松村北斗(SixTONES)と森七菜がW主演を果たした、ありそうでなかった三角関係の形を描いた『ライアー×ライアー』がついに公開されます。
義理の弟が恋したのは、JKのフリした血のつながらない姉。ホントの私×義理の弟×ウソの私、2人なのに三角関係の先にある結末とその奥にあるもう一つの真実とは?
これまでにも多く作られたいわゆる“キラキラ映画”に森七菜が遂に参戦した本作は、定番の展開・アイテムを散りばめながら、意外なほどに新鮮さが多く“ハマり要素”の多い映画に仕上がっています。もう見飽きたという人祖必見の既視感と新鮮さが同時に襲ってくるラブコメディ誕生しました。
『ライアー×ライアー』あらすじ
恋愛経験ゼロの地味系女子大生・湊(みなと)は、両親の再婚で義理の弟になった同い年の透と同居中です。
超無愛想なのにイケメンと言うこともあって女癖の悪く二股、三股も平気でやる透の恋愛遍歴が原因で、二人の仲はギクシャクし続け、お互いに冷たい態度を取り合っています。
ある日、親友・真樹の頼みで高校の制服にギャルメイクで渋谷の街に出た湊は、偶然にも透に遭遇……。
まさか、自分が変なコスプレをしているとは思われたくない湊は、とっさに別人のJK“みな”だとウソをつきます。それを信じた透は“みな”にまさかの猛アプローチをかけてくるのでした。
すぐに正体を明かすつもりが、専用のスマホをプレゼントしてきたり、それまでの女関係を全部清算したりと、今まで見たこともない健気で一途な透の姿を見て、真実を言いづらくなった湊は、JKの“みな”として透と付き合うことになってしまいます。
付き合い始めると透の愛情表現はますます強くなって、デート中突然抱きしめたり、公衆の面前でキスを迫ってきたり…。挙句の果てにはみなのためとバイトを重ねて一人暮らしまで始める始末です。
貞操の危機まで訪れて、これではダメだ! と別れるタイミングをうかがう湊ですが、「付き合ってくれて本当に嬉しいよ」と笑う透の顔を見て、不覚にも胸がときめいてしまいます。
その一方で、湊は大学間のサークル交流会で再会した幼馴染の烏丸からも告白され、ありのままの自分を好きになってくれる烏丸に心惹かれていきます。透と別れる覚悟を決めた湊は、「これを最後にするんだ」と“みな”に変装し、親の海外転勤についていくというウソの話をでっちあげて、透に別れを切り出します。「別れたくない。俺、みなが好きだ!」と涙を流す透。真っ直ぐな想いに胸が苦しくなった湊は透を思わず抱きしめてしまいます。透と別れたことで、湊は晴れて烏丸と付き合うことになりますが、透を傷つけた罪悪感で心はずっともやもやしたままです。
一方の透は、“みな”と別れたショックで落ち込んで、アパートに引きこもって音信不通の状態になっていました。そんな透の様子を、透の唯一の友人・桂から聞いた湊は、心苦しさから、再びJK“みな”になり、透のもとに向かいます。 湊のウソはバレれるのか?バレないのか? そしてラストに明かされる、もう1つの《ウソ》とは…?
–{ありがちなのに新鮮!?意外なほどにツボにはまるラブコメディに}–
ありがちなのに新鮮!?意外なほどにツボにはまるラブコメディに
原作は、累計発行部数190万部を突破し、2012年度「このマンガがすごい!オンナ編」にランクインした金田一蓮十郎ベストセラーコミックの『ライアー×ライアー』。ウソから始まる不思議な三角関係ラブストーリーとして多くの女性読者の心を掴んだ本作が待望の映画化、原作ファン、松村北斗ファン、森七菜ファンだけじゃなくラブストーリーファンにも刺さる映画に仕上がりました。
監督を務めるのは、映画監督・CMディレクターとして活躍し、『百瀬、こっちを向いて。』、『映画刀剣乱舞 -継承-』などの作品を手掛ける耶雲哉治。脚本は、第43回日本アカデミー賞にて最優秀脚本賞を受賞した『翔んで埼玉』や、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の徳永友一。ここ数年の話題作・ヒット作を手掛けてきた守備範囲の広いヒットメイカーが揃い、ベタな部分を抑えつつも新鮮さを感じさせてくれます。
世にも奇妙な三角関係を演じるのは今一番勢いのある二人
W主演を務めるのは、2020年1月にCDデビューを果たし、発売3日ミリオンセラーを達成するなど飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続けるグループ・SixTONESのメンバー松村北斗。
ドラマ「パーフェクトワールド」映画『映画 少年たち』など様々なドラマや映画作品に出演し、俳優としての評価も高い松村が、JK姿の義姉・湊を別人の“みな”だと信じてベタ惚れしてしまう透役で、本格ラブストーリー映画に初挑戦しています。
また、主題歌はSixTONESの4thシングル「僕が僕じゃないみたいだ」に決定。初の映画主題歌となっています。 湊の前で見せる《女癖の悪いクール系モテ男》の顔と、“みな”の前だけで見せる《一途な激甘男子》の顔を演じ分け、そのツンとデレのギャップの沼にハマる人が続出するのではないでしょうか。
ヒロインの地味系女子大生湊&ギャル家JKの“みな”を演じるのは、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」で注目され、新海誠監督の大ヒット映画『天気の子』でヒロインのボイスキャストを担当して大ブレイクし、ドラマ「この恋あたためますか」のヒロインとしても大きな話題とを呼んだ中の森七菜。《地味系女子大生・湊》と、《透に溺愛されるギャルJK・みな》をコミカルに演じ分けています。本作で実写映画初のヒロインを好演しています。
これまでの森七菜は『ラストレター』や『青くて痛くて脆い』などのシリアスなドラマ作品が多かった中で、今回はコメディエンヌとしての顔を見せてきませんでしたが、本作ではラブコメディのヒロインを見事に演じ、新たな顔を見せてくれます。
映画『ライアー×ライアー』はこれまでの“少女コミック”“ライトノベル”原作映画にありがちな、血のつながらない姉弟、変則的な三角関係、意外な恋のライバルなど定番のアイテムが散りばめられた内容で、正直どこかで見たり聞いたりしたことのあるようなデジャブを感じる作りの映画です。
しかし、耶雲哉治監督の演出と徳永友一脚本、そしてW主演の二人の好演によって、今までになかったような新鮮さを感じさせる映画に仕上がっています。
(文:村松健太郎)