テレビ朝日の土曜夜に新たなドラマ枠「オシドラサタデー」で放送されている生田斗真主演のホームコメディ「書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」。
生田が演じるのは、細々と執筆を続けながら、ベストセラー作家の妻や子どもたちのために家事全般を担う脚本家兼主夫の吉丸圭佑(よしまる・けいすけ)。
ある日、ひょんなことから圭佑に連続ドラマ(しかもゴールデンタイム枠!)の脚本執筆という千載一遇のチャンスが舞い込む。クセの強いドラマの関係者に振り回されながらも執筆&家事・育児に全力投球する圭佑。たとえ今は平凡な才能しかなくても、一緒にドラマを作る仲間や応援してくれる家族がいれば何だって乗り越えられる――!? そんな愛すべきキャラクターに生田が息を吹き込んでいくドラマで、初放送時から好評を得ている。
もくじ
第1話あらすじ&感想
第1話あらすじ
売れない脚本家の吉丸圭佑(生田斗真)は、「香坂りり子」というペンネームで活躍中のベストセラー作家の妻・奈美(吉瀬美智子)、娘の絵里花(山田杏奈)、息子の空(潤浩)と家族4人で平穏な日々を送っている。そう、圭佑は奈美の執筆をサポートするため、家事全般、子どもたちの世話を一手に担う脚本家兼主夫なのだ。
細々と執筆を続けながらも、どこかで「自分には大きな仕事なんてくるはずない…」と思い込んでいる圭佑に、ある日1本の電話が…。その電話の相手は、東西テレビのプロデューサー・東海林光夫(北村有起哉)。なんと、圭佑にゴールデンタイム枠で放送する連続ドラマのメインライターを依頼したいというのだ!
翌日、さっそく東西テレビに向かった圭佑は、東海林、監督・角隆史(小池徹平)、アシスタントプロデューサー・松尾めぐみ(長井短)から、もともとメインライターに決まっていた有名脚本家がケガで降板することになったため、急きょ自分に白羽の矢が立ったことを聞かされる。さらに、ストーリーはおろか、企画内容、タイトルすら何も決まっていない状況にも関わらず、主演俳優だけは、すでにトップスターの八神隼人(岡田将生)に決定していると聞き、あ然とする圭佑…。そんな圭佑に、東海林は「時間がないから明日までに刑事ドラマでストーリー案を考えてきて!」と、いきなりのむちゃブリ!
突然の大抜てきに大喜びする奈美を横目に、大変なことになってしまったと頭を抱える圭佑――。奈美にお尻を叩かれ、なんとか階段下の執筆スペースに向かうが……何も思い浮かばないッ!
圭佑は忙しくなることで、愛する家族や娘・奈美のサポートができなくなるのではないか、と心配する義父母・篠田重幸(小野武彦)と芳恵(梅沢昌代)、そして絵里花目当てに毎日のようにやって来る空の家庭教師・仙川俊也(菊池風磨)らに見守られながら悪戦苦闘! しかも、どんどん追い詰められていく圭佑の前に、謎めいたスキンヘッドの男(浜野謙太)まで現れて…!?
のんびりと穏やかに暮らしていた圭佑の生活が一変、ドタバタの毎日が幕を開ける――!
第1話の感想
長らく目立った仕事に恵まれなかった脚本家・吉丸圭佑に、突如連ドラの脚本依頼が舞い込んできた。脚本家のみならず、ものづくりをするクリエイターにとって”魂”が刺激される展開や台詞回しが多く、見ていて思わず拳を握ってしまうシーンも多い。初回の1話のみ拡大版で1時間の放送だったが、今後は30分枠になってしまうと思うと惜しく感じられるほど面白いドラマ。
飽きずに見られる理由は、場面転換がクルクルと行われる点と、軽快な台詞のやり取りにあるのではないか。コロコロと場面が変わる様はアップテンポでとにかく飽きない。かと思えば、「視聴者に考えてほしい」と意図する場面ではグッと台詞を魅せる展開もある。
慣れない大きな仕事に戸惑う圭佑が、売れっ子小説家である妻・奈美に向かって「奈美みたいにスラスラ書けないんだから」と愚痴を言ってしまう場面がその筆頭だ。普段は良い夫であるにも関わらず、馴染みのない環境に焦りつい弱音を吐いてしまう心理は、誰しも覚えがあるのではないだろうか。
それに対し、奈美は冷静に「書かなきゃ書かなきゃって焦っちゃダメ。こういう時は落ち着いて、客観的に整理するの」となだめ、励ましつつ、具体的な策を提示する。理想の夫婦像を見せてくれるシーンは、どこかドラマ「逃げ恥」を彷彿とさせる。
この夫婦が今後どのようにお互いを助け合い、どんな展開を見せてくれるのか非常に期待が高まる。その一方で、北村有起哉・小池徹平・長井短の三人が演じるドラマプロデューサーチームもなんとも魅力的だ。ほぼ経験なしの圭佑に対し、次々と無理難題を投げてくる様は傍若無人でもあるが、ものづくりに対する姿勢やリスペクトも感じる。クリエイターは必見のドラマではないだろうか。
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第2話あらすじ&感想
第2話あらすじ
ゴールデンタイムの連続ドラマのメインライターに抜てきされた脚本家兼主夫・吉丸圭佑(生田斗真)は、『富豪教師』というタイトルで人気俳優・八神隼人(岡田将生)主演作の執筆を始める。第1話の締め切りまで時間がなく、追い詰められた圭佑は突然現れたスキンヘッドの男(浜野謙太)に失敗を予言されるという妄想に取りつかれ大パニック! そんな圭佑の姿を見た妻でベストセラー作家の妻・奈美(吉瀬美智子)は、口述筆記での手伝いを申し出る。
しかし、それを知った奈美の秘書・秦野ゆかり(野村麻純)は、小説執筆のさまたげになると猛抗議! また、家事を手伝うはめになった娘の絵里花(山田杏奈)や息子の空(潤浩)も不満タラタラ…。一方、吉丸家にやって来た空の家庭教師・仙川俊也(菊池風磨)は、夕飯作りを手伝いながら気になる絵里花とおしゃべりができて、ひとり有頂天…と、なんだかんだ言いながらもフォローしてくれた家族&仙川のおかげで、圭佑はなんとか第1稿を書き上げる。
完成した脚本を手にいざ東西テレビへ向かった圭佑だが、プロデューサー・東海林光夫(北村有起哉)、監督・角隆史(小池徹平)、アシスタントプロデューサー・松尾めぐみ(長井短)の「予想より面白い」という感想にホッとする間もなく、翌日締め切りという鬼のスケジュールで修正を指示されてしまう。さらに如月翔(小越勇輝)という将来有望な若手脚本家が第2話から執筆に加わると告げられて…?
なんだかモヤモヤした気持ちのまま帰宅した圭佑が、洗面台で顔を洗っていると、突然浴室からスキンヘッドの男が! 男はパニックになる圭佑の痛いところをようしゃなく突いてくる…。
心身共にギリギリの状態でようやく第1話の脚本は大詰め、ドラマの撮影に向けて動き出そうとしたその時! 八神の思いつきによって、圭佑は大きな修正を強いられることになり…?
第2話の感想
なぜ圭佑はこれまでの経験が浅いにも関わらず、急なピンチヒッターを受けてしまったのだろう?いくら他に人がいない&スケジュールに余裕がないという条件下であっても、これほどのハードな仕事は自分だけじゃなく周りにも影響が出るのでは……。
1話を観た段階での懸念が、さっそく浮き彫りになる2話であった。
「断るって選択肢はなかったんだよ」と眉間に皺を寄せながら苦しそうに告げる圭佑はかっこいい。これまで目立つ仕事はしてこなかった圭佑だが、曲がりなりにも肩書は脚本家なのだ。すっかり売れっ子小説家である奈美に頼り切りの生活になっていたが、夫であり父である自分が経済的におんぶにだっこでは……と居たたまれなく思う瞬間も、これまでにあったのだろう。作中では描かれていなくとも、過去の逡巡があらわれた台詞のように感じた。
ハードな連ドラ脚本執筆。身体だけではなく心理的にも影響が及びはじめる。浜野謙太演じる通称”つるつる頭”は、ものづくりに悩む&締切に追われがちなクリエイター業にとって、姿形は違えども覚えのある妄想なのではないか。
「書けるのか?」「俺は本当に書けるのか?」ーー時には自分で自分を追い込み、首を絞めてしまう圭佑。仕事とはどんな業界も理不尽なものである。怪しい心理カウンセラーが「つるつる頭はあなたの応援団になってくれます」と仰々しく言っているが、果たして味方になってくれる日は訪れるのだろうか。
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第3話あらすじ&感想
第3話あらすじ
4月期の連続ドラマ『富豪教師Q』の第2話を執筆するはずだった若手脚本家・如月翔(小越勇輝)が降板。東西テレビのプロデューサー・東海林光夫(北村有起哉)から、大至急2話も書くよう連絡を受けた吉丸圭佑(生田斗真)は、がく然…。そんな圭佑の前に、またもや不敵に笑うスキンヘッドの男(浜野謙太)が現れて…。
メンタルクリニックの医師・米虫憲治郎(矢柴俊博)に言われたとおり、スキンヘッドの男を受け入れようと試みた圭佑だが、事態は悪化。米虫に、ベストセラー作家の妻・奈美(吉瀬美智子)や、娘・絵里花(山田杏奈)、息子・空(潤浩)までツルツルになってしまったと訴える。取り乱す圭佑に、米虫は「次にツルツル男が現れたら戦いましょう!」と提案するのだが…?
締め切りが迫る中、如月が書いた第1稿を手直ししてとにかく第2話を完成させようと焦る圭佑の前で、突然奈美が倒れてしまう…! 病院に駆けつけた義父・篠田重幸(小野武彦)や、奈美の秘書・秦野ゆかり(野村麻純)から、なぜこんなことになったのかと激しく責め立てられた圭佑は、今後は奈美に頼らず一人で脚本を書くことを決意する。しかし、いざパソコンに向かうと再びスキンヘッドの男が現れてしまい…?
そんな中、吉丸家にやって来た空の家庭教師で絵里花に恋する大学生・仙川俊也(菊池風磨)は、圭佑らに“ある”提案をするのだが…?
第3話感想
圭佑の仕事を手伝いつつ、自分の仕事は夜にやっていたことから寝不足で倒れてしまった妻・奈美。ひとりでは脚本を書けない圭佑は一気に窮地に立たされることになる。浜野謙太演じる通称・つるつる頭の幻想もそのまま改善を見せず、果たして「富豪教師」2話の脚本は無事に書き上がるのだろうか……?
病院のベッドで安静にしている奈美。様子を心配する圭佑へそっとおくる励ましの言葉があたたかく響く。「プライドがあったって、才能があったって、現場の人からしたら最後まで投げ出さずに書いてくれる人のほうがありがたいんだから」ーー途中で脚本担当を降りてしまった如月翔へのリスペクトを保ちつつ、夫を立てることも忘れない奈美の妻としての魅力は、このドラマの最高の見せ場でもある。
このドラマを見ていると、理想の夫婦像とは何たるか?を考えさせられる。30分の間にテンポ良く進んでいく展開を追いながら、「共に仕事をし家事をし生活を送る夫婦が、互いに心地よく過ごすためにはどうすればいいのか?」を学べるドラマ。仕事もしたいけど家庭もしっかり切り盛りしたいと望む「妻」であり「母」である女性に、とくにおすすめしたい作品だ。
奈美のいない中、なんとか第2話の脚本も無事に完成し、圭佑の悩みの種だった”つるつる頭”にも勝利した。今後もスムーズに脚本が仕上がり、「富豪教師」が大団円を迎えられることを祈るが、次回も一波乱起こりそうである。
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第4話あらすじ&感想
第4話あらすじ
脚本家兼主夫・吉丸圭佑(生田斗真)が手掛ける『富豪教師Q』は、2週間遅れでクランクインし、ギリギリのスケジュールながら順調に撮影が進んでいる…が、圭佑にはホッとする余裕なんて一切ナシ!アシスタントとして口述筆記を手伝ってくれることになった息子・空(潤浩)の家庭教師・仙川俊也(菊池風磨)とともに第5話の執筆に追われていた。
一方、順調に仕事を続けるベストセラー作家の奈美(吉瀬美智子)だが、実はある悩みが…。なんと執筆を引き受けることになった書き下ろし小説が“バンパイアもの”だったのだ!圭佑がスキンヘッドの男(浜野謙太)の妄想に追い込まれながら悪戦苦闘しているドラマと同じテーマの作品を手掛けることに気が進まない奈美だが…?
また、娘の絵里花(山田杏奈)も、仙川と圭佑のことを話すうちに、名前しか知らない“実の父親”のことが気になり始めていて…。
しかし、東西テレビのプロデューサー・東海林光夫(北村有起哉)ら制作陣のむちゃブリに追い込まれ、メンタルクリニックに通いながらギリギリの精神状態で執筆を続ける圭佑は、家族が密かにいろいろな悩みを抱えていることなど知るよしもなく…。
ついに吉丸家に波乱の予感――!?
第4話感想
奈美の代わりにピンチヒッターとして、絵里花の家庭教師である仙川(演・菊池風磨)に口述筆記を依頼した圭佑。あれよあれよと「富豪教師」の脚本執筆は4話へと進んでいる。奈美がいない中どのように立ち向かうかと心配していたが、ギリギリのところで(つるつる頭と攻防しつつ)踏ん張っているようだ。
クリエイター全員を刺激するような台詞回しが多いこの作品。過密なスケジュールに思わず「違うと思ったところは、現場でちょっと直してくれれば、それで……」と弱音を吐く圭佑に対し、「脚本家がそれを言っちゃダメだろう」と静かに叱るプロデューサー。思わず襟を正したくなるシーンだ。
このドラマで少しずつ存在感を強めているのは、女優・山口杏奈ではないだろうか。映画「名も無き世界のエンドロール」では新田真剣佑・岩田剛典のW主演とともに重要な役回りを演じた。SUZUKI SWIFTのCMにも登場するなど、少しずつ露出が増えている。今作では圭佑・奈美の長女である絵里花として、家庭教師である仙川との絡みも多く、キーパーソンとなりそうな予感だ。
30分ドラマとは思えないほど次々とテンポ良く進んでいく展開、追っているだけでアドレナリンが出てくる。この感覚、どこか覚えがある……と思ったら、広告代理店をテーマにしたドラマ「左ききのエレン」が思い浮かんだ。クリエイター同士のぶつかり合い、脚本家・吉丸圭佑は今後どのように動くのか?
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第5話あらすじ&感想
第5話あらすじ
ついに新ドラマ『富豪教師Q』の放送がスタートし、脚本家兼主夫の吉丸圭佑(生田斗真)は、自分の書いた作品が実際にテレビで流れるのを見て感無量。しかし、放送翌日、東西テレビのプロデューサー・東海林光夫(北村有起哉)から告げられた視聴率は、決して褒められるものではなかった。上り調子のライバルプロデューサー・涌本彩子(関めぐみ)からバカにされた東海林はイライラ、そしてすっかりスネてしまった主演俳優・八神隼人(岡田将生)は、楽屋に引きこもってしまう。
一方、自分がパソコンに入力したセリフを俳優がしゃべったということに感激した圭佑のアシスタント・仙川俊也(菊池風磨)は、がぜん大張り切り!そんな仙川とともに意気揚々と第6話のストーリーを考え始めた圭佑だが、早々に頭がパンク寸前!脳がオーバーヒート状態に…。恐る恐る仙川が調べた『脳冷却療法』の施術に向かうのだが…?
そんな中、仙川は思いを寄せる吉丸家の長女・絵里花(山田杏奈)から「相談がある」と部屋に呼び出されて…?
さらに、圭佑のドラマと同じバンパイアをテーマにした書き下ろし小説を書くことに罪悪感を感じていたベストセラー作家の妻・奈美(吉瀬美智子)も、ついにある決意を固める!
脚本執筆でいっぱいいっぱい、家族の状況が少しずつ変化していることにまったく気づいていない圭佑だが…!?
第5話感想
北村有起哉、小池徹平、長井短演じるドラマ制作組は、なんやかんやと無理難題を押し付けてはくるが、仕事に熱く責任感のある人たちなのだと観るたびに思う。第5話では小池徹平演じる角隆史が、圭佑の過去の仕事について触れ、「あの台詞が書けたんだから、今回だって大丈夫ですよ!」と励ましてくれるのだ。
自分が過去に手掛けた仕事までしっかりと目を通し、「あなただからできる」と背中を推してくれるような人と仕事ができたら……これ以上ハッピーなことはないだろう。結局、褒めてくれた当の台詞は圭佑が書いたのではなく、俳優さんのアドリブだったことがわかるのだが……。
決して順風満帆ではない「富豪教師」の制作過程。しかし放送そのものはスケジュールを押すことなく無事に放送されている。毎話のクレジットに「脚本・吉丸圭佑」と出るたびに盛り上がる吉丸家族は癒やしでしかない。脚本家に限らず、ものづくりをしている人間はみな、作品が世に出た瞬間には言葉に言い表せない感情に襲われているのではないだろうか。
完全にお仕事ドラマとして観てしまっているが、恋模様も見逃せない。仙川と絵里花だ。今はまだ一方的に千川が恋心を寄せている段階で、絵里花はそれに気づきながらも小悪魔よろしく手なづけている様子だが……。今後どのように動きを見せるのか?
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第6話あらすじ&感想
第6話あらすじ
脚本家兼主夫・吉丸圭佑(生田斗真)が手掛けるドラマ『富豪教師Q』は、初回の視聴率こそ振るわなかったものの、回を追うごとに右肩上がり!
ついに世帯視聴率が2ケタを突破し、東西テレビのプロデューサー・東海林光夫(北村有起哉)は浮かれに浮かれていた。しかし、東海林のように大喜びする余裕すら圭佑はなく、7話の執筆が一向に進まず、相変わらず追い詰められる日々…。
すっかり行きつけとなった『脳冷却』でクールダウン中に、東海林から呼び出され東西テレビに駆けつけた圭佑は、衝撃の事実を告げられる。なんと主演俳優・八神隼人(岡田将生)が、撮影中にケガをしたというのだ!1週間の松葉づえ生活を強いられることになったため、急きょ“マッチョな変質者に襲われそうになった女子生徒を救う”というアクションシーンの脚本を修正しなければならないという。しかも、恐ろしいことに締め切りは明日…!このアクションシーンが見せ場だと意気込んでいた八神を納得させるだけの代替案を考えなければならなくなり、圭佑は大パニック!ますます追い込まれてしまう――。
一方、“バンパイアもの”の書き下ろし小説の構想を練っているベストセラー作家の奈美(吉瀬美智子)は、気が進まないながらも才能が大爆発!同じテーマのドラマを執筆中の圭佑を絶望の淵に追い込むであろう名作誕生の予感に、複雑な思いを抱えていて…?
また、娘の絵里花(山田杏奈)は、SNSで繋がったDJ YOOなる人物が、実の父親だと確信。弟の空(潤浩)の家庭教師兼圭佑のアシスタント・仙川俊也(菊池風磨)に、家族には内緒で「会いたい」とメッセージを送ってもいいか…と、相談を持ち掛ける。圭佑に言えないまま、絵里花の秘密を共有してしまったことに胸を痛める仙川は…?
さらに、仙川から圭佑が『脳冷却』に通い詰めるほど切羽詰まっていることを聞いた奈美は、自分に悩みを打ち明けてくれなくなったことに寂しさを感じ始めて…?
第6話感想
最初から余談で申し訳ないのだが、本ドラマ放送直前の「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」内において、主人公モコミの兄(花屋)が「吉丸先生に届けるアレンジメントを……」と口にするシーンがある。
吉丸先生とは、圭佑のことだろうか?こういった他作品同士のリンクが見えると、ますます味わい深く感じられるものだ。
相変わらず脚本作りにてんてこ舞いな圭佑だけれど、その様子を尻目に「富豪教師Q」の視聴率は右肩上がり。そして、妻の執筆するヴァンパイアものの新作も傑作の予感だという。目の前の仕事に忙殺され、気が触れそうになりながらも、確実に結果につなげているのは好循環なのではないか。
それにしても、圭佑の妻・奈美の完璧っぷりには毎度、口がぽかんと空いたままふさがってくれない。売れっ子小説家として家計を支え、優しくも気の弱い夫のメンタルケアも忘れず、理不尽に八つ当たりされても「私だってイライラしちゃうかもしれないし」と優しく包みこむーー圭佑のように素直な人間じゃなかったら、こうも完璧な妻を前にして平常ではいられないだろう。
「富豪教師Q」主役の八神(演:岡田将生)が足をケガしてしまい、脚本上、矛盾が発生するところをなんとか修正せねばならない緊急事態にも、奈美が大活躍。ムリのない展開でありながら、八神を含めた制作陣も全員納得の筋書きを提案してみせた。圭佑にとって「立つ瀬がない」とはこのことかもしれない……。
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第7話あらすじ&感想
第7話あらすじ
ついに、吉丸絵里花(山田杏奈)が、本当の父親・村瀬陽太郎(やついいちろう)に「会いたい」とメッセージを送信!それをうっかり後押ししてしまった脚本家・吉丸圭佑(生田真)のアシスタント・仙川俊也(菊池風磨)は、後戻りできない事態に頭を抱えてしまう。そんな仙川と絵里花が発するただならぬ気配を感じ取った空(潤浩)は、“2人に何かが起こった”と察するのだが…?
そんな中、通い詰めている「脳冷却」のラボで働く一条桜子(土村芳)と仲良くなった圭佑は、彼女の名前を、ドラマ『富豪教師Q』の新たな登場人物のキャラクター名にするなど、若干浮かれぎみ…。放送を見て大喜びする桜子におだてられてすっかり有頂天に!そして、またしても空だけが、コソコソしている圭佑と、何かに悩んでいる様子のベストセラー作家・奈美(吉瀬美智子)の“異変”に気づいてしまい…?
ある日、奈美の仕事部屋に入った空は、書きかけの原稿に“バンパイア”の文字を見つける。奈美が圭佑のドラマと同じ“バンパイア”をテーマにした小説を書いていることを知った空はガク然! 奈美の悩みの原因を知ってしまう。
吉丸家でただひとり家族みんなの秘密を知ってしまった空は、大人びているとはいえ、まだ小学4年生…。はたして空は、吉丸家のピンチを救うことができるのか――!?
第7話感想
家族のあいだに次々と起こる厄介事を、すべて把握してしまっているのが次男の空くん。
・脚本制作に苦しみながらも、ひとりの女性と関係を深めつつある父親
・夫の様子を気にかけながらも、またもや名作を生み出してしまう事実に悩む妻
・本当の父親に会いに行こうとしている姉
いくら賢い空くんでも、一気にここまでの厄介事を処理するのは手にあまるのでは……?友人の力を借りながらも何とか処理しようと奔走するが、他の家族は知る由もなく。頭を悩ませる空くんを可愛らしく思う反面、なんとも可哀想な展開になりつつある。
最初は妻である奈美、次に娘の家庭教師をしている仙川、そして最後は親しくなった桜子ーー次々と他者の手を借りながらギリギリのところで脚本制作をこなしてきた圭佑だが、とうとう「最終話までは任せきれない」とプロデューサーから言われるに至る。ここまで血反吐をはきつつも何とか仕上げてきたドラマが、最後には他人の手で結末を迎えることになってしまうのか……?
クリエイティブ心をくすぐられるお仕事ドラマ&家族の群像劇として楽しく見てきたコメディだが、ここにきてどのような最後を迎えるのか読めなくなってしまった。ひとまずは、家族の大混乱をいち早く知ってしまった空くんが、安心して寝られる日が早く来ることを願うばかりである。
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第8話あらすじ&感想
第8話あらすじ
脚本家・吉丸圭佑(生田斗真)は、東西テレビのプロデューサー・東海林光夫(北村有起哉)から、ドラマ『富豪教師Q』の第9話をベテラン脚本家・原口正宗(坂田聡)に任せることになったと言われ、ぼうぜん…。これまで死に物狂いで書き上げてきたのに、ここにきて1話だけ人に任せることになったことに、想像以上にショックを受けている自分に気づく。ひとりでその思いを抱えきれなくなり、米虫メンタルクリニックを訪れた圭佑は、妻でベストセラー作家の奈美(吉瀬美智子)に言えない愚痴をぶちまける。しかし、そこにスキンヘッドの男(浜野謙太)まで現れて…?
一方、奈美は、娘の絵里花(山田杏奈)や息子の空(潤浩)をはじめ、世間の人々を楽しま せているのは自分の小説ではなく、圭佑のドラマの方なのではないか…と、自信をなくしかけていた。
また、圭佑のアシスタントで空の家庭教師・仙川俊也(菊池風磨)は、なぜか絵里花の本当の父親・村瀬陽太郎(やついいちろう)とメッセージのやり取りをする仲になってしまい…?
それぞれが複雑な思いを抱えて迎えた夕食の時間、インターホンが鳴る。モニターに映っていたのは、『富豪教師Q』に主演しているスター俳優・八神隼人(岡田将生)で…!?
そんな中、圭佑はついに最終話の執筆に取り掛かるのだが、ラストをどう締めくくればいいか悩み始める。奈美から「どうしてこの物語を書いているのか、どうして書こうと思ったのかを自分に問いかければ結末は必ず見つかる」とアドバイスされた圭佑は…?
圭佑の仕事が落ち着いたら、すべてを打ち明けようと話し合ったバンパイア小説を執筆中の奈美、本当の父親に会ってみたい絵里花、吉丸家の平和を願う空——。
家族みんなが見守る中、ついに圭佑が原稿を書き上げる。
はたして、初めてゴールデンタイムの連続ドラマという大仕事をやり遂げた脚本家・吉丸圭佑の運命は…!?
第8話感想
ドタバタありつつも、実に美しくまとめられた最終回!この終わり方、大好きです。実際のところは本編を確認してもらいたいところ。脚本家・吉丸圭佑が連ドラを最後まで書き抜き、作り手として一皮向けた一連の流れを見ていて、思わず熱くなってしまった。最終回だからか、岡田将生演じる八神隼人も吉丸家に度々乱入するなど、お祭りっぽい騒がしさがあって最後の一秒まで楽しめた。
そして、外せないのはBiSHのメンバーであるアイナ・ジ・エンドが登場したこと!BiSHとは「楽器を持たないパンクバンド」と銘打たれたアーティストグループで、アイナ・ジ・エンドはメインボーカルを担当。今回のようにドラマにゲスト出演するのは、自身がエンディングテーマを担当したドラマ「死にたい夜にかぎって」以来2回目である。これまで朝の情報番組「スッキリ!」内のワンコーナーでMCを担当するなど、音楽以外の場面でも少しずつ露出を増やしているアイナ・ジ・エンド。このたびのゲスト出演は物語終盤の数秒のことだったが、ファンにとっては見逃せない時間となったのではないか。
最終回を迎えた本ドラマだが、動画配信プラットフォームTELASAではスピンオフドラマである「~大学生仙川俊也の筋書きのない人生~」が絶賛配信中。そしてオシドラサタデー枠第弾は横山裕主演「コタローは1人暮らし」に決定している。5歳でひとり暮らししているというコタローがなんとも可愛らしいが、いったいどんな物語なのか?楽しみに待ちたい。
–{「書けないッ!?〜脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活〜」作品情報}–
「書けないッ!?〜脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活〜」作品情報
テレビ朝日の土曜午後11時台に新たに誕生した30分の連続ドラマ枠「オシドラサタデー」の第1弾。同局の連ドラ初主演となる生田斗真とヒットメーカー・福田靖がタッグを組んだマイ・ホームコメディーで、生田演じる脚本家兼主夫の吉丸圭佑に、突然ゴールデンタイムの連ドラの執筆という仕事が舞い込んできたことで起こる騒動と、彼を見守る家族の絆を優しさとユーモアたっぷりに描く。圭佑の妻でベストセラー小説家の奈美を吉瀬美智子、連日、吉丸家に現れる家庭教師の仙川俊也を菊池風磨が演じる。脚本を手掛ける福田自身や家族とのエピソードが投影された虚実入り混じる世界をコミカルに紡ぐ。
放送日
2021年1月16日(土)スタート
毎週土曜23:30~放送
テレビ朝日系にて
出演
生田斗真、吉瀬美智子、菊池風磨 ほか
脚本
福田靖
演出
豊島圭介
演出
Yuki Saito
プロデューサー
三輪祐見子、黒田徹也、服部宣之、尾花典子、宮内貴子