「あ～、はいはい。また“アイドルを目指して頑張る系”ね」
なんだか既視感あふれる映像にこんな感想を抱いた、その1分15秒後。デスメタルをBGMに主人公が車に轢かれるなんて、誰が想像しただろうか。
1話冒頭で物語が終わってしまったアニメ、それが『ゾンビランドサガ』だ。
そもそもこのアニメ、放送前の事前情報があまりにも少なく「得体の知れなさ」がすごかった。しかもアニメの放送が始まったからといって、この「得体の知れなさ」が解決されるわけでもないのだ。
「ゾンビでアイドルグループを組んで佐賀を救う」なんて説明を聞いたところで、倫理破綻もいいところだとしか言いようがない。戸惑う主人公の気持ちが痛いほどわかる。
ただ人というものは不思議なもので、「得体の知れなさ」の先を見たくなるのだ。彼女たちはなぜゾンビになったのか、どうしてこの場所に集められたのか、なぜアイドルでなければならないのか。そしてゾンビを恐れない巽幸太郎とはいったい何者なのか―—。いろんな謎が渦巻く混沌の世界に、きっとあなたもいつの間にか巻き込まれているだろう。そして口ずさむのだ、ゾンビアイドル“フランシュシュ”の数々の名曲を……。
そして2021年4月。ゾンビアイドル“フランシュシュ”は再び『ゾンビランドサガ リベンジ』として、テレビに帰ってくる。
最終回が終わる頃、佐賀県という言葉は、新しい意味を持つだろう。
※TVアニメ「ゾンビランドサガ リベンジ」公式サイトより引用
ああ、相変わらず得体が知れない、わけが分からない。佐賀県は佐賀県でしかないと思わずにいられない。だたそれでこそ『ゾンビランドサガ』なのだ。
ゾンビものでも、アイドルものでもない。ジャンルに当てはめられない混沌アニメで、自分の常識が覆る瞬間に立ち会ってみてはいかがだろう。
（文：クリス）
–{『ゾンビランドサガ』エピソード紹介}–
『ゾンビランドサガ』エピソード紹介
第一話 グッドモーニング SAGA
生きる屍がある洋館でひっそりと目を覚ます。自分が誰でそこがどこか、何もわからないまま、生きる屍は徘徊する。やがてその生きる屍は恐るべき現実を目の当たりにし、自らの運命を告げられる。
第二話 I♡HIPHOP SAGA
ただのゾンビィだったメンバー全員が自我に目覚め、さくらは安心する。やっとアイドルグループとしての活動が始められることになり、巽幸太郎は彼女たちにゾンビィバレした時の恐怖を叩き込もうとする。
第三話 DEAD OR LIVE SAGA
佐賀城でのイベントが想定通りに盛り上がるものの、全体的にアイドルらしさが足りない。そこで彼女たちに強引にアイドルらしいことをさせようとする。そして、経験者である愛と純子を先頭にするが…。
第四話 ウォーミング・デッド SAGA
“フランシュシュ”というグループ名が決まり、リーダーもいつの間にかサキに決まっていた。少しやる気を出したゾンビィたちに稼いでもらおうと、巽幸太郎はフランシュシュを温泉営業へ向かわせる。
第五話 君の心にナイスバード SAGA
製薬会社とのタイアップのチャンスを見事に潰したフランシュシュ。しかし、プロデューサー・巽幸太郎は誰もが知っている超有名企業のCM出演権を獲得し、フランシュシュはさらに活躍の場を増やそうとしていた。
第六話 だってセンチメンタル SAGA
ゾンビィである7人のメンバーたちによる懸命な活動とプロデューサー・巽幸太郎の手腕により、フランシュシュにもファンがついてきた。その心をさらに掴むため、幸太郎はファンとの交流を企画する。
第七話 けれどゾンビメンタル SAGA
野外音楽イベント・サガロックへフランシュシュが出演することが決まった。しかし、相変わらず純子がうじうじとしている。メンバーは不安そうな上に、愛にかかるプレッシャーはますます強くなり…。
第八話 GOGO ネバーランド SAGA
サガロックでのステージは成功に終わり、フランシュシュの名も次第に知られるようになってきた。しかし、有名になったことで変な男に目を付けられる。それがきっかけでメンバーたちは重大な事実を知ってしまい…。
第九話一度は尽きたこの命 なんの因果か蘇り 歌い踊るが宿命（さだめ）なら 親友（とも）への想いを胸に秘め 貫くまでよ己の SAGA
少子高齢化社会に向けて、“サガ”の老人たちにもフランシュシュのファンになってもらわなければならない。そんな閃きから、フランシュシュはおじいちゃん、おばあちゃんが会いにくるアイドルを目指し…。
第十話 NO ZOMBIE NO IDOL SAGA
老人たちだけではなく、やんちゃなファンも増えたフランシュシュ。巽は死んでいるにしてはすくすくと成長しているゾンビィたちをさらなる高みへと行かせるため、新たな一歩を踏み出させようと決める。
第十一話 世界にひとつだけの SAGA
ついにさくらの生前の記憶が戻るという事態に陥ってしまった。それをきっかけに彼女のめちゃくちゃな元々の性格が判明してしまう。フランシュシュのメンバーはさくらを元に戻そうとしているが…。
第十二話 グッドモーニング アゲイン SAGA
さくらの記憶が戻らない。「持っとらん」とうるさいさくらだったが、巽は「ゾンビィランドサガ・プロジェクト」のためにフランシュシュをアルピノのステージに立たせようと自分を奮い立たせる。
–{『ゾンビランドサガ』作品概要}–
『ゾンビランドサガ』作品概要
イントロダクション
いつもの朝。いつもの音楽。いつもの自分。
7人の少女たちの安寧は、突如崩壊する。
死して蠢く、ゾンビによって……
否応なく踏み込んだ世界、そこは“最高×最悪のゾンビワールド”
少女たちの願いは、たった一つ。
「私たち、生きたい。」
これは、少女達が起こす奇跡の物語(サガ)。
MAPPA×エイベックス・ピクチャーズ×Cygamesの３社が偶然にも手掛けた
100％肉汁オリジナルアニメが誕生！
年齢も性別も時代も超えて、びんびんに刺激する『新感覚ゾンビ系アニメ』の幕がいま上がる。
キャスト
宮野真守 （巽 幸太郎）
本渡楓（源 さくら）
田野アサミ（二階堂 サキ）
種田梨沙（水野 愛）
河瀬茉希（紺野 純子）
衣川里佳（ゆうぎり）
田中美海（星川 リリィ）
三石琴乃（山田 たえ）
吉野裕行（警察官A）
高戸靖広（ロメロ）
スタッフ
原作：広報広聴課ゾンビ係
監督：境 宗久（劇場版『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』）
シリーズ構成：村越 繁（アニメ「シドニアの騎士」）
キャラクターデザイン：深川 可純（アニメ「アイドリッシュセブン」）
美術監督 ：小倉 一男
撮影監督 ：柳田貴志
色彩設計 ：佐々木 梓
編集：後藤 正浩
音楽：高梨 康治
音楽制作：エイベックス・ピクチャーズ
音響制作：dugout
アニメーション制作：MAPPA
