木(シム ウンギョン)だった。
第7話ではどうして倉木がアノニマスとなったのかもわかった。
なんとなく予想はついてはいたものの、倉木かぁ……とちょっと落胆してしまう。
結果的には万丞を裏切る形になってしまうではないか。
万丞と倉木は正義感にあふれ、長い物には巻かれない骨のある刑事という面では同じところを目指していたのだろう。
しかし、いつしか二人の結束は少しずつ離れていった。
来週は早くも最終回。
警察に恨みをもつ倉木を万丞は止めることができるのか?
個人的にはシリーズ化を望みたい作品だ。
–{第8話あらすじ&感想}–
第8話あらすじ&感想
第8話あらすじ
万丞渉(香取慎吾)の元相棒・倉木セナ(シム・ウンギョン)が凶弾に倒れた2年前の事件の真相、そしてアノニマスの正体に辿り着いた指対メンバーたち。
だが、警察の信用を失墜させ、集合知による正義の執行を唱えるアノニマスの暴走は歯止めが効かない。
ネット民だけでなく世論までもがアノニマスの支持を始める中、暴走阻止のキーパーソン・城ヶ崎刑事部長(高橋克実)までもが行方をくらまし…。対アノニマス最後の闘いが始まる!
第8話感想
「ようやく私にたどり着いたようですね」
万丞(香取慎吾)への電話の主はかつての相棒、倉木(シム ウンギョン)だった。
そう、アノニマスの正体は倉木だったのだ。
2年前の事件で、”単独の暴走で自滅した刑事”として自分の正義が処理されてしまっていたことに気付いた倉木は、警察への恨みを”アノニマス”という形で制裁していたのだった。
そんなかつての相棒に対して怒りが抑えられない万丞。
そんな時、事件の真相を知っていた城ケ崎刑事部長(高橋克実)が自殺を図った。遺書には2年前の事件は自分の責任だと書かれてあり、城ケ崎一人がすべての責任をかぶる形になった。そこへ、城ケ崎の娘が万丞たちのもとへ現れる。「父は死んで当然なのでしょうか?」と涙を流す姿にさらに万丞の怒りは増していった。
初回から最終話まで緊迫したストーリー展開をみせてくれた同ドラマだが、番組の途中で必ず流れる香取と草彅剛が出演する毛髪剤のCMも良かった。
シリアスな表情の万丞から、コミカルなミノキ兄弟(弟)を演じるときの香取。
このギャップに多くの視聴者が注目し、話題となっていた。
政治家と警察幹部の不正が暴かれ事件は終息したのだが、ラストシーンでは倉木と対峙をすることになった万丞。
倉木の心の痛みに寄り添えなかったことを詫び、2人は歩み寄れたように思えたのだが、倉木の共犯者の男に撃たれ倒れてしまった。
一命を取り留めた万丞の枕元には倉木の姿があった。「私は私なりの正義を探し続けます」と言い残して病室を後にした。そして目を覚ました万丞も「俺も俺なりの正義を探し続けるよ」とつぶやいた。
シム ウンギョンは作品の後半に難しいセリフが多く、大変だったことが推測できる。
しかし、最後まで倉木という日本人女性の役を違和感なく熱演していた。
今後も注目したい女優さんだ。
誹謗中傷や炎上などキーボードによる殺人、指殺人に対応してきた指殺人対策室。
越谷真二郎(勝村政信)、碓氷咲良(関水渚)、菅沼凛々子(MEGUMI)、四宮純一(清水尋也)など濃いメンバーが万丞と共に事件を解決してきた。
2月末にクランクアップを迎えたときに香取は「大変だったものがあるからこそ、皆さんと一つのものを積み上げていってここまで来れて楽しかったです。この作品に参加できて、本当に幸せでした」と語っている(※同ドラマHPより)
久々のドラマ現場、コロナ禍での撮影は香取にとっても大変だったかと思うがこうして視聴者として一つのドラマを完走できて嬉しく思う。
同作品のシーズン2を強く願うとともに、これからも香取や他の出演者の活躍を応援していきたい。(完)
–{「アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~」概要}–
「アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~」概要
“アノニマス”とは日本語で“匿名”を意味する言葉。日本はネット上の匿名比率が7割と他国に比べて顕著に高い匿名大国(平成26年版情報通信白書より)。
インターネットの誹謗中傷や炎上などが後を絶たず、キーボードによる殺人=指殺人(ゆびさつじん)が、社会問題になっている。
物語の舞台は、この社会問題に対応するため警視庁に新設された“指殺人対策室”。香取慎吾演じる主人公・万丞渉(ばんじょう・わたる)は、ある事件をきっかけに捜査一課の第一線から外された一匹狼ながらも、クセの強いメンバーとともに指殺人に苦しむ人々の事件を解決に導いていく。
顔の見えない犯罪者=アノニマスを捜査し見つけ出す。そんなミステリーを通して現代日本の根深い社会問題、人間ドラマを描き出す。
出演
香取慎吾、関水渚、MEGUMI、清水尋也、山本耕史、シム・ウンギョン(特別出演)、勝村政信
第1話ゲスト
松平健、床嶋佳子、山中崇、八木莉可子、中田青渚
オープニングテーマ
アイナ・ジ・エンド「誰誰誰」(avex trax)
監督
及川拓郎 湯浅弘章 大内隆弘
脚本
小峯裕之、玉田真也 入江信吾