「麒麟がくる」最終回の大予想!|本能寺の変の流れは?光秀の最後は?

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主人公・明智光秀の人生と同じく波乱万丈の展開を見せた2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」。放送開始の遅れや新型コロナウィルス感染症による放送中断もありましたが、いよいよ2月7日に最終回を迎えることとなりました。

戦国武将を主人公としたこれまでの大河ドラマは歴史上のヒーローが取りあげられていました。そのため、最終回は何かを成し遂げて大往生、名誉の戦死など、最後のシーンが美しくまとまっていました。

しかし光秀は、これまでの歴史の常識では主君・織田信長に反旗を翻した謀反人。本能寺の変の11日後に、備中から取って返した羽柴秀吉に破れ落ち武者狩りによって命を落としたと言われています。しかし、光秀が失意の底で落命するシーンでこのドラマが終了するものでしょうか?

本作の最終回はどのように進むのでしょうか。そして、戦国時代の大河ドラマではことごとく名シーンとなる本能寺の変と織田信長を、どのように描くのでしょうか。

放送の2月7日が待ちきれません。考えてみることにしました。

最終回はどのように進行していくのか

最終回の1話前・第43話「闇に光る樹」のラストシーンで、信長に対して強い憎しみの感情を見せた光秀。その次回予告ではもちろん本能寺の変をチラ見せしています。予想するにあたり、次回予告はもちろん無視できません。また、第43話の同日、23時40分から放送された最終回スペシャルの内容も参考にしながら、考えていくことにしましょう。

領地召し上げのエピソードは出るか

第43話の最後は、安土城での徳川家康の饗応シーンでした。これは5月15日~5月17日ごろの話で、本能寺の変のおよそ2週間前のエピソードです。

他作品で良く取りあげられる本能寺の変の周辺シーンとしては、近江・丹波という領地召し上げの話があります。その時点で奪っていない出雲・石見に国替えせよ、という信長の命令に対し憤るもの。

この命令を通して光秀は怒りを更に増し、挙兵の準備をするのではないでしょうか。

ときは今 雨が下る 五月哉

本能寺へむかう直前の光秀の定番シーンは、

ときは今 雨が下る 五月哉

と発句を詠むものです。歴史的には5月28日に愛宕山での連歌会で光秀が詠んでいますが、大河ドラマでは演出上、連歌会以外のセリフとして用いられているケースも少なくありません。

光秀がこの句をどのタイミングで詠むのでしょうか。

愛宕山の連歌会は愛宕山の僧・行祐や連歌師の里村紹巴が参加しているのですが、最終回でいきなりそうした人を登場させないように思います。もっと重要なところに人も時間も配置するのではないかと。

とすれば、光秀がこの句を詠むのは、連歌会以外ということになると思います。

具体的なシーンまではわかりませんが、なにかの折で夜空に向かって、もしくは移動中の馬上でつぶやくように詠む、と予想します。

本能寺での戦い

第43回の次回予告では、比較的明るい中、騎馬で移動する明智軍のシーンが出てきます。

そして、本能寺内の建物の縁側で戦う信長、左肩に矢を受ける信長のシーンが出てきました。

本作で、ここまで濃厚に描いてきた光秀と信長の確執の総決算が軽く扱われるはずがありません。

さらに「NHK大河ドラマ 麒麟がくる オリジナル・サウンドトラック Vol.3」では

・本能寺 I Honnoji Part 1

・本能寺 II Honnoji Part 2

というトラックが合わせて16分あります。濃密に描かれていくでしょう。

近頃の研究では光秀が本能寺に向かわなかったという説も提唱されていますが、ドラマ的には光秀が本能寺にいかなければ盛り上がりません。

2002年放送の「利家とまつ」では、戦闘の最中に萩原健一さん演じる光秀が反町隆史さん演じる信長に直接、打倒宣言をしています。

麒麟がくるのクライマックスで、光秀が信長に話しかけるシーンがあったとしても不思議ではありません。己の信じる道を、信長に声高に伝えるのではないでしょうか。

信長はどのように自刃するのか

信長の自刃シーンも大きな見どころです。炎に包まれた本能寺の奥で信長が敦盛を歌い自害する、という流れが定番です。その流れのなかで過去、様々な俳優が演じる信長が渾身の演技を魅せました。染谷将太さんがどのような信長の最期を描くのか、ワクワクが止まりません。

友情と敵意の入り混じった光秀との関係を走馬灯のように思い出しながら敦盛を舞う信長、というシーンを想像してしまいます。

ここについては、予想自体は特に難しくもないと考えています。しかし、演出面はとても凝ったものになるでしょうし、予想ができないものではないかと考えています。

–{変の後の光秀について}–

変の後の光秀

光秀は本能寺の変の11日後、山崎の合戦で羽柴秀吉に敗北します。

秀吉軍は織田信孝や池田恒興・丹羽長秀など織田家の重臣が揃っているのに対し、光秀軍は頼りにしていた細川藤孝や筒井順慶に協力を訴えるものの断られました。

敗走する光秀は落ち武者狩りに遭って命を落としたと言われていますが、本作でこのような悲惨なエンディングになるとは考えにくいのです。

それでは、この物語をどのようにクロージングしていくのでしょうか。

細川藤孝・筒井順慶の不義理

まず、眞島秀和さん演じる細川藤孝も、駿河太郎さん演じる筒井順慶も、作中で色濃く描かれていきました。この二人が最終回に描かれないはずはないと考えます。おそらく光秀は、失意の中で戦いに臨んだことでしょう。

光秀の失意の演出のため、細川藤孝・筒井順慶は視聴者に悪印象を与えるような断り方をしてくるのではないかと予想します。

中国大返し

一方、ニュースが出ていた通り、かつて軍師官兵衛(2014年)で秀吉の懐刀・黒田官兵衛の重臣である栗山善助を演じた濱田岳さんが、本作で黒田官兵衛を演じることが明らかになっています。

本能寺の変と黒田官兵衛といえば、信長横死の報を聞いてショックを受ける秀吉に対し「明智光秀を倒して天下を取る好機」とハッパをかけたシーンが有名です。

このことから、本能寺の変の後、秀吉が中国大返しを決断するシーンがあることは間違いないと考えられます。秀吉軍が畿内に向かってドドドドドと走るようなシーンまで描かれるのかもしれませんね。

最後のシーンはどう描かれるのか

ドラマをクローズするにあたり、山崎の合戦後の光秀まで描かれるかどうかも注目ポイントです。

最終的なクローズを考えてみました。

山崎の合戦前で終わる

頼りにしていた細川・筒井の助力を得られなかった光秀が「それでも理想のために!」と秀吉戦に立ち向かうシーンで終わるのを本命予想とします。

山崎の合戦を光秀視点で美しく描くのは難しいのではないか。そこに尺を取るのは勿体ないのではないかと考えました。

悲壮感をまといながらも、それでも求める理想に向けて進む姿で終わることで、新型コロナウィルス感染症に対抗する全人類の戦いを投影できるように思います。

山崎の合戦後、命を落とす

しかし、敗走する光秀を描く可能性が0とも言い切れません。2016年に放送された真田丸の主人公・真田信繁(幸村)は、大阪夏の陣で戦死しました。

ドラマでは、追い詰められた信繁が切腹の構えをし、忍びの佐助が介錯の構えをしたところで信繁のシーンが終わります。最後は信繁の兄・真田信之が信繁のことを考えるシーンを持ってきました。

同様の形で、直接的に命を落とすシーンを省いて光秀を退場させ、光秀を好意的に見ていた朝廷勢・駒や伊呂波太夫・帰蝶などが悲しむようなシーンを見せて終わるのではないか、というのが対抗予想です。

光秀の切腹後の処置ができる人間は……。そう。菊丸がいるではないですか。

光秀は天海だった!

山崎の合戦に敗れたものの生き延びて、いずれ徳川家康のブレーンであった天海になる、といった大穴の結末があったら面白い……、といったところでしょうか。

光秀=天海説は明智光秀は生きていた?「天海説」は「麒麟がくる」では使われるのか?で細かくご紹介しています。ご一読ください。

結末に注目だ

ハッピーエンドで終わらせることが難しい主人公だけに、本能寺の変の後の描き方は注目です。主人公の属性は異なるものの、志半ばで敗れた敗軍の将・真田信繁を描いた真田丸を参考にしつつ結末を予想してみましたが、当たってほしい反面、こうした予想を遥かに上回る驚愕のラストを見てみたいものです。

大河ドラマを彩る名シーン・本能寺の変。本作がその歴史に新たな1ページを刻むことは間違いありません。

それに加えて、それまでは謀反人として見られていた光秀の常識を覆せる映像となることを願ってやみません。

(文:奥野大児)